『神々のテロリスト』
Täcknamn Coq Rouge
(英題“CODE NAME COQ ROUGE ”)(1989年スウェーデン)
監督 ペール・ベルイルンド
脚本 ペール・ベルイルンド
原作 ヤン・ギィユー
出演 ステラン・スカルスガルド
レンナット・ユールストレム
■ストーリー■
アラブのテロリストが北欧で「ダレット計画」という計画を実行しようとしていることを突き止めた軍情報部は、警察にカール・ハミルトン大尉を特別区顧問として出向させるのだった。警察のナシュランド部長は軍隊から来たハミルトンを良くは思わず捜査に協力的でなかった。そんな時、「ダレット計画」を探っていたナシュランドの部下フォルケソンが車の中で死体で発見されるのだった。手がかりは残された凶器のソ連製の拳銃とエジプト煙草だけ。警察は体制に批判的なジャーナリスト、ポンテを怪しいと疑うのだった。しかし、ポンテはハミルトンの昔からの知り合いだったのだ。
□■□ネタバレあり!□■□
■感想■
元CIAのエージェント、カール・ハミルトンを主人公にしたスウェーデン製アクション映画です。
本作と同じくステラン・スカルスガルドがカール・ハミルトンを演じた本作の続篇も『D(デッド)・スナイパーEC爆破司令を阻止せよ!』THE DEMOCRATIC TERRORIST(1993年)としてビデオスルーで公開されました。
カール・ハミルトンを主人公にした映画は、ピーター・ストーメアが主人公を演じた『ハミルトン』(1989年)が日本でも劇場公開されました!
今作は、続篇の超ハードアクション『D(デッド)・スナイパーEC爆破司令を阻止せよ!』に負けないくらいの超リアルモードな展開で、ハリウッドでは考えられないクライマックスを向かえるアクション映画になってます!! ハリウッドのエンターテイメントに慣れてると思わずショックで「エーッ!そんなのあり??」って感じになっちゃいます。
なんといっても、本編のストーリーのメインの謎解きの「ダレット計画」がラストで実行されちゃうんですから!!実行されて、犠牲者出まくり!!
思わず画面を観て突っ込んじゃいました!
「何やってんだ!カール・ハミルトン!!」
それにストーリー自体、誰が敵で誰が味方かがハッキリしてないし!こんなに複雑だと盛り上がれないです。ちょっと、それは言いすぎでした!ちゃんと敵も味方かもちゃんと観てればわかります!!
とにかくスウェーデン映画っぽく淡々とストーリーが展開していきます!映画の最初の方で、「この事件は私でなんとかします!」とか言ってハミルトンに敵意むきだしだった警察の捜査官フォルケソンが何の見せ場もなく一瞬で退場しちゃうし!!ここでまず最初のビックリ!!こんな中盤に行くまでに画面から消えていくキャラクターなのに目だってたの??
まぁハリウッドのわかりやすい映画ばっかり見てる自分が悪いんですけど、スウェーデンの映画ファンって複雑な話好きなんですね。このストーリーでも、サスペンス小説やらスパイ小説には良くある話なんですけどね。
ハリウッド映画には無いパターンのストーリー展開です!!エスピオナージュ物が大得意のイギリスのスパイ小説を読みなれてると、何とも思わないかもしれないストーリーですけど、このクライマックスだけはビックリです!!
ビックリどころか、エンターテイメント映画としては少し壊れてるのかも!!そこが今作の魅力ですけど!!このクライマックスのおかげで、他の平凡なスパイ映画から目だってるんですけどね!!
でも、やっぱり「ダレット計画」が実行されちゃったら何のために主人公たちが頑張ってたんだ!って思っちゃうでしょ。
警察でのエピソードも、カール・ハミルトンと捜査をともにする刑事とのからみとかゼンゼン膨らませていかないんですからね。
最後の展開も、ブチッってスイッチが切れるように映画終わっちゃうんですから!!
でもリアルで良いですよ、たまにはこういうエアンターテイメント作品も良いですね。自分はけっこう好きです。ハリウッドばかりじゃなく、こういう映画もないとね。80点