<金曜は本の紹介>
「「空腹」が人を健康にする」の購入はコチラ
「「空腹」が人を健康にする」という本は、乳腺専門医・医学博士である南雲吉則さんが、特に1日1食の生活は体にいいことが細胞レベルでどんどん起きて、若返りの効果があるということを具体例を示しながら分かりやすく説明したものです。
そのほか若く美しくなるには、以下の2つもポイントということが書かれています。
・野菜や魚、穀物等は丸ごと食べて完全栄養を得ること
・睡眠は夜の10時から夜中の2時までを含むようにすること
南雲吉則さんは、テレビ等にもよく出演し、57歳とは思えない若さを見せていて驚きますね。
私も1日1食には至っていませんが、食べる量を減らして20kg減量に成功しましたし、早寝早起きでなるべく夜の10時から夜中の2時の間は寝るようようにしているので、人間ドックの数値も正常になり、健康と若々しさを実感しています。
後は、特に野菜や果物、魚、穀物等は丸ごと食べるようにしたいと思っています。
自分の体を構成している栄養素と同じ種類の栄養素を食べなければならないので、小魚等を丸ごと食べるのは大切なんですね。
また、果物の皮には傷を治す「創傷治癒作用」と体の細胞を酸化から守る「抗酸化作用」があるのでアンチエイジングにも良いのですね。
この本に書かれていることはどれも納得することばかりですし、とてもオススメです!
本書の内容としてはそのほか以下のことが書かれています。
・「一汁一菜」で食事の量を減らしたら体重は一直線に下がり、肌が若々しくなり、人間ドックで血管年齢が26歳といわれるようにまで若返った
・動物でエサの量を40%カットしたときあ一番延命効果が高かった
・脳細胞は飢えと寒さにさらされたときに増える
・睡眠のゴールデン・タイムは夜の10時から午前2時で、ダイエット効果と筋肉もりもり効果、美肌効果がある
・内蔵脂肪が燃焼する際に発生する「サイトカイン」は自分も傷つける
・消化管を休めることが体の治癒力を引き出す
・一日一食の場合は夜に食べるのが良い
・特にお腹がすいているときにはカフェインは良くない
・魚・穀物・野菜などはなど丸ごと食べるのがよい
・恒温動物の肉を食べると血管の中でかたまりやすいのでやめた方がよい
・食べ過ぎない、脂・砂糖・塩を摂り過ぎないのがポイント
・ミネラル分は海藻や魚介類から摂ること
・骨粗鬆症の度合いは、小児期にどれくらい歩いていたかが影響のため、子供には歩かせたほうがよい
・一日一食で体臭はほとんどなくなる
・一日一食は、若返り・抗癌・デオドラント効果、脳の若返り、若ハゲ予防効果がある
・自分の足でよく歩くことが大切
・酒は控えたほうがよい
・内蔵脂肪はお腹をすかせ、寒くすればどんどん燃焼する
・体温を上げたければ空腹・寒さ・睡眠が必要
・男性の長生きにはパートナーの存在が大きい
・人間の体は17万年の進化の過程で飽食に対しては適応できていない
・飢餓のときこそパワフルに生き延びることができる
以下はこの本のポイント等です。
・「一汁一菜」で食事の量を減らしたら、体重は一直線に下がってゆきました。体調もどんどん良くなっていきました。栄養面から見ても、質素に見える食事の中に含まれている「完全栄養」を摂取することで、体が活性化することがわかりました。ただ毎食一汁一菜を用意するのは大変です。朝や昼は食欲がないときも多く、逆に夜はつきあいで何品も食べなければならないこともあります。どんなに良い習慣も無理をし過ぎると続かなくなります。そこでいろいろ工夫してたどりついたのが、現在の「一日一食」生活です。以来10年あまり、健康状態はすこぶる良好、体重も62kgを維持しています。何よりも肌が若々しくなり、人間ドックで血管年齢が26歳といわれるようにまで若返ったのです。
・仏教の「断食」やイスラム教の「ラマダン」に見られるように、飽食状態よりも少食であるほうが長生きすることが経験的にわかっていました。そこで実際にあらゆる動物でエサの量を変えて生存期間を観察してみたのです。するとアカゲザル、ラット、モルモットなど、あらゆる動物実験において、エサの量を40%カットしたときが一番延命効果が高く、なんと寿命が1.4~1.6倍も延びたのです。それだけではありません。飽食のサルは毛が抜けて顔の皮膚がたるみ、老化が進んだにもかかわらず、食餌制限したサルは毛並みがつやつやして皮膚にも張りが出てきたのです。
・毎日欠かさず、三度三度お腹いっぱい食べることが、本当に体にとって健康的なのかと問われれば、明らかに「NO」といえます。栄養は足りなければたしかに病気になりますが、体内の生命力遺伝子はその病気を治癒・予防するために働きます。しかし食べ過ぎたときに働く生命力遺伝子はほとんどないために、飽食と誤った食生活によって病気になっている人が、あとを絶たないのです。「癌・心臓病・脳卒中・糖尿病」という4大疾患のいずれも、食生活-食べ過ぎる肥満やバランスを欠いた食習慣が原因となっていることが明らかになっています。何歳になっても若く健康で、はつらつとしたクオリティ・オブ・ライフを保ち続けるためには、食生活の改善、ことに飽食をやめることが必要不可欠なのです。
・どんなときに脳細胞が増えるのかというと、なんと「飢えと寒さ」にさらされたときだというから驚きです。
・睡眠の「ゴールデン・タイム」と呼ばれる、夜の10時から午前2時までの間に、海馬の中では最近の記憶が整理されます。
・内蔵脂肪が燃焼する際に発生するススを、医学的には「サイトカイン」と呼びます。このサイトカインはそもそも原始的な動物に備わっている免疫物質です。外から菌や毒物などが体内に入ってきたとき、リンパ球はこのサイトカインという攻撃物質を出して、それらの敵に立ち向かいます。サイトカインは、外からの悪者に体の中から対抗するためのいわば「武器」ともいうべきものなのです。ところが、このサイトカインには、自己と外敵との見分けがつかないといいう弱点があります。そのため、敵が体内に入ってきたときに、敵に向かって放った弾で、自分自身をも傷つけてしまうということになるわけです。
