そのころに僕らのうちの淮が生き残っているだろうか-
老いぼれて、目もろくに見えず、顛もぼけてj
でも死んでしまった友だちのことだけは話したい。
いつまでも際限なく話している。古い蛇口の水漏れみたいに。
そんなわけで、若い人たちは、
恐れ入りつつ、うるわしくも好奇心をそそられて、
その回想によって
心を揺さぶられることになるだろう。
あの名前、この名前、あるいは誰それと一緒に
何をやった、というようなことが口にされただけで
(もう死んでしまった高名な人物について
誰かが話すのを聞くとき、僕らが恐れ入りつつも
胸をわくわくさせたのとちょうど同じように)
僕らのうちの誰について彼らは
友人たちに向かって言うだろう?
あの人は誰それを知っていたんだよ。-とは友だちでね、
一緒にあれこれやったんだってさ。
大きなパ-ティーがあってね、
みんながそこにいたんだ。みんなでお祝いをして
夜明けまでダンスした。互いの
身体に腕をまわして
太陽が上がるまでダンスした。
でもみんな死んでしまった。
僕らのうちの誰が、こんな風に言われるだろう?
あの人は彼らと知りあいだったんだよ、と。彼らと握手し
彼らを抱擁し、彼らの居心地のいい家で
一夜を過ごしたんだ。彼らのことを愛したんだ!
友よ、僕は君たちが好きだ。ほんとうに。
そして幸運にも、栄誉なことにも、
そのときまで永らえて、生き証人の役を担えたらいいなと思う。
信じてほしいけど、僕は君たちについて、ともに過ごした時について
最高だったことしか口にしないぞ!
生き残ったものたちには、楽しみのひとつとつくらい
あってしかるべきだ。年老いて、
全てを、みんなを亡くしていくんだものね。
Which of us will be left then –
old, dazed, unclear –
but willing to talk about our dead friends?
Talk and talk, like an old faucet leaking.
So that the young ones,
respectful, touchingly curious,
will find themselves stirred
by the recollections.
By the very mention of this name
or that name, and what we did together.
(As we were respectful, but curious
and excited, to hear someone tell
about the illustrious dead ahead of us.)
Of which of us will they say
to their friends,
he knew so and so! he was friends with ___
and they spent time together.
He was at that big party.
Everyone was there. They celebrated
and danced until dawn. They put their arms
around each other and danced
until the sun came up.
Now they're all gone.
Of which of us will it be said –
he knew them? Shook hands with them
and embraced them, stayed overnight
in their warm houses. Loved them!
Friends, I do love you, it's true.
And I hope I'm lucky enough, privileged enough,
to live on and bear witness.
Believe me, I'll say only the most
glorious things about you and our time here!
For the survivor there has to be something
to look forward to. Growing old,
losing everything and everybody.
レイモンド・カーヴァー “in the year 2020”
村上春樹 訳 『西暦2020年』
【ピラミッドの経済学Ⅱ】
ピラミッドの建造は多数の奴隷を用いた強制労働によるという説が主流であったが、当時の
技術力・国力からして奴隷労働なしでも20年程度で完成可能と考えられる点、奴隷を徴用し
た証拠がないという点から、近年のピラミッド労働者の村の発掘で、労働者たちが妻や子供
といった家族と共に暮らしていた証拠や、怪我に対して外科治療が行われていた痕跡が墓地
の死体から見つかり、奴隷労働説は否定されている。そもそも古代エジプト社会は古代ロー
マや古代アテナイの社会と異なり、農業や手工業といった通常の生産労働も奴隷労働に依存
せず自由身分の農民で成立し、奴隷は家内奴隷が主体だったといわれる。先々回にも紹介し
たように、クフ王の大ピラミッドについて、1978年に大林組が「現代の技術を用いるなら、
総工費1250億円、工期5年、最盛期の従業者人数3500人という。1立方メートル当たりの価
