極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

弾けるライスボール

2012年10月12日 | デジタル革命渦論

 

 

 【ハルキ逃す】

    九月、どこかで最後の
    鈴懸の一葉が、地面に
    還っていった。
    風が、空の雲を払う。
    何が残っている? 雷鳥、銀鮭、
    うちから遠くないところにある裂かれた松の木。
    雷が木に落ちたのだ。でも、そんな目にあいながらも、
    再生が始まっている。数本の新芽が、
    奇跡のように顔を出した。
    ラジオからはフォスターの〈そばにいるマギー〉
    が流れている。

    僕はずっと遠くに目をやりながら、それを聴いている。

  

                               レイモンド・カーヴァー “ September ” 
                                                                        村上春樹 訳 『九月』

  

     The land of my home is flitting,
     Flitting from my view;
     A gale in the sails is sitting,
     Toils the merry crew.
     Here let my home be,
     On the waters wide:
     I roam with a proud heart;
     Maggie's by my side;
     My own love,Maggie dear,
     Sitting by my side
     Maggie dear,my own love,
     Sitting by my side.

     ぼくの故郷の地が飛び去ってゆく
    飛び去ってゆく ぼくの目の前から
    風が帆に吹き込んでくる
    一所懸命漕ぐ陽気なクルーたち  
    さあ ぼくの故郷よ
    広い水面の上に開けてゆけ
    ぼくは自信に満ちたハートで放浪する
    マギーがぼくのそばにいるから
    ぼくの恋人 愛しのマギーは
    ぼくのそばに座ってる
    愛しのマギー、ぼくの愛する人は
    ぼくのそばに座ってる


MoYan Hamburg 2008.jpg 映画『紅いコーリャン』

ノーベル文学賞が中国籍の作家としては初受賞となる莫言(ばく・げん)氏に決まり大変
がっかりだ。多少なりとも政治的配慮があったのだろうと思っている。1970年に『収容所
群島』や『イワン・デニーソヴィチの一日』を発表したアレクサンドル・イサーエヴィチ・
ソルジェニーツィンの受賞のように、西欧からみた現代の中国の国家体制は基本的人権や
自由度の側面から遅れていて、これを是正しようという意図を深読みできないこともない
が、そんなことはどうでもいいことだ。言い作品が世界中の多くのひとに読まれ支持され
ていることの方が大切なのだ。そんなことを思いながらレイモンド・カーヴァーの彼の訳
詞を丁寧に読み充実した気分でブログ掲載している。


【パワー半導体とヘーリオスの約束】



太陽光発電、いわゆるソーラセルで天辺を頂くには、自らを鍛えるしかない。そうヘーリオスは考
えた-具体的には耐久性品質評価の新たなるハードル設定とそこへ向けてのエフォートはすでに
パナソニックなどメーカと地方自治体、勿論、産総研などが一体となり推進されている。つまり、脱
「安かろう、悪かろう」路線から決別し、「少し高かろう、性能は良かろう」路線への明確な転換を意
味している。逆に言うと、そのことのみおいて高性能なソーラセルシステムは実現するのだと-そ
う考えた。

特開2012-190853


特開2009-004666

まぁ、寓話的なイントロはここまでとして、太陽光発電システムでの発電コスト逓減のた
めの考察を進めてみたというわけだ(『秋には鯛にオリーブを添えて』)。ここでは電力
変換装置(いわいる、パワーコンディショナ)の長寿命化とコスト逓減課題をパワー半導
体技術との関係で考えた。その結果は?というと、デジタル革命の基本特性をフル活用で
きるので近いうち実現出来るであろうという目算が立ったということになる。どの時に、
どれほど高性能化が実現し、どれほど電力費が逓減できるかの試算は残件するものの、欧
州(スペイン・ドイツなど)でのリスクは回避できるだろうという見通しを体感しえたと
いうことになる。乞うご期待を!


【イタリア版食いしん坊万歳:アランチーニ】

   arancini 

アランチーニは、シチリアとナポリ名物のライスコロッケ。形がオレンジに似ていること
からアラン
チーニ(小さなオレンジ)と呼ばれる。ナポリのものはアランチーニ・ディ・
リゾ(arancini di riso、「米
の小さなオレンジ」)またはパッレ・ディ・リゾ(palle di riso
「米の団子」)とも称される。ローマでは、
スプリ(suppli)と呼ばれている。シチリアの
アランチーニの大きさは直径3.8cm〜10cmほど。湯炊きしたジャポニカ種の米に溶き卵と
おろしたカチョカヴァッロまたはパルミジャーノ・レッジャーノチーズ、塩、胡椒を混ぜ
たものに詰め物をし、小麦粉をまぶしてから溶き卵にくぐらせ、パン粉をまぶしつけて揚
げてつくる。 



シチリアではじめて出会って、この手の料理の広がりが日本では少ないことに気づき、な
んとか
広げられない考えたこともあった。蛸ボール(たこ焼き)や肉団子を含む、“ボー
ル・フード”。ただし
焼き、フライの団子料理限定での話(この続きは創作料理のテーマ
として別の機会に掲載)。ところで、鉢植えのハイビスカスが連日、一輪づつ大輪を咲か
せていて、思わず吸い込まれるようにデジカメしてみた。


 

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メタンハイドレートの行方

2012年10月11日 | EMF安全保障

 

 



独立総合研究所の青山繁晴がテレビでメタンハイドレートの開発促進を熱く語っていたので、
これはちょっと真剣に考えてみないとだめなのかと思い、採取処理方法についてワンポイン
トで下調べしてみた。例えば、メタンハイドレートからメタンガスを採取する場合、回収す
るまではガスが発生する環境を維持しなければ、再びメタンハイドレートが生成し、海底で
加熱した場合、発生したメタンガスを地上に移送中、高温状態を維持し圧力を制御しなけれ
ばならずコストやエネルギー効率の面で問題となる。

 特開2012-072029
【符号の説明】

1:メタンハイドレート処理装置、3:電極ユニット、32:プラズマ用電極、5:パイプ
ライン、6:ガス回
収配管、7:同軸ケーブル、8:高周波発生装置、9:水素貯蔵装置

そこで考えたのが電子レンジでメタンハイドレートを解凍?しようとする方法で、愛媛大学の液中プ
ラズマプロセスの研究グループが提案している(下図参照)。なお、このグループの研究は半導体製
造プロセスにも応用可能だとしてわたしも注目していたものだった。

