<金曜は本の紹介>
「臓器は若返る-メタボリックドミノの真実(伊藤裕)」の購入はコチラ
この「臓器は若返る-メタボリックドミノの真実(伊藤裕)」という本は、健康長寿の秘訣として体の中のミトコンドリアを生き生きとさせること、そのためには「少食」で「体を鍛える」ことが大切ということについて、その理由や、やり方も含めて詳しく分かりやすく書かれた本です。
また、以下の点は「へ~~!」と思いましたね。
・酸素を一番使うのは脳ではなく、消化器が30%、腎臓20%、脳が15%、骨格筋が15%
・体の免疫グロブリンの実に半数は腸管で産生されている
・人間の祖先はある時期、半水生の生活をしていたかもしれない
・肥満体質は腸内細菌が原因かもしれない
・がんに対する新しい治療法
・ほとんどの生物でカロリー制限すると寿命が延び病気も減る
・筋肉の中に多数のミトコンドリアが存在する
・規則正しい生活のリズムは長寿を生み出す
とてもオススメな本です!
以下はこの本のポイント等です!
・臓器たちを最初に躓かせるのは肥満だ。現在、実に世界の死亡の原因の50%以上は肥満によって引き起こされる病気であるといわれている。栄養失調や感染なども深刻な問題だが、それらの病気より、太ることが命取りになることのほうが多いのだ。肥満に端を発し、メタボリックシンドローム、そして血管病やがんが起こってくる。これらの体の状態の変化、さまざまな病気はあたかも”ドミノ倒し”のように次々と連続して起こってくる。臓器たちは、体の中でお互いに声をかけ合い、日々芸術的ともいえる連携プレーを演じている。だからある臓器が倒れると別の臓器も次々とやられていく。これをわたしは「メタボリックドミノ」と呼んでいる。
・病気や老いに抗する方法があるとすれば、たったひとつ。わたしたちの体の中のミトコンドリアを生き生きとさせることだ。われわれは、今から20億年前に、このミトコンドリアというパートナーに偶然巡り合った。われわれの体にはたくさんのミトコンドリアが住んでいる。このミトコンドリアが生きるエネルギーを作り、われわれを支える臓器たちにふんだんに供給してくれている。1年365日安むことなく、「動き、食べる」パワーを与え続けてくれているのだ。ミトコンドリアが健康であれば、全身の臓器にエネルギーがみなぎってくる。太く、長く生きられるのだ。
・肥満は、血管病とともに、がんをも起こりやすくする。だからメタボは怖い。糖尿病になった人とそうでない人を比べると、心筋梗塞や脳卒中を起こす時期が糖尿病でない人に比べて、15年早いという統計データがある。メタボリックドミノの牌がすべて倒れきった先に待っているのは「死」だが、このドミノ倒しによってわれわれの人生の時計は15年”早回し”されてしまう。
・人間の体は、200種類以上約60兆個の細胞からできている。これらの細胞の組み合わせによりさまざまな臓器が形成され、わたしたちの体ができ上がっている。これらの細胞は、それぞれ「核」を持っている。こうした核を持つ細胞からなる生命体は「真核生物」と呼ばれている。核を持たない細胞から構成される生物は「原核生物」、いわゆる細菌である。細菌は、分裂を繰り返し、同じ細胞がただただ増え続ける。1個1個の細胞に特に個性はない。一方、核を持った細胞からは、いろいろな種類の細胞が生み出される。そして、それらが寄り集まり細胞集団を作るようになると、バラバラで行動するのではなく、お互いにコミュニケーションを取って影響し合うようになった。そうすることでバラバラにいるよりも、ずっと高度な行動がとれる。続いて、さまざまな「臓器」が形成され、複雑な機能を分担することで、一個の生命体が形作られるようになった。こうして、われわれ真核生物は飛躍的に”進歩”してきた。真核生物になぜこうした”進歩”が可能だったのか。それは、核を持った細胞になって初めて、「食べること」と「動く」ことが可能になったからなのだ。
・大きな体をちゃんと保って、素早くうまく運動して捕食の行動をするためには、莫大なエネルギーが必要となる。生物はこうした生きていくためのエネルギーをATP(アデノシン三リン酸)という分子に蓄えている。ATPは、いわばエネルギーの通貨だ。