格はコンクリートダムが 2万4000円前後に対してピラミッドは4万8000円との試算だった。
まぁ、その当時の奴隷労働と比較のしようがないが、労働賃金が正社員?の1/2程度で計算
するなら単純計算で半値で済むけれど、オール奴隷使い捨て状態ではピラミドの建造では不
可能だろうと思える。
さて、オバマが再選されたが、就任早々「財政の崖(フィスカル・クリフ)」が待ち受けて
いるといわれる。2000年代に始まった所得税などに対する大型減税策、いわゆる「ブッシュ
減税」が2012年末に期限切れに加え、2011年にアメリカの債務上限が問題になった際に2013
年1月から国防費を中心に10年間で最大1兆2000億ドルの歳出削減の実行がまっていて、緊縮
財政→景気後退の引き金となるためそう呼ばれている。そのため政権内では減税と歳出削減
で2013年1月から最大約4100億ドル(GDP比2.7%)の財政緊縮となり バーナンキFRB議長は「財
政の崖」に対し、6月に何らかの追加緩和策を打ちだすと見られ、オバマは中国など新興国と
の競争に苦しむ製造業に的を絞り、百万人の雇用創出を公約。中間層の重視と財政再建のた
めの富裕層向け増税を訴えたものの公約がスムーズ実行できるのか疑問である。つまり、前
述の「ピラミッドの経済学Ⅱ」での公共事業に当たるものがない。風力、太陽光など再生可
能エネルギーと原子力発電を拡大、強化し、老朽化が目立った送配電網など電力の供給ネッ
トワークからスマートグリッドへの転換、再構築しようという「オバマのグリーンニューデ
ィール」はシェールガスで吹き飛んび地球温暖化対策とは逆行する事態となっている。つま
り、資源節約型需要拡大政策=グリーンニューディールは資源浪費型需要拡大政策に変質し
たと見えるほどだ。 Seigniorage
また、行き過ぎた基軸通貨国の立場を利用しての信用乱発・金融緩和(ドル、米国債の垂れ
流し)による、停滞とインフレのスタグフレーション(stagflation)に陥る懸念も念頭に入れ
ておかなければならないだろう。また、シェールガスについて言えば、世界各地で発見され、
商用化に向けた動きが始まっていて、世界最大のCO2排出国である中国は世界最大のシェー
ルガス埋蔵量があるとされ、米中がシェールガスに傾けば、CO2排出の本格的な削減は事実
上進まなくなる。この状況を変え、低炭素社会実現への流れを復活させるには、再生可能エ
ネルギー技術と事業モデルの実現、原子力の信頼回復が前提となり、持続可能社会実現に向
けたは国民的運動と資源浪費型需要拡大というグリーン・ニューディールからグリーン・イ
ノベーション運動の如何が肝となる 。
【イタリア版食いしん坊万歳:紫キャベツのズッパ】
材 料:紫キャベツ1~2個(大きさによって選択)、タマネギ1個、ニンジン1本、セロ
リの茎1本、パセリまたはバジリコ、タイム、オリーブ油、自家製の固いパン、ブ
イヨン、塩、コショウ、(ジャガイモ)
作り方:トスカーナ地方の人々は紫キャベツを好んで用いる。特に、このスープ料理にはふ
さわしく、おいしく食べられると思われている。まず外側の葉を取り、残りを細長
い短冊切りにする。一方、オリーブ油大さじ4杯で、薄切りにしたタマネギ、セロ
リ、ニンジンに、パセリのみじん切り、あるいはバジリコの粗いみじん切りを入れ、
さらに粉状にしたタイムと塩、コショウを加えて、軽く炒めておく。これは、典型
的なソッフリット(弱火でゆっくり炒めた香味野菜のこと)で,このソッフリット
にキャベツを加え、かき混ぜ中火で炒める。煮汁が蒸発してなくなったら、薄めの
ブイヨンをレードルで1杯ずつたしながらかき混ぜる。トーストした薄切りのパン
をスープ容器の底に入れ、キャベツのスープを注ぎ,さらに沸かす。
山中伸也教授で盛り上がった再生医療。実は幼い頃病院通いが多かったせいか、医者になり
たいと思ったことは一度としてなかったが、 バイオエタノールの研究開発で遺伝子解析は
医学・生物学の基礎知識の習得として避けられず、あんちょこに関係図書を眼を通していた
がここにきて、真正面から遺伝子解析をはじめとしてバイオ・医療技術知識をシリーズとし
勉強する必要に迫られている。ところで、バイオはデジタルの中核機構である電算機と密接
していて、たとえば、タンパク質の立体構造の研究、 ミリ秒単位のフォールディングをシ
ミュレーションするためには、現在のコンピュータの100倍以上の計算パワーが必要だ。ま
た、分子シミュレーションには、スーパコンピュータや高性能ワークステーションのクラス
タおよび分子シミュレーション専用マシンが用いられているが、現在のコンピュータの性能
で観測できているのはたかだかナノ秒のオーダであり、フォールディングシミュレーション
に必要なミリ秒単位のシミュレーションには、現在のコンピュータの100万倍以上の計算パ
ワーが必要だとされる。このようにスーパーコンピューターや量子コンピュータクラスのも
のが普及すれば格段と研究開発スピードが上がり、天と地が逆さまになるような(=革命)
ことが起きる時代だということで、カーヴァーの「西暦二○○二年」の詩篇ではないがその
時代にはいまとはかなり変わっているだろうと思われる。因みに、わたしが健在であれば、
量子コンピュータや量子ドット太陽電池が実用段階に到達しているはず。明日は、仲間とそ
んな話を肴にして盛り上げてみるっか。
※フォールディング (folding) は、タンパク質が特定の立体構造に折りたたまれる現象をさす。