簡単に言うと、プラズマ用電極に高周波を供給→プラズマ用電極によりメタンハイドレート
に電磁波
を照射→プラズマ発生させる。そして、プラズマでメタンハイドレートを分解→水
素発生させるという
二段工程方式。この方法で、プラズマ用電極から照射される電磁波で、
メタンハイドレートのプラズ
マ化し、メタンハイドレートは、主に水素と炭化物に分解する。
つまり、メタン
ハイドレートから水素を取り出すことができ水素燃料電池に用いられるなど、
二酸化炭素を出さないクリーンエネルギーとして活用できるというのだがそれは本当だろう
か?それが下図のメタンハイドレートと見立ててテーブルテストを模式図だ。それによると

【符号の説明】

30:プラズマ用電極、4:容器、 A:電子レンジ

メタンハイドレートは入手が容易でないため、実験としては同じ性質を有するシクロペンタ
ンハイドレ
ートを代替使用。シクロペンタンハイドレートは、常圧下(約1atm)で固体で
存在。両者は、共にCとHの結合を有し結合エネルギーは同程度。理論上、シクロペンタン
ハイドレートが分解されれば、メタンハイドレートも同方法で分解されるとして実験。なお、
シクロペンタンハイドレートはシクロペンタン(C10)と純水(HO)を界面活性
剤(ノイゲン)を用いて混合、シクロペンタンと水のエマルジョンを生成。シクロペンタン
ハイドレート(液体)を冷却し凝固し、この冷却中のシクロペンタン系内の温度分布状態を
均一化(撹拌器)。冷却が進んでいくと、シクロペンタンハイドレートは徐々に固体状にな
る。シクロペンタンハイドレートのシクロペンタン(C10)と純水(HO)とノイ
ゲンの質量比は、およそ32:66:2。


それではテスト方法。まず、電子レンジAと、プラズマ用電極30と、容器4である。電子
レンジAは、上部にガスの給排気用の配管a1、a2が設けられており、その他の構成は、
市販されている汎用のものと同様である。電子レンジAは、750Wで駆動し、マグネトロ
ンa3からマイクロ波(2.45GHz)を発生させる。プラズマ用電極30は、台座310
と複数のアンテナ320とを有し、電子レンジA内に配置する。台座310は、テフロン製
円板状の台座本体上面に、銅薄板が配置されて構成。アンテナ320は、棒状の導体(銅線
)。複数のアンテナは、台座310の銅薄板上に、等間隔にほぼ垂直に立たせて配置。アン
テナは、マイクロ波を補足。なお、実験において、アンテナの直径は1.5mmで、アンテナの
長さ及び配置間隔は、約20mm。プラズマ用電極30は、複数の同軸ケーブル7を海底に挿
入し、複数のプラズマ用電極32がメタンハードレート層に配置されていることに相当。

ンテナの長さは、マイクロ波が有機溶媒であるn-ドデカン中を伝播する場合のマイクロ波
の波長(λ)の1/4に相当。

            

アンテナの配置は、下図に示すように、台座310の中心に1本固定され、台座の中心から
等間隔で周上に6本が等間隔で垂直に固定されている。なお、アンテナの長さは、伝播する
マイクロ波の波長の1/4又は1/4の整数倍が好ましく、実験例1の場合、空気中を伝播
るマイクロ波の波長の1/4(約30mm)が理想。アンテナは、マイクロ波が捕捉可能
であ
ればよく、約20mmから40mmであれば十分プラズマが発生する。この場合マイク
ロ波が
導波管の1つである同軸ケーブル7内を伝播し、直接プラズマ用電極32に伝わるた
め、電極の
長さはプラズマ発生に対して大きな影響を与えないという。プラズマ用電極は、
アンテナが下
方となるように、支持部材4bにより蓋4aに支持され、後述する容器4内に
配置されてい
る。なお、支持部材4bは、蓋4aの下面に吊り下げられており、長さ調節が
可能となって
いる。これにより、プラズマ電極の高さ調節可能。また、容器は、耐熱性があ
りマイク
ロ波を透過し液体を収容する。容器は、耐熱ガラスで、蓋4aにより上部開口を塞
がれてい
る。この蓋は、配管a1、a2が配置される貫通孔を有している。容器内には、プ
ラズマ用
電極と円板状のシクロペンタンハイドレートCP(直径30mm、厚さ2mm)が
配置。容
器は、電子レンジA内のプラットホーム上に配置。実験開始にあたり、配管a1を
介して容
器内に窒素を供給し、配管a2を介して容器内のガスを排出。電子レンジを作動さ
せて、マ
グネトロンa3からマイクロ波が容器に照射。液中において、プラズマ用電極のア
ンテ
ナ先端部でプラズマを発生させた上、ガスクロマトグラフ分析装置でガスを分析すると
いう。
その結果は下表となる。


これによると、排出ガスには水素が38%含まれ、シクロペンタンハイドレートがプラズマ
により分解され水素が発生している。その他、CO、O2、不活性ガス等が含まれていた。
また、特定できないガスも含まれ、気化したガスの一部がプラズマ内部を通過せずに上昇し
たものと考えられている。

尚、シクロペンタンハイドレートCPの代わりに、シクロペンタン(液体)を入れて実験を
行っていて、排出ガスには水素が19.7%含まれて、この比較実験例では酸素が含まれて
いないため、COやCO
が発生しなかったという。