・ミトコンドリアは、二重の膜(外膜と内膜)によって囲まれた細胞質の中に漂う隔離された小部屋のような形をとっている。もともとは、ミトコンドリアは、それが収まっている細胞(宿主細胞)とは、別個の生き物であった。その証拠にミトコンドリアは自分独自の遺伝子(DNA)を持っている(しかし本来自分がもっていたDNAの大部分は、宿主の細胞の核に移動させて、自分の情報をそちらに明け渡してしまった)。たくさんATPを作ってくれる頼りになる”相棒”のミトコンドリアを得たことで初めて、真核生物は「動くこと」と「食べること」ができるようになった。このようにミトコンドリアを獲得した真核生物にとって、そもそも「生きること」は、食べ物を探して動き回り、そしてそれを食べることであったのだ。いわば食べることは真核生物の宿命。つまり「食べるために生きる」のだ。
・なんと、酸素を使う一位は消化器である。臓器全体の実に30%もの酸素を使う。二位は腎臓で20%。そして三位が脳と骨格筋で15%ずつである。消化器と腎臓で全体の半分もの酸素を使うのだ。じっとしていても生物が生きられるのは、消化排泄、排尿という行為がちゃんとおこなわれているためだということを、この数字ははっきりと物語っている。食事のときには、消化器にさらに多くの血液が送り込まれ、運動時には、骨格筋への血流が増える。食事のあと、頭がボーッとしたり眠くなったりするのは、消化器への血流が優先されるので、頭に血が回らなくなるからだ。やはり、生物にとって「食べること」が最も重要なのである。血流量からみると「動くこと」(骨格筋への血流量)と「考えること」(脳への血流量)は同じぐらい大切なのかもしれない。
・われわれの血液の中を流れているリンパ球が免疫系を担っている。「免疫グロブリン」はリンパ球の作る外敵排除のための武器の一つだが、体の免疫グロブリンの実に半数は腸管で産生されている。それほど「腸管免疫」は、われわれの生命維持のうえに重要なのだ。面白いことに、免疫系が十分には発達していないショウジョウバエでは、脂肪組織が、感染などに対する防御免疫系として働いているようだ。外敵がくると、貯めていた脂肪を減らして、外敵に対抗する力にふりかえている。
・陸上で生活する哺乳動物では、貯蔵された脂肪分は”体の中”に貯め込まれる、つまり内臓脂肪が増える。しかし、人間は、皮下脂肪にも余剰のエネルギーを十分貯め込むことができる。なぜ人間でそのように皮下脂肪を熱くすることができるのか、その意味はよくわかっていない。しかし体温を保つために皮下脂肪が有効であることから考えると、この事実は、人間の祖先はある時期、半水生の生活をしていたという説(E・モーガンの「アクア説」)の根拠にもなっている。確かにアザラシなどの水生哺乳類は、他の動物に比べて、厚い皮下脂肪を持っている。
・いくら食べても太らない人は、食べ物の吸収を抑える力のある腸内細菌を持っているのかもしれないし、逆にちょっと食べても身に付きやすいと言っている人は、実は肥満を起こしやすい腸内細菌と一緒に暮らしているのかもしれない。先に、メタボの元凶である「内臓脂肪で起こる炎症」に腸管がひと役買っているかもしれないとお話ししたが、わたしは、この炎症に、腸管の住人である腸内細菌が関係していると考えている。細菌わたしたちは、マウスに脂っこい物を食べさせると、わずか2週間で、腸内細菌の種類がかわってしまうという結果を得た。つまり、食べるものそのものも腸内細菌のコントロールにかかわっているかもしれないのだ。まさに快食快便、腸内環境を整えて、いい腸内細菌を持つこともメタボ対策の上で大切だ。
・PDHの働きは、PDHキナーゼという別の酵素により抑制されている。がんが盛んに増殖しているとき、がん細胞が大量に酸素を取り込むため、がんの内部は酸素不足になっている。このような状態では、PDHキナーゼの働きが強まる。そうするとPDHの働きが弱められて、TCA回路のほうにピルビン酸が回されなくなるのだ。こうしてミトコンドリアバイパスが起こる。このような形でミトコンドリアをバイパスすることで老化しないがん細胞に対して、いま、がん細胞が増えるのをどんどん抑制して殺してしまう新しい治療法が開発されている。PDHキナーゼの働きを弱めてやることでPDHを活性化させ無理やりミトコンドリアのほうにブドウ糖の利用をシフトさせて、活性酸素の発生を高めてがん細胞の増殖を抑えようとする戦術だ。悪玉活性酸素を”味方”につけるやり方である。ちなみに、PDHは、筋肉が収縮すること、つまり、運動によって活性化することも知られている。運動すると、がんになりにくい、ということも十分あり得る。