・朝食は何も摂らなくても結構ですし、摂るなら水分とフルーツ程度の軽めにします。出勤時刻ギリギリまで寝ていて、時間がない中で起きうけによく噛まないまま朝食をかき込み、駅まで走っていくというような自殺行為をするくらいなら、朝は水分だけにし、何も食べないほうが、よほど体にはいいのです。前の晩のお酒が残っていたり、前の晩に食べ過ぎて胃がもたれたりしているときはなおさらです。医学的にも、胃を休めるために絶食が必要です。水分補給だけにしておきましょう。
・睡魔と闘うつらさか逃れるために、昼食の量を少しずつ減らしていったのですが、どんなに減らしても、食べてしまえばたとえそれがおにぎり1個であっても、やっぱり眠くなってしまうのです。以来、昼食はいっさい摂らないようにしました。もし、何か食べるとすれば、夏ならモモを1個、秋ならナシかリンゴを半分程度というように、季節の果物をいただきます。また、リンゴやナシ、カキ、ブドウなどは皮ごと食べます。果物は、この皮がすばらしいのです。私はモモも皮ごと食べます。気になる表面の産毛も、布巾でキュッキュッと拭けば取れてしまいます。果物の皮には、傷を治す「創傷治癒作用」と体の細胞を酸化から守る「抗酸化作用」があるのでこれを食べていれば傷ついた消化管の粘膜も肌も治療されますし、老化から身を守ってくれる。もちろん、カゼもひきにくくなります。
・「一日一食」にする場合、その一食はいつ食べるのか。私がおすすめするのは、一日の最後を締めくくる「夕食」です。
・「一日一食」の生活は、食事の時間にはもうお腹がぺこぺこ。そこで何を食べるかが問題になります。基本的に、食べたいものであれば、何をどれだけ食べてもOKです。空腹時にはそれこそ何でも食べたくなるのではないかと思われるかもしれませんが、一日一食になると、決してそんなことはありません。せっかくの一食をカップラーメンやコンビニ弁当で終わってしまったらもったいない、と考えるでしょう。体のほうも、本当に欲するものを求めてきます。それはすなわち、体に必要不可欠な栄養ということです。理想の食事量は腹六分目ですが、満腹感がほしければ、最初のうちはどれだけたくさん食べてもかまいません。そのうちに、だんだん体が欲しなくなります。
・私の場合、何を食べたいかと聞かれれば「玄米と具だくさんの味噌汁、野菜のおひたし、一夜干しの魚があればいいが、なければ納豆」と答えます。野菜中心なので山盛り一皿食べたとしても、カロリーオーバーにはなりませんし、これを食べれば本当に疲れが取れます。私の夕食のメニューを見て、質素でわびしいと思う人もいるかもしれません。しかし逆に、今の世の中では質素なメニューこそ最高のごちそうだと思っています。
・お茶には健康なイメージをおもちの方も多いと思いますが、お腹がすいているときにカフェインを摂取すると、じつは体にとても良くないのです。カフェインというのは、「アルカロイド」の一種。アルカロイドとは、ニコチンやコカイン、モルヒネなどにも含まれている麻薬成分で、副交感神経に対して刺激作用があります。つまり、カフェインを含んだコーヒーや緑茶、紅茶にはモルヒネなどの麻薬と同じような作用があるということです。空腹時に濃いコーヒーを飲んだりすると、吐き気やめまいがしてよだれが出たり、下痢をするようなことがあるのは、副交感神経への刺激作用があるから。自然界の動物がコーヒーの実やお茶の葉っぱをどんどん食べたら、その植物は滅んでしまいます。そこで食べると吐き気を催すような毒をもつようになりました。それがカフェインです。人間は満腹のときの眠気ざましに、その毒を飲んで副交感神経を刺激しているわけです。このように毒性の強いカフェインを、満腹のときならいざ知らず、空腹時や夜の眠気ざましに飲むのが体に良くないことは明らかです。
・毒の成分を含むお茶やコーヒーを、育ちざかりの子どもに飲ませてはいけないということ。カフェイン中毒になるだけではなく、消化吸収傷害から栄養障害を起こしてしまう可能性があります。消化器の弱っているお年寄りの場合にも、お茶はうがいをするためのもので、あまり頻繁に飲むものではないと思ったほうが無難でおう。どうしてもお茶が飲みたいという場合は、カフェインの入っていない麦茶やゴボウ茶にします。
・生物学的に見ても、人類が誕生する以前までさかのぼって考えれば、地球上の生物は、すべて海で誕生しました。私たち人類の祖先も、もとをたどれば、すべて魚に行きつきます。だとすれば、魚を丸ごと一尾食べるのがもっともヒトの体を構成している栄養素と近い、バランスのとれたものということになります。けれども、いくら一尾丸ごととはいっても、マグロのような大きな魚を丸ごと食べるわけにはいきません。トロや赤身の部分など、限られてしまいます。それでは、栄養バランスの面からいうと、片寄った栄養になってしまうというわけです。そこで「小魚」を丸ごと食べることをおすすめします。
・人間が食べるもの(魚、穀物、野菜など)も、自然界の命を丸ごといただく「丸ごと食」が、生命体としてのバランスをとるのにもっとも望ましいということになります。一部分を食べるのではなく、丸ごと食べるのが良いとなれば、動物にしても魚にしても、大きいものより小さいもののほうが人間の食べ物としてふさわしいといえるでしょう。
・野菜を食べるにあたっても、「一物全体」「医食同源」の考え方は同じです。基本は、「葉ごと皮ごと根っこごと」。つまり、捨てるところは何ひとつなく、丸ごとすっかりいただくという考え方です。たとえばダイコン。ふろふきにするとき、葉は捨て、皮(実の表面)を厚くむいたりしていませんか。ダイコンの実の部分は、ほとんどがデンプンです。しかし葉の部分にはミネラルとビタミンが豊富で、皮の部分には、ゴブやブドウと同様のポリフェノールという傷を治す効果や抗酸化作用にすぐれた栄養素が含まれているのです。
