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『アムステルダム無情』 オランダアクション

2007-01-09 00:08:21 | アクション

アムステルダム無情』(ビデオ題『アムステルダム怒りの追撃』)
AMSTERDAMNED(1988年オランダ)
 監督:ディック・マース
 脚本:ディック・マース
 出演:フーブ・スターベル
    モニク・ヴァン・デ・ヴェン
    セルジュ=アンリ・ヴァルック
    ヴィム・ゾマー

 ■ストーリー■
 オランダの首都アムステルダム、運河の数が165本、その長さはすべてを足すと40キロ以上。
 そのアムステルダムで、連続殺人事件が起きた。被害者の状況から、犯人はダイバーであると推測される。やり手の刑事エリック・フィサーは目撃証言からダイバー関係の捜査を始めるのだった。
 捜査のために訪れたダイバー教室でローラという女性と知り合うのだった。仕事熱心のあまり妻が愛人を作って家を出て行ったエリックはローラに関心を持つのだった。その後も、警察の懸命な捜査にも関わらず、連続殺人が起き続けるのだった。

 □■□少しだけストーリーのネタバレあり!□■□
 ■感想■
 『悪魔の密室』(1983年)のディック・マース監督の連続殺人犯を追い詰める刑事の活躍を描くアクション映画です。
 ディック・マース監督もこの作品のころは、全然ハリウッドぽくなくて、オランダ映画って感じです。
 監督自身は、刑事物のアクション映画のエンターテイメント作品ということで、ハリウッド的な作品を目指していたのかもしれないですけど、ヨーロッパ映画的です。
 その後の作品も、オランダで活躍し続けて、ハリウッド的な感じもしないですけど、、。
 ランニングタイム113分と少し長めな感じです。

 『悪魔の密室』がヒットして大作な作品が撮れるようになったのでやりたいこと、これでもかと詰め込んじゃったんでしょうか??
 なかでも、今作を観た映画ファンだったら、ボートチェイスは最大の見せ場で感動物!!
 
 ボートチェイスといえば、今作か、『デンジャーポイント』かって感じです、、、。
 
 アクション映画度 ★★★★
 ミステリー映画度 ★★
 スリラー映画度  ★★
 ジャッロ映画度  ★★★
 ホラー映画度   ★

 この作品もず~っと観よう観ようと思ってるうちに、見逃していた作品です。昨年、11月頃、日本テレビの深夜の映画劇場の枠で放映していたんでエアチェックしといたので、お正月休みに鑑賞しました。

 ディック・マース監督も、『小さな目撃者』(1999年)はオランダ映画してましたけど、自分の『悪魔の密室』をセルフリメイクした『ダウン』(2001年)では、普通のハリウッド作品の監督になっちゃったって印象でした。『ダウン』の作品そのものがオランダ、アメリカ合作っていうのもあるんですが、、。
 @KOBAは、エレベーターホラーの『ダウン』って、けっこう好きなんですけど、主演のナオミ・ワッツは、出演したフィルモグラフィーの中で過去恥部にしてるみたいです。


 ナオミ・ワッツって、B級系のホラー映画がキライなんでしょうねぇ、、。ナオミ・ワッツのコト、けっこう好きだったのに、このエピソードを聞いてから、ホンのちょっと好き度が下がっちゃいました。
 
 今作『アムステルダム無情』なんですけど、殺人犯がなぜ突然犯行を始めたのかが説明不足なんですけどね。まぁ、殺人を犯すような人だから、突発的なんでしょうけど。ふと思い立って行動したんでしょうね。
 
 それに犯人の動機って、社会に対する怒りが動機ってコトになってますけど、イタリアのジャッロ映画なみにとってつけたような動機なような気も、、、。
 それはそれで全然OKですけど。
 
 自分は今作を犯人は誰??みたいなミステリー映画的に観てたんですけど、甘かったです。
 
 ホントに甘かった!!

 果たして「犯人の正体は??」って観てたら、唐突に出てくる犯人!
 そのくせ、主人公の刑事の身近なところに犯人の知り合いがっ!!そういう犯人の関係者が主人公の身近なところにいるののもジャッロ映画的!!
 