・カロリー制限の研究は、1935年にまでさかのぼることができる。原核動物の酵母から、線虫、ショウジョウバエ、さらにマウス、ラット、最近ではサルに至るまで通常の食餌量あるいは培養液中のブドウ糖濃度を20%から30%減らすと、すべての生命体で見事に寿命が延びるという観察がなされている。寿命がおおよそ1.5倍程度になることもある。人間でいえば、100歳で死ぬ人が150歳まで生きることになるのだ。さらに高等動物では、加齢に伴って起こってくる病気、すなわち、心臓や血管の病気、糖尿病やがんも減るというのだ。つまり、ただ”細く長く生きながらえる”のではなく、健康で長寿になれるのだ。
・わたしがよく言うのは、「「いつもおなかが減っている感じ」にしてください」ということだ。実際、3000kcal食べている人は、食べた後いつも「ちょっと気持ち悪い」と感じていることが多い。一瞬かもしれないが、食べて後悔していることがある。適正なカロリー量を食べている人にはそれが少ない。さらに、適正カロリー7掛けでは(つまりカロリー制限をする)、「いつもおなかが減っている」という感じを持つ。あるいはいつも、「食事まであと何時間なのかな」とか、「次の食事のとき何を食べようかな」と考えてしまう。このような感覚を持つような食事の量にして、できればその感覚に慣れるようにしてほしい。「小食にしているうちに胃が小さくなったような気がする」とおっしゃる方がいるが、そう思えればしめたもの。カロリー制限に慣れた証拠だ。そのような食事にして、やせすぎるということはまずない。どんどんやせてきたとしたら、今度は適正摂取カロリーまで戻したらいい。
・カロリー制限によって長寿遺伝子サーチュインが活性化しミトコンドリア力がアップすることが、メタボエイジングにブレーキをかけ長生きする鍵となる。ミトコンドリア機能が低下すると、エネルギー代謝が乱れ、メタボリックドミノが進んでいく。そして、動脈硬化に陥り、脳や心臓などの重要な臓器の障害が起こり、死の訪れも早まる。しかし、ミトコンドリアの大切さはそれだけに留まらない。ミトコンドリアは、メタボ関連以外の病気、たとえば、がんや感染など、もっといろいろな病気が起こることに対する全般的な抵抗力を作り出してくれる。そうして、最終的な寿命を決定するのだ。つまり、カロリー制限は、単に、肥満にならない、メタボにならないという意味で大切なのではなく、ミトコンドリアの力を高めて、生きるための”底力”を与えてくれるという意味で重要なのだ。
・筋肉の中には多数のミトコンドリアが存在する。筋肉はブドウ糖や脂肪からエネルギー分子ATPを豊富に生み出すミトコンドリアの宝庫、まさにホームグラウンドなのである。体の中のミトコンドリアの80%は、筋肉の中にいるのだ。そして、一つの筋肉細胞の中には2000個ほどのミトコンドリアが住んでいる。体がフルに酸素を使う状況では、その90%は骨格筋が使用する。ミトコンドリアは酸素を使ってATPを作り出すが、同時に酸素がうまく使えなかったときに活性酸素を産生してしまう。活性酸素はわれわれの体を障害し、老化の元凶となる。ミトコンドリアは車のエンジンにたとえることもできる。ブドウ糖と脂肪が燃料のガソリンとなり、エンジンの馬力となるATPを生み出す。排ガスにあたるのが、活性酸素である。だから運動は、ミトコンドリアの数を増やし、そして馬力を増し、同時に排ガスの量が少ない、”性能の良い”ミトコンドリアを作ってくれるのだ。こうしたミトコンドリアは、「高効率ミトコンドリア」と呼ばれている。ちなみに、われわれ哺乳類は、爬虫類であるトカゲより運動の持続力が8倍ほど強い。トカゲは数分間動いただけで、すぐに「息が切れて」しまい、疲労から回復するのに、相当時間がかかる。トカゲは筋肉のミトコンドリアの数が哺乳類の半分ほどしかないからだ。腎臓や肝臓といった臓器に存在するミトコンドリアの数も、われわれ哺乳類は爬虫類の5倍以上あり、運動した際に発生するいろいろの代謝産物、老廃物の処理能力も圧倒的に高い。この「臓器の処理能力」も持久力に大きくかかわっている。持続力のある強い体をつくるためには、運動して、筋肉やその他の臓器も鍛えて、ミトコンドリアを増やすことが重要なのだ。
・ただ食べるものを減らすより、積極的に体を動かすほうが、ミトコンドリアをより活性化できるのだ。肥満している人に、食事のみで減量した場合と食事と運動により減量した場合を比較したところ、食事のみでは、確かに筋肉内の脂肪は減ったものの、筋肉のミトコンドリアの機能は改善せず、運動を加えたことで初めて改善が認められたという研究結果もある。老化に伴い、筋肉ではいくつかの遺伝子の働きが変わることが知られている。「年齢と関連して変化する596遺伝子のうち179遺伝子が運動により回復する」という研究結果もある。