・ウシやブタなど、私たちが食する動物は、体温が37度前後に一定している恒温動物です。この恒温動物の脂肪は、室温ではラードとなって固まってしまいます。そうした固まりやすい脂を摂ると、体内の血管の中でかたまりとなり、動脈硬化を起こすもととなってしまいます。一方、変温動物である魚は、冷たい海水の中でも、その脂が固まることはありません。当然、室温で脂が固まることはなく、人間の血管の中でも固まったりはしません。それどころか、血管を詰まらせる悪玉コレステロールと置き換わり、血液をサラサラにする働きがあるということが注目されています。特に魚の皮の下のぬるぬるの脂肪の部分には、動脈硬化を改善するうえで非常に有効なEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)が豊富に含まれています。それらは青魚と呼ばれるサンマやサバにとりわけ多く含まれていることが知られています。
・メタボがあなたに訴えかけているメッセージは次のようなものです。
その1.食べ過ぎない
その2.脂を摂り過ぎない
その3.砂糖を摂り過ぎない
その4.塩を摂り過ぎない
・砂糖が体を老化させ、命を縮める原因となっていることをご存じでしょうか?タバコの害は知られていますが、砂糖はタバコにも匹敵するほど、健康に害を及ぼすものなのです。ツイーツを食べると、血糖値はだいたい140mg/dl以上に上昇します。それはタバコを4本吸ったときと同じくらいに、血管の内側の細胞を傷つけます。こうした糖のもつ毒性は「糖毒性」と呼ばれ、動脈硬化や脳卒中、心臓病などの原因となるだけでなく、内蔵脂肪を増やすので、ダイエットの大敵にもなります。さらには、血液中のコレステロール値をどんどん上昇させます。コレステロールからできている性ホルモンは、ダイレクトにその影響を受けるので、閉経後の女性に乳癌や子宮体癌が最近とみに増えているのは、このためだと考えられています。
・糖尿病になったら、次の標的は補食器官です。食事を摂るための機能がすぐれていれば、どんどん食べて太ってしまうので、補食器官を攻撃して太らないようにするのです。そのために、まずは目の網膜です。網膜を破壊して失明させればエサを見つけられなくなります。次は腎臓です。腎臓を破壊すれば糖が尿中にどんどん出ていってしまうので太れなくなります。そして足です。足の血管を破壊して足を腐らせてしまえば、もう獲物を追っかけることはできなくなってやせてしまいます。「糖毒性」は、甘いものをやめられないあなたをこれ以上太らせないための、生体の防御反応なのです。
・塩分の何が体に悪いかというと、まず塩分をたくさん摂ることで血液の浸透圧が高くなり、体のほかの部分からどんどん水分を奪って血圧を上げてしまいます。血圧があがると血管の内側の細胞(内包細胞)は、いつも圧力がかかっている上になり傷がつく。その傷ついた部分にかさぶたができるのが動脈硬化です。血圧が上がれば、さらに動脈硬化は進んでいき、それによって血液の流れも悪くなってしまいます。その結果、腎臓や心臓など、大事な臓器に送られる血液の量が少なくなるので、体のほうは血圧を上げることによって血液を送り込もうとします。つまり、そもそもは塩分の摂り過ぎで血圧が高くなって血管が傷つき、動脈硬化が起こるわけですが、動脈硬化が起こると血液が流れにくくなるので、ますます血圧が高くなるという、悪循環に陥ってしまうというわけです。
・ミネラル分はむしろ海藻や魚介類から摂ることをおすすめします。たとえば、もずくやめかぶを、酢だけで味つけして食べれば、塩分量を抑えて、ミネラルをたっぷり摂ることができます。天然塩からわざわざミネラルを摂取するよりも、はるかに健康にいいことは明らかです。
・高齢になってかの骨粗鬆症の度合いには、じつは小児期にどれくらい歩いていたかが、非常に大きく影響します。子どもにはよく歩かせたほうがいいのです。間違っても、電車の中で子どもを真っ先に席に座らせたりすることのないようにしましょう。子ども時代にどれだけ足腰を鍛えておくかによって、生涯の骨の丈夫さが決まるのです。
・一日一食ならば、否応もなくお腹は減ります。内蔵脂肪は燃焼します。ウエストがくびれることは間違いありません。しかもそのときに脂肪細胞から奇跡のホルモンが分泌されます。それが「アディポネクチン」です。前に脂肪が燃焼するときはススが出る、そのススが血管の内皮細胞を傷つけて動脈硬化を起こす、と説明しました。しかし、捨てる神あれば拾う神あり。脂肪の中から動脈硬化を予防して血管の中を掃除してくれるホルモンが出ていることがわかったのです。それが「アディポネクチン」です。このホルモンがどんなにがんばってくれても、あなたがどんどん食べて内蔵脂肪を増やしてしまったら、「これ以上働いてもしょうがないや」と、頑張るのをやめてしまいます。ですから、太っている人ではアディポネクチンはあまり働かず、ますます太ってしまうのです。でも、あなたが一日一食でやせてくると、アディポネクチンはどんどん活性化します。体中の血管を掃除して、あなたを若返らせてくれるのです。
