<金曜は本の紹介>
「2022-これから10年、活躍できる人の条件(神田昌典)」の購入はコチラ
この「2022-これから10年、活躍できる人の条件」という本は、これから10年後の2022年をよりよくするために、これから起こることを予想し、どう考え、どう行動した方が良いかを前向きにまとめたものです。
具体的には以下について書かれていて、どれも興味深く納得できる内容で、とても考えさせられましたね。
・歴史は70年周期で「志・能・公・商」でバトンタッチする
・2045年までは日本では地震が多い?
・「祭り」により防災などを解決(平成ええじゃないかプロジェクト)
・景気は46歳~50歳の人口によって決まる
・日本は2020年まではまだいいが、その後は下り坂
・中国の勢いは2020~2025年頃まで
・韓国の勢いは2025年頃まで
・東南アジア諸国が勢いづくのは2030年頃から
・インドは2050~2060年には世界最大のGDP国に
・日本は高齢者向けの市場で先行なので、それを今後の中国市場に活かすべき
・今後は会社ではなくドラッカーが述べたようにNPOが社会の中核へ
・個人は、インフォメーションではなく、内の認識を外に形創るエクス・フォメーションが必要(TwitterやYouTube、講演、出版、TED等)
・読書会が重要(昔も松下村塾などあった)
・独立起業から共立起業へ
・人生7年節目説
特に、日本の中では人口が多い団塊の世代の動向が今までの日本の景気を作っていたのではと自分でも考えていたので、景気は46歳~50歳の人口によって決まるというのは納得の内容でしたね。
また、著者は癌を乗り越えるという苦労も重ね、また自分の失敗談も書かれていて興味深い内容でした。
「2022-これから10年、活躍できる人の条件」は、未来をよりよくするヒントがたくさん書かれていて、とてもオススメな本です!
以下はこの本のポイントなどです。
・未来に対して心の準備をしておくためにも、いま私が想定していることを挙げてみると・・・
・2012年には「効率」「情報」の時代が終焉し、「共感」「つながり」の時代へ本格シフト
・共感の時代のプラットフォームが、フェイスブック。そのアプリの発展により、個人ビジネスがより身近に。ビジネスパーソンが当たり前のゆに副業を開始。
・2013年に中国、アメリカが激震。金融危機が発端か?
・2015年までに、明治維新、太平洋戦争終戦に匹敵する変革が起こる。その規模は、国の体制が変わるほどであり、革命と呼んだほうが適切。価値観がひっくり返り、ビジネスよりも、宗教が価値を持つ時代がはじまる。
・2016年に国家財政破綻。預金、年金も二束三文になると覚悟しなければならない。
・2016年以降、憲法改正もありうるほどの、社会変化。電力と同様に、教育も自由化の検討へ。今後は中央集権から、地域コミュニティを基盤とする社会体制へ。
・2020年頃までには、北朝鮮の体制崩壊をきっかけに、儒教を伝統とする国家(日本、韓国、北朝鮮、台湾、中国)が儒教経済圏を形成しはじめる。
・2022年頃から、ようやあう次世代産業(エネルギー・医療・バイオ・環境・ロボット等)が雇用の受け皿となりはじめる。
・2024年には、会社がなくなる!?
さらに、その先を予想すると・・・
・2033年までに、NPOをはじめとした社会事業が、雇用の中心的な受け皿に。国のかたちが変わる。国境に影響されない、新しい世界政府のかたちが見えはじめる。
・2050年までに、診断技術が格段に進歩し、病気が激変する。
・2067年までに、食糧革命が起こり、貧困がなくなる、等々。
・私が2011年の流れを事前に把握し、また未来を大胆にも予想してしまうのは、どうしてなのか?種明かしをしよう。時代の流れを読むために、私はいくつもの方法を使っているのだが、根幹にあるのが、70年周期説。このサイクルで歴史を遡っていくと、「歴史は繰り返す」と言われることが、非常によくわかる。まず平成時代のバブル景気と、大正時代の大戦景気は、その期間も大きさも、瓜二つといっていいほど似ている。平成時代のバブル景気は、1985年のプラザ合意がきっかけとされている。アメリカのドル危機を回避することを目的としたプラザ合意によって、円高不況に陥ることを恐れた政府は低金利政策を採用。これが不動産や株式への投機を加熱させることになり、バブル景気がはじまったのである。しかしバブル景気はその名前のとおり、5年後の1990年には泡のように弾けて消えてしまった。そのバブル景気がはじまった1985年から70年ほど時計の針を戻してみると、1915年-ちょうど第一次世界大戦の真っ最中でヨーロッパ全土が戦地となっていた時期だ。日本には、イギリスやロシアといった国々から次々と軍需品の注文が舞い込み、未曾有の好景気を迎えることになった。しかし、この大戦景気も5年後の1920年、第一次世界大戦の集結後に一変。株価が大暴落し、銀行や企業が相次いで倒産する戦後恐慌が起こったのである。
・このように周期説で日本の歴史を遡っていくと、明治維新と太平洋戦争の敗戦といった社会体制の大変革も、70年おきに起きていることに気づく。日本が太平洋戦争に敗れて、占領軍のもとで新しい社会体制がスタートしたのは1945年だが、そこから70年ほど時計の針を戻すと1875年。明治政府による新しい社会体制が本格的にはじまったのは、明治維新における最後の動乱といわれる西南戦争直後からである。西南戦争は1877年だから、ズレは2年間あるもののほぼ70年サイクルで歴史が巡っている。
・明治維新集結が1877年、太平洋戦争集結が1945年、すると次なる変化は2015年。つまり・・・、私たちが新たな歴史サイクルのはじまりを目撃する日は、すぐ目の前まで迫ってきている。2015年の大変革に向けては、誰もが準備しておかなければならない。こういうとき、起こることは決まっている。大富豪が大貧民になるというトランプゲームのごとく、社会がリシャッフルされるのである。70年前であれば、東京裁判、公職追放、財閥解体で、ときの権力者が突如として、悪者に変わった。140年前であれば、英雄・西郷隆盛をはじめとした薩軍、5千余人が討たれた。つまり時代が変わるときには、突如として、
・英雄が、戦犯になる。
・出世街道にいた人たちが、職を失う。
・輝いていた職業が、軽蔑されるようになる。
これらの事態は、「これから10年、活躍する人の条件」という本書のテーマを真摯に向かえば、到底、無視できない。なぜなら、現在の価値観で評価されようと頑張れば頑張るほど、2015年になったとたんに、あなたの評価は地に落ちるからだ。さらに、これはあなただけの問題に留まらない。あなたに子どもがいるなら、その子の将来もかかっている。