・細胞の中には、実は、高効率のミトコンドリアから効率の悪いミトコンドリアまで、ミトコンドリアの一生を映し出すように連続的にいろいろな段階のミトコンドリアが存在していると思われる。ある時間の断面で、細胞をスナップショットのように捉えてしまうと、どちらかというと、”いいミトコンドリア”の集団とどちらかというと、”悪いミトコンドリア”と考えられる集団がある一定の割合で見出されてしまう。しかし、現実は川の流れのように、ミトコンドリアは徐々に老いていっているはずである。この”ミトコンドリアの流れ”がよどみなく流れていることが、アンチエイジングにつながる。古くなったミトコンドリアを速やかに取り除き、新しいミトコンドリアを常に生み出し、なるべくミトコンドリアが傷つかないようにミトコンドリアを常に鍛えていることが大切なのだ。
・ミトコンドリアを鍛えるためにわれわれはどのような運動をすればいいのだろうか?ミトコンドリアは、筋肉でのエネルギー不足、酸素不足を感じてどんどん増えようとする。だから、理想的には、きつめの運動をできるだけ長く続けることが望ましい。しかしきつい運動は長くは続かない。すぐ疲れてやめてしまうようでは結局だめ。だから、”ちょいきつめ”の運動をなるべく長く続けることを目指す。運動には、有酸素運動と無酸素運動がある。有酸素運動は、酸素を使ってたくさんのATPを作り出す持続性のある運動だ。有酸素運動がミトコンドリアをフル稼働させる。
・赤ちゃんはおなかの中にいるとき将来自分がどのような栄養環境の世界で生きることになるか考えている。その栄養環境をお母さんの栄養状態から予測しているのだ。お母さんが、栄養不足の状態なら自分が生まれてからの世界もきっと栄養が不足しているのだろうと予測して、それに合わせて、おなかの中にいるうちから準備をする。脳や腎臓それにインスリンを分泌する脾臓の大きさや機能をそれに合わせてプログラムしていく。生まれてからやはり低栄養の世界であればその世界にうまく適応できることになるが、もし生まれてからの世界が食べ物であふれかえっている世界だったら-。栄養不足に備えてエネルギーを倹約しようとプログラムされている臓器を使ってたくさんの栄養を取ってしまうと、簡単に肥満になってしまう。だからメタボになるのだ。この現象は、メタボリックプログラムの”ミスマッチ”と呼ばれている。お母さんたちは自分ひとりだけの身ではないことを自覚して、しっかり栄養を取ってほしい。
・忙しい生活になると、どうしても食事時刻が不規則になり、空腹の時間が長くなったり、逆に夜中に食事することが増えてしまう。われわれの脳には光を感じてリズムを作り出す神経が存在する。この神経が全身の細胞のリズムの台本を作り出しているが、メタボで重要な肝臓や筋肉にも一日のリズムを作り出すペースメーカーの遺伝子(時計遺伝子)がある。これらの時計遺伝子は食事時に取り込まれる栄養分が刺激となり、コントロールされている。睡眠不足や夜中に食事することにより栄養分が体に取り込まれる時間や量が変則的になると、血糖が上がり肥満、糖尿病になりやすいことが知られている。このことは仕事時間帯が常時変更される職種の人で証明されている。
・長生きして、100歳を超えた人たちは「百寿者」と呼ばれている。「百寿者」の人に長生きの秘訣は何ですか?と聞くと、みなさん異口同音に言われることは、「同じことを同じ時間に繰り返す」だ。規則正しい生活のリズムは長寿を生み出す。
<目次>
はじめに
序 人生の時計を早回しする体内連鎖
0 メタボリックドミノ-あなたの体の中はいま・・・・・
生 われらが伴侶ミトコンドリア
1 生きるために食べるのか? 食べるために生きるのか?
2 酸素との運命的出会いx
3 生きるための体内パワープラント
4 ミトコンドリアへの献身
食 恐るべき「消化管パワー」
5 酸素を求める臓器たち
6 消化管が秘める力
7 メタボリックドミノ倒しを進めるもの-臓器炎症の連鎖
8 内臓脂肪の”素顔”-気になる隣に住む消化管
9 ガッツ!-もの静かな消化管の住人たちへのエール
10 肥満は「万病のもと」-抵抗力を決めるミトコンドリア
躓 ミトコンドリアの疲れと老い
11 ミトコンドリア病とメタボリックドミノ
12 「精根尽き果てる」とは?
13 ミトコンドリアリニューアルの”狂い”
14 唯一老化しない細胞-がん
慎 健康長寿への招待
15 カロリー制限とメタボエイジング
16 腹八分目とは?
