冬の乾燥したかゆみ止めにメンタームEXが効くと聞いたので、
早速ドラッグストアへ行くと、
ロート製薬のリトルナースと近江兄弟社のキッドマークが並んでいます。
1月に海外の乾燥したホテルで、かゆい体をもてあましていたときに、
連れのタニがメンソレータムをくれました。
このとき初めてメンタムとは違うことを教えてもらいました。
長い間同じ塗り薬だと思い込んでいたし、
正露丸のように類似品なのか、どこが違うのか不思議に思いました。
おくすり博物館で知りえた情報をかいつまんでみると。
昭和の30年代にはそのゾロゾロ品、類似品が200種類近くもあったそうです。
1894年(明治27年)アメリカで『メンソレータム』が開発された
10年ほどたってアメリカから来日した宣教師
ウィリアム・メレル・ヴーリスによって日本に伝えられた
ヴーリスは紆余曲折の後、布教活動の資金を得るため
1920年(株)近江セールズを設立し、『メンソレータム』の輸入販売を開始
1941年日本国籍を取得し一柳 米来留(ひとつやなぎ めれる)と改名した
1944年には(株)近江兄弟社と改称、
戦後も『メンソレータム』は家庭常備薬として愛用されたが、
1974年業績が悪化し倒産
近江兄弟社が製造・販売権を米メンソレータム社へ返還した際、
リトルナースの商標権もメンソレータム社へ売却した
翌年ロート製薬がメンソレータム社より専用使用権を取得し製造・販売、
一方近江兄弟社は社員の再建努力の結果、
製造・販売の再開にこぎつけ「メンターム」を発売、現在に至る
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主原料や効能はメンソレータムとはほぼ同じで、容器のデザインも酷似。
メンソレータムが黄色ワセリンを使っているのに対し
メンタームが白色ワセリンを使っているため、若干色合いが異なるそうです。
1988年、本体のアメリカのメンソレータム社は
ロート製薬が買収し、子会社となり、
メンソレータムは現在、ロート製薬のブランドとして使用されています。
たかが塗り薬、されど塗り薬。
わずか100年の間にこんなおもしろい歴史があったとは・・・