・一日一食を始めて一週間目の時点であなたの足の臭いをかいでみましょう。今までメタボであったあなたなら、相当体臭が強かったはずです。ところが、一日一食を始めてたったの一週間で、あなたの体臭はほとんどなくなっているはずです。体臭の原因は皮脂腺です。いわば脂汗です。わきの下や足の裏は脂汗をかきやすいのです。しかし汗だけは臭いません。そこにワキガ菌やブドウ球菌というバイ菌が繁殖したときに、不快な臭いになるのです。一日一食を始めるとお腹が減り、血中のコレステロールが減り始めます。コレステロールは性ホルモンの原料です。とくに副腎という腎臓の真上にある小さな臓器から分泌される「アンドロゲン」という男性ホルモンの量を増やします。このアンドロゲンは別名「とうそうホルモン」と呼ばれ、「闘争」や「逃走」のとき、つまりストレスがかかったときに分泌されます。男性ホルモンの量には皮膚の脂分を増やす働きがありますので、ストレスがあると皮膚の脂分が増えニキビやワキガ、フケや脱毛の原因になるのです。その原因であるコレステロールが減れば、体臭やニキビがなくなるのは当然でしょう。一日一食はただやせるだけでなく、肌を美しくして、体臭までなくしてくれるのです。さらに一日一食でアンドロゲンが減れば、乳癌や前立腺癌などの性ホルモンで成長する癌は減少します。またアンドロゲンは男性ホルモンですから、肌を黒くして多毛にします。閉経後の女性が肌のくすみやシミ、うぶ毛による多毛に悩むときに、一日一食によるメタボ解消は効果的です。男性に対しては薄毛に効果があります。
・一日一食がダイエット効果だけだと思っていた方は、若返り効果、抗癌効果、さらにデオドラント効果まであると聞いて驚かれたことでしょう。それでは驚きついでに、もっとすごい効果について説明します。それは脳の若返り効果です。
・成長ホルモンは眠っている間、つまり睡眠時間中に分泌されます。ただし、寝ている時間ならいつでもいいのかというと、そうではありません。夜の10時から夜中の2時までが、この若返りホルモンが分泌されるゴールデン・タイムなのです。
・夜の10時から夜中の2時のゴールデン・タイムにしっかり睡眠をとっていれば、わざわざジムに通って体を鍛える必要もなくなるばかりか、眠るだけで「ダイエット効果」と「筋肉もりもり効果」が見込めるのです。成長ホルモンの効用は、ほかにもあります。それはズバリ、美肌作用です。
・医療の現場でも、太陽の光を浴びることによって、幸せホルモンのセロトニンが出ることに着目した「光線療法」というのがあります。これは、うつ症状などの患者に、日光に近い白熱灯の光を大量に浴びせるもので、うつだけでなく、睡眠障害、登校拒否、更年期障害、生理不順などにも効果があるといわれ、精神科の治療にも取り入れられています。それほど太陽の光というのは、人間の健康に大きく影響を及ぼします。「太陽の恵み」が必要なのは何も農作物だけでなく、私たち人間の健康にとてもたいへん大事だということを、もっと意識して生活するようにしたいものです。
・心臓が終末分裂細胞の臓器だということは、一生涯の間に打つ心拍数もあらかじめ決まっているということ。あらゆる動物において20億回といわれています。1分間に50回拍動するとしたら80歳で止まるということです。長生きをしたければ、それを超える適度な心拍数になるようなことは日頃から避けるべきで、心臓によけいな負担をかけないように日々を過ごすよう心がけたいものです。子供の頃からスポーツをやっている人は、「スポーツ心」といってふだんの脈拍が少ないから、スポーツをしても心拍数はそんなに上がりません。しかしふだん運動しない人が「メタボを解消しよう」といって急にスポーツをするのがいちばん危険なのです。心臓に急激な負担がかかって心停止を起こすかもしれませんし、もし起こさなくても生涯に打つ心拍数を早めに使いきってしまうことにもなりかねません。
・私たちの体は、心臓によって血液が全身に送り出されています。しかし、心臓の働きは血液を送り出すだけで、古い血液を戻ってこさせる力がありません。古い血液を再び心臓ま戻ってこさせるためには、「第二の心臓」と呼ばれるふくらはぎや背中の筋肉を使わなければならないのです。それらの筋肉が収縮することによって起きるポンプ作用によって、血液は送り返されるようになります。そのためには、何も特別な運動をする必要はありません。日頃から、よく歩くようにすればいいのです。そうすれば、心拍数を増やさず、心臓に負担をかけないようにしながら、ふくらはぎのポンプ作用を働かせることができるようになります。車にばかり乗らず、自分の足でよく歩くこと。そして、電車やバスに乗るときは座らない。できれば吊革にもつかまらず、両足でバランスをとりながら立っていることをおすすめします。また、椅子に座るときは背もたれに寄りかからないことも、とても大事です。
・私は、かっこよく歩くことにしました。
①たるんだお腹を引っ込めて胸を張る
②手は軽く握って
③最大歩幅でどんどん歩く
自宅から駅まで、駅から会社までのたった数分間、こうやって歩くだけで、うっすらと汗をかきます。翌日には腹筋が痛くなるでしょう。じつは腹筋、脊柱起立筋、ふくらはぎの筋肉を集中して使っているのです。これを習慣づけるだけで、散歩の時間をわざわざ用意しなくても、あなたのスタイルはどんどん良くなってきます。ウエストが細くなってきます。背が伸びたような気持ちさえします。
・アルコールの場合、生涯摂取量の上限(極量)は、男性の場合で500kg、女性は250kgといわれています。ワイン1本を毎日飲めば年間で31.5kgに相当します。日本酒4合を毎日飲めば、年間でだいたい36.5kgです。つまり、男性なら、14~16年ほどで「極量」になるというわけです。女性の場合は、わずか7、8年です。ワイン1本で、およそグラス6杯とすれば、1日の酒量をグラス2杯にとどめておけば、40年あまりは毎日ワインを楽しむことができます。日本酒にすれば、1合ちょっとですね。
・内蔵脂肪というのは発熱物質で、体温を上げるために燃焼します。つまり、暑ければ暑いほど内蔵脂肪は燃焼しないのです。そもそも飢えと寒さから身を守るためについたのが内蔵脂肪なのですから、飢えも寒さもない現在の日常生活の中では燃焼のしようがありません。燃焼させたいのであれば、サウナよりむしろ水風呂に入るべきなのです。
・体温を上げたければ、それは外側からではなく、体の中から上げることを考えるべきです。そのために必要な条件が「空腹、寒さ、睡眠」の三点です。体温が変わるのは、この3つの条件を与えられたときだけです。こうした恒常性によってこそ、私たちの生命は維持されているのです。