 ハリウッドのエンターテイメント作品だったら、犯人と主人公の刑事の対決がクライマックスにくるはずなのに、今作ではあっけない終わり方!!
 あの終わり方って、ハリウッド映画への皮肉なの??とまで思っちゃいます。
 
 1番盛り上がるのは、その前に用意されている犯人と主人公の刑事のモーターボートのチェイスシーン!
 そのチェイスシーンも、下水に逃げた犯人を追った刑事を、殺し損なう犯人!

 「エーッ、なんで??」

 今まで、あんなに冷静に殺人を行ってきたのに!!まぁ、あそこで、犯人が主人公を殺しちゃったら、映画が終わっちゃって後味悪いですけどね。

 主人公の家族の設定(奥さんがイギリス行っちゃったとか。娘がいるとか)や、水上警察の知り合いとのエピソードとか、キャラクターを掘り下げるためなんでしょうけど、あまり効果をあげていない気がします。
 あと、“ダーティハリー”のようにケーキ屋での暴漢を撃退するシーンも余計な気がしないでもないですけどね。

 今作は地上波の吹替では放映されたコトあるんでしょうか??
 
  吹替なしでも良いのでソフト化(DVD、ブルーレイ)して欲しいですね!

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『悪魔が来りて笛を吹く』稲垣金田一第4弾

2007-01-08 02:04:25 | 日本映画
悪魔が来りて笛を吹く
(2006年日本)
 監督 星 護
 脚本 佐藤 嗣麻子
 出演 稲垣 悟郎、国仲 涼子、成宮 寛貴、伊武 雅刀、榎木 孝明、秋吉 久美子、小日向 文世

 ■ストーリー■
 昭和22年、銀座の宝石店「天銀堂」で毒殺による集団殺人強盗事件が起きる。生き残った従業員の証言からモンタージュ写真が作られ指名手配されるが事件は進展しなかった。一方、華族の椿子爵が自殺する事件が起きる。そんなある日、椿子爵の屋敷で椿子爵がフルートを吹く姿が目撃されるのだった。子爵の娘、美禰子は、金田一耕助に調査を依頼するのだった。子爵の館には美禰子の他に、妻、秋子、秋子の父、玉虫伯爵、秋子の兄、利彦、利彦の息子、一彦、秋子の主治医、目賀、玉虫伯爵の小間使い、菊江、書生の三島東太郎、お手伝いのお種たちが、住んでいた。金田一は、椿子爵が生きているのか占う場に居合わせるが、その晩、停電を利用したトリックで椿子爵が残した「悪魔が来りて笛を吹く」のフルートの音が聞こえてくるのだった。

 ■感想■
 稲垣悟郎が、名探偵金田一耕助を演じるTVムービーの第4弾。今回は「悪魔が来りて笛を吹く」です。
 わかりやすいです!すごくわかりやすい!登場人物も多く、複雑な人間関係の横溝正史の今作も、TVムービーのせいか、すごくわかりやすく映像化されてます!
 複雑なプロットも、金田一耕助のタネ明かしでの説明シーンを延々と取っているので、すごくわかりやすい!ホントは分かりやすいって、ホメ言葉じゃないんですけどね。古谷一行のTVシリーズだと4時間弱のランニングタイムですからね。
 
 う~ん、こういうダイジェスト版みたいに分かりやすい作品を見せられると、逆に原作をていねいに映像化した古谷一行のTVシリーズ版のDVDを観たくなっちゃいます。でも、横溝正史の作品って、ミステリー重視というより、日本の風土に密着したドロドロな関係や猟奇的な設定を重視してるから、何回も観たいと思わないんですよね!だって観てて爽快じゃないでしょ。

 今作も、現実に起きた事件をモチーフにしたような宝石店の毒殺強盗事件を発端にしながら、いつものドロドロした殺人事件につながっていく、いかにも映像化向きの作品なのに、どうしても後味が悪いです。オドロオドロしさは、TVムービーなんで、メチャクチャ弱いですけどね。

 それにしても、今回の事件は、金田一耕助の悪いクセが出てます!

 「金田一先生、あなた、犯人が誰か、最初から分かってたんじゃないかーっ!!