以上の実験結果より、メタンハイドレートを分解させ、水素を取り出すことが可能で、メタ
ンハイドレートを有効利用することができる。また、プラズマの発生においては、マイクロ
波(周波数およそ0.5~20GHz)以外の高周波(周波数およそ百kHz以上)であっ
てもよいが、マイクロ波のほうが、パワーが大きく、マグネトロン等により作成が容易であ
るため、より効率的で効果的である。プラズマ発生及び水素発生原理は、アンテナがマイク
ロ波を捕捉すると、アンテナの先端部において電場が強くなり、シクロペンタンハイドレー
トに電磁波が照射→アンテナの先端部でプラズマが発生。マイクロ波を連続的に供給→プラ
ズマを継続的発生→対向配置されたシクロペンタンハイドレートは、高温・高エネルギーの
プラズマにより分解される。さらに、まず、マイクロ波を受けたアンテナが電磁波を照射す
ると共に高温となり、シクロペンタンハイドレートが溶解する。その後、アンテナの先端で
プラズマが発生し、シクロペンタンハイドレートは、液体から気体に気化していく。気化し
た気体は、プラズマにより分解される。シクロペンタンハイドレートが分解されると、水素
及び炭化物等が発生する。この原理は、海底のメタンハイドレートであっても同様である。
発生した水素は、給排気用の配管から排出され貯蔵される。容器内に残った炭化物は、フラ
ーレン・ナノチューブなどのニューカーボンや活性炭として利用可能である。海底のメタン
ハイドレート層に存在するメタンハイドレートを分解し、燃料ガスである水素を回収するこ
とができ、燃料ガスである水素を地上に運搬する際に温度・圧力調整をする必要がなく、設
備・コスト面で有利である。また、メタンハイドレートの分解により生じる炭素成分は、海
中で固形化(ハイドレート化)する。この固形化した炭素成分を回収し、ナノテクノロジー
材料とすることも可能であるという。



このように考えていくと、電子レンジを使い、メタンハイドレートを回収すれば原理的に、
水素と炭化物を得ることになるから温暖化ガスの排出はなくなる。青山繁晴が言うようにシ
ェールガスの回収より環境破壊のリスクが逓減されるので日本の資源大国は実現できる。そ
う考えると『海洋海底立国構想』をこのブログ掲載してきた甲斐があったというもので、青
山らの構想は法螺話ではなく限りなく現実的なものとなる。「鉄は熱いうち打て」とそう思
えてきた。後は、原発開発促進事業に投じられる予算をメタンハイドレート開発促進事業に
転換すれば良いという道筋に光明が開ける。今回はすこし無理をしてこの考察をタイピング
してきた。そうして、心の高揚を感じている。


 

 

 

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網膜を守れ!

2012年10月10日 | 日々草々

 
 

 


    鉄の意志とでも言おうか。僕はもう何カ月も
    夜の十一時の前には、一滴の酒も口にしては
    いないのだ。これまでのことを思えば、
    上出来じゃないか。これがまずは第一段階
    というところ。僕の知り合いに、飲むならリステリソと
    決めている人がいた。
    スコッチをやめてそこに落ちついた。
    彼はリステリンをケース単位で買って、
    ケース単位でそれを飲んだ。彼の車の後部席には
    死んだ兵隊たちが折り重なっていた。
    リステリンの空き瓶の山が、焼けるように熱いシートの
    上で、まぶしく光っていた!

    それを目にしたあと、僕は家に帰って、じっくりと自分のことを考えてみた。
    前にも一度か二度、そういうのをやったことがある。誰だってやっていることだ。
    自分の内奥に入っていって、そこであたりをぐるりと見回すのだ。
    僕はそこに何時間もいた。でも誰にも会わなかったし、
    何か面白そうなものも、目に
    つかなかった。僕は現実の場所にもどってきて、
    スリッパをはいた。そしてグラスにとくとくと
    ナイキルをついだ。
    椅子をひとつ、窓際にもっていった。
    そこで、カリフォルニア州クパティーノの空に
    もがくようにあがっていく、白い月をながめた。
    真っ暗な夜の何時間か、僕はナイキルとともに待った。
    そしてやがて、そうだ、そうこなくっちゃ! 最初の
    光の切れ端。




    Call it iron discipline. But for months
    I never took my first drink
    before eleven P.M. Not so bad,
    considering. This was in the beginning
    phase of things. I knew a man
    whose drink of choice was Listerine.
    He was coming down off Scotch.
    He bought Listerine by the case,
    and drank it by the case. The back seat
    of his car was piled high with dead soldiers.
    Those empty bottles of Listerine
    gleaming in his scalding back seat!

    The sight of it sent me home soul-searching.

    I did that once or twice. Everybody does.
    Go way down inside and look around.
    I spent hours there, but
    didn't meet anyone, or see anything
    of interest. I came back to the here and now,
    and put on my slippers. Fixed
    myself a nice glass of NyQuil.
    Dragged a chair over to the window.
    Where I watched a pale moon sruggle to rise
    over Cupertino, California.
    I waited through hours of darkness with NyQuil.
    And the, sweet Jesus! the first sliver
    of light.

 

                                    レイモンド・カーヴァー “ NyQuil    
                                        村上春樹 訳 『ナイキル』

※「リステリン」〔Listerinel〕 は口腔洗浄液、「ナイキル」〔NyQuil〕は咳止めシロップ。


  Cacciucco alla livornese

【イタリア版食いしん坊万歳:カチュッコ・リヴォルノ風】

材 料:カサゴ・ヒメジ・メバル・タラ・アナゴ・コウイカ・シャコ・ヤリイカ・タ
    など1.5kg、伊勢エビ 1尾または大正
エビ600g、ムール貝、オリーブ油 120cc、
    タマネギ 2個、セロリの茎 2本、
ニンジン 2本、トウガラシ 1本、ス
    ー
ゴ用トマト500g、赤ワイン 1カップ、パセリ、ニンニク、塩、パン、(白
    ワイ
ン、缶詰のトマト・ホール)



作り方:カチュッコの作り方は変化に富み、さまざまである。そのうちのいくつかはイタ
    リア北西部、トスカーナ州のヅィアレッジョから生まれている。ここに紹介する
    作り方は大変簡単なもので、基本に従ったもの。

    材料のすべての魚を下ごしらえする。次に魚のブイョンを作る。深鍋に1Lの水を
    入れタマネギ1個、ニンジン1本、セロリ1本、トマト数個を全部粗切りにして
    入れ,火にかける。次に塩を加え、魚の頭と小魚を入れて煮続ける。ブイヨンが
    よく煮えたら、それを濾す。鍋に残った野菜や魚はよくすり潰し、裏ごしして再
    びブイヨンの中に入れる。
 
    その間に、キャセロール鍋を火にかけ、オリープ油大さじ6杯、タマネギ1個、
    ニンジン1本、セロリ1本のみじん切りを入れて炒める。トウガラシ1本を2~
    3片に切って加え,その後ただちに短冊に切ったヤリイカとコウイカを入れる。
    数分煮たら、赤ワインを入れて煮汁をのばし(好みで白ワインでもよい)、アルコ
    ール分を蒸発させて残りのトマトを入れる。

