極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

カステル・デル・モンテのアクアサルサ

2012年11月01日 | WE商品開発

 

 

 

 

       Du bist verantwortlich für das, was?
       Es ist etwas, das täglich benötigt

 

    目が覚めると、不安で、骨の芯まで孤独だった。
    頭に浮かぶのは、コーヒーと煙草のこと、
    それだけ。言うまでもなく、これを吹き払うには、
    仕事をするしかない。
    「君の責務は何だ? それは日々が要求するものなのだ」と
    ゲーテは言った。あるいはその手の誰かが。
    でも僕には責務という感覚は、まるでない。
    何をしようという気持ちも起きなかった。
    意志も記憶も、すっかり失われたみたいな気がした。
    と言うか、実際にそうだった。そのときにもし誰かがやってきて、
    コーヒーをすすっている僕にむかって、
    「私があなたを必要としているときにあなたはどこにいたか?」

    あなたは人生をどのように費やしてきたのか?」  
    「ほんの二日前にあなたは何をしていたか」そんなことを尋ねたとしたら、いったい
    どう答えればいいのか? 僕は相手をぽかんと見るだけだろう。
    それから僕はやってみた。二日前のことを、思い出してみた。
    モリスと車に乗って、あの道路の先端まで行った。
    ジープから魚釣り道具を出した。
    かんじきの紐をしめて、真っ白い野原を歩いて横切り、
    河にむかった。ときおり後ろを振り向いて、
    自分たちの残した不思議な足跡を
    眺めた。兎たちがとびあがり、鴨たちが頭上をよぎり、
    生きていることが嬉しくてたまらなかった。

 



    それからインディアソたちの姿が見えた。胸までの長靴をはいて、
    河の中に立っていた! 僕らが釣ろうとしていたたまりで、
    網でスティールヘッドをとっていたのだ。
    河口のすぐ手前の深みのところで。
    彼らはきびしく沈黙をまもって仕事をしていた。口には
    煙草をくわえていた。ちらりとも顔をあげなかったし、
    そのほか、僕らの存在に気づいたようなそぶりも
    見せなかった。

    「参ったなあ」とモリスは言った。
    「やってられないよ」。僕らはかんじきのまま野原を
    歩いて戻った。不運を呪い、イソディアンたちを呪いながら。
    あらゆる面で特筆すべきことのない一日だった。
    ただ僕がジープを運転しているときに、
    モリスは僕に、手の甲に残った三インチの傷跡を
    見せた。へら鹿撃ちのキャソプで、
    調理ストーブの上に転んでしまったのだ。
    でもこれはみんな、一昨日に起こったことだ。
    僕から逃げていったのは、網をするりと抜けて、海に戻って
    しまったのは「昨日」なのだ。



    それでも今、こうして道の向うの方から届く微かな声に耳を傾けていると、
    すべてを思い出せそうな気がする。僕はそこで理解するのだ、
    昨日という日は、その独自の容赦なきロジックを持っていたということを。
    今日と同じように。また僕の人生のほかの日々と同じように。

 





                                                                    レイモンド・カーヴァー “ The white field

                             村上春樹 訳 『真っ白い野原』

 

 

  Acquasala(panzanella pugliese)

【イタリア版食いしん坊万歳:アクアサルサ、プーリア風パンツァネッラ】

薄切りにしたパンに水をかけ、固さがあまり失われないうちに布で水気を取る。そして、半分に切った
トマトをパンにゆっくりとこ
すりつけ、パンの柔らかい部分にトマトの果肉をしみ込ませる(後に残っ
た固い部分や皮は捨てる)。
すべてのパンにこの作業をしたら、オレガノと塩とタマネギのみじん切り
を混ぜて、パンにふりかける。次に、オリーブ油をかけ、
しばらく置いてできあがりである。 昔はト
マトがなかったので、パンはタマネギと塩だけで味付けさ
れた。そして、十字軍の時代にプーリア地方
の農民達は、この食べ
物の火皿をのせたテーブルを自分達の家の前に用意して、イタリア南部のブリン
ディシから船出するために赴く勇士たちを歓迎したの
である。それが兄弟精神からなされたことには間
違いないのである
が、一方で鶏小屋や、内気な年頃の娘たちがいる農家に彼らが入り込まないようにす
るためでもあったされる。

材 料:薄切りにしたパン400 g (自家製の固いフスマ入りのパン)、オリーブ油 80cc、新鮮なタマネ
    ギ 80g、
トマトの果肉 50g、オレガノ、塩

 

  Castel del Monte

 

 

【究極の加湿器のダウンサイジング】 

加湿器がどんどんダウンサイジングしている。原理は調音パン振動でキャビテーション(空洞化現象)
で蒸気発生させているのだが、イデアインターナショナル社のBRUNO(ブルーノ) パーソナル超音波加湿
器 TULIP STICK チューリップスティック USB加湿器 は、USB電源で連続/間欠の選択稼働で加湿用の
水を入れる容器がなく、本体をコップに生け花のように挿入するだけ、浸漬部の吸湿毛管繊維(吸水芯)
から吸い上げた水を超音波振動子の気化圧力で蒸気を噴霧し、時間あたり30ml以上の加湿能力と切り忘
れタイマー(2時間)付きの優れもののようだ。もっとも、これから発注するので品質評価はこれから
だが、ドライアイ対策には効きそうだ。また、イデアインターナショナルが独自の技術で開発してきた
のかの身元は今のところ不明だ。




しかし、これは面白いと思う。例えば、発熱を抑える壁とかシリコン系太陽電池パネルの冷却とかに応
用できる。つまりダウンサイジングすることでフレキシブルな加湿機能を持たせることが出来るのでは
ないかと思わせる小さな発明だ(新規考案の身元も不明)。

  

 

 

 

コメント
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