・熱を出している子どもは、温めるのではなくて、冷やしたほうがいいのです。カゼをひいて体を温めてよいのは、熱の上がりばなのときだけ。熱はまだそんなに上がっていない状態です。このとき、なぜ寒気を感じるのか、覚えているでしょうか。そうです。筋肉をブルブル運動させることによってグリコーゲンを燃焼して、体温を上げようとしているのです。これは免疫反応を起こしやすくするためです。免疫もひとつの化学反応ですので、温度が高くなるのにしたがって反応性が高まるのです。熱がずっと39度近くまで上がり続けている場合は、リンパ球か「サイトカイン」という毒物が出て、体外から侵入してきた菌や毒物を撃退しようという状態になります。そうなると、脱水症や熱中症のときと同じように多臓器不全を起こしかねませんから、すぐにも熱を下げるように、アイシングをします。アイシングとは、熱を下げるもっとも簡単な方法で、わきの下や鼠径部を通る太い血管を氷嚢で冷やすことです。こうして全身の血液を効率的に冷やすことができれば、あとはなるべく汗を吸収しやすい素材でできた下着などで薄着にさせておきます。これは大人も同様で、熱を出したら薄着をするべきなのです。解熱剤は、成分によって、多臓器不全を引き起こしやすくすることもありますから、子どもが熱を出した場合は、このアイシングの方法で熱を下げ、水分をふだんの倍量摂らせるとよいのです。
・すべての動物は、生殖年齢が終わると寿命も終わります。人間の女性だけが生殖年齢が終わってから何十年も生きるのは、人間の子どもがいつまでも乳離れしないからです。この世に生まれてきたものはすべて生き延びようとする指令が細胞内の遺伝子にインプットされています。子どもが何歳になっても母親から離れようとしないのも、生き延びるためです。しかしいつまでもその子にかかわっていたら次の繁殖ができなくなり、人類が滅亡してしまいます。そのため母親は、すでに生殖の終わった年上の女性に子どもを預けて、その間に下の子どもを妊娠・出産するようになりました。本来、生殖年齢が終われば寿命が終了するはずの女性たちが、その後何年も生き延びるようになったのは、孫の面倒をみるためだっと考えられます。こうして女性は生殖に間接的にかかわることによって寿命が長くなりました。それに対して男性は死ぬまで生殖能力があります。そのため理論上は「死ぬまで生きられる」はずです。ただし男性が長生きするには条件があります。死ぬまで生殖にかかわっていなければなりません。すなわちパートナーの存在は、寿命に大きく影響を与える大切な要素なのです。
・お茶を始め、野菜、マメ類も、敵から身を守り生き延びるために毒をもっています。そこで人間は調理することによって毒を消すことを学んだのです。調理しなければ毒になってしまうものを、大量に摂るほうがおかしいのではないかということに早く気がついていただきたい。人間も地球の生き物の一員であり、すべての動植物と共生するという気持ちをもって、すべての食べ物に対して感謝をしながらいただくという生き方をしていくことで、おのずと健康も得られるようになるのでしょう。
・そもそも人間は、この17万年の進化の過程で、ごくわずかのエネルギーで生きていけるような体を獲得してきました。にもかかわらず、このわずかな数十年の間に、アメリカや日本など、世界中の先進国といわれる国々では、あっという間に飽食が拡大してしまいました。しかし、人間の体は飽食に対しては適応できないのです。私たち人類の体は、つねに環境に最適化するように進化してきました。しかし、そのためには何万年という歳月が必要です。17万年かけて進化する中で、ようやく獲得した人間の遺伝子は、急激な環境の変化に適応することができません。
・本書を通して、みなさんにいちばんお伝えしたいことは、飢餓のときこそ人類のもつ生命力遺伝子のスイッチがオンになり、パワフルに生き延びることができるということ。
・内面の健康が表にあらわれて、若く美しくなっていただきたいのです。その最終ゴールは肌がつやつやでウエストがくびれていることです。そのために有効な方法は「空腹」「完全栄養」「睡眠」の3つだけです。
・一日一食(または一汁一菜)
・野菜は葉ごと皮ごと根っこごと、魚は皮ごと骨ごと頭ごと、穀物は全粒で
・睡眠は夜の10時から夜中の2時まではゴールデンタイムを含むように
この3条件を守っていただければ健やかで、若く、美しい体を手に入れられることでしょう。
<目次>
プロローグ 空腹になると発動する遺伝子がある!
第1章 食べないことがなぜ健康にいいのか?
人類の生き残りのカギは「生命力遺伝子」
水を飲んでも太るワケ
細胞を修復してくれる「サーチュイン遺伝子」
食べ過ぎこそ病気の始まり
満腹には適応できない現代人の体
糖尿病は人類の進化の証!?
糖尿病でやせる本当の理由
危険が迫ると脳細胞まで活性化する
寒いとなぜ体がガタガタふるえるのか
必要以上に蓄えられている内蔵脂肪
メタボが寿命を縮める本当の理由
「一日一食」は究極の健康法
第2章 あなたも必ずできる「一日一食」生活
食事の量を減らすカンタンな方法「一汁一菜ダイエット」
一日一食にムリなく移行するには
一日のいつ食べるのがいいか
一日一食なら、何を食べてもOK
お腹が「グーッ」と鳴るのを楽しむ
空腹時にお茶やコーヒーを飲んではいけない
「一日一食」でなぜ栄養不足にならないのか?
「一物全体」で完全栄養を摂る
野菜に捨てるところなんかない!
世界が注目した日本の伝統食
今こそ「丸ごと食」の原点に戻るとき
青魚の脂はなぜすぐれているのか
本当に1日30品目食べなければいけないのか?
メタボにならないための4つの条件
砂糖の摂り過ぎは確実に寿命を縮める
動物が獲物に塩をふって食べない理由
「健康にいい塩」などない
カルシウムは「歩いて」補う
美しくなければ健康じゃない!