17 長寿遺伝子の発見とメタボエイジング
18 カロリー過多からの防御-インスリンの光と影
鍛 ピンク・ミトコンドリアの獲得
19 筋肉-ミトコンドリアのホームグラウンド
20 血のめぐりがよいと太らない
21 健康長寿へのホルメシス・トレーニング
22 「太く長く」生きるには
23 躍動するピンク・ミトコンドリア
蒔 人生のスイートメモリー
24 メタボリックドミノにおける「時間の重み」
25 時を刻むミトコンドリア
おわりに
面白かった本まとめ(2010年上半期)
<今日の独り言>
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この「臓器は若返る-メタボリックドミノの真実(伊藤裕)」という本は、健康長寿の秘訣として体の中のミトコンドリアを生き生きとさせること、そのためには「少食」で「体を鍛える」ことが大切ということについて、その理由や、やり方も含めて詳しく分かりやすく書かれた本です。
また、以下の点は「へ~~!」と思いましたね。
・酸素を一番使うのは脳ではなく、消化器が30%、腎臓20%、脳が15%、骨格筋が15%
・体の免疫グロブリンの実に半数は腸管で産生されている
・人間の祖先はある時期、半水生の生活をしていたかもしれない
・肥満体質は腸内細菌が原因かもしれない
・がんに対する新しい治療法
・ほとんどの生物でカロリー制限すると寿命が延び病気も減る
・筋肉の中に多数のミトコンドリアが存在する
・規則正しい生活のリズムは長寿を生み出す
とてもオススメな本です!
以下はこの本のポイント等です!
・臓器たちを最初に躓かせるのは肥満だ。現在、実に世界の死亡の原因の50%以上は肥満によって引き起こされる病気であるといわれている。栄養失調や感染なども深刻な問題だが、それらの病気より、太ることが命取りになることのほうが多いのだ。肥満に端を発し、メタボリックシンドローム、そして血管病やがんが起こってくる。これらの体の状態の変化、さまざまな病気はあたかも”ドミノ倒し”のように次々と連続して起こってくる。臓器たちは、体の中でお互いに声をかけ合い、日々芸術的ともいえる連携プレーを演じている。だからある臓器が倒れると別の臓器も次々とやられていく。これをわたしは「メタボリックドミノ」と呼んでいる。
・病気や老いに抗する方法があるとすれば、たったひとつ。わたしたちの体の中のミトコンドリアを生き生きとさせることだ。われわれは、今から20億年前に、このミトコンドリアというパートナーに偶然巡り合った。われわれの体にはたくさんのミトコンドリアが住んでいる。このミトコンドリアが生きるエネルギーを作り、われわれを支える臓器たちにふんだんに供給してくれている。1年365日安むことなく、「動き、食べる」パワーを与え続けてくれているのだ。ミトコンドリアが健康であれば、全身の臓器にエネルギーがみなぎってくる。太く、長く生きられるのだ。
・肥満は、血管病とともに、がんをも起こりやすくする。だからメタボは怖い。糖尿病になった人とそうでない人を比べると、心筋梗塞や脳卒中を起こす時期が糖尿病でない人に比べて、15年早いという統計データがある。メタボリックドミノの牌がすべて倒れきった先に待っているのは「死」だが、このドミノ倒しによってわれわれの人生の時計は15年”早回し”されてしまう。
・人間の体は、200種類以上約60兆個の細胞からできている。これらの細胞の組み合わせによりさまざまな臓器が形成され、わたしたちの体ができ上がっている。これらの細胞は、それぞれ「核」を持っている。こうした核を持つ細胞からなる生命体は「真核生物」と呼ばれている。核を持たない細胞から構成される生物は「原核生物」、いわゆる細菌である。細菌は、分裂を繰り返し、同じ細胞がただただ増え続ける。1個1個の細胞に特に個性はない。一方、核を持った細胞からは、いろいろな種類の細胞が生み出される。そして、それらが寄り集まり細胞集団を作るようになると、バラバラで行動するのではなく、お互いにコミュニケーションを取って影響し合うようになった。そうすることでバラバラにいるよりも、ずっと高度な行動がとれる。続いて、さまざまな「臓器」が形成され、複雑な機能を分担することで、一個の生命体が形作られるようになった。こうして、われわれ真核生物は飛躍的に”進歩”してきた。真核生物になぜこうした”進歩”が可能だったのか。それは、核を持った細胞になって初めて、「食べること」と「動く」ことが可能になったからなのだ。
・大きな体をちゃんと保って、素早くうまく運動して捕食の行動をするためには、莫大なエネルギーが必要となる。生物はこうした生きていくためのエネルギーをATP(アデノシン三リン酸)という分子に蓄えている。ATPは、いわばエネルギーの通貨だ。