    次に他の適当な大きさに切った魚の切り身、ムール貝、シャコ、伊勢エビまたは
    大正エビ、パセリのみじん切りを入れる。その上からブイヨンをたっぷり注いで
    弱火にして煮込む。パンをトーストしてニンニクを塗り、スープ鉢または深皿の
    底に敷いて,その上にカチュッコを魚ごと入れ食卓に出す。
 
    また魚を煮込むのにスープの一部だけを用いることもできる。残りはパンの上に
    直接かけ、スープ用の器かスープ皿の中に整えて、その上にさらに煮込んだもの
    を注いで、食卓に供する。

※リヴォルノ地方の寄せ鍋風の濃い魚介スープ

【網膜を守れ!】

ここ2~3週間、まともに仕事ができていない。 結局はディスプレ作業の網膜疲労による頭痛のせ
いだ。わかっているけれどやめられないというのだが、ここはひたすら我慢。

                          

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僕の引き出し

2012年10月09日 | 日々草々

 

 

 

    一日でいちばん素晴らしい時間
    涼しい夏の宵。
    開いた窓。
    燃える灯火。
    ボウルの中の果物。
    僕の肩に置かれた君の頭。
    それが、一日のうちでいちばん幸福な瞬間。
    それにも勝るのが、言うまでもなく、
    早朝の時間。それから昼ごはんの前の
    ちょっとしたひととき。
    それから午後だって、
    それから夕暮れの時間だってある。

    -けれども、僕はこういった
      
    夏の宵が大好きだ。
    あるいは、考えてみたら、どんな
    時間よりも、好きかもしれないな。
    一日の仕事は終わった。
    もう誰も、僕らに連絡を取ることはできない。
    あるいは、これからもずっと。

      Cool summer nights.
      Windows open.
      Lamps burning.
      Fruit in the bowl.
      And your head on my shoulder.
      These the happiest moments in the day.

      Next to the early morning hours,
      of course. And the time
      just before lunch.
      And the afternoon, and
      early evening hours.
      But I do love

      these summer nights.
      Even more, I think,
      than those other times.
      The work finished for the day.
      And no one who can reach us now.
      Or ever.


                 レイモンド・カーヴァー“The Best Time Of The Day   
                     村上春樹 訳『一日で一番素晴らしい時間』


 

 

  Sarde in tortiera con la cipolla

【イタリア版食いしん坊万歳:イワシのタルト焼き、タマネギ風味】

作り方:まずはじめに、熱いオリーブ油で薄切りにした多めの量のタマネギを加えて狐色
    に炒める(時には,薄切りにして鍋
に入れる前に湯通しすることもある)。白ワ
    インをふりかけ、これを
何度か繰り返したら、湯むきし、二つに切り開いて種を
    取り、さら
に薄く切った別のトマトを加える。何分か煮て、塩とコショウで味
    整える。かなり煮詰めてまとまったソースにしなければならない。

    火からおろし,このソースの中に洗って背開きにしたイワシを並べる。さらに、
    味を良くするためにすり潰したフェ
ンネル・シード、パン粉、塩、コショウを混
    ぜる。オリーブ油をも
う一度ふりかけオーブンで焼く。焼き上がった時、イワシ
    の上は見
事な黄金色で覆われているだろう。



 

サバとピーマンのピザ  Pizza con sgombri e peperoni

 

 

【僕の引き出し】

世間は失職と不況の季節だという。例えば、半導体や電機など、かつて日本経済を牽引し
た製造
業で国内工場の閉鎖や縮小が相次いでいる。円高や海外メーカーの台頭などの理由
から収益が
圧迫され、経営再建中の半導体大手ルネサスエレクトロニクスとシャープだけ
でも国内の早期希
望退職者数は1万人規模に達するというニュースも流れている。資本が
冷徹なことを今更言って
もはじまらない。民間企業に勤めている限り「失業恐慌」に晒さ
れる民間とそれがない公務員と
のストレス度が極端に異なるのも常識だが、未組織労働者
は最悪だ。こんなことを二十歳代の企業
内労働組合運動でほぼ完璧に学んだ。お陰でマル
クスの『資本論』も曲がりなりにも眼を通してい
る。だからというか、そういったお陰で
ていうか現状分析には自信を持っている。


そうしたノウハウ(個人的知財)は、その時々に遭遇(邂逅)した、あるいは興味を持っ
たことを、自
分の心の引き出しに仕舞っておいて、暇を見つけ、その引き出しにためてお
いた知識・知財を一
旦解きほぐし、虫干ししてはまた仕舞っておくということを繰り返し
てきた。そのためか、人様からは
「一丁嚼み」とか「気違い」という風な言葉を投げつけ
られてきたが、考古学を13歳のころに身につ
けた、時間軸と多様性という鎧あるいは楯
が自然に身についているので「その程度か」と無言で聞
き流す癖が付いている。言いたい
のは、要するに、この不況の脱出方法は簡単だといいたいだけ
。それができないのは為
政(支配)層や経営層の怠慢であり、無知によるものだと確信しつつ、返す
刀で「自分を
信頼できなくてどうするというのだ」と叱咤激励している自分がいる。でも引き出しが多
すぎて、分裂症気味なことは避けられそうもない ^^;。


 

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だらだらの選択

2012年10月08日 | 日々草々

 



 


 

 

    少し前に、僕はその部屋の中をのぞき込んでみた。
    そこで僕が目にしたのは-
    窓の近くに置いてある僕の椅子と、
    テーブルの上にうつ伏せに置かれた本。
    窓際の灰皿からは、吸いかけの煙草が、
    静かに煙をあげている。
    のらくらもの! ずいぶん前のことだけど、叔父にそんなふうに
    怒鳴られたことがある。言われてみれば、そのとおり。
    僕は今日いちにち、ただだらだらと時間をつぶしていた。
    毎日、毎日、そのくりかえし。
    まったく、何もしないで、だらだら。

 

     I looked into the room a moment ago,
       and this is what I saw--
       my chair in its place by the window,
       the book turned facedown on the table.
       And on the sill, the cigarette
       left burning in its ashtray.
       Malingerer! my uncle yelled at me
       so long ago. He was right.
       I've set aside time today,
       same as every day,
       for doing nothing at all.