・今回の東日本大震災の地震で、日本列島が東南東方向に動きました。つまり日本列島が傾いているのであり、それを補正するために、さらなる地震が起こるわけです。なかでも首都圏については、立川断層帯の地震発生危険度が増しました。立川断層は、東京都庁の下を通っています。列島全体が地震活性期に入っているので、いつ、どこで大規模な震災が起こっても不思議ではありません。「地震活動期に入っているとすれば、いつごろまで注意すればいいんですか?」再び優しい目で、先生は答えられた。「・・・少なくとも半世紀です。この活動期は、いまから振り返ると、阪神・淡路大震災からはじまったと考えられます。それが16年前ですから、あと最低34年は、見ていただかないと・・・」
・歴史サイクルから未来を予測すると・・・
1941太平洋戦争 2011東日本大震災
1942ミッドゥエー海戦 戦局転換 2012国家財政がさらに深刻化
1943学徒出陣 2013国際金融市場の破綻
1944学童の疎開促進 2014地方への移住急増
1945原爆・終戦・財閥解体 2015東京直下型大震災・大企業の相次ぐ破綻
1946金融緊急措置令(新円切替) 2016インフレ・預金封鎖・新しい政治体制
1950朝鮮特需ブーム 2020ようやく新産業の芽が出始める
・次世代では、地域コミュニティは、スマートグリッドやインターネットをインフラにした情報・電力供給ネットワークでつなげられる。エネルギーも食糧も、ムダを最小限にしながら共有できる仕組みが整う。自宅にいながら健康に関するデータが蓄積され、医療は治療よりも予防が中心になってくる。地震をはじめとした災害の予測精度が飛躍的に高まる。かつて想像の中にしか存在しなかった、優しい社会が現実となるだろう。その理想の社会に向かっては、国が動くのを待つことなく、住民ニーズに直接触れている、30代を中心としたビジネスリーダーたちがビジョンを描き、プロトタイプを創り上げるはずだ。こうした次世代日本の担い手たちは、グーグルやフェイスブック創業者のように、突如、現れてくる。全世界が高齢化に向かう、これからの時代-世界に先駆け、日本が未来をカッチにしはじめれば、日本は世界の規範になる。
・デント氏の予測法を極めて単純化して言えば、景気は46歳~50歳の人口の増減によって決まるというものだ。この年代は、人生で最もお金を使う年代であり、節約したくても、出費を抑えられない。黙っていても、子どもは大きくなり、住居費・教育費をはじめとしたさまざまな費用がかかる。そこで、このような年代に属する人口が、これから多くなる場合、景気は良くなり、少なくなる場合、景気は悪くなるのである。約50年間人口グラフをずらして、株価と照らし合わせてみると、怖いほど一致する。バブル経済崩壊は、まさに日本人の中で最も人口が多い団塊世代の消費がピークを越えたとたんに起こったことがわかる。当時も日々、景気予測はされていた。しかしその日々の情報に目が奪われて、肝心の、何が好況を創っているのかについては、ほとんど理解していなかった。あああ、これを知っていたら、日本人は浮かれるどころではなく、もっと賢くお金を使っていただろうに。
・人口ピラミッドを見ると、30代半ばから40歳くらいにかけて、つまり1971年から1979年生まれの人が、大きな山を作っている。彼らは団塊ジュニアと呼ばれていて、ピーク時には年間200万人超が生まれた。一生のうち、最も消費する年代が、40代後半。とすると、これから10年、彼らが消費を牽引しえいく。ということは、日本は景気が悪いように見えて、本来は、これから10年は底固いはずなのだ。2020年以降、若手人口は減るばかあいなので、相当、日本経済は悪化すると見られている。
・一方、中国の人口ピラミッドを見ると、現在、35~44歳の年代に大きな山がある。「大躍進運動」後に生まれた、第二次ベビーブーマー世代だ。なんと約3億人いる彼らがこれからどんどん消費を加速させていくから、2020~2025年あたりまで中国経済は大きく成長するのは明らか。ここ数年の不動産や株価の高騰を見て、「中国経済はバブルだ」と言う人もい。私も2012~13年あたりに相当な調整はあると思っている。しかし谷間があっても、列車は止まらない。その一番の理由は、いま中国でバブルを創り出している第二次ベビーブーマー世代が、まだまだ若いからだ。日本のバブル崩壊は、団塊世代の800万人が、50歳を越したところで起こった。しかし、中国のベビーブーマー世代の3億人は、これから人生で最も消費をしなければならない年齢に入る。
・ただ・・・、中国も永遠じゃない。中国の高度成長は、あと十数年しかもたない。なぜかといえば、2020~2025年には、第二次ベビーブーマー世代が50歳を超える。そこで経済はピークアウト。その後は、一人っ子政策の結果、若い人が少ないから、高齢化社会が急速に進む。国全体が豊かになる前に、ガソリン切れを起こしてしまうのだ。2025年には、50歳以上の中国人は3億人を超えている。これはとても大変な事態。まず貧富の格差が固定されてしまう。
・以上ざっと人口ピラミッドから読みとれる、未来への旅にお連れした。いままでお話しした、各国の趨勢をまとめると、次のとおりだ。
・日本は2020年まではまだいいが、その後は一気に下り坂。
・中国の勢いは、2020~2025年頃まで続く。
・韓国の勢いは、これからますます加速する。2025年頃まで続く。
・東南アジア諸国が勢いづくのは、2030年頃から。
・インドは2050~2060年には、世界最大のGDP国に。
・年齢がいけばいくほど、消費が伸びる市場を挙げれば、健康、医療、介護、旅行、そしてスポーツ施設の利用、さらには、なんと宗教がある。ま、宗教は別として、とくに健康医療産業にとっては、とにかく日本は急成長市場であり、今後、国際的に大きな影響力を持つ産業を創れる素地は極めて大きい。おそらく黙っていても、技術、サービス分野では、世界レベルの技術、サービスを生み出せるだろう。これに、さらにボーナスが加わる。中国は2025年には、約3億人が高齢者になる。そのときには、日本は高齢者向けの市場で、圧倒的に素晴らしい商品・サービスを提供しているだろう。するとどうなる?そうなんだ。日本に、中国の富裕層が殺到してくるに違いない。結果、日本は、アジアにおいて常に先頭を走る、クリエイティブかつ、慈悲に溢れた国となる。