 金田一耕助も、犯人の気持ちになっちゃって、事件を次から次へと起こさせてる気配が濃厚です!金田一耕助って、ホントに事件が終盤になるまで、犯人が何やっても、ほとんど、ほっとくんですから!でも、それが金田一物の良いところなんですけどね。
 でも、さすが名探偵って感じで、クライマックスの全員を集めての犯人とトリックのタネ明かしのシーンは、今まで、自分が観た稲垣金田一の作品の中では、ベストかも!(『犬神家の一族』は未見です)今作が、作品的に、特にそういう作品なんですけど。
 
 今回も脚本は、前作に引き続き、佐藤嗣麻子が担当してます。うまく原作を、まとめてると思うんですけど、いかんせんランニングタイムが2時間(CMカットすると2時間弱なのかな??)なので、ドンドン進みすぎな感じですけど、忙しい現代人には丁度良いかも。でも、観てる人が、ストーリーを楽しみながら犯人や動機を推理しようとする時間は全然無いですけどね。フジTVのドラマを見直しちゃいました!50点
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年末年始のTVの映画劇場

2007-01-07 18:13:28 | 映画、DVDに関する雑記
 2006年の年末、2007年の年始のTVの映画劇場なんですけど、枠が少なすぎ!昨年も(2005年年末~2006年年始)も少なかったですけど、もっと少ない気が!
 通常の映画枠以外で、放映された作品で、気になった作品をあげてみます。

 25日『感染』(04年)
 26日『ウィンドトーカーズ』(01年)
    『RONIN』(98年)(字幕)
 28日『SPY_N』(00年)(字幕)
    『フル・モンティ』(97年)(字幕)
 29日『HELL ヘル』(03年)(字幕)
 30日『エイリアン4』(97年)
    『ラブリー・オールドメン2』(95年)(字幕)
 31日『新・刑事コロンボ殺意のナイトクラブ』(03年)(字幕)
  1日『レリック』(97年)
  2日『ハートブレイカー』(01年)
  3日『シャーロックホームズバスカビル家の犬』(02年)
    『スペース・バンパイア』(85年)


 作品数も少ない上に、字幕放送ばっかり!(もし違ってたらすいません。TV情報誌の情報を元にしてます)
 TV東京でさえ29日に放映した『HELL ヘル』は字幕で放映したみたいですね!あんなに、TVの吹替えの映画を日ごろオンエアしてくれているのに、なぜ??なぜ??なぜ??
 いつか、「午後のロードショー」で吹替えで放映して下さい。待ってますよ!でも、さすが、TV東京!『レリック』と『スペースバンパイア』を放映してくれました!

 昨日もTVで映画を深夜に2本放映してましたけど、『フロム・ダスク・ティル・ドーン』(96年)、『マスター・オブ・リアル・カンフー大地無限』(93年)の2作品とも字幕放送。
 昨晩は、何気なく『フロム・ダスク・ティル・ドーン』を見てたら、けっこう面白かったです。スプラッター度や、裸シーンはおとなしめなんで、こういう娯楽作品こそゴールデンタイムに放送して欲しいです。吹替え版だったらエアチェックしようと待ち構えていたら、字幕放送だったんでガッカリでした。
 でも、ゴールデンタイムに裸(上半身だけですよ)とか、首がスパッ!とかって放映したら、クレームの電話してくる人いるんだろうなぁ。

 そんなに字幕ばっかりで、なぜ吹替えじゃないの??日本テレビは31日に「刑事コロンボ」の最終作(今のところ)を放映してくれたのに、やっばり字幕版。未ソフト化の作品だったら字幕版でも、まだOKですけど、ソフト化されてる作品を字幕で放映することに魅力を感じないんですけど。だって、レンタルビデオで借りれますからね。
 

 たまにはTVの映画劇場で、ビックリするような作品を放映して欲しいですよ!(TV東京は、普段から頑張ってるから良いですけど)
 年末年始くらいは、普段映画劇場の枠さえ無い放送局は、吹替えでビックリするような映画を放映して欲しいです。

 もう、自分的にはお笑い系の番組やバラエティ番組には、おなか一杯です。映画嫌いの人は、その逆を思ってるんだろうけどね。


 今年も、期待できるのは、TV東京の「午後のロードショー」くらいですかね。TV東京さん、がんばって下さい!
 