                                      
                                                                       レイモンド・カーヴァー  “ Loafting 
                                                      村上春樹 訳 『だらだら』


     ※「マリンガラー」(Malingerer)とはフランス語源言葉。仮病を使って「さぼる」ひとのこと。

 

    Malfatti

【イタリア版食いしん坊万歳:マルファッティ・卵とホウレンソウ入りのニョッキ】


材 料:小麦粉 300g、リコッタチーズ 300g、ホウレンソウ 1kg、バター 150g、卵2個、
    卵黄1個、パルメザンかパダノのおろしチーズ 120g、
タマネギ 1個、塩、コショウ、
    ナッツメッグ、(スーゴ・ディ・カルテ)

作り方:リコッタチーズ、小麦粉 250g、ゆでて水気を絞ってみじんに切り、裏ごししたホウレ
    ンソウ、パルメザンかパダノのおろしチーズ 100g、卵、卵黄、塩、コショウ、ナッツ
    メッグを全部一緒に混ぜよく練る。ソフトでしっかりしたものに練り上げ、そこから
    ニョッキを作る。その間に鍋に水をたっぷり入れて火にかけ、塩少々を加えて沸騰さ
    せる。そこにニョッキを入れてゆでて、水気を切る。鍋にバターを溶かし、大きめに
    切ったタマネギにれは最後に取り除く)、ゆでたニョッキ,残りのパルメザンかパダ
    ノのおろしチーズを加えて味をつける。パイ皿(オーブン皿)にニョッキを入れオー
    ブンで数分焼く。

    最も簡単な作り方は、小麦粉 250g、ゆでて裏ごししたホウレンソウ 1kg、 パン粉
    250gを練り、さらに練ったものを柔らかくするためにぬるくした牛乳を大さじ数杯と
    ひとつまみの塩とナッツメッグ、みじん切りのパセリひとつかみも加える。練ったも
    のを最初はいくつかの固まりに分け,そこからクルミ大のニョッキを作り出す。それ
    らをゆでた後、溶かしたバターとパルメザンかパダノのおろしチーズ、またはスーゴ・
    ディ・カルネで味付けする。

 

 

 

ドライブにでかけないということで、急遽、水が浜のシャーレへでかける。シェアの浜辺脇にはデイゴの
花が美しく咲いていた。レストランでは彼女はチーズケーキとミルクティのセット、わたしオレンジジュー
スを頂いて、秋晴れの湖岸道路をドライブし帰ってくる。 

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待つことの感無量さ

2012年10月07日 | 日々草々

 

 




   左に曲がって、ハイウェイを離れ、
   坂を下っていく。いちばんさがった
   ところで、また左に折れる。
   終始、左方向に進む。道路はやがて
   Y字路になる。これもまた左。
   左手にクリークが見える。
   そのまま進む。道が突きあたりになる直前に、
   別の道が出てくる。この道に入らなくては
   ならない。さもなければ、
   君の人生はもう永遠に、取り返しが
   つかない。左手には板ばり屋根の、
   ログハウスがある。




   でもそれは違う家。その隣の、
   ちょいと高くなった土地に建っているのが、
   目指す家。木々に果物がたわわに実っている
   家だ。そこには夾竹桃やレンギョウや
   マリゴールドが咲いている。戸口に立つ
   おんなの髪には太陽が
   光を与えている。彼女は
   長いあいだ、ずうっと
   待ち続けていたのだ。
   君のことを愛する、その女。
   彼女は君に声をかけてくれるのだ、
   「ずいぶん遅かったじゃない」


 

    Left off the highway and
    down the hill. At the
    bottom, hand another left.
    Keep bearing left. The road
    will make a Y. Left again.
    There’s a creek on the left.
    Keep going. Just before
    the road ends, there’ll be
    another road. Take it
    and no other. Otherwise,
    your life will be ruined
    forever. There’s a log house
    with a shake roof, on the left.
    It’s not that house. It’s
    the next house, just over
    a rise. The house
    where trees are laden with
    fruit. Where phlox, forsythia
    and marigold grow. It’s
    the house where the woman
    stands in the doorway
    wearing sun in her hair. The one
    who’s been waiting
    all the time.
    The woman who loves you.
    The one who can say,
    “ What’s kept you ? ”

 


                           レイモンド・カーヴァー“Waiting
                                        村上春樹 訳 『待つこと』  

   Pesce spada al salmoriglio

【イタリア版食いしん坊万歳:メカジキのサルモリーリォ・ソース】

すべての焼いた魚が、このサルモリーリオ・ソースを用いることによって格別の味に
仕上がる。このソースは味がはっきりしていて普通は熱を加えずに調理する。メカジ
キの場合は、このソースとの柑吐が他の魚よりもずばぬけてよい。そこでこのソース
とメカジキの料理の伝統的な作り方を紹介する。


材 料:メカジキの切り身 6枚、オリーブ油 200cc、ニンニク 2片、レモン
    2~3個、オレガノ、パセリ、塩、コショウ

作り方:沸騰した湯を入れた大きい鍋に小形の鍋を浮かせ,鍋の取っ手を持って、
    蒸気の熱だけで鍋を温める。そこにオリーブ油を入れるが、生温かい温度
    に留めて、熱くさせないようにする。次にレモン汁を入れ、泡立て器で丁
    寧にかき混ぜながらきれいな乳濁状になるよう仕上げる。そこに少しずつ
    みじん切りにしたニンニクとオレガノ、そして最後にパセリのみじん切り
    を加える。焼き網で魚を焼く。必要ならオリーブ油を少し塗り、胡椒をふ
    りかける。よく焼けた頃を見計らい、皿にのせ、先のサルモリーリォ・ソ
    ースを別添えにしてテーブルに出す。

 

 

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秋には鯛にオリーブを添えて

2012年10月06日 | 日々草々

 

 