・日本に引きこもるのを止めて、アジア人であるというセルフイメージを持ってみたらどうだろう。そして改めて地図を見てみると、なんと私たちよりも恵まれた地域にいる人類はいない!世界経済の成長エンジンとなる、アジアに生まれてきた!これは、どれだけすごいことなのか?かつて歴史上で、アジアが世界文明の中心となる位置づけだったのは、いつのことだろう?モンゴル帝国は世界の覇権を握ったが、15世紀の大航海時代以降、世界史はヨーロッパを中心に動いていた。それ以来、6世紀ぶりに全世界のリーダー的ポジションを占めることになるわけだ。しかも日本は、アジアの中で最も西欧文化を取り込んだ国であり、橋渡しができる極めて重要な位置にいる。すると日本人は、ほんの少し視野を広くすれば、歴史上はじめて、世界のあり方自体に非常に大きな影響力を及ぼせる、貴重な数十年間を生きていることになる。
・ピーター・ドラッカーは2002年に出版した「ネクスト・ソサエティ」で、NPOが社会の中核的組織になっていくと、予言していた。当時、この一文を読んだとき、私は、さすがにドラッカーといえども、この予言は、日本には当てはまらないのではないか、と思っていた。なぜなら当時、日本は欧米と異なり、寄付や慈善活動をする習慣がないので、社会貢献活動は定着が難しいと言われていたからだ。それから10年が経ち、「ネクスト・ソサエティ」を読み返したとき、ドラッカーの予想はほとんど、現在の日本に当てはまっている。文章だけを読んだなら、「これは先週、書かれたんでしょう?」と勘違いするほど的確に、日本の未来を言い当てている。そして、NPOへの洞察についても-やはドラッカーは正しかったと言わざるをえない。当時、「まさか日本で、そこまでは・・・」と大げさに思われたドラッカーの見解も、いよいよ現実的なシナリオになってきたのだ。いままでビジネスにおいては、社会性と収益性は矛盾すると思われてきた。つまり「社会に良いことをやっても、なかなか儲からない」がビジネスの常識だったのだ。しかし、このところ急速に、「社会に良いことをしなければ、儲からない」に変わってきた。
・経験が積めるとなれば、NPOは、将来のビジネスリーダーを育てる場所として最適だ。NPOは小資本で、何から何までやらなければならないために事業全体像をつかみやすい。社会的問題は国際的に共通する課題も多いため、グローバルに広がりやすく、国際感覚を身につけることができる。幹部候補生は、NPOでのマネジメント経験を要望されてくるようになるだろう。企業は、非営利活動を通して、新規事業のための社会ニーズを把握したり、また幹部候補生を養成できることに気づきだすと、自らNPOを創設したり、有望なNPOに対する支援を惜しまないようになってくるだろう。NPO側のビジネスに対する対応も変わる。以前であれば、ビジネスリーダーとしての成功の花道は、世界的に著名な経営コンサルティング会社であるマッキンゼーで実績を積んだり、誰もが知る大企業で、若くして経営幹部に抜擢されたりすることであった。しかし現在は、そうした成功の王道を進んできた人たちが、高収入には目もくれず、社会起業をしている。途上国で学校建設、図書館建設等のプログラムを実施するNGO団体、ルーム・トゥ・リードを立ち上げたジョン・ウッド氏はマイクロソフト出身。そして途上国と先進国が食を分かち合うことで、不均衡をなくしていくというコンセプトの、テーブル・フォー・ツーを立ち上げた、小暮真久氏はマッキンゼー出身である。今後、彼らが刺激となって、有能なビジネスパーソンが、NPOにジョインするケースが増えてくれば、事業として安定成長するNPOも増えてくる。その結果、定年退職者が能力を発揮し続けるうえでの、理想的な受け皿ともなるだろう。
・小さなNPOがいくら生まれても、とても国を支えられない。そう誰もが思う。しかし、繰り返すが、これから先、NPOはビジネススキルの非常に高い人たちによって創られはじめる。そういう人たちが現場に入り、ドブ板をひっくり返すような仕事をした場合、これは大きな社会ニーズを掘り当てる。その結果、新しい産業を創るきっかけを提供することは十分にありうる。たとえば、被災地でのボランティア活動に入り込めば、汚染除去、土壌改善、癌の早期発見、予防治療、自然エネルギー開発、過疎地域への移住促進、雇用促進など、そこにはいますぐにでも解決策を提供しなければならない、差し迫った問題をいくつも見つけるだろう。そうして把握できた現場ニーズを、企業が持っている技術シーズと組み合わせていくことにより、一大産業が生まれていく可能性は十分にある。
・2024年に向けて「会社」という組織がどのような変容を遂げるのか、について考えていくと、それは「会社」という存在が消えてなくなるというよりも、「器」にとらわれない社会がはじまると言ってもいい。企業であろうと、NPOだろうと、行政機関だろうと、もしくはまったく別の、新しい「器」が創られてもいい。要は、緊急性が高まる社会問題に対して、「器」に使われるのではなく、「器」を使いこなす社会ができあがるということなのである。同じ未来を見ている者同士が、国境を超え、「器」にとらわれず、柔軟につながり合うネットワークを形成していく。その働き方は、定住することがないという観点から、多分に遊牧民的であろう。このような働き方が求められるように、世界はなっていく。
・あなたが、現在においても、未来においても、活躍するための、鍵となる言葉。それは、エクス・フォメーションだ。イン・フォメーションとは、その言葉どおり、内に形創る。外からの情報を受け入れて、自分の中に認識を形創ることだ。それに対してエクス・フォメーションとは、外に形創る。自分の内にある認識を、外へ形創っていく。イン・フォメーションは、世の中から求められている自分を創る。それに対してエクス・フォメーションとは、自分が求めている世の中を創っていく。
・自主的な勉強会が多数生まれるという現象は、今回がはじめてではない。歴史の転換点では、繰り返し、同じことが起こっている。江戸時代末期-良く知られている松下村塾や適塾のほかにも、名前を挙げられるだけでも70を超える私塾が全国で開催されていた。その私塾で何が行われていたかといえば、まさに読書会だ。それも単なる読書会ではない。松陰曰く「顧ふに人読まず、即し読むとも行わず(考えるに人は書を読まない。もし読んでも得た知識を行動に表すことをしない)」知識だけではなく、行動を重視していたのである。こうした読書会に参加するものたちは、自己変容ができる精神の持ち主であり、組織内では少数派かもしれない。しかし少数派だからこそ、組織を超えて連携したときに、社会自体を変革する力を持つことになる。ただ彼らは、自分たちに、その力が宿されていることに気づいてはいない。勉強会に集まった彼らが、イン・フォメーションで武装し、エクス・フォメーションで自らの使命に気づいたとき、サナギとなって動けなくなった組織から、美しい何かが生まれるのである。