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『トゥモロー・ワールド』暗い未来

2007-01-06 01:51:04 | SF
トゥモロー・ワールド
CHILDREN OF MEN(2006年イギリス、アメリカ) 
 監督  アルフォンソ・キュアロン 
 脚本  アルフォンソ・キュアロン
      ティモシー・J・セクストン
 原作  P・D・ジェイムズ「人類の子供たち」
 出演  クライヴ・オーウェン、ジュリアン・ムーア、マイケル・ケイン、キウェテル・イジョフー、チャーリー・ハナフ

  ■ストーリー■  
 西暦2027年、世界中で子どもが生まれなくなって18年間が経ち、人類は希望を失い世界各地では混乱が起こっていた。そんな中、イギリスでは、まだ治安がなんとか保たれていた。
 エネルギー省に勤めるセオは、元妻で反政府組織「フィッシュ」のリーダーであるジュリアンから、ある女性を、“ヒューマンプロジェクト”という組織に渡すために外国へ連れ出すための通行証を手に入れるよう依頼されるのだった。  

 ■感想■
 イギリスの女流ミステリ作家P・D・ジェイムスの「トゥモロー・ワールド」(ハヤカワミステリ文庫)のSF作品の映画化です。
 イギリスの作品だけあって、SFと言っても、地味地味な感じの、子どもが生まれなくなった世界での混乱と陰謀がメインの作品です。

 “子どもが生まれなくなった世界”の混沌とした世界がうまく映像化されてます!
 映画版の今作は、小説版と比べてかなり映画的になってます!(あれ、なんかヘンな表現ですね) 
 原作の小説と、映画が内容が違ってても、全然OKなんですけど、映画版の今作は終末SFとしてうまく映像化されています!かなりハデな爆発シーンや、銃撃シーンを盛り込んで終末観をかもし出しています。
 爆発シーン!銃撃シーン!にも関わらず、それでも観たあとの印象は、イギリス映画らしい地味地味な印象を受けちゃいます。

 カフェの爆破やら強制収容所での市街戦やら、どんどん退場していく登場人物たちの印象ばかり強くて、ストーリーに希望が見出せないです!主人公を、演じるのが、怖い顔の俳優のクライヴ・オーウェンっていうのもありますけど、映画的でないリアリズムで、弱い主人公を演じてます。
 もちろん、弱いって言っても、“映画的ヒーロー”としては。って意味ですからね。人間としては、勇気ある行動とってて、とっても強くてカッコ良いです。 

 本当に今作は、世界の状況をイギリス製の作品らしいリアリズムで描いています。
 とにかく、反政府組織の「フィッシュ」やら、軍隊の印象ばかり強くて、主人公はあたふた逃げ惑うばかりっていうところもリアリズムありすぎ!!
 実際には、組織の方が強いっていうのは当然なんでしょうけど、主人公が何も出来ないで映画的には爽快感のカケラも無し!!とにかく終末SFとして最高の作品です!!
 
 デストピア映画としては、十分インパクトがありすぎるくらいなんですけど、劇場で、この作品109分は、けっこうつらかったです。観てる間も、観終わった後も、希望が見出せないなんて! 
 このダークな世界観は、インパクトありすぎです。一方、郊外に広がる田園風景のきれいなこと。世界中が混乱しちゃて、企業の工場とか動いてないのかな??っていうより、イギリスはもともと緑がキレイなんでしょうか??
 演出的には、街や強制収容所の中の薄汚い感じとの対比になってるんでしょうけど。  