第3章 「一日一食」で体はこんなに変わる
一日一食の一日の流れ
お腹が鳴る秘密と効能
(1)一日一食を始めた最初の反応は「モチリン」
(2)腹ぺこホルモン「グレリン」の登場
(3)体中の遺伝子の修復が始まる
(4)超善玉ホルモンが脂肪を燃焼させる
一食を食べたときか「やせホルモン」が出る
体重がみるみる減るだけではない、この効果
第4章 「一日一食」を習慣にしてしまおう
ごはんを食べたら、すぐ寝よう
若返りのための「ゴールデン・タイム」
冬眠明けの熊はなぜすぐに起き上がれるのか?
体内時計は朝日を浴びるとリセットされる
すっきり目覚めるコツ
朝起きてすぐ水を飲む必要はない
健康のためにスポーツはしない
ふくらはぎと背中の筋肉が「血液ポンプ」になる
たった3分間で一万歩ぶん歩ける
酒飲みに朗報?休肝日は必要ない
スイーツも酒も、高価なものをちょっぴりと
体の温め過ぎは「冷え性」のもと
体温を上げても免疫力はアップしない!?
熱が出たら薄着になる
第5章 自分の「内なる声」にしたがって生きる
「嫌い」に「好き」を組み合わせる
花粉症には「口呼吸」が効く
オンとオフの切り替えを明確にする
すぐに眠りにつける魔法の呪文
偉大なるワンパターン生活
パートナーやペットと触れ合うと寿命が延びる
自然界の生き物たちを見習う
「過ぎない」生活を、感謝をもって
なぜその物質はそこに存在するのか
日本人が「一日一食」を実践する意味
あなたの人生、このまま終わってもいいですか?
最期まで「健康・元気」に過ごす!
エピローグ 若さ美しさは内面の健康のあらわれ
面白かった本まとめ(2012年下半期)
<今日の独り言>
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そのほか若く美しくなるには、以下の2つもポイントということが書かれています。
・野菜や魚、穀物等は丸ごと食べて完全栄養を得ること
・睡眠は夜の10時から夜中の2時までを含むようにすること
南雲吉則さんは、テレビ等にもよく出演し、57歳とは思えない若さを見せていて驚きますね。
私も1日1食には至っていませんが、食べる量を減らして20kg減量に成功しましたし、早寝早起きでなるべく夜の10時から夜中の2時の間は寝るようようにしているので、人間ドックの数値も正常になり、健康と若々しさを実感しています。
後は、特に野菜や果物、魚、穀物等は丸ごと食べるようにしたいと思っています。
自分の体を構成している栄養素と同じ種類の栄養素を食べなければならないので、小魚等を丸ごと食べるのは大切なんですね。
また、果物の皮には傷を治す「創傷治癒作用」と体の細胞を酸化から守る「抗酸化作用」があるのでアンチエイジングにも良いのですね。
この本に書かれていることはどれも納得することばかりですし、とてもオススメです!
本書の内容としてはそのほか以下のことが書かれています。
・「一汁一菜」で食事の量を減らしたら体重は一直線に下がり、肌が若々しくなり、人間ドックで血管年齢が26歳といわれるようにまで若返った
・動物でエサの量を40%カットしたときあ一番延命効果が高かった
・脳細胞は飢えと寒さにさらされたときに増える
・睡眠のゴールデン・タイムは夜の10時から午前2時で、ダイエット効果と筋肉もりもり効果、美肌効果がある
・内蔵脂肪が燃焼する際に発生する「サイトカイン」は自分も傷つける
・消化管を休めることが体の治癒力を引き出す
・一日一食の場合は夜に食べるのが良い
・特にお腹がすいているときにはカフェインは良くない
・魚・穀物・野菜などはなど丸ごと食べるのがよい
・恒温動物の肉を食べると血管の中でかたまりやすいのでやめた方がよい
・食べ過ぎない、脂・砂糖・塩を摂り過ぎないのがポイント
・ミネラル分は海藻や魚介類から摂ること
・骨粗鬆症の度合いは、小児期にどれくらい歩いていたかが影響のため、子供には歩かせたほうがよい
・一日一食で体臭はほとんどなくなる
・一日一食は、若返り・抗癌・デオドラント効果、脳の若返り、若ハゲ予防効果がある
・自分の足でよく歩くことが大切
・酒は控えたほうがよい
・内蔵脂肪はお腹をすかせ、寒くすればどんどん燃焼する
・体温を上げたければ空腹・寒さ・睡眠が必要
・男性の長生きにはパートナーの存在が大きい
・人間の体は17万年の進化の過程で飽食に対しては適応できていない
・飢餓のときこそパワフルに生き延びることができる
以下はこの本のポイント等です。
・「一汁一菜」で食事の量を減らしたら、体重は一直線に下がってゆきました。体調もどんどん良くなっていきました。栄養面から見ても、質素に見える食事の中に含まれている「完全栄養」を摂取することで、体が活性化することがわかりました。ただ毎食一汁一菜を用意するのは大変です。朝や昼は食欲がないときも多く、逆に夜はつきあいで何品も食べなければならないこともあります。どんなに良い習慣も無理をし過ぎると続かなくなります。そこでいろいろ工夫してたどりついたのが、現在の「一日一食」生活です。以来10年あまり、健康状態はすこぶる良好、体重も62kgを維持しています。何よりも肌が若々しくなり、人間ドックで血管年齢が26歳といわれるようにまで若返ったのです。
・仏教の「断食」やイスラム教の「ラマダン」に見られるように、飽食状態よりも少食であるほうが長生きすることが経験的にわかっていました。そこで実際にあらゆる動物でエサの量を変えて生存期間を観察してみたのです。するとアカゲザル、ラット、モルモットなど、あらゆる動物実験において、エサの量を40%カットしたときが一番延命効果が高く、なんと寿命が1.4~1.6倍も延びたのです。それだけではありません。飽食のサルは毛が抜けて顔の皮膚がたるみ、老化が進んだにもかかわらず、食餌制限したサルは毛並みがつやつやして皮膚にも張りが出てきたのです。