・起業を志すものにとっては、これまでにない恵まれた環境が続いている。とにかく起業への壁が低くなっている。とにかく起業への壁が低くなっている。仕事はウェブでのやりとりで済んでしまうために、固定的な事務所はいらない。フリーエージェント同士が、プロジェクトごとにチームを組むほうがスピーディに進むから、社員を雇用する必然性はない。集客のために広告するにしても、いままでであれば予算30万円は必要だった。ところが、いまやグーグルにしてもフェイスブックにしても、数千円から広告できる。人類史上はじまって以来、もっとも起業しやすい環境に私たちはいる。再就職の面接に向けて、多大な努力をするぐであれば、自分の事業をスタートするほうがよほど簡単になっているのではないかと思えるほどだ。
・繰り返し繰り返し、ビジネスモデルを創るうちに、何がうまくいって、何がうまくいかないのか。どんなビジネスが自分に合って、どんなビジネスが自分には合わないのか、感覚が鋭くなっていく。そして、これは自分の仕事だと思えるプロジェクトが現れたときには、それだとわかる。もう疑問なしに、わかってしまう。なぜなら、その瞬間に、リスクという言葉が脳裏から消えるからである。本当に熱中できる仕事に、リスクはない。ここは覚えておいていただきたいので、もう一度、大きな声で言う。本当に熱中できる仕事に、リスクはない。そして、それが-ライフワークに出会えた瞬間なのである。
・40代のビジネスパーソンの多くは、新しい時代の産業が目に見えるかたちで立ち上がりはじめる2020年~2025年には、すでに50代後半に差し掛かっていることだろう。30代とは違って、新しい時代のヒーローとなる世代ではないために、自分の役割は小さいと感じるかもしれない。しかしながら、次世代産業の立ち上げまでを視野に仕事ができるのは、いままで組織の中で、さまざまな経験を積んだ40代だからこその、特権だ。次世代ヒーローたちに、戦後から続いてきた日本人の魂、そして高度成長期を築いた戦士の生きざまを橋渡しできるのは、40代しかない。そのために40代は、過去に収穫された稲穂を奪い合うような浅ましい精神とは決別し、新しい大地を耕し、苗を植えていくという地道な作業を、これから共同で取り組んでいくことを決意しなければならない。
<目次>
はじめに
第1章 先が見えない世の中って言うけれど、それは天気予報があるのに知らないようなもんだ
偶然と必然の間にあるもの-時代の空気の読み方
出来事そのものではなく、出来事が起こる背景を読む
歴史は70年周期で巡っている
サイクル論を知らない親の子どもは、戦犯に!?
中学生に教えたい「誰が歴史を創るのか?」
ダイアログの結果が、日本文明の存続を決める
第2章 平成「ええじゃないか」が、なぜ必要か?
終わりと考えるか、はじまりと考えるか
年齢+34の意味
歴史サイクルの終わりでは、問題噴出。でも僕たちのせいじゃない
危機の時代の、乗り越え方-戦争か、祭りか
なぜ140年前の時代転換では、犠牲が少なかったのか?
「平成ええじゃないか」プロジェクト
祭りは、「優しい情報インフラ」の構築を加速化させる
第3章 踊る中国 沈む日本
年収10倍になた、意外な人物
国の趨勢を決めるのは?
これから20年間、日本と中国、そしてアジアの趨勢
世界の成長エンジンとなる東アジア諸国の、共通点とは?
生きる力を与えるために、あなたが子どもにできることは?
人口減社会だからこそ、起こるイノベーション
日本に引き篭もるか、アジア人として活躍するか?
第4章 2024年、会社はなくなる!?
高校2年生 男子との対話
iPhoneの未来を予測する
晩年に宿る、ふたつの可能性
後継機種が発売されるタイミングの予想法
そして・・・、2024年に会社はなくなる!?
会社の未来をはばむ、3つの壁
①会社では社員が育たない
②会社では、無から有を生み出す経験が積めない
③一部の仕事をしている社員が抜けると、会社には何も残らない
組織が変容し、経済を担うまでのシナリオは?
父から子への、3つのキャリア・アドバイス
第5章 イン・フォメーションから、エクス・フォメーションへ
公認会計士事務所勤務 35歳 女子との対話
自分を超える決意が、あなたのキャリアを安定させる
「現実を見ろ」というアドバイスは、聞くな
リーダーになるために必要なスキルを身につけるには?
鍵は、エクス・フォメーション
世界中がひとつの教室になる-TED
TED出演を目指すことは、最高の学習になる
全国規模の読書会-学び、教え合うコミュニティ
知識創造時代における、成長の4段階
行動する読書がもたらす、突破口
第6章 40代が、時代のはざまに架ける橋
ソフトウェア開発会社勤務 45歳 企画部マネージャーとの対話
独立起業から、共立起業へ
時代のギャップがもたらす、40代のビジネスチャンス
神田昌典、「敗軍の将、兵を語る」
月収10万円の生活
組織を動かす3つの歯車
噛み合わなくなった歯車
会社で苦しい人ほど、能力を発揮する
40代のリスクを、チャンスに変える
大地を耕し、苗を植える地道な作業
第7章 2022年-再びページを開くとき
電機メーカー勤務 25歳 サラリーマン3年生との対話
時代の「空白」に描く夢
人生を7年の節目でとらえると・・・・・
人間も脱皮することで、成長する
2022年、未来の私たちへのギフト
2022に向けた行動をサポートするコミュニティガイド
面白かった本まとめ(2012年下半期)
<今日の独り言>
Twitterをご覧ください!フォローをよろしくお願いします。
「2022-これから10年、活躍できる人の条件(神田昌典)」の購入はコチラ
この「2022-これから10年、活躍できる人の条件」という本は、これから10年後の2022年をよりよくするために、これから起こることを予想し、どう考え、どう行動した方が良いかを前向きにまとめたものです。
具体的には以下について書かれていて、どれも興味深く納得できる内容で、とても考えさせられましたね。
・歴史は70年周期で「志・能・公・商」でバトンタッチする
・2045年までは日本では地震が多い?
