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ユニ・チャームのバフェット流投資判断

2008年04月05日 01時00分00秒 | バフェット流投資判断
<土曜は株のおはなし>

「億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術」の購入はコチラ  

 「億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術」という本では、バフェット流銘柄選択術が示されており、具体的には以下の13の質問を満足できれば、その株式を購入した方が良いというものです。

 私はこの本にとても感銘を受け、このブログの左側の方にもオススメな本として紹介している次第であります。

 今回は、以前紹介した日本、北米、欧州以外の新興国への利益依存度が2006年9月中間~2007年9月中間の間に上昇している主な企業の中からユニ・チャームについて具体的に判断してみたいと思います。株式投資の参考になればと思います。

 データは、四季報CD-ROMが主ですが、Yahoo(ホームページ)ロイター(ホームページ)MSN(ホームページ)を参考にしました。


1消費者独占力を持っているか?
 不織布・吸収体の加工・成型技術を駆使した製品群を手掛け、顧客ニーズを的確に掴むマーケティング力と先進的な商品の開発により消費者独占力を持っていると思います。

2事業内容を理解しているか?
 生理用品・ベビー用・大人用紙おむつでトップで、ペットケア用品も首位級です。アジア・中東に展開し、海外比率は32%あります。

3製品・サービスは20年後も陳腐化していないか?
 生理用品・ベビー用・大人用紙おむつなどは20年後も陳腐化しないと思われます。

4コングロマリット(直接の関係を持たない多岐に渡る業種・業務に参入している企業体)か?
不織布・吸収体の加工・成形分野に注力し、コングロマリットではないと思います。

5 1株当たり利益(EPS)は安定成長しているいか?
 EPS BPS ROE(EPS/BPS) 配当 配当性向 株価(年末) PER(株価/EPS)
1998,3 126.92 1,263.64 10.0% 15 11.8% 4,620 36.40
1999,3 150.55 1,301.95 11.6% 17 11.3% 5,300 35.20
2000,3 177.29 1,510.58 11.7% 19 10.7% 5,890 33.22
2001,3 139.85 1,489.10 9.4% 24 17.2% 5,800 41.47
2002,3 126.78 1,584.57 8.0% 20 15.8% 2,740 21.61
2003,3 185.29 1,674.47 11.1% 24 13.0% 4,710 25.42
2004,3 240.26 1,858.63 12.9% 28 11.7% 5,270 21.93
2005,3 244.25 2,069.30 11.8% 30 12.3% 4,910 20.10
2006,3 229.34 2,309.59 9.9% 32 14.0% 5,300 23.11
2007,3 232.31 2,501.60 9.3% 44 18.9% 7,070 30.43
平均 10.6% 13.7% 28.89
6.2% (EPS成長率)
 EPSはこの10年間で安定的に成長していると思います。


6安定的に高いROE(平均)をあげているか?
2003,3 11.60% ←ロイター
2004,3 13.70% ←ロイター
2005,3 12.53% ←YAHOO
2006,3 10.58% ←YAHOO
2007,3 9.64% ←YAHOO
平均ROE 11.6%
 ROEも安定的に高い値だと思います。


7強固な財務基盤を有しているか?長期負債/税引利益倍率
0.58
 この本では長期負債となっていますが、有利子負債で計算しました。この負債を返済するのに0.58年かかる財務となります。負債はかなり少ないと思います。


8自社株買戻しに積極的か
MSN(財務諸表→10年間の概括)で10年間の発行済み株式数のデータあり
1998,3 72.6 (百万)
1999,3 70.9 (百万)
2000,3 70.9 (百万)
2001,3 69.9 (百万)
2002,3 69 (百万)
2003,3 67.5 (百万)
2004,3 66.5 (百万)
2005,3 66.5 (百万)
2006,3 65.4 (百万)
2007,3 64.4 (百万)
 自己株式はここ5年で順調に6.61%まで増やしています。自社株買戻しに積極的だと思います。

9製品・サービス価格の上昇はインフレ率を上回っているか?
 ROEが安定的に高いことから、製品価格はインフレ率を上回っていると思います。

10株価は、相場全体の下落や景気後退、一時的な経営問題などのために下落しているか?
 株価は長期的には2002年1月から上昇傾向にあり、買い場の下落傾向にはありません。

11株式の益利回り(今期のEPSを現在の株価で割る)と利益の予想成長率を計算し、国債利回りと比較せよ
2008.3.28の株価 \7,380
A:株式の益利回り(今期のEPSを現在の株価で割る)
3.1%
B:予想EPS成長率
6.2%
A+B 9.4% :長期投資の期待収益率
国債の利回り
1.723% 10年国債
2.436% 30年国債
米国で当時7%
 株式の益利回りは9.4%とかなり高い値となっています。


12株式を擬似債券と考え、期待収益率を計算せよ
株主資本の予想成長率
=ROE(1-配当性向)
10.0%
10年後の予想BPS=直近のBPS×(1+株主資本の予想成長率)^10
6,503

10年後の予想株価=10年後の予想BPS×平均ROE×過去10年間の平均PER
\21,813

今後10年間の期待収益率=(10年後の予想株価/現在の株価)^(1/10)-1
11.4%
 擬似債券と考えた期待収益率は11.4%とかなり高い値となっています。

13過去のEPS成長率をもとに計算する手法で期待収益率を計算せよ
過去の平均EPS成長率=(直近のEPS/10年前のEPS)^(1/10)-1
6.2%

予想EPS=直近のEPS*(1+過去の平均EPS成長率)^10
425

10年後の予想株価=予想EPS×過去10年間の平均PER
\12,285

期待収益率=(10年後の予想株価/現在の株価)^(1/10)-1
5.2%
 EPS成長率をもとにした期待収益率は、5.2%となっています。


<まとめ>
 ユニ・チャームは、消費者独占力があり、生理用品・ベビー・大人用紙おむつなどで事業内容は分かりやすく、コングロマリットではなく、製品は20年後も陳腐化しないと思います。

 また、EPSやROEは安定的に高く、強固な財務基盤を融資、自社株買戻しに積極的で、製品価格の上昇はインフレ率を上回っていると思います。

 また、株式の益利回り、擬似債券と考えた期待収益率、EPS成長率をもとにした期待収益率も高い値となっていて、バフェット的にはかなり買い推奨の銘柄だと思います。

 ただ、株価が上昇傾向にあり、買い場ではないことが唯一残念です。


株のお話しまとめ(2007年)
株のお話しまとめ(2006年)

<今日の独り言>
ホームセンターの「ケーヨーデイツー」と広告代理店の「アサツーディ・ケイ」って何か読み方が似てませんか?よく間違えてしまいます^_^;)

コメント
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