   君は五日間どこかに出かけていて、
   僕は好きなところで好きなだけ煙草が吸える。
   丸パンを作りジャムや脂身たっぷりベーコンと一緒に
   食べたりもできる。ただごろごろと、気ままに
   時間を潰す。気の向くままに海岸を散歩したりする。
   気の向くままにひとりで若いころのことを思いだす。当時
   理不尽なまでに僕を愛してくれた人たち。
   僕もその人たちを他の誰よりも愛したんだ。
   一人だけは別だけど。さあ、君がいないあいだに僕は
   やりたいことを全部しっかりやっちやうぞ!
   でもひとつだけ僕がやらないことがある
   君のいないあいだ僕は二人のベッドでは眠らない。
   本当に。そういう気持ちになれないんだな。
   僕は自分が眠りたいところで寝ちゃう
   君がそばにいなくて、いつものように君を抱くことができないときに
   僕がいちばんぐっすり眠れるところでね。
   それは僕の書斎のおんぼろのソファだよ。


    Now that you’ve gone away for five days,
    I’ll smoke all the cigarettes I want,
    where I want. Make biscuits and eat them
    with jam and fat bacon. Loaf. Indulge
    myself. Walk on the beach if I feel
    like it. And I feel like it, alone and
    thinking about when I was young. The people
    then who loved me beyond reason.
    And how I loved them above all others.
    Except one. I’m saying I’ll do everything
    I want here while you’re away!
    But there’s one thing I won’t do.
    I won’t sleep in our bed without you.
    No. It doesn’t please me to do so.
    I’ll sleep where I damn well feel like it –
    where I sleep best when you’re away
    and I can’t hold you the way I do.
    On the broken sofa in my study.

 

                      レイモンド・カーヴァー “ Still looking out for number one
                     村上春樹 訳 『今でもやはりナソバーワンを求めているんだ』

 

 Orata alle olive

 【クロダイのオリーブ添え】

材 料:クロダイ(1.5kg程度)1~2尾、グリーンオリーブ120g、黒オリーブ60g、
    ニンニク2片、ローリエ3枚、ローズマリー1本、オリーブ油、バター、塩

作り方:魚の内臓やうろこを取り、よく洗う。ナイフの刃で、骨から丁寧に身を剥がす。
    こうすると後で味がよくしみ込むからである。次にボールにオリーブ油をよく
    塗り、魚を並べ、そこにグリーンオリーブと黒オリーブの種を取ってみじん切
    りにしたもの、同様にみじん切りにしたニンニク、ローズマリー、ローリエを
    混ぜてたっぶりかける。バターの小さい固まりをのせ、塩少々をふりかける。
    こうして用意したものを湯煎にかける。すなわち沸騰した湯を一杯入れた深鍋
    の縁にこのボールをのせて、火を強くし、蒸気で魚がよく蒸し上がるようにす
    る。




信じられないことが、夢であったことが次々とこの日本で実現している。例えば、産総
研では、金属リチウムを負極活物質(電子を放出する物質)とし、空気中の酸素を正極活
物質(電子を取り込む物質)として構成した充放電可能な大容量電池が発明されている。
なお、リチウムは金属のうち最もイオンになりやすく、これを負極として用いると正極
との電位差が大きく、高い電圧が得られる。また原子の大きさが小さいため質量あたり
の電気容量が大きくなる。理論上リチウムイオン電池よりも約5~8倍の重量エネルギー
密度が期待され、自動車用電池として研究されていて、撥水性ゲル空気極の性能向上、
電池構成の最適化などを行い、より優れた性能のリチウム-空気電池の開発を目指すと
のことだ。

そうかと思うと、様々な組織や臓器に変化できる人間のiPS細胞(新型万能細胞)か
ら、精子や卵子のもとになる「始原生殖細胞」とみられる細胞を作製することに、慶応
大の岡野栄之教授らの研究チームが成功している。それに、呼応するかのように スウ
ェーデンの公共ラジオ局P1は、8日から発表が始まる今年のノーベル賞の受賞予想を
行い、iPS細胞(新型万能細胞)を作製した山中伸弥・京都大教授を生理学・医学賞
の有力候補者に挙げている(→再生医療の指針策定へ、民自公3党が合意)。 

また、メガソーラー候補地は全国で260カ所に急増を伝えている。しかし、一歩で売電
で投資がペイするレベルに達するためには、ある程度の発電量を稼ぐ必要があり、2MW
以上の場合、たとえ15年償却でも180万kW以上の年間発電量が稼げなければ採算は厳し
いといわれている。また、太陽光発電システムの変換効率が経年変化し、思ったように
出力できないというリスクもある。太陽光には必ず必要となるパワーコンディショナー
は10年に1回は交換しなければならないからバカバカ作れば儲かるというほど甘くはな
いとの指摘もある。何年か先に買い取り価格が下落することリスク・マネジメントして
おかなければいけないだろう。だろうが、耐久性や出力維持上昇の研究開発が継続され
る限りそれも乗り越え可能だという見通しもある(わたしはこのサイドに立つ→依頼が
あればそれを実現してみよう)。いずれにしろ1年前では考えられないことが次々と進
行しているのだ。

そんなわけではないが、体調不良の反動もあり、心が少し高揚したまま、ジムの力泳→
サウナの繰り返しで酸欠状態?で危うくダウンしそうになった上に、ブログに熱も入り
すぎているのでこの辺に
しておかないと直るものも直らない。


 Kiss Kiss Bang Bang

 

 

 

 

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オーバーコミットと十王村の水

2012年10月05日 | 日々草々

 

 

 

 

    実にひどい夜だった! ぜんぜん夢なんかじゃなかったのか、
    さもなくば喪失の予兆夢かもしれないし、あるいはまたちがう
    夢なのかもしれない。昨夜僕は田舎道で、言葉ひとつなく
    車から下ろされてしまった。
    背後の丘にある一軒の家には、星くらいの大きさの
    ちっぽけな明かりが見えた。
    でもそこに行くのは怖かったので、歩き続けた。

    それから窓ガラスを打つ雨の音で目を覚ます。
    窓のそばには花瓶の花がある。
    コーヒーの匂いと、まるで長いあいだ留守にしていた
    人みたいな仕草で、髪に手をやっている君の姿。

   でもテーブルの下の君の足元にはパソのかけらが
   落ちていて、床の隙間から出てきた蟻が列をなして
   行ったり来たりしている。
   君はもう微笑むのをやめている。

   今朝はひとつ頼みがあるんだ。カーテンを閉めて
   ベッドにおいでよ。
   コーヒーのことなんか忘れてさ。僕らはどこか外国にいて
   恋に落ちている、というふりをしようよ。