・「祭り」により防災などを解決(平成ええじゃないかプロジェクト)
・景気は46歳~50歳の人口によって決まる
・日本は2020年まではまだいいが、その後は下り坂
・中国の勢いは2020~2025年頃まで
・韓国の勢いは2025年頃まで
・東南アジア諸国が勢いづくのは2030年頃から
・インドは2050~2060年には世界最大のGDP国に
・日本は高齢者向けの市場で先行なので、それを今後の中国市場に活かすべき
・今後は会社ではなくドラッカーが述べたようにNPOが社会の中核へ
・個人は、インフォメーションではなく、内の認識を外に形創るエクス・フォメーションが必要(TwitterやYouTube、講演、出版、TED等)
・読書会が重要(昔も松下村塾などあった)
・独立起業から共立起業へ
・人生7年節目説
特に、日本の中では人口が多い団塊の世代の動向が今までの日本の景気を作っていたのではと自分でも考えていたので、景気は46歳~50歳の人口によって決まるというのは納得の内容でしたね。
また、著者は癌を乗り越えるという苦労も重ね、また自分の失敗談も書かれていて興味深い内容でした。
「2022-これから10年、活躍できる人の条件」は、未来をよりよくするヒントがたくさん書かれていて、とてもオススメな本です!
以下はこの本のポイントなどです。
・未来に対して心の準備をしておくためにも、いま私が想定していることを挙げてみると・・・
・2012年には「効率」「情報」の時代が終焉し、「共感」「つながり」の時代へ本格シフト
・共感の時代のプラットフォームが、フェイスブック。そのアプリの発展により、個人ビジネスがより身近に。ビジネスパーソンが当たり前のゆに副業を開始。
・2013年に中国、アメリカが激震。金融危機が発端か?
・2015年までに、明治維新、太平洋戦争終戦に匹敵する変革が起こる。その規模は、国の体制が変わるほどであり、革命と呼んだほうが適切。価値観がひっくり返り、ビジネスよりも、宗教が価値を持つ時代がはじまる。
・2016年に国家財政破綻。預金、年金も二束三文になると覚悟しなければならない。
・2016年以降、憲法改正もありうるほどの、社会変化。電力と同様に、教育も自由化の検討へ。今後は中央集権から、地域コミュニティを基盤とする社会体制へ。
・2020年頃までには、北朝鮮の体制崩壊をきっかけに、儒教を伝統とする国家(日本、韓国、北朝鮮、台湾、中国)が儒教経済圏を形成しはじめる。
・2022年頃から、ようやあう次世代産業(エネルギー・医療・バイオ・環境・ロボット等)が雇用の受け皿となりはじめる。
・2024年には、会社がなくなる!?
さらに、その先を予想すると・・・
・2033年までに、NPOをはじめとした社会事業が、雇用の中心的な受け皿に。国のかたちが変わる。国境に影響されない、新しい世界政府のかたちが見えはじめる。
・2050年までに、診断技術が格段に進歩し、病気が激変する。
・2067年までに、食糧革命が起こり、貧困がなくなる、等々。
・私が2011年の流れを事前に把握し、また未来を大胆にも予想してしまうのは、どうしてなのか?種明かしをしよう。時代の流れを読むために、私はいくつもの方法を使っているのだが、根幹にあるのが、70年周期説。このサイクルで歴史を遡っていくと、「歴史は繰り返す」と言われることが、非常によくわかる。まず平成時代のバブル景気と、大正時代の大戦景気は、その期間も大きさも、瓜二つといっていいほど似ている。平成時代のバブル景気は、1985年のプラザ合意がきっかけとされている。アメリカのドル危機を回避することを目的としたプラザ合意によって、円高不況に陥ることを恐れた政府は低金利政策を採用。これが不動産や株式への投機を加熱させることになり、バブル景気がはじまったのである。しかしバブル景気はその名前のとおり、5年後の1990年には泡のように弾けて消えてしまった。そのバブル景気がはじまった1985年から70年ほど時計の針を戻してみると、1915年-ちょうど第一次世界大戦の真っ最中でヨーロッパ全土が戦地となっていた時期だ。日本には、イギリスやロシアといった国々から次々と軍需品の注文が舞い込み、未曾有の好景気を迎えることになった。しかし、この大戦景気も5年後の1920年、第一次世界大戦の集結後に一変。株価が大暴落し、銀行や企業が相次いで倒産する戦後恐慌が起こったのである。
・このように周期説で日本の歴史を遡っていくと、明治維新と太平洋戦争の敗戦といった社会体制の大変革も、70年おきに起きていることに気づく。日本が太平洋戦争に敗れて、占領軍のもとで新しい社会体制がスタートしたのは1945年だが、そこから70年ほど時計の針を戻すと1875年。明治政府による新しい社会体制が本格的にはじまったのは、明治維新における最後の動乱といわれる西南戦争直後からである。西南戦争は1877年だから、ズレは2年間あるもののほぼ70年サイクルで歴史が巡っている。
・明治維新集結が1877年、太平洋戦争集結が1945年、すると次なる変化は2015年。つまり・・・、私たちが新たな歴史サイクルのはじまりを目撃する日は、すぐ目の前まで迫ってきている。2015年の大変革に向けては、誰もが準備しておかなければならない。こういうとき、起こることは決まっている。大富豪が大貧民になるというトランプゲームのごとく、社会がリシャッフルされるのである。70年前であれば、東京裁判、公職追放、財閥解体で、ときの権力者が突如として、悪者に変わった。140年前であれば、英雄・西郷隆盛をはじめとした薩軍、5千余人が討たれた。つまり時代が変わるときには、突如として、
・英雄が、戦犯になる。
・出世街道にいた人たちが、職を失う。
・輝いていた職業が、軽蔑されるようになる。
これらの事態は、「これから10年、活躍する人の条件」という本書のテーマを真摯に向かえば、到底、無視できない。なぜなら、現在の価値観で評価されようと頑張れば頑張るほど、2015年になったとたんに、あなたの評価は地に落ちるからだ。さらに、これはあなただけの問題に留まらない。あなたに子どもがいるなら、その子の将来もかかっている。