 「ハリー・ポッター」の監督が終末SFを描くなんて宣伝されてたから、てっきり、もっと、ハリウッド、ハリウッドしたファミリー路線向けになってるのかな??なんて勝手に思ってました。「ハリー・ポッター」の監督なんていうから、てっきりクリス・コロンバス監督なんでしょ!なんて思ってたら、「アズカバンの囚人」の監督だったんですね。
 “ハリー・ポッター=明るい”ってイメージが勝手に出来上がってて、今作を見てビックリ!「真っ暗!」  
 最後に、エンドクレジットが流れてるときも、一生懸命、クリス・コロンバスの名前探しちゃいました。監督してるんじゃなくて、製作だったんだっけ??って。映画を見るときに、なるべく、その作品の事前情報を得ないで観るんで、こういう勘違いが起きちゃいました!!
 アルフォンソ・キュアロン監督は要チェック!ですね。

  世界各地で暴動とかが起きて、イギリス以外では、秩序や治安が保たれてないって言う設定ですけど、イギリスも治安は良くなさそう。これで、良いんだったら、他の国に行きたくないです。
 最初にニュース映像とか流れますけど、もっと世界の情勢を映して欲しかったです。ランニングタイムが109分もあるんだから、それくらい大丈夫でしょ。 とにかく、真っ暗なSFを見たい人には、どうぞ。85
トゥモロー・ワールド プレミアム・エディション [DVD]
P.D.ジェイムズ
ポニーキャニオン
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『女王蜂』稲垣金田一

2007-01-05 00:01:39 | 日本映画
女王蜂
(2006年日本)
 監督 星 護
 脚本 佐藤 嗣麻子
 出演 稲垣 悟郎、栗山 千明、及川 光博、手塚 理美、石橋 凌、小日向 文世

 ■ストーリー■
 探偵金田一耕助と作家横溝正史は前回の「八つ墓村」の事件で得た金で修善寺へ温泉旅行に出かけるのだった。2人の宿泊先の松籟荘のオーナー大道寺欣造は、楽器の月琴に似ていることから月琴島と呼ばれる島で暮らしていた義理の娘智子が18歳になったのを機に松籟荘へと呼び寄せるのだった。欣造は、智子の誕生パーティーで3人の婿候補の2人、遊佐三郎と駒井泰次郎を紹介するのだった。3人目の候補、九十九龍馬は、来ることが出来なくなったのだ。しかし、多門連太郎と名乗る男が現れ智子に近づいてくるのだった。そんな夜、松籟荘の時計台で遊佐三郎が殺されるのだった。

 ■感想■
 稲垣悟郎が金田一耕助を演じるTVムービーの第3弾。前作『八つ墓村』(04年)に引き続き、年始に放送される最新作『悪魔が来たりて笛を吹く』(07年)の宣伝もかねての年末での連続放映されたんで、鑑賞しました。
 前作『八つ墓村』と同じく脚本は佐藤嗣麻子っていうことで期待しながら鑑賞しました。2時間30分枠なので、大体120分くらいのランニングタイムですけど、120分のTVムービーに収めたためか登場人物が登場してはスグにバンバン死んでいきます!
 
 「あれ、この人誰だっけ??」って思ってるうちに死んじゃいます!まぁ、この「女王蜂」は以前、市川崑監督版の中井貴恵がヒロインを演じた作品を、真剣に見たことがあったんで、犯人とストーリーがわかっていたんで、わかりやすかったです!でも、このTVムービー版も良く出来てます!十分分かりやすいです。
 でも、でも、できたら、以前に、市川崑監督版として映像化されていない作品とかを、稲垣悟郎の金田一耕助作品としてTVムービー化して欲しいです。

 長い原作(それも時代物。昭和20年代)を映像化するだけでも大変なのに、TVコードや放映時間を考えながら作るのは大変でしょう!これが70年代や80年代だったら、マニアックに作りこむことも出来たでしょうけど、2005年のドラマで横溝正史の金田一耕助の世界の作品を作ることは大変でしょう!
 稲垣悟郎を主演にして、軽い気持ちで見れるって意味では、このシリーズも良いですけど!横溝正史作品のおどろおどろしさが、かなり薄まってる気がするのは、やはり稲垣悟郎のおかげ??