   
                       レイモンド・カーヴァー“ The road ”                                                                                         村上春樹 訳 『道』

 

 

【イタリア版食いしん坊万歳:リゾットのバローロ酒風味 】

   Risotto al Barolo

材 料:米 500g、仔牛の腿肉300g、バター120g、タマネギ・セロリ・ニンジン合せて150g、
    バローロワイン 2本(3本で
もいい)、※ボルロット種のインゲンマメ 200g、パ
    ルメザンかパダノのおろしチーズ80g、塩、

    ※クレモナ地方で採れるマメ。さやをむいて用いる。楕円形をしていて、いろいろ
     な赤色をしている

作り方:赤ワインを使ったリゾットはいつも存在したいていの場合は昔からバルベーラ(Ba-
    rbera)ワインを使った。
しかしここでは、バルベーラだけに固執せず、他のもので
    考えてみよう。他にもいいものがある。
最初にいくつかの準備をあらかじめしなけ
    ればならない。まず、
細かく刻んだタマネギ、セロリ、ニンジン、塩を深鍋に入れ、
    仔牛
の腿肉を加えて塩を調味して煮込み、軽いブイョンを作る。

    次にマ
メをゆでる。一方、浅鍋にバター殖の量で新たにタマネギのみじん切りを炒
    める。狐色になったら米を加え、底につかないようによく
かき混ぜ、バローロワイ
    ンをカップ1杯入れ,ワインのアルコール
分をとばしたところでブイヨンを少し加
    える。次に、再びバローロ
ブイョンという具合に交互に入れていく、米がほとんど
    煮えたとこ
ろに、ゆでておいたマメを入れる。ここでブイヨンを作る時に使った仔
    牛の腿肉を細かく刻んでブイヨンに使った野菜と一緒に入れ、
塩で味を整え、少し
    ずつワインとブイヨンをたしながら仕上げ
く。

    バローロについては一人あたり1/2本ぐらい使う計算になる。これは多すぎること
    にはならない。多くの材料がワイ
ンの風味や味をたっぷり吸収するからである。
    ゾットができたら火からおろし、バターとおろしチーズを加え
て練る。数分そのま
    まにした後,食卓に出す。ヴァリエーションと
して、リゾットをあらかじめ油を塗
    ったオーブン皿に入
れ、おろしチーズとパン粉をひとふりしてオーブンで数分焼く
    こと
もできる。これは前日に使ったリゾットが残ってしまった時などは都合いい。

 

 

【ニアー・オーバーコミットメント】 

尖閣列島の石原都知事の行動は、ニアー・オーバーコミットメント(瀕越権行為)に煽られ
るような形
で野田首相は、中国首脳の頭越しで「国有化」を決め外交禍を招いてしまったが、
サウナ室のテレビ
ニュースを見ていて、今度はオリンピックのメダリストの祝勝パレードと
表彰会とはしゃいでみせてい
たが、不良少年のような言葉使いと行儀の悪さが鼻についた。
この食い逃げ石原親子(TVコメンテータ青山繁晴
評)はこの国をどこに持って行こうとし
ているか甚だ不可解だ(発言行動に引責が担保される
のであれば問題ない)。



ジムの帰り、日本の名水百選の十王村の水の回りが綺麗に整理されていたのでデジカメし帰
宅した。というのも、狭いところに駐車場が近くになく、路上駐車で名水を汲み取って帰る
ひと達が後を絶たず、非常に危険な状態にあった。新しく公民館(自治会館)が移築された
ことを契機に旧の跡地を駐車場に振り当てたため一応の決着をみることになった。昨日より
今日、今日より明日、日々新たという好例であろう。すべからくこのように努力したいと思
った次第。




 

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ポプラの下の秋日和

2012年10月04日 | 日々草々

 

 

 

 

   一人ぼっちでいる青年を思い浮かべていただきたい。
   数滴の雨粒が窓ガラスをつたったときに
   彼は書き始めた。
   彼は安アパートに鼠たちを伴侶として住んでいた。
   私は彼の勇気を愛した。

 

   ちょっと先の部屋では誰かが
   一日中セゴビアのレコードを聴いていた。
   彼は部屋から一歩も出なかったが、誰もそれに文句はつけられない。
   夜にはもう一人がタイプを叩く音も
   聞こえてきて、それで心が和んだ。

   文学と音楽。
   誰もがスペイソの騎士たちと
   中庭を夢見た。
   祭礼の行列。儀式、そして
   光輝。

   ポプラの木。
   雨がつづき、水があふれた日々。
   木の葉はとうとう地面に打ちつけれらた。
   わたしの心の中の、嵐が照らし出す
   この大地の一画。


                                 レイモンド・カーヴァー “ Aspens
                                       村上春樹 訳 『ポプラ』

  

   Imagine a young man, alone, without anyone.
   The moment a few raindrops streaked his glass
   he began to scribble.
   He lived in a tenement with mice for company.
   I loved his bravery.

   Someone else a few doors down
   played Segovia records all day.
   He never left his room, and no one could blame him.
   At night he could hear the other's
   typewriter going, and feel comforted.

   Literature and music.
   Everyone dreaming of Spanish horsemen
   and courtyards.
   Processions. Ceremony, and
   resplendence.

   Aspen trees.
   Days of rain and high water.
   Leaves hammered into the ground finally.
   In my heart, this plot of earth
   that the storm lights.