・今回の東日本大震災の地震で、日本列島が東南東方向に動きました。つまり日本列島が傾いているのであり、それを補正するために、さらなる地震が起こるわけです。なかでも首都圏については、立川断層帯の地震発生危険度が増しました。立川断層は、東京都庁の下を通っています。列島全体が地震活性期に入っているので、いつ、どこで大規模な震災が起こっても不思議ではありません。「地震活動期に入っているとすれば、いつごろまで注意すればいいんですか?」再び優しい目で、先生は答えられた。「・・・少なくとも半世紀です。この活動期は、いまから振り返ると、阪神・淡路大震災からはじまったと考えられます。それが16年前ですから、あと最低34年は、見ていただかないと・・・」
・歴史サイクルから未来を予測すると・・・
1941太平洋戦争 2011東日本大震災
1942ミッドゥエー海戦 戦局転換 2012国家財政がさらに深刻化
1943学徒出陣 2013国際金融市場の破綻
1944学童の疎開促進 2014地方への移住急増
1945原爆・終戦・財閥解体 2015東京直下型大震災・大企業の相次ぐ破綻
1946金融緊急措置令(新円切替) 2016インフレ・預金封鎖・新しい政治体制
1950朝鮮特需ブーム 2020ようやく新産業の芽が出始める
・次世代では、地域コミュニティは、スマートグリッドやインターネットをインフラにした情報・電力供給ネットワークでつなげられる。エネルギーも食糧も、ムダを最小限にしながら共有できる仕組みが整う。自宅にいながら健康に関するデータが蓄積され、医療は治療よりも予防が中心になってくる。地震をはじめとした災害の予測精度が飛躍的に高まる。かつて想像の中にしか存在しなかった、優しい社会が現実となるだろう。その理想の社会に向かっては、国が動くのを待つことなく、住民ニーズに直接触れている、30代を中心としたビジネスリーダーたちがビジョンを描き、プロトタイプを創り上げるはずだ。こうした次世代日本の担い手たちは、グーグルやフェイスブック創業者のように、突如、現れてくる。全世界が高齢化に向かう、これからの時代-世界に先駆け、日本が未来をカッチにしはじめれば、日本は世界の規範になる。
・デント氏の予測法を極めて単純化して言えば、景気は46歳~50歳の人口の増減によって決まるというものだ。この年代は、人生で最もお金を使う年代であり、節約したくても、出費を抑えられない。黙っていても、子どもは大きくなり、住居費・教育費をはじめとしたさまざまな費用がかかる。そこで、このような年代に属する人口が、これから多くなる場合、景気は良くなり、少なくなる場合、景気は悪くなるのである。約50年間人口グラフをずらして、株価と照らし合わせてみると、怖いほど一致する。バブル経済崩壊は、まさに日本人の中で最も人口が多い団塊世代の消費がピークを越えたとたんに起こったことがわかる。当時も日々、景気予測はされていた。しかしその日々の情報に目が奪われて、肝心の、何が好況を創っているのかについては、ほとんど理解していなかった。あああ、これを知っていたら、日本人は浮かれるどころではなく、もっと賢くお金を使っていただろうに。
・人口ピラミッドを見ると、30代半ばから40歳くらいにかけて、つまり1971年から1979年生まれの人が、大きな山を作っている。彼らは団塊ジュニアと呼ばれていて、ピーク時には年間200万人超が生まれた。一生のうち、最も消費する年代が、40代後半。とすると、これから10年、彼らが消費を牽引しえいく。ということは、日本は景気が悪いように見えて、本来は、これから10年は底固いはずなのだ。2020年以降、若手人口は減るばかあいなので、相当、日本経済は悪化すると見られている。
・一方、中国の人口ピラミッドを見ると、現在、35~44歳の年代に大きな山がある。「大躍進運動」後に生まれた、第二次ベビーブーマー世代だ。なんと約3億人いる彼らがこれからどんどん消費を加速させていくから、2020~2025年あたりまで中国経済は大きく成長するのは明らか。ここ数年の不動産や株価の高騰を見て、「中国経済はバブルだ」と言う人もい。私も2012~13年あたりに相当な調整はあると思っている。しかし谷間があっても、列車は止まらない。その一番の理由は、いま中国でバブルを創り出している第二次ベビーブーマー世代が、まだまだ若いからだ。日本のバブル崩壊は、団塊世代の800万人が、50歳を越したところで起こった。しかし、中国のベビーブーマー世代の3億人は、これから人生で最も消費をしなければならない年齢に入る。
・ただ・・・、中国も永遠じゃない。中国の高度成長は、あと十数年しかもたない。なぜかといえば、2020~2025年には、第二次ベビーブーマー世代が50歳を超える。そこで経済はピークアウト。その後は、一人っ子政策の結果、若い人が少ないから、高齢化社会が急速に進む。国全体が豊かになる前に、ガソリン切れを起こしてしまうのだ。2025年には、50歳以上の中国人は3億人を超えている。これはとても大変な事態。まず貧富の格差が固定されてしまう。
・以上ざっと人口ピラミッドから読みとれる、未来への旅にお連れした。いままでお話しした、各国の趨勢をまとめると、次のとおりだ。
・日本は2020年まではまだいいが、その後は一気に下り坂。
・中国の勢いは、2020~2025年頃まで続く。
・韓国の勢いは、これからますます加速する。2025年頃まで続く。
・東南アジア諸国が勢いづくのは、2030年頃から。
・インドは2050~2060年には、世界最大のGDP国に。
・年齢がいけばいくほど、消費が伸びる市場を挙げれば、健康、医療、介護、旅行、そしてスポーツ施設の利用、さらには、なんと宗教がある。ま、宗教は別として、とくに健康医療産業にとっては、とにかく日本は急成長市場であり、今後、国際的に大きな影響力を持つ産業を創れる素地は極めて大きい。おそらく黙っていても、技術、サービス分野では、世界レベルの技術、サービスを生み出せるだろう。これに、さらにボーナスが加わる。中国は2025年には、約3億人が高齢者になる。そのときには、日本は高齢者向けの市場で、圧倒的に素晴らしい商品・サービスを提供しているだろう。するとどうなる?そうなんだ。日本に、中国の富裕層が殺到してくるに違いない。結果、日本は、アジアにおいて常に先頭を走る、クリエイティブかつ、慈悲に溢れた国となる。