 そう言えば、またまた、ビデオ作品をフィルムに近づけるような処理までしてますよね!どちらかというと軽薄なイメージのあるフジTVのドラマですけど、金田一のシリーズを真剣に作ったことは評価しないとね!ただ、TVコードがきつすぎて、スプラッター度がやたら低いので、横溝正史作品にあるおどろおどろしさが低くなってるのが残念!それに情念とかの世界も描くの大変な時代ですからね。
 
 今度、TVで放映される『悪魔が来たりて笛を吹く』は、どんな風に映像化されるのか楽しみです!!40点
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『八つ墓村』 最近のドラマとしては良質

2007-01-04 00:12:09 | 日本映画

八つ墓村
(2004年日本)
 監督          星 護
 脚本          佐藤 嗣麻子
 出演          稲垣 吾郎
             藤原 竜也
             若村 麻由美
             りょう
             永澤 俊矢
             小日向 文世

 ■ストーリー■
 昭和23年、ラジオの人探しで捜索された孤児、井川辰弥は、田舎の村「八つ墓村」の多治見家の莫大な遺産相続人として「八つ墓村」に呼ばれるのだった。相続の説明を受ける辰弥の前で祖父が殺されてしまうが、辰弥は自分の出生の過去を知るため村へと向かうのだった。一方、金田一耕助は、弁護士より依頼され事件の解決を依頼される。横溝正史から、「八つ墓村」は、20数年前に辰弥の父親が32名を大量殺害した事件が起きていた村であることを聞くのだった。その村は、戦乱の世、8人の落武者を村人が金目当てで殺し、落武者の呪いがあるという言い伝えがある村だった。最初、気乗りしていなかった金田一だが、この事件に猟奇的な匂いを感じとり「八つ墓村」へと飛んで行くのだった。

 ■感想■
 稲垣悟郎が名探偵金田一耕助を演じたフジTVのスペシャルドラマのTVムービー。稲
 垣悟郎が金田一耕助を演じるシリーズの第2弾。第1弾は2004年に放送された『犬神家の一族』です。
 日本人って、『犬神家の一族』が好きなのね!
 確かに猟奇的な感じで映像化向きかもしれないですけど、ネタ的には大したことないと思うんですけどね!
 実は、今回の『八つ墓村』も、全然見る予定は無かったんですけど、年末のスペシャルドラマの再放送で放映してたんで、ついつい観ちゃいました。

 最後まで見て、脚本家を見たら、佐藤嗣麻子でした。最近は、フジTVのドラマの脚本を書いてますけど、@KOBA的には、佐藤嗣麻子といえば、1992年のホラー映画『ヴァージニア』(監督、原案、脚本)です!
 ロンドンインターナショナルフィルム・スクール出身で、第1作がヴァンパイア映画『ヴァージニア』!
 『ヴァージニア』を観た後、「このあと、どんな素晴らしい映像作家になるんだろう??」って@KOBAは、当時、すごく期待してたんですけど。

 
 その後、日本に帰ってきて、撮ったのは『エコエコアザラクWIZARD OF DARKNESS』(1995年)『エコエコアザラクⅡ BIRTH OF THE WIZARD』(1996年)!
 と、そのあたりまではホラー映画一筋だったのに、その後は普通のドラマの脚本家になっちゃってガッカリでした。
 その佐藤嗣麻子が描く金田一耕助ドラマでした。
 

 最近のドラマ(って言っても。ここ10年間くらい)は、どんなドラマでも、ビデオ撮りそのまんまが多いですけど、今回横溝正史のドロドロした殺人劇を描くためか、よりフィルムに近い質感が出るようスタッフが努力してるのがわかる良質の作品です。

 でも、でも、自分的には横溝正史の「八つ墓村」の映像化作品といえば、野村芳太郎監督の『八つ墓村』(1977年)です!
 本格ミステリー的には、どうなの??って展開でしたけど。
 ジョン・バッド・カルドス監督のB級ホラー『ザ・ダーク』(1979年)的に飛んでますからね!
 連続殺人を描くスリラー映画風な展開なのに、エイリアン物みたいな!!
 