・ミトコンドリアは、二重の膜(外膜と内膜)によって囲まれた細胞質の中に漂う隔離された小部屋のような形をとっている。もともとは、ミトコンドリアは、それが収まっている細胞(宿主細胞)とは、別個の生き物であった。その証拠にミトコンドリアは自分独自の遺伝子(DNA)を持っている(しかし本来自分がもっていたDNAの大部分は、宿主の細胞の核に移動させて、自分の情報をそちらに明け渡してしまった)。たくさんATPを作ってくれる頼りになる”相棒”のミトコンドリアを得たことで初めて、真核生物は「動くこと」と「食べること」ができるようになった。このようにミトコンドリアを獲得した真核生物にとって、そもそも「生きること」は、食べ物を探して動き回り、そしてそれを食べることであったのだ。いわば食べることは真核生物の宿命。つまり「食べるために生きる」のだ。
・なんと、酸素を使う一位は消化器である。臓器全体の実に30%もの酸素を使う。二位は腎臓で20%。そして三位が脳と骨格筋で15%ずつである。消化器と腎臓で全体の半分もの酸素を使うのだ。じっとしていても生物が生きられるのは、消化排泄、排尿という行為がちゃんとおこなわれているためだということを、この数字ははっきりと物語っている。食事のときには、消化器にさらに多くの血液が送り込まれ、運動時には、骨格筋への血流が増える。食事のあと、頭がボーッとしたり眠くなったりするのは、消化器への血流が優先されるので、頭に血が回らなくなるからだ。やはり、生物にとって「食べること」が最も重要なのである。血流量からみると「動くこと」(骨格筋への血流量)と「考えること」(脳への血流量)は同じぐらい大切なのかもしれない。
・われわれの血液の中を流れているリンパ球が免疫系を担っている。「免疫グロブリン」はリンパ球の作る外敵排除のための武器の一つだが、体の免疫グロブリンの実に半数は腸管で産生されている。それほど「腸管免疫」は、われわれの生命維持のうえに重要なのだ。面白いことに、免疫系が十分には発達していないショウジョウバエでは、脂肪組織が、感染などに対する防御免疫系として働いているようだ。外敵がくると、貯めていた脂肪を減らして、外敵に対抗する力にふりかえている。
・陸上で生活する哺乳動物では、貯蔵された脂肪分は”体の中”に貯め込まれる、つまり内臓脂肪が増える。しかし、人間は、皮下脂肪にも余剰のエネルギーを十分貯め込むことができる。なぜ人間でそのように皮下脂肪を熱くすることができるのか、その意味はよくわかっていない。しかし体温を保つために皮下脂肪が有効であることから考えると、この事実は、人間の祖先はある時期、半水生の生活をしていたという説(E・モーガンの「アクア説」)の根拠にもなっている。確かにアザラシなどの水生哺乳類は、他の動物に比べて、厚い皮下脂肪を持っている。
・いくら食べても太らない人は、食べ物の吸収を抑える力のある腸内細菌を持っているのかもしれないし、逆にちょっと食べても身に付きやすいと言っている人は、実は肥満を起こしやすい腸内細菌と一緒に暮らしているのかもしれない。先に、メタボの元凶である「内臓脂肪で起こる炎症」に腸管がひと役買っているかもしれないとお話ししたが、わたしは、この炎症に、腸管の住人である腸内細菌が関係していると考えている。細菌わたしたちは、マウスに脂っこい物を食べさせると、わずか2週間で、腸内細菌の種類がかわってしまうという結果を得た。つまり、食べるものそのものも腸内細菌のコントロールにかかわっているかもしれないのだ。まさに快食快便、腸内環境を整えて、いい腸内細菌を持つこともメタボ対策の上で大切だ。
・PDHの働きは、PDHキナーゼという別の酵素により抑制されている。がんが盛んに増殖しているとき、がん細胞が大量に酸素を取り込むため、がんの内部は酸素不足になっている。このような状態では、PDHキナーゼの働きが強まる。そうするとPDHの働きが弱められて、TCA回路のほうにピルビン酸が回されなくなるのだ。こうしてミトコンドリアバイパスが起こる。このような形でミトコンドリアをバイパスすることで老化しないがん細胞に対して、いま、がん細胞が増えるのをどんどん抑制して殺してしまう新しい治療法が開発されている。PDHキナーゼの働きを弱めてやることでPDHを活性化させ無理やりミトコンドリアのほうにブドウ糖の利用をシフトさせて、活性酸素の発生を高めてがん細胞の増殖を抑えようとする戦術だ。悪玉活性酸素を”味方”につけるやり方である。ちなみに、PDHは、筋肉が収縮すること、つまり、運動によって活性化することも知られている。運動すると、がんになりにくい、ということも十分あり得る。