・日本に引きこもるのを止めて、アジア人であるというセルフイメージを持ってみたらどうだろう。そして改めて地図を見てみると、なんと私たちよりも恵まれた地域にいる人類はいない!世界経済の成長エンジンとなる、アジアに生まれてきた!これは、どれだけすごいことなのか?かつて歴史上で、アジアが世界文明の中心となる位置づけだったのは、いつのことだろう?モンゴル帝国は世界の覇権を握ったが、15世紀の大航海時代以降、世界史はヨーロッパを中心に動いていた。それ以来、6世紀ぶりに全世界のリーダー的ポジションを占めることになるわけだ。しかも日本は、アジアの中で最も西欧文化を取り込んだ国であり、橋渡しができる極めて重要な位置にいる。すると日本人は、ほんの少し視野を広くすれば、歴史上はじめて、世界のあり方自体に非常に大きな影響力を及ぼせる、貴重な数十年間を生きていることになる。
・ピーター・ドラッカーは2002年に出版した「ネクスト・ソサエティ」で、NPOが社会の中核的組織になっていくと、予言していた。当時、この一文を読んだとき、私は、さすがにドラッカーといえども、この予言は、日本には当てはまらないのではないか、と思っていた。なぜなら当時、日本は欧米と異なり、寄付や慈善活動をする習慣がないので、社会貢献活動は定着が難しいと言われていたからだ。それから10年が経ち、「ネクスト・ソサエティ」を読み返したとき、ドラッカーの予想はほとんど、現在の日本に当てはまっている。文章だけを読んだなら、「これは先週、書かれたんでしょう?」と勘違いするほど的確に、日本の未来を言い当てている。そして、NPOへの洞察についても-やはドラッカーは正しかったと言わざるをえない。当時、「まさか日本で、そこまでは・・・」と大げさに思われたドラッカーの見解も、いよいよ現実的なシナリオになってきたのだ。いままでビジネスにおいては、社会性と収益性は矛盾すると思われてきた。つまり「社会に良いことをやっても、なかなか儲からない」がビジネスの常識だったのだ。しかし、このところ急速に、「社会に良いことをしなければ、儲からない」に変わってきた。
・経験が積めるとなれば、NPOは、将来のビジネスリーダーを育てる場所として最適だ。NPOは小資本で、何から何までやらなければならないために事業全体像をつかみやすい。社会的問題は国際的に共通する課題も多いため、グローバルに広がりやすく、国際感覚を身につけることができる。幹部候補生は、NPOでのマネジメント経験を要望されてくるようになるだろう。企業は、非営利活動を通して、新規事業のための社会ニーズを把握したり、また幹部候補生を養成できることに気づきだすと、自らNPOを創設したり、有望なNPOに対する支援を惜しまないようになってくるだろう。NPO側のビジネスに対する対応も変わる。以前であれば、ビジネスリーダーとしての成功の花道は、世界的に著名な経営コンサルティング会社であるマッキンゼーで実績を積んだり、誰もが知る大企業で、若くして経営幹部に抜擢されたりすることであった。しかし現在は、そうした成功の王道を進んできた人たちが、高収入には目もくれず、社会起業をしている。途上国で学校建設、図書館建設等のプログラムを実施するNGO団体、ルーム・トゥ・リードを立ち上げたジョン・ウッド氏はマイクロソフト出身。そして途上国と先進国が食を分かち合うことで、不均衡をなくしていくというコンセプトの、テーブル・フォー・ツーを立ち上げた、小暮真久氏はマッキンゼー出身である。今後、彼らが刺激となって、有能なビジネスパーソンが、NPOにジョインするケースが増えてくれば、事業として安定成長するNPOも増えてくる。その結果、定年退職者が能力を発揮し続けるうえでの、理想的な受け皿ともなるだろう。
・小さなNPOがいくら生まれても、とても国を支えられない。そう誰もが思う。しかし、繰り返すが、これから先、NPOはビジネススキルの非常に高い人たちによって創られはじめる。そういう人たちが現場に入り、ドブ板をひっくり返すような仕事をした場合、これは大きな社会ニーズを掘り当てる。その結果、新しい産業を創るきっかけを提供することは十分にありうる。たとえば、被災地でのボランティア活動に入り込めば、汚染除去、土壌改善、癌の早期発見、予防治療、自然エネルギー開発、過疎地域への移住促進、雇用促進など、そこにはいますぐにでも解決策を提供しなければならない、差し迫った問題をいくつも見つけるだろう。そうして把握できた現場ニーズを、企業が持っている技術シーズと組み合わせていくことにより、一大産業が生まれていく可能性は十分にある。
・2024年に向けて「会社」という組織がどのような変容を遂げるのか、について考えていくと、それは「会社」という存在が消えてなくなるというよりも、「器」にとらわれない社会がはじまると言ってもいい。企業であろうと、NPOだろうと、行政機関だろうと、もしくはまったく別の、新しい「器」が創られてもいい。要は、緊急性が高まる社会問題に対して、「器」に使われるのではなく、「器」を使いこなす社会ができあがるということなのである。同じ未来を見ている者同士が、国境を超え、「器」にとらわれず、柔軟につながり合うネットワークを形成していく。その働き方は、定住することがないという観点から、多分に遊牧民的であろう。このような働き方が求められるように、世界はなっていく。
・あなたが、現在においても、未来においても、活躍するための、鍵となる言葉。それは、エクス・フォメーションだ。イン・フォメーションとは、その言葉どおり、内に形創る。外からの情報を受け入れて、自分の中に認識を形創ることだ。それに対してエクス・フォメーションとは、外に形創る。自分の内にある認識を、外へ形創っていく。イン・フォメーションは、世の中から求められている自分を創る。それに対してエクス・フォメーションとは、自分が求めている世の中を創っていく。