・毎日欠かさず、三度三度お腹いっぱい食べることが、本当に体にとって健康的なのかと問われれば、明らかに「NO」といえます。栄養は足りなければたしかに病気になりますが、体内の生命力遺伝子はその病気を治癒・予防するために働きます。しかし食べ過ぎたときに働く生命力遺伝子はほとんどないために、飽食と誤った食生活によって病気になっている人が、あとを絶たないのです。「癌・心臓病・脳卒中・糖尿病」という4大疾患のいずれも、食生活-食べ過ぎる肥満やバランスを欠いた食習慣が原因となっていることが明らかになっています。何歳になっても若く健康で、はつらつとしたクオリティ・オブ・ライフを保ち続けるためには、食生活の改善、ことに飽食をやめることが必要不可欠なのです。
・どんなときに脳細胞が増えるのかというと、なんと「飢えと寒さ」にさらされたときだというから驚きです。
・睡眠の「ゴールデン・タイム」と呼ばれる、夜の10時から午前2時までの間に、海馬の中では最近の記憶が整理されます。
・内蔵脂肪が燃焼する際に発生するススを、医学的には「サイトカイン」と呼びます。このサイトカインはそもそも原始的な動物に備わっている免疫物質です。外から菌や毒物などが体内に入ってきたとき、リンパ球はこのサイトカインという攻撃物質を出して、それらの敵に立ち向かいます。サイトカインは、外からの悪者に体の中から対抗するためのいわば「武器」ともいうべきものなのです。ところが、このサイトカインには、自己と外敵との見分けがつかないといいう弱点があります。そのため、敵が体内に入ってきたときに、敵に向かって放った弾で、自分自身をも傷つけてしまうということになるわけです。
・朝食は何も摂らなくても結構ですし、摂るなら水分とフルーツ程度の軽めにします。出勤時刻ギリギリまで寝ていて、時間がない中で起きうけによく噛まないまま朝食をかき込み、駅まで走っていくというような自殺行為をするくらいなら、朝は水分だけにし、何も食べないほうが、よほど体にはいいのです。前の晩のお酒が残っていたり、前の晩に食べ過ぎて胃がもたれたりしているときはなおさらです。医学的にも、胃を休めるために絶食が必要です。水分補給だけにしておきましょう。
・睡魔と闘うつらさか逃れるために、昼食の量を少しずつ減らしていったのですが、どんなに減らしても、食べてしまえばたとえそれがおにぎり1個であっても、やっぱり眠くなってしまうのです。以来、昼食はいっさい摂らないようにしました。もし、何か食べるとすれば、夏ならモモを1個、秋ならナシかリンゴを半分程度というように、季節の果物をいただきます。また、リンゴやナシ、カキ、ブドウなどは皮ごと食べます。果物は、この皮がすばらしいのです。私はモモも皮ごと食べます。気になる表面の産毛も、布巾でキュッキュッと拭けば取れてしまいます。果物の皮には、傷を治す「創傷治癒作用」と体の細胞を酸化から守る「抗酸化作用」があるのでこれを食べていれば傷ついた消化管の粘膜も肌も治療されますし、老化から身を守ってくれる。もちろん、カゼもひきにくくなります。
・「一日一食」にする場合、その一食はいつ食べるのか。私がおすすめするのは、一日の最後を締めくくる「夕食」です。
・「一日一食」の生活は、食事の時間にはもうお腹がぺこぺこ。そこで何を食べるかが問題になります。基本的に、食べたいものであれば、何をどれだけ食べてもOKです。空腹時にはそれこそ何でも食べたくなるのではないかと思われるかもしれませんが、一日一食になると、決してそんなことはありません。せっかくの一食をカップラーメンやコンビニ弁当で終わってしまったらもったいない、と考えるでしょう。体のほうも、本当に欲するものを求めてきます。それはすなわち、体に必要不可欠な栄養ということです。理想の食事量は腹六分目ですが、満腹感がほしければ、最初のうちはどれだけたくさん食べてもかまいません。そのうちに、だんだん体が欲しなくなります。
・私の場合、何を食べたいかと聞かれれば「玄米と具だくさんの味噌汁、野菜のおひたし、一夜干しの魚があればいいが、なければ納豆」と答えます。野菜中心なので山盛り一皿食べたとしても、カロリーオーバーにはなりませんし、これを食べれば本当に疲れが取れます。私の夕食のメニューを見て、質素でわびしいと思う人もいるかもしれません。しかし逆に、今の世の中では質素なメニューこそ最高のごちそうだと思っています。
・お茶には健康なイメージをおもちの方も多いと思いますが、お腹がすいているときにカフェインを摂取すると、じつは体にとても良くないのです。カフェインというのは、「アルカロイド」の一種。アルカロイドとは、ニコチンやコカイン、モルヒネなどにも含まれている麻薬成分で、副交感神経に対して刺激作用があります。つまり、カフェインを含んだコーヒーや緑茶、紅茶にはモルヒネなどの麻薬と同じような作用があるということです。空腹時に濃いコーヒーを飲んだりすると、吐き気やめまいがしてよだれが出たり、下痢をするようなことがあるのは、副交感神経への刺激作用があるから。自然界の動物がコーヒーの実やお茶の葉っぱをどんどん食べたら、その植物は滅んでしまいます。そこで食べると吐き気を催すような毒をもつようになりました。それがカフェインです。人間は満腹のときの眠気ざましに、その毒を飲んで副交感神経を刺激しているわけです。このように毒性の強いカフェインを、満腹のときならいざ知らず、空腹時や夜の眠気ざましに飲むのが体に良くないことは明らかです。
・毒の成分を含むお茶やコーヒーを、育ちざかりの子どもに飲ませてはいけないということ。カフェイン中毒になるだけではなく、消化吸収傷害から栄養障害を起こしてしまう可能性があります。消化器の弱っているお年寄りの場合にも、お茶はうがいをするためのもので、あまり頻繁に飲むものではないと思ったほうが無難でおう。どうしてもお茶が飲みたいという場合は、カフェインの入っていない麦茶やゴボウ茶にします。
