極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

エコな上段の構え

2012年11月26日 | 環境工学システム論

 

 



リユースを手掛ける企業で勤務していた筆者が、退職後、3ヵ月をかけて東南アジアの7カ国を巡り、
ポジティブなゴミの可能性を探る旅に出て、各国のゴミ事情を紹介本。ベトナムのリサイクル村、イン
ドネシアのゴミ銀行、フィリピンのゴミ山に住む人々など、ゴミに関わって生きる現地の人々のエピソ
ードはどれも興味深い。帰国後、東関東大震災で被災した仙台で支援に携わった筆者は「活用された時
点で、ゴミはゴミで無くなり、資源となります」と説<。一読すれば、普段意識しないゴミに対する見
方が変わるという見出しが興味を惹く。例えば、インドネシアで、NGOが経営するジャンクショップ「
ゴミ銀行」もゴミの再利用に一役買う。「ゴミ銀行」とは、各人が持ち寄ったゴミの値段を通帳で管理
できる銀行。窓口にビニール袋や紙、ビンなどのリサイクル可能な物品を持っていくと、通帳に品物の
種類と重量が記載され、毎月この資源はまとめて業者に売却され、個々人は預けた重量に応じて現金を
得るという仕組み。この「銀行」が設立されたことで、人々は「ゴミがお金になる」ことに気づき、ポ
イ捨てが格段に減ったという。「ゴミ銀行」の会員は2011年時点で252人まで増え、町をきれいに保つ
とともに、低所得者層の支援をする役割を果たしているという。早速、ネット通販で取り寄せることに。

ガリウムリサイクルフロー

まだ、市場に出ていない段階から上のようにリサイクルなどの静脈産業を含めて事業をトータルに構想
することは持続可能な社会(=環境リスク本位制)にはとても大切なだ。構想段階から詳細な検討課題
を積極的に取り込むこと=大上段の構えは激しいビジネス競争に打ち勝つためにはリスクが大きいが、
このようなアンビバレンッツなことだが、このことから避けて通れれないのこれからの事業の前提条件
であることを肝に銘じておかねければならない。つまり、これが新しい時代のビジネスの試練である。
こんなことを考えるきっかけとなったのは、三菱マテリアル株式会社ガリウムリサイクルの技術の開発
に成功したニュースだ。周知の通り、ガリウムはガリウムヒ素(GaAs)、ガリウムリン(GaP)、ガリウ
ムナイトライド(GaN)などの発光素子としてLEDディスプレイ、携帯電話、LED照明機器にに使われてい
て、特にLED照明機器は省エネルギー、環境負荷の観点から白熱電球の代替として積極的に普及が進めら
れている。また、Gaは省資源化が期待されるCIGS(Cu-In-Ga-Se)太陽電池や高解像度、低電力、高輝度が
期待される次世代液晶ディスプレイ用薄膜トランジスタのIGZO(In-Ga-Zn-O)半導体の材料として使用さ
れ、GaNに至ってはLED材料だけではなく電気自動車やハイブリッド自動車用の次世代パワーエレクトロ
ニクス材料としても使用される。


世界のGa需要量は200トン/年前後で推移しているが需要は大幅に拡大することが予想されていて。
主に
亜鉛、アルミニウム精錬の副産物として得られ、その供給量は亜鉛やアルミニウムの生産量に左右され
ため非常に不安定な元素であり、また国内生産では必要量が賄えないため、レアメタルやレアアース同
様、海外からの輸入に頼らざるを得ない元素。これまでもスクラップからのリサイクルが行なわれてい
た元素だが、これまで以上に安定供給、省資源化、低コスト化そして環境負荷低減という観点からのリ
サイクルの促進が望まれている。特に次世代
太陽電池(中間バンド型量子ドット)のシリコン系半導体
として使用されることから、製造-消費のサイクルから排出されるガリウムの完全回収システムを構想
しておくは大変重要な課題となる。
ところで、ガリウムは、アルミや亜鉛の精錬時に、分離回収するが、
おおまか(1) 直接電気分解、(2)溶媒抽出、(3) イオン交換によりバイヤー法溶液からこれまで回収され
てきたが、最近は、金属とガリウムを含有する酸性水溶液と官能基としてポリアミノアルキレンカルボ
ン酸基を有するキレート樹脂を接触させ、ガリウムを効率よく回収する(特開2012-17512 ガリウムの
回収方法)などの
種々の改良、新規考案が提案されてきている(参考に下図をダブルクリック)。

このなかで、特に面白いと思ったのは、三菱化学のガリウムの回収方法(特開2003-082422)で、ガリ
ウム含有物質とメタロチオネインまたはその変異体とを接触させて、ガリウムを当該メタロチオネイン
またはその変異体に吸着させる工程を含む、ガリウムの回収方法でガリウム含有物質から、低コストで
効率よくガリウムを回収することを可能にする生体工学あるいは生物工学的手法。どの程度の実績があ
るのかわからないが、生体あるいは生物細胞に吸着分離させる方法は、今回の福島原発事故の汚染水の
処理方法として短期間だが考察しこともあり、過去に現場での経験もある。この方法の展開も面白いの
だが、この考え方を拡張していくと、既存の下水処理場やゴミ焼却場の焼却設備に、超精密バグフィル
タなどの膜分離装置を拡張増設(初期コストを配慮する政策推進下)することで、微量といえど全国の
総回収焼却灰のガリウムなどの有価重金属、レアーアース、レアーメタルがリサイクルできる可能性が
あるので確認する必要の上、抵抗コストでエコな回収方法が見いだせるかも知れない。

特開2003-082422

 

  Filetti di sogliola con salsa all'uovo

 【イタリア版食いしん坊万歳:舌ビラメの卵ソース和え】

材   料:1尾を5枚に切った舌ビラメの切り身12枚、卵黄6個分、小麦粉、バター80g、マルサラ酒
      100cc、塩、コショウ

つくり方:舌ビラメの切り身に小麦粉をまぶしバターで丁寧に焼く。小さいボールに卵黄とマルサラ酒
     100cc、塩、コショウ少々を入れ、混ぜ合わせソースを作る。このソースを舌ビラメにかな
     り火が通った頃にかけ、さらに少し煮続けてすぐに供する。


朝から一日雨。少し咳がおさまり小康状態。気がつけば正午を越えていて、慌てて昼食を取る。すこし
作業を続
け横になると、珍しくそのまま小一時寝込む。そんな風にして今日も過ぎていく。ガリウムの
回収方法やバイオマス燃料技術開発のサイトアップをすませる。今夜はこれから月九の「プライスレス」
を観る。それで終わりだ。
 

 

コメント
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