・自主的な勉強会が多数生まれるという現象は、今回がはじめてではない。歴史の転換点では、繰り返し、同じことが起こっている。江戸時代末期-良く知られている松下村塾や適塾のほかにも、名前を挙げられるだけでも70を超える私塾が全国で開催されていた。その私塾で何が行われていたかといえば、まさに読書会だ。それも単なる読書会ではない。松陰曰く「顧ふに人読まず、即し読むとも行わず(考えるに人は書を読まない。もし読んでも得た知識を行動に表すことをしない)」知識だけではなく、行動を重視していたのである。こうした読書会に参加するものたちは、自己変容ができる精神の持ち主であり、組織内では少数派かもしれない。しかし少数派だからこそ、組織を超えて連携したときに、社会自体を変革する力を持つことになる。ただ彼らは、自分たちに、その力が宿されていることに気づいてはいない。勉強会に集まった彼らが、イン・フォメーションで武装し、エクス・フォメーションで自らの使命に気づいたとき、サナギとなって動けなくなった組織から、美しい何かが生まれるのである。
・起業を志すものにとっては、これまでにない恵まれた環境が続いている。とにかく起業への壁が低くなっている。とにかく起業への壁が低くなっている。仕事はウェブでのやりとりで済んでしまうために、固定的な事務所はいらない。フリーエージェント同士が、プロジェクトごとにチームを組むほうがスピーディに進むから、社員を雇用する必然性はない。集客のために広告するにしても、いままでであれば予算30万円は必要だった。ところが、いまやグーグルにしてもフェイスブックにしても、数千円から広告できる。人類史上はじまって以来、もっとも起業しやすい環境に私たちはいる。再就職の面接に向けて、多大な努力をするぐであれば、自分の事業をスタートするほうがよほど簡単になっているのではないかと思えるほどだ。
・繰り返し繰り返し、ビジネスモデルを創るうちに、何がうまくいって、何がうまくいかないのか。どんなビジネスが自分に合って、どんなビジネスが自分には合わないのか、感覚が鋭くなっていく。そして、これは自分の仕事だと思えるプロジェクトが現れたときには、それだとわかる。もう疑問なしに、わかってしまう。なぜなら、その瞬間に、リスクという言葉が脳裏から消えるからである。本当に熱中できる仕事に、リスクはない。ここは覚えておいていただきたいので、もう一度、大きな声で言う。本当に熱中できる仕事に、リスクはない。そして、それが-ライフワークに出会えた瞬間なのである。
・40代のビジネスパーソンの多くは、新しい時代の産業が目に見えるかたちで立ち上がりはじめる2020年~2025年には、すでに50代後半に差し掛かっていることだろう。30代とは違って、新しい時代のヒーローとなる世代ではないために、自分の役割は小さいと感じるかもしれない。しかしながら、次世代産業の立ち上げまでを視野に仕事ができるのは、いままで組織の中で、さまざまな経験を積んだ40代だからこその、特権だ。次世代ヒーローたちに、戦後から続いてきた日本人の魂、そして高度成長期を築いた戦士の生きざまを橋渡しできるのは、40代しかない。そのために40代は、過去に収穫された稲穂を奪い合うような浅ましい精神とは決別し、新しい大地を耕し、苗を植えていくという地道な作業を、これから共同で取り組んでいくことを決意しなければならない。
<目次>
はじめに
第1章 先が見えない世の中って言うけれど、それは天気予報があるのに知らないようなもんだ
偶然と必然の間にあるもの-時代の空気の読み方
出来事そのものではなく、出来事が起こる背景を読む
歴史は70年周期で巡っている
サイクル論を知らない親の子どもは、戦犯に!?
中学生に教えたい「誰が歴史を創るのか?」
ダイアログの結果が、日本文明の存続を決める
第2章 平成「ええじゃないか」が、なぜ必要か?
終わりと考えるか、はじまりと考えるか
年齢+34の意味
歴史サイクルの終わりでは、問題噴出。でも僕たちのせいじゃない
危機の時代の、乗り越え方-戦争か、祭りか
なぜ140年前の時代転換では、犠牲が少なかったのか?
「平成ええじゃないか」プロジェクト
祭りは、「優しい情報インフラ」の構築を加速化させる
第3章 踊る中国 沈む日本
年収10倍になた、意外な人物
国の趨勢を決めるのは?
これから20年間、日本と中国、そしてアジアの趨勢
世界の成長エンジンとなる東アジア諸国の、共通点とは?
生きる力を与えるために、あなたが子どもにできることは?
人口減社会だからこそ、起こるイノベーション
日本に引き篭もるか、アジア人として活躍するか?
第4章 2024年、会社はなくなる!?
高校2年生 男子との対話
iPhoneの未来を予測する
晩年に宿る、ふたつの可能性
後継機種が発売されるタイミングの予想法
そして・・・、2024年に会社はなくなる!?
会社の未来をはばむ、3つの壁
①会社では社員が育たない
②会社では、無から有を生み出す経験が積めない
③一部の仕事をしている社員が抜けると、会社には何も残らない
組織が変容し、経済を担うまでのシナリオは?
父から子への、3つのキャリア・アドバイス
第5章 イン・フォメーションから、エクス・フォメーションへ
公認会計士事務所勤務 35歳 女子との対話
自分を超える決意が、あなたのキャリアを安定させる
「現実を見ろ」というアドバイスは、聞くな
リーダーになるために必要なスキルを身につけるには?
鍵は、エクス・フォメーション
世界中がひとつの教室になる-TED
TED出演を目指すことは、最高の学習になる
全国規模の読書会-学び、教え合うコミュニティ
知識創造時代における、成長の4段階
行動する読書がもたらす、突破口
第6章 40代が、時代のはざまに架ける橋
ソフトウェア開発会社勤務 45歳 企画部マネージャーとの対話
独立起業から、共立起業へ
時代のギャップがもたらす、40代のビジネスチャンス
神田昌典、「敗軍の将、兵を語る」
月収10万円の生活
組織を動かす3つの歯車
噛み合わなくなった歯車
会社で苦しい人ほど、能力を発揮する
40代のリスクを、チャンスに変える
大地を耕し、苗を植える地道な作業
第7章 2022年-再びページを開くとき
電機メーカー勤務 25歳 サラリーマン3年生との対話
時代の「空白」に描く夢
人生を7年の節目でとらえると・・・・・
人間も脱皮することで、成長する
2022年、未来の私たちへのギフト
2022に向けた行動をサポートするコミュニティガイド
面白かった本まとめ(2012年下半期)
<今日の独り言>
Twitterをご覧ください!フォローをよろしくお願いします。