 野村芳太郎版『八つ墓村』を初めて見たときはビックリしました!
 ミステリー的要素はどこかに行っちゃって、最後はジャンルを超えてオカルト映画に!!!
  稲垣吾郎版は50点

八つ墓村松竹このアイテムの詳細を見る

 

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『スパニッシュ・ホラー・プロジェクト』産婦人科

2007-01-03 01:01:22 | 外国テレビシリーズ
 スペインのTVのホラーアンソロジー「スパニッシュ・ホラー・プロジェクト」も今回で最後になりました!第2シーズンとかが始まれば別ですけどね。スペインのTV番組のシステムが良くわからないんで、どうなんでしょう、第2シーズンってあるんですか??(無くて良いんですけど)

 で、今回はナルシソ・イバニエス・セラドール監督の「産婦人科」です。ナルシソ・イバニエス・セラドール監督は今シリーズ「スパニッシュ・ホラー・プロジェクト」の監修もやってます。でも、ナルシソ・イバニエス・セラドール監督は『象牙色のアイドル』(70年)、『ザ・チャイルド』(76年)の監督としてホラー映画ファンには馴染み深い監督です。(とかいって、実は、「スパニッシュ・ホラー・プロジェクト」の話を聞くまで、名前を忘れてました!

産婦人科
LA CULPA
 監督 ナルシソ・イバニエス・セラドール
 出演 ニエベ・デ・メディーナ、モンセ・モスタサ、アレハンドロ・ロレンソ
 
 ■ストーリー■
 看護婦グロリアは、子どものビッキーを連れ、職場の女医アナに誘われアナの診療所を兼ねたアパート住むことになる。ある日、グロリアは、アナから診療所でおこなっている仕事を手伝ってくれるよう頼まれるが、それは中絶手術だった。

 ■感想■
 テーマが重すぎ!ホラー映画なんて、エンターテイメントで良い筈なのに、今作の重要なテーマが中絶!見てて落ち込んじゃいます。
 でも、そこが今作のテーマになってるんで、そこは変えられないからしょうがないんですけどね。

 『ザ・チャイルド』のナルシソ・イバニエス・セラドール監督なんで、どうせカワイイ女の子ビッキーがオカシイんだ!な~んて思ってると、
 「やられたーっ!」
 こんなオーソドックスな、ストーリーなのに、全然気がつかなかったです!
 「ハハハ、「スパニッシュ・ホラー・プロジェクト」のシリーズをなめてました!」
 って、それぞれのエピソードに、作品のデキに波がありすぎ!面白いエピソードと、どうでもいいエピソードの差が激しすぎです!でもまぁ、面白いエピソードも、普通に面白いってレベルですけどネ。

 今作の場合(って、他の「スパニッシュ・ホラー・プロジェクト」のエピソードもですけど)、オカルトなのか、ミステリーなのかどっちか、ストーリーを最後まで見るまでわからないっていうトリックに、見事にひっかかちゃいました!


  
□□□  □□□  □□□  □□□  □□□
 
 
 スパニッシュ・ホラー・プロジェクト」の6つのエピソードを見ましたけど、一応、好みで順位をつけてみました。
 
1位「クリスマス・テイル」
 
このエピソードには、やられちゃいました。見事です!ストーリーの中で、何回もTV番組が出てくるんで「なんか無駄なTVのシーンやってるなぁ。時間かせぎして」とか思ってると、そのTV番組が物語にちゃんとリンクしてくるんだから!面白かったです。

2位「産婦人科」

 このエピソードにもやられちゃいました。見る順番が良かったのかも。このエピソードの前に見た作品が、あまりにもオーソドックスな作品が多かったから、まさか想像もしてなかったです。

3位「悪魔の管理人」

 本当に良くありがちな作品で、ヒネリも無いですけど、まぁ及第点ってことで。

4位「ベビー・ルーム」
 
 このエピソードも、ごくごく普通のホラー映画にありがちなエピソード。「早く引っ越せ!」って感じ。

5位「リアル・フレンド」

 このオチ!ダメです。いくらTVでも。

6位「エル・タロット」

 オーソドックスすぎでした!
 
