Spring 2012 Raymond Carver Reading Series opens with novelist Rivka Galchen
【解 題】
カーヴァーの詩は、延長していくとそのまま短篇小説になるし、また彼の短篇小説は蒸留
していくとそのまま詩になる」と表現した評論家がいる。もちろんすべてがそんなに単純
明快に割り切れるものではないだろうが、その言わんとするところは気持ちとしてよくわ
かるし、それはカーヴァーの詩について(そしてまた短篇小説について)かなり多くのこ
とを範っているように思える。
村上春樹 『水と水が出会うところ/ウルトラマリン』
【環境犯罪学考】
「冬の気立ち始めて/いよいよ冷ゆれば也」(暦便覧)と冬立つ季節。我が家でも節電を尻目
に灯油ストーブを準備し暖房を入れ、電気毛布の電源を入れる。ところで、脱法ハーブ(Synt-
hetic Cannabis)服用による事件が頻発し、テレビコメンンテターがニューヨーク市の治安回復
を公約し当選したルドルフ・ジュリアーニの「家族連れにも安心な街にする」と宣言し、割れ
窓理論を応用しての治安対策に乗り出した例を挙げ「ゼロ・トレランス(不寛容)」政策で対
応することが必要ではないかと発言している。この脱法ハーブ服用による犯罪や事故の発生件
数はここ1~2年で百件までに増加してきている。また当初のネットから店頭販売に顕在化し
てきているという。ドイツ、イギリス、スイスで「スパイス」という製品が流通し、合法の大
麻とされ以来ヨーロッパで流通した大麻成分だが、法的な管理を逃れるようにファミリー合成
化合物を製造販売されるようになり先進国で社会問題化する。
さて、環境犯罪学は犯罪の「原因」ではなく、犯罪を取り巻く具体的な「環境」と犯罪の分布
及びパターンに着目し、客観的な犯罪の理解の下、効果的な犯罪の予防を目的とする学問。19
世紀ヨーロッパのゲリーやアドルフ・ケトレー、1930年代のシカゴ学派 (社会学)の研究成果に
源流だとされるが、本格的な理論構築は1970年代のC・R・ジェフェリーやオスカー・ニューマ
ンが始まり、この用語はブランティンハム夫妻が1981年の著書で提唱されたといわれる。環境
犯罪学に基づく対策として、例えば、玄関の鍵の数を増やす、公園の植込みの高さを低くする、
犯罪多発地帯に有能な監視者を置く、防犯灯の演色効果などがある。
たとえば、割れ窓理論は犯罪だけでなく規範にも応用できる。 ゴミの不法投棄などはその典型
例で綺麗に清掃されたところではゴミを不用意に捨て傾向にありこれはある意味、群衆心理(
一般に判断力が低下し、衝動的・無責任的な言動をとる傾向になる-群集状況のもとで醸成さ
れる、群集に特有な集合心理のこと。群集研究は主として群集心理学として発展する。集合心
理である点で、群集を構成する諸個人の精神や意識とは異なる次元の心理現象で、群集心理を
個人の精神や心理を超越した、神秘的な実体ではない。群集心理は群集状況の場において個人
間の心的相互作用の集合過程を通して発生し、形成され、こうした意味合いにおいて、群集心
理はけっして静態的、固定的な心理や意識-を抑制する。
こんなことを長々と打ち込んでいるのは、ローカルで新規な社会問題を取り上げるのではなく
コンピュータ犯罪などのインターナショナルで先端的な社会問題への対応と言う点であり、高
度な社会問題解決への対応速度を問題にしているためだ。つまり「はやく対応しないと、後手
になるほどそのリスクは甚大になる」という危惧でそのための“新たな割れ窓政策”の議論の
必要性なのだ。こんなことを打ち込みながら「人類の欲望の眠らせ方」に、例えば、国民総生
産量や経済成長率の抑制や消費生活の質的転換運動などに重心をシフトさせるべきではないか
という自問がわいてくる、なんでこんこと考えているんだと。
【パワーデバイスのダウンサイジング】
電力変換回路の消費電力低減や小型化、軽量化が可能なSiC(シリコンカーバイド)デバイスは
「CEATEC JAPAN 2012」におけるロームとアルプス電気の展示から、SiCデバイスによる小型
化の方向性が見えてきたとレポートされているのが目についた。SiCデバイスを用いたパワーモ
ジュールは、電力変換回路のスイッチング周波数を大幅に高められるという特徴があり、スイ
ッチング周波数を高められれば、回路に使用するトランスやリアクトルを大幅に小型化できる。
新開発のリアクトルや電流センサーを展示した。双方向DC-DCコンバータは、定置型蓄電池シス
テムや太陽光発電システムのパワーコンディショナ、HEVのDC-DCコンバータ、EV用充電器など
に用いられている電力変換回路である新開発のリアクトルや電流センサーを展示したアルプス
電気には、新開発のリアクトルのコアに東北大学が共同開発した金属ガラス材料「リカロイ」
を採用することで一般的なリアクトルのコアに用いられているケイ素鋼板と比べて、磁気損失
が極めて小さく、SiCデバイスの採用によって小型化できるリアクトルのコアを、ケイ素鋼板か
らリカロイに置き換えればさらに変換効率を高めらる狙いがある。
因みに、リアクトルの体積/重量/鉄損を比較すると、従来品が962cm3/5.4kg(kgf)/1500
kW/cm3、現行開発品が236cm3/1.5kg(kgf)/500kW/cm3、次世代品が165cm3/1.1kg(kgf)/
350kW/cm3となっており、大幅な小型化、軽量化、損失低減を実現できることが分かる。将来的
には、堆積比較で、パワーモジュール、リアクトル、電流センサは、それぞれ1/40、1/5、1/200
にまでダウンサイジングするという。
10 電磁干渉抑制層 11、22 電磁シールド層 20 第1電磁干渉抑制層 21 第2電磁干
渉抑制層 30 第1混合材料 31 第2混合材料 40 フィルム状基材 41、42、43 ド
クターブレード 44、45、46 ディスペンサ
デジタル革命渦論(でじたるかくめいかぶん)の考察を続けているが(「デジタル&バイオ入
門」掲載中)、デジタルの本来の意味はラテン語の“指”(digitus)からの由来であり 数を指
で数えることで離散的な数を意味するようになり、アナログに対応する理論で、工業的には状
態を示す量を量子化、離散化して処理(取得、蓄積、加工、伝送など)を行う方式と定義付け
られこととなる。言い換えると、「分ける」つまり「明確にする」という「科学する」行動を
意味する。その意味でIT(情報通信関連技術)という定義としてではなく、敢えて哲学的な
意味合いを込め「アドホックなキルケゴール」と表現したのである。したがって、手前味噌だ
が、そんじょそこらにある意味合いと異にする、ふかぁ~~~い、意味合いで使っていること
を強調しておきたい。