『CUBE』
CUBE(1997年カナダ)
監督 ヴィンチェンゾ・ナタリ
脚本 ヴィンチェンゾ・ナタリ
アンドレ・ビジェリク
グレーム・マンソン
出演 モーリス・ディーン・ウィン
ニコール・デ・ボア
デビッド・ヒューレット
■ストーリー■
ある日、6人の男女が目覚めると、謎の立方体の部屋にいた。部屋には6個の扉がついており、扉の先には同じような部屋が続いていた。しかし、部屋の中にはトラップが仕掛けられている部屋があり、そのトラップに掛かると死んでしまうようになっていた。6人の男女は何とかしてこの謎の建造物からの脱出をこころみるのだが。
■ネタバレあり!未見の人は読まないように!■
■感想■
1999年の【ジェラルメールファンタスティック映画祭】で作品賞グランプリ、国際批評家賞、観客賞受賞したサスペンス映画の傑作です。
監督は『カンパニー・マン』(2002年)のヴィンチェンゾ・ナタリ。
この発想、ウマイです!
普通の映画だったら描くであろう
「なぜ、CUBEの中で目覚めたのか??」とか、
「CUBEとは何なのか??」とか
「6人の登場人物たちの関係は??」とか
説明的なコトを一切省いて、徹底して脱出するためだけのサスペンス映画にしています!!
最初から最後までいかに脱出するか?で緊張感を持続させてるんですから!
キャラクターも良く出来てます。
高圧的な警察官クエンティンとか、数学が得意な女子学生レブン、頭の不自由そうな青年カザン等々、それぞれのキャラクターに見せ場が用意されてます。
中でも、脱獄の天才レンを登場させて、レンだけは脱出出来るんだろうなぁ。と思わせておいて、あの退場のさせ方!!
「もうレンの退場の仕方のシーンだけで、絶望感があふれてきます!」
でも、実はこの手法、今作がオリジナルってわけじゃないんですけど、見せ方がウマイです!
ジョン・ブアマン監督の田舎は怖いよ系サスペンス『脱出』(1972年)では、当時タフガイのイメージの強かったバート・レイノルズを出演させておきながら、早々とケガさせて足手まとい状態にして観客の期待を裏切ってました!!
足手まといと思わせといて、カザンにも、ちゃんと役割が与えられてます!カザンが活躍するシーンで、思わず「そう来たか!」って思っちゃいました。
あと、ハリウッド映画だったら、絶対描かないような、オシッコするシーンとかもちゃんと出てきます!
人間なら、何時間もいたら、当然、オシッコしますからネ!
それより、女医のハロウェイのセリフの中で、
「水も食べ物もなかったら、衰弱して3日と持たない!」とか言ってます!
ハリウッドの映画だったら、食事も水分も睡眠も取らないで、動きまわるスーパーマンみたいな人間が普通に出てきますもんネ。
「部屋の温度を考えたら、もっと早く衰弱する!」みたいなコトも、ちゃんと言ってます!
設定自体が、不条理系なんで、こういう現実的なセリフでリアリティを出してバランスを取っています!
あと、トラップの数々も、もしかしたら注意していたら逃げられるようなトラップが用意されているのもウマイです!もちろん一瞬で死んじゃうトラップもありますけどネ。
「う~ん、ホントにウマク出来てます!」
やっぱり映画は、予算でなくアイディアで勝負して欲しいです!サスペンス映画はこうでないとネ。
でも、脱出できる人間を減らすような仲間どうしの仲違いのシーンは止めて欲しかったですけど、現実的にはあんな状況に追い込まれたら、カリカリ来てやっぱりケンカしちゃいますね。 60点
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