・カロリー制限の研究は、1935年にまでさかのぼることができる。原核動物の酵母から、線虫、ショウジョウバエ、さらにマウス、ラット、最近ではサルに至るまで通常の食餌量あるいは培養液中のブドウ糖濃度を20%から30%減らすと、すべての生命体で見事に寿命が延びるという観察がなされている。寿命がおおよそ1.5倍程度になることもある。人間でいえば、100歳で死ぬ人が150歳まで生きることになるのだ。さらに高等動物では、加齢に伴って起こってくる病気、すなわち、心臓や血管の病気、糖尿病やがんも減るというのだ。つまり、ただ”細く長く生きながらえる”のではなく、健康で長寿になれるのだ。
・わたしがよく言うのは、「「いつもおなかが減っている感じ」にしてください」ということだ。実際、3000kcal食べている人は、食べた後いつも「ちょっと気持ち悪い」と感じていることが多い。一瞬かもしれないが、食べて後悔していることがある。適正なカロリー量を食べている人にはそれが少ない。さらに、適正カロリー7掛けでは(つまりカロリー制限をする)、「いつもおなかが減っている」という感じを持つ。あるいはいつも、「食事まであと何時間なのかな」とか、「次の食事のとき何を食べようかな」と考えてしまう。このような感覚を持つような食事の量にして、できればその感覚に慣れるようにしてほしい。「小食にしているうちに胃が小さくなったような気がする」とおっしゃる方がいるが、そう思えればしめたもの。カロリー制限に慣れた証拠だ。そのような食事にして、やせすぎるということはまずない。どんどんやせてきたとしたら、今度は適正摂取カロリーまで戻したらいい。
・カロリー制限によって長寿遺伝子サーチュインが活性化しミトコンドリア力がアップすることが、メタボエイジングにブレーキをかけ長生きする鍵となる。ミトコンドリア機能が低下すると、エネルギー代謝が乱れ、メタボリックドミノが進んでいく。そして、動脈硬化に陥り、脳や心臓などの重要な臓器の障害が起こり、死の訪れも早まる。しかし、ミトコンドリアの大切さはそれだけに留まらない。ミトコンドリアは、メタボ関連以外の病気、たとえば、がんや感染など、もっといろいろな病気が起こることに対する全般的な抵抗力を作り出してくれる。そうして、最終的な寿命を決定するのだ。つまり、カロリー制限は、単に、肥満にならない、メタボにならないという意味で大切なのではなく、ミトコンドリアの力を高めて、生きるための”底力”を与えてくれるという意味で重要なのだ。
・筋肉の中には多数のミトコンドリアが存在する。筋肉はブドウ糖や脂肪からエネルギー分子ATPを豊富に生み出すミトコンドリアの宝庫、まさにホームグラウンドなのである。体の中のミトコンドリアの80%は、筋肉の中にいるのだ。そして、一つの筋肉細胞の中には2000個ほどのミトコンドリアが住んでいる。体がフルに酸素を使う状況では、その90%は骨格筋が使用する。ミトコンドリアは酸素を使ってATPを作り出すが、同時に酸素がうまく使えなかったときに活性酸素を産生してしまう。活性酸素はわれわれの体を障害し、老化の元凶となる。ミトコンドリアは車のエンジンにたとえることもできる。ブドウ糖と脂肪が燃料のガソリンとなり、エンジンの馬力となるATPを生み出す。排ガスにあたるのが、活性酸素である。だから運動は、ミトコンドリアの数を増やし、そして馬力を増し、同時に排ガスの量が少ない、”性能の良い”ミトコンドリアを作ってくれるのだ。こうしたミトコンドリアは、「高効率ミトコンドリア」と呼ばれている。ちなみに、われわれ哺乳類は、爬虫類であるトカゲより運動の持続力が8倍ほど強い。トカゲは数分間動いただけで、すぐに「息が切れて」しまい、疲労から回復するのに、相当時間がかかる。トカゲは筋肉のミトコンドリアの数が哺乳類の半分ほどしかないからだ。腎臓や肝臓といった臓器に存在するミトコンドリアの数も、われわれ哺乳類は爬虫類の5倍以上あり、運動した際に発生するいろいろの代謝産物、老廃物の処理能力も圧倒的に高い。この「臓器の処理能力」も持久力に大きくかかわっている。持続力のある強い体をつくるためには、運動して、筋肉やその他の臓器も鍛えて、ミトコンドリアを増やすことが重要なのだ。
・ただ食べるものを減らすより、積極的に体を動かすほうが、ミトコンドリアをより活性化できるのだ。肥満している人に、食事のみで減量した場合と食事と運動により減量した場合を比較したところ、食事のみでは、確かに筋肉内の脂肪は減ったものの、筋肉のミトコンドリアの機能は改善せず、運動を加えたことで初めて改善が認められたという研究結果もある。老化に伴い、筋肉ではいくつかの遺伝子の働きが変わることが知られている。「年齢と関連して変化する596遺伝子のうち179遺伝子が運動により回復する」という研究結果もある。
