『華麗なる殺人 死ぬには美しすぎて』
SOTTO IL VESTITO NIENTE 2(1989年イタリア)
監督:ダリア・ピアーナ
脚本:クラウディオ・マンシーニ
アキーレ・マンゾッティ
ダリア・ピアーナ
出演:フローレンス・ゲラン
フランソワ=エリック・ジェンドロン
ジョイア・マリア・スコーラ
ランディ・インゲルマン
ジョヴァンニ・タンベリ
■ストーリー■
ファッションモデルのシルビアは、ファッション業界の大物に目をつけられ、あるパーティを仕組まれ襲われてしまうのだった。
怒ったシルビアはパーティ会場から車で逃げ出すが、3時間後パーティ会場から10キロ離れた崖から転落して死んでしまう。なぜ10キロ先の崖まで3時間もかかったかは不明だった。
その後、メラニーというモデルがミラノにやってくる。そんなとき、例のパーティを仕組んだ現場にいた者たちが、次々に殺されていく事件が起きていくのだった。
■感想■
ファッション業界を舞台にした1985年のイタリアのジャッロ映画『ドレスの下はからっぽ』の続編です。
『ドレスの下はからっぽ』のイタリアのタイトルは”SOTTO IL VESTITO NIENTE”ですが、今作のイタリアのタイトルは”SOTTO IL VESTITO NIENTE 2"です。
続編と言っても、関連するのは映画の舞台がファッション業界というところだけですけど。
『ドレスの下はからっぽ』は、双子の兄妹の超自然的な精神感応力をきっかけにして、正統派のジャッロを目指したようなミステリー映画でしたが、今作は殺人シーンもあっさりと軽く描かれすぎで、ジャッロ映画の雰囲気は少し薄目です。
プロモーションビデオの撮影シーンが多いからかもしれないですけど、スタイリッシュでオシャレなシーンが多すぎ!
ミステリー度もあまり高くない、、。
ダリオ・アルジェント監督全盛期の作品みたいにストーリーを描くことそっちのけで、殺しのシーンをしっかり描けとは言いませんけど、今作は余りにも殺しのシーンがアッサリしたものです。
ストーリーがミステリー的に素晴らしいものだったら良いんですけど、肝心のストーリーも大したことないのが、、、。
ストーリーもこういう作品を観なれた人にはすぐにわかってしまうような感じ、、。
今作は1989年にイタリア本国で公開されて『ロジャー・ラビット』に次ぐ第2位のヒットになったらしいですけど、、、。
1989年は他に大ヒットした作品は無かったんでしょうか??
自分も『ロジャー・ラビット』より今作の方が観たいですけど、、。
ミラノにやってきたメラニーやシルビアを使おうと思っていたディレクターのデビッドを主人公にして連続殺人事件を捜査するっていうストーリー運びをメインにすれば良かったのに、、。そうなってません。
被害者が次に殺されるのが自分かも?って、おびえてるのがストーリーのメインになっちゃってます!!
延々と被害者たちが描かれてく、、。
なのに、殺人シーンはあっさりめ!
肝心なラストの犯人も別に驚かないでしょう。
登場人物が少ないので犯人になりそうな容疑者は2人しかいないですからね、、。
これが、もう少しミステリー度高めの脚本だったら、、、。もちろん犯人も違う設定で。
オリジナル版はランニングタイム100分ですが、日本公開版は90分なので、10分でずいぶん印象が変わるのかもしれないですけど、、。
けっこう殺人シーンとかしっかり描かれていたりして、、。
『血のバレンタイン』もゴアシーンがしっかり描かれていた日本劇場公開版と、ゴアシーンがカットされたアメリカ劇場公開版では印象が全然違いますからね、、。
90分くらいの作品で10分違うと、ずいぶん違っちゃいますよねー。
主人公がハッキリしないのが、ちょっと感情移入できない理由かもしれないです。
もう少し、普通のミステリー映画のような体裁をとってくれたら、面白く観れたと思うんですが、。
ジャッロ映画としても、ミステリー映画としても、特別に面白い作品では無くあくまでもジャッロ映画の1本って感じの作品です。
ジャッロ映画のブームが去って久しい1989年の作品だから、こんな作品が作られただけでも良しとしなければいけないんでしょうねぇ。
肝心なラストの犯人も別に驚かない映画ファンは少なくないでしょう。
これが、もう少しミステリー度高めの脚本だったら、最後の犯人にも少しは驚けたのに!
でも、イタリア映画なんで、これくらいでOKです、、。
イタリア映画に甘いので、、。
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