 

【イタリア版食いしん坊万歳:ミラノ風トリッパ】  

  Trippa alla milanese

 

ミラノ人達はトリッパ(牛の胃)料理の中でも、ミラノ風トリッパが一番であるこ
とを誇りにしていて、彼等はこれに親しみをこめてブゼッカ(busecca)ともいって
いる(さらにここからブゼッコーニというニックネームもある)。

材 料:牛の胃 1.22kg、バター60g、タマネギ1個、ニンジン1本,セロリの茎1
    本、セージの葉 数枚、スーゴ用トマト500g、ブイヨン、塩、コショウ、
    パルメザンまたはパダノのおろしチーズ、インゲンマメ 400g 

作り方:まず最初にトリッパはよく洗い,不要なものは取り除いて、十分柔らかく
    なるまでかなり長い時間煮る(普通市販されているものは、すでに洗って
    ゆでられているが,もう一度ゆで直したほうがよい)。下ごしらえがすん
    だら、バターを熟しセージの葉数枚と細かく刻んだタマネギ、ニンジン、
    セロリを入れ,炒める。
    
    これらが色づいてきたら、トマトの身を細かくしたものを加え、かき混ぜ
    て塩、コショウで味付け、さらに煮続ける、必要ならばブイヨンを加えて、
    数回かき混ぜる。料理はこれでできあがりである。

    しかし、習慣としてトリッパにはマメを添えるのが普通。煮汁と混ざった
    マメの柔らかい風味は,トリッパの風味にとてもよく合う。そこでマメを
    料理にアレンジ。インゲンマメ400 g を前の晩から水に漬けておき、トリ
    ッパを調理している間に別の鍋でゆでて、水気を切っておく。トリッパが
    できあがる10分前に同じ鍋の中に入れ、かき混ぜる。別にパルメザンかパ
    ダノのおろしチーズを添えて食卓に供す。

 

 

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デジタル・アイコンタクト

2012年10月03日 | デジタル革命渦論

 




【アイコンタクト時代】


 

ウェブカメラと赤外線LEDからなるAndroid用のシステム「Senseye」が話題となっている。
スマートフォンに搭載されることで、視線入力装置の波及が広がりをみせる。もっとも、
眼球の動きの特徴パラメータを解析蓄積することで読心システムとしての応用も考えられ
のでプライバシーという人権のボーダレス化も進みそうだから余り手を叩いて喜んではい
られない局面もくるだろう。画面を見ていない時は画面表示を暗くする、視線の位置に応
じて画面をスクロールさせる、視点に合わせてキーボード入力などなど。これでタッチパ
ネルがなくなるかとなれば、これはMFP(Multifunction Peripheral、多機能周辺装置)として
生き残っていうだろう。また、視覚症候群という新しい病理の発生も懸念される。 

尚、このアイデアは1960年代にはあったが、猛烈な勢いで研究開発されてきたのわたしの
記憶では2000年の入り口当たったと記憶しているが、デジタル革命の勢いはこんなところ
にも顕れていて、デジタル・アイコンタクト時代という潮流が鮮明になりつつあるかのよ
うにある。

特開2009-015592

 


【イタリア版食いしん坊万歳:ヤマメのチーズ焼き】



材 料:ヤマメ4匹、ミックスチーズ(ピザ用)120g、トマト1個、パセリ 少々


作り方:小さなボールにミックスチーズ、小角切りのトマト、みじん切りのパセリを混ぜ
    ておく。魚に塩、コショウをし、グリル板で両面を焼く。グリル板のあいている
    ところに、ステンレス製の輪(目玉焼き用)を置き、この中にチーズを入れ、溶か
    す。チーズが完全に溶けたら、そのまま魚の上にのせれば、出来上がり。

渓流釣りの醍醐味はファンならならのもの、塩焼きが定番だが、ここはアウトドアーのイタリア料理
しあげにすれば、また新鮮なものになり楽しみ方にも広がりを見せるだろう。

 

 

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超伝導の錬金術

2012年10月01日 | 日々草々

 

 

電気抵抗がゼロになる超電導の仕組みは1957年に米国のバーティーン、クーパー、シュリーファーら
によって解明され、この三人は、この業績により1972年のノーベル物理学賞を受賞している。この理
論は結晶が柔らかくなればなるほど超電導に移行する温度が高くなることを示し、錫や鉛のような柔
らかい金属は比較的高い温度で超電導になることが知られている。しかし、結晶を柔らかくする方法
は知られてなかったため、高温超電導材料の開発は進まなかった。岡山大学大学院自然科学研究科の
工藤一貴助教と東京大学物性研究所の廣井善二教授らの研究チームは、ニッケル化合物にリンを加え
ると、リンの濃度が7%の時、結晶が最も柔らかくなり、転移温度が 3.3ケルビン(マイナス270℃)
となることを発見した。これはリンを混ぜない場合の超電導転移温度 0.6 ケルビン(零下272.6℃)
に較べて5倍以上の上昇し、結晶が柔らかくなると、強結合状態※という高温超電導に有利な状態に
移行することも明らかにしたという(2012.8.29、米国物理学会速報誌 Physical Review Letters 掲
載)。

※粒界を通過する臨界電流密度が粒内と同程度である状態を示す。高温超電導体のコヒーレンス長は
 短いため,ナチュラルバリヤーすら存在しない理想的な接合でなければにはなりにくい。

※コヒーレンス長とは、超伝導における電子の対(クーパー対)の空間的な広がりを表す長さの尺度
 のこと。ピパード (B. Pippard) が最初に提唱した。

また、同じ岡山大学大学院自然科学研究科の研究グループでは、三角格子イリジウムカルコゲナイド
(IrTe2)に形成されたIr直鎖の分子状クラスターが、3%の白金をドープし融解すること、すなわち
Ir直鎖の化学結合が切断されることを発見。化学結合を切断すると直ちに臨界温度3.1 K(ケルビン)
の超伝導が現れるというもの。(Journal of the Physical Society of Japan (JPSJ)、2012.5掲載)。



これは、IrTe2における分子状Ir鎖の形成が、Irのt2g軌道の秩序化が関係し、t2g軌道に属する dxy,
dyz, dzx軌道の一つを電子が選択的に占有することで軌道が規則的に配列し、軌道の電子雲が伸びる
b軸方向にだけ化学結合が形成されたのではという仮説により説明でき、軌道の規則的配列が、銅酸
化物などのスピンの規則的な配列に類似し、これらがバラバラに融解したところで超伝導が発現する
ことも 互いに類似し、軌道秩序の実験的観察や、軌道揺らぎによる超伝導など、今後の展開が期待さ
れている。

 


 


超伝導や高温超伝導の実用化技術の進歩は年々増してきている。その一例として超伝導モータを用い
た船舶用ポッド型推進装置などが挙げられるが、と同時に理論的・基礎的な分野のでの解明もまだま
だという感があるが、その突破の糸口として、岡山大学グループの今回の2つの発見および解明を取
り上げてみた。例えば、下表の転移温度と材料化合物との特異的構造法則が解明されれば、自由自在
に高温(常温)超伝導物質が現代の日本の錬金術師達により創製される時代がそう遠くない未来に実
現されるかも知れない。

 

 

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