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『スパニッシュ・ホラー・プロジェクト』クリスマス・テイル

2007-01-02 00:28:09 | 外国テレビシリーズ
 新年1つめの記事は、スペインのTVドラマのホラーアンソロジー「スパニッシュ・ホラー・プロジェクト」のフランシスコ・プラザ(パコ・プラザ)監督の「クリスマス・テイル」です。
 12月22日にレンタル&セルでリリースされてたんですけど、年末は忙しくて、あんまりレンタルビデオ屋にも行けず見てませんでした。

クリスマス・テイル
CUENTO DE NAVIDAD
 監督 フランシスコ・プラザ(パコ・プラザ)
 出演 マル・バルディビエルソ、イバナ・バケロ、ダニエル・カサデヤ

 ■ストーリー■
 1985年のクリスマス、コスタ・ドラダの町に住むコルド、ペティ、エウヘニエ、ティト、モニたち少年少女のグループが、森の中の枯れた井戸に落ちたサンタクロースのかっこうをした女性を発見する。彼女を助けようとした少年たちだったが警察署で彼女が指名手配犯だと知り、井戸に閉じ込めたまま銀行強盗で得た金のありかを聞き出そうとするのだった。

 ■感想■
 『ダーク・チャイルド血塗られた系譜』(02年)、『ガリシアの獣』(04年)のフランシスコ・プラザ監督が描くホラー。
 ホラー映画というより、少年少女たちのファミリー系の作品なのかな??って感じでラスト10分くらいまでいくんですけどね。アメリカだったら、完全なファミリー路線にしちゃうような作品ですけど、そこはスペイン、そうはいかないです。
 完全なホラー映画になっていきます。まず、主人公たちの少年少女たちが、イヤな子どもたちばかりっていうのも、良いです。実際、子どもっていうのも残酷な1面を持ってますからね。アメリカのTVだったら、こんな子どもたちを主人公にしないですからね。

 「あ~、どうなっていくんだろう??」って、前半と後半でかなり雰囲気が変っていくんで、面白く見てると、最後の展開には、ビックリ!てっきり、子どもたちの残酷さを描く作品なのかな??とか思ってたんで、ビックリ!
 今作は面白いですよ!「スパニッシュ・ホラー・プロジェクト」の中でも、最高の面白さです。どちらかというと、オーソドックスなストーリーの多い「スパニッシュ・ホラー・プロジェクト」ですけど、今作は、ちゃんとヒネリのある2000年代のホラー映画になってます!(実は80年代ユーロホラーという話も)
 ランニングタイムが70分以上の作品が多い「スパニッシュ・ホラー・プロジェクト」ですけど、今作くらいのデキだったら、70分使っても全然OKですよ!あとの作品はランニングタイムが長すぎ!
 ちなみに「クリスマス・テイル」は72分。「ベビー・ルーム」が77分。「リアル・フレンド」が77分。「エル・タロット」が81分。「悪魔の管理人」が67分です。
 ちなみに、今作の教訓は「自分に危害を加えない人には優しくしましょう!」ってことです。

 フランシスコ・プラザ監督は、要チェックです!今後も名前を忘れないようにしときます。その前に『ガリシアの獣』を見ないといけないですね。
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明けましておめでとうございます!

2007-01-01 17:45:07 | ホントの日記
 2007年、明けましておめでとうございます!まずは、

 “HAPPY NEW YEAR 2007!

 イノシシ年ということで、“イノシシの映画”について、なんか記事を書こうかな??と思ったんですけど、特に思いつきませんでした。
 イノシシの映画と言えば、なんと言っても、ラッセル・マルケイ監督の『レイザーバック』(84年)なんですけどね。その他にイノシシの映画が思いつかなかったです。『レイザーバック』の記事を書こうと思って、近所のレンタルビデオ屋さんに行ったんですけど無かったんで、中古ビデオ屋さんまでまわったんですけど、やっぱり発見できずじまい!(無いとは思ってたんですけど)
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『レイザーバック』(84年)
どんな映画なんでしょう??1度は見てみたいです!ちなみに画像は洋書です。

 「いつか見よう!いつか見よう!」と思いつつ見ずに20年も経っちゃいました
 見た人の評判が悪すぎて、「見るのはいつでもいいかな」って思って見ないうちにレンタルビデオ屋さんから消えちゃいました

 今年も、B級映画を中心に感想を記事にしていきますので、みなさんよろしくお願いします!
コメント (4)
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