・細胞の中には、実は、高効率のミトコンドリアから効率の悪いミトコンドリアまで、ミトコンドリアの一生を映し出すように連続的にいろいろな段階のミトコンドリアが存在していると思われる。ある時間の断面で、細胞をスナップショットのように捉えてしまうと、どちらかというと、”いいミトコンドリア”の集団とどちらかというと、”悪いミトコンドリア”と考えられる集団がある一定の割合で見出されてしまう。しかし、現実は川の流れのように、ミトコンドリアは徐々に老いていっているはずである。この”ミトコンドリアの流れ”がよどみなく流れていることが、アンチエイジングにつながる。古くなったミトコンドリアを速やかに取り除き、新しいミトコンドリアを常に生み出し、なるべくミトコンドリアが傷つかないようにミトコンドリアを常に鍛えていることが大切なのだ。
・ミトコンドリアを鍛えるためにわれわれはどのような運動をすればいいのだろうか?ミトコンドリアは、筋肉でのエネルギー不足、酸素不足を感じてどんどん増えようとする。だから、理想的には、きつめの運動をできるだけ長く続けることが望ましい。しかしきつい運動は長くは続かない。すぐ疲れてやめてしまうようでは結局だめ。だから、”ちょいきつめ”の運動をなるべく長く続けることを目指す。運動には、有酸素運動と無酸素運動がある。有酸素運動は、酸素を使ってたくさんのATPを作り出す持続性のある運動だ。有酸素運動がミトコンドリアをフル稼働させる。
・赤ちゃんはおなかの中にいるとき将来自分がどのような栄養環境の世界で生きることになるか考えている。その栄養環境をお母さんの栄養状態から予測しているのだ。お母さんが、栄養不足の状態なら自分が生まれてからの世界もきっと栄養が不足しているのだろうと予測して、それに合わせて、おなかの中にいるうちから準備をする。脳や腎臓それにインスリンを分泌する脾臓の大きさや機能をそれに合わせてプログラムしていく。生まれてからやはり低栄養の世界であればその世界にうまく適応できることになるが、もし生まれてからの世界が食べ物であふれかえっている世界だったら-。栄養不足に備えてエネルギーを倹約しようとプログラムされている臓器を使ってたくさんの栄養を取ってしまうと、簡単に肥満になってしまう。だからメタボになるのだ。この現象は、メタボリックプログラムの”ミスマッチ”と呼ばれている。お母さんたちは自分ひとりだけの身ではないことを自覚して、しっかり栄養を取ってほしい。
・忙しい生活になると、どうしても食事時刻が不規則になり、空腹の時間が長くなったり、逆に夜中に食事することが増えてしまう。われわれの脳には光を感じてリズムを作り出す神経が存在する。この神経が全身の細胞のリズムの台本を作り出しているが、メタボで重要な肝臓や筋肉にも一日のリズムを作り出すペースメーカーの遺伝子(時計遺伝子)がある。これらの時計遺伝子は食事時に取り込まれる栄養分が刺激となり、コントロールされている。睡眠不足や夜中に食事することにより栄養分が体に取り込まれる時間や量が変則的になると、血糖が上がり肥満、糖尿病になりやすいことが知られている。このことは仕事時間帯が常時変更される職種の人で証明されている。
・長生きして、100歳を超えた人たちは「百寿者」と呼ばれている。「百寿者」の人に長生きの秘訣は何ですか?と聞くと、みなさん異口同音に言われることは、「同じことを同じ時間に繰り返す」だ。規則正しい生活のリズムは長寿を生み出す。
<目次>
はじめに
序 人生の時計を早回しする体内連鎖
0 メタボリックドミノ-あなたの体の中はいま・・・・・
生 われらが伴侶ミトコンドリア
1 生きるために食べるのか? 食べるために生きるのか?
2 酸素との運命的出会いx
3 生きるための体内パワープラント
4 ミトコンドリアへの献身
食 恐るべき「消化管パワー」
5 酸素を求める臓器たち
6 消化管が秘める力
7 メタボリックドミノ倒しを進めるもの-臓器炎症の連鎖
8 内臓脂肪の”素顔”-気になる隣に住む消化管
9 ガッツ!-もの静かな消化管の住人たちへのエール
10 肥満は「万病のもと」-抵抗力を決めるミトコンドリア
躓 ミトコンドリアの疲れと老い
11 ミトコンドリア病とメタボリックドミノ
12 「精根尽き果てる」とは?
13 ミトコンドリアリニューアルの”狂い”
14 唯一老化しない細胞-がん
慎 健康長寿への招待
15 カロリー制限とメタボエイジング
16 腹八分目とは?
17 長寿遺伝子の発見とメタボエイジング
18 カロリー過多からの防御-インスリンの光と影
鍛 ピンク・ミトコンドリアの獲得
19 筋肉-ミトコンドリアのホームグラウンド
20 血のめぐりがよいと太らない
21 健康長寿へのホルメシス・トレーニング
22 「太く長く」生きるには
23 躍動するピンク・ミトコンドリア
蒔 人生のスイートメモリー
24 メタボリックドミノにおける「時間の重み」
25 時を刻むミトコンドリア
おわりに
面白かった本まとめ(2010年上半期)
<今日の独り言>
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