・生物学的に見ても、人類が誕生する以前までさかのぼって考えれば、地球上の生物は、すべて海で誕生しました。私たち人類の祖先も、もとをたどれば、すべて魚に行きつきます。だとすれば、魚を丸ごと一尾食べるのがもっともヒトの体を構成している栄養素と近い、バランスのとれたものということになります。けれども、いくら一尾丸ごととはいっても、マグロのような大きな魚を丸ごと食べるわけにはいきません。トロや赤身の部分など、限られてしまいます。それでは、栄養バランスの面からいうと、片寄った栄養になってしまうというわけです。そこで「小魚」を丸ごと食べることをおすすめします。
・人間が食べるもの(魚、穀物、野菜など)も、自然界の命を丸ごといただく「丸ごと食」が、生命体としてのバランスをとるのにもっとも望ましいということになります。一部分を食べるのではなく、丸ごと食べるのが良いとなれば、動物にしても魚にしても、大きいものより小さいもののほうが人間の食べ物としてふさわしいといえるでしょう。
・野菜を食べるにあたっても、「一物全体」「医食同源」の考え方は同じです。基本は、「葉ごと皮ごと根っこごと」。つまり、捨てるところは何ひとつなく、丸ごとすっかりいただくという考え方です。たとえばダイコン。ふろふきにするとき、葉は捨て、皮(実の表面)を厚くむいたりしていませんか。ダイコンの実の部分は、ほとんどがデンプンです。しかし葉の部分にはミネラルとビタミンが豊富で、皮の部分には、ゴブやブドウと同様のポリフェノールという傷を治す効果や抗酸化作用にすぐれた栄養素が含まれているのです。
・ウシやブタなど、私たちが食する動物は、体温が37度前後に一定している恒温動物です。この恒温動物の脂肪は、室温ではラードとなって固まってしまいます。そうした固まりやすい脂を摂ると、体内の血管の中でかたまりとなり、動脈硬化を起こすもととなってしまいます。一方、変温動物である魚は、冷たい海水の中でも、その脂が固まることはありません。当然、室温で脂が固まることはなく、人間の血管の中でも固まったりはしません。それどころか、血管を詰まらせる悪玉コレステロールと置き換わり、血液をサラサラにする働きがあるということが注目されています。特に魚の皮の下のぬるぬるの脂肪の部分には、動脈硬化を改善するうえで非常に有効なEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)が豊富に含まれています。それらは青魚と呼ばれるサンマやサバにとりわけ多く含まれていることが知られています。
・メタボがあなたに訴えかけているメッセージは次のようなものです。
その1.食べ過ぎない
その2.脂を摂り過ぎない
その3.砂糖を摂り過ぎない
その4.塩を摂り過ぎない
・砂糖が体を老化させ、命を縮める原因となっていることをご存じでしょうか?タバコの害は知られていますが、砂糖はタバコにも匹敵するほど、健康に害を及ぼすものなのです。ツイーツを食べると、血糖値はだいたい140mg/dl以上に上昇します。それはタバコを4本吸ったときと同じくらいに、血管の内側の細胞を傷つけます。こうした糖のもつ毒性は「糖毒性」と呼ばれ、動脈硬化や脳卒中、心臓病などの原因となるだけでなく、内蔵脂肪を増やすので、ダイエットの大敵にもなります。さらには、血液中のコレステロール値をどんどん上昇させます。コレステロールからできている性ホルモンは、ダイレクトにその影響を受けるので、閉経後の女性に乳癌や子宮体癌が最近とみに増えているのは、このためだと考えられています。
・糖尿病になったら、次の標的は補食器官です。食事を摂るための機能がすぐれていれば、どんどん食べて太ってしまうので、補食器官を攻撃して太らないようにするのです。そのために、まずは目の網膜です。網膜を破壊して失明させればエサを見つけられなくなります。次は腎臓です。腎臓を破壊すれば糖が尿中にどんどん出ていってしまうので太れなくなります。そして足です。足の血管を破壊して足を腐らせてしまえば、もう獲物を追っかけることはできなくなってやせてしまいます。「糖毒性」は、甘いものをやめられないあなたをこれ以上太らせないための、生体の防御反応なのです。
・塩分の何が体に悪いかというと、まず塩分をたくさん摂ることで血液の浸透圧が高くなり、体のほかの部分からどんどん水分を奪って血圧を上げてしまいます。血圧があがると血管の内側の細胞(内包細胞)は、いつも圧力がかかっている上になり傷がつく。その傷ついた部分にかさぶたができるのが動脈硬化です。血圧が上がれば、さらに動脈硬化は進んでいき、それによって血液の流れも悪くなってしまいます。その結果、腎臓や心臓など、大事な臓器に送られる血液の量が少なくなるので、体のほうは血圧を上げることによって血液を送り込もうとします。つまり、そもそもは塩分の摂り過ぎで血圧が高くなって血管が傷つき、動脈硬化が起こるわけですが、動脈硬化が起こると血液が流れにくくなるので、ますます血圧が高くなるという、悪循環に陥ってしまうというわけです。
・ミネラル分はむしろ海藻や魚介類から摂ることをおすすめします。たとえば、もずくやめかぶを、酢だけで味つけして食べれば、塩分量を抑えて、ミネラルをたっぷり摂ることができます。天然塩からわざわざミネラルを摂取するよりも、はるかに健康にいいことは明らかです。
・高齢になってかの骨粗鬆症の度合いには、じつは小児期にどれくらい歩いていたかが、非常に大きく影響します。子どもにはよく歩かせたほうがいいのです。間違っても、電車の中で子どもを真っ先に席に座らせたりすることのないようにしましょう。子ども時代にどれだけ足腰を鍛えておくかによって、生涯の骨の丈夫さが決まるのです。
・一日一食ならば、否応もなくお腹は減ります。内蔵脂肪は燃焼します。ウエストがくびれることは間違いありません。しかもそのときに脂肪細胞から奇跡のホルモンが分泌されます。それが「アディポネクチン」です。前に脂肪が燃焼するときはススが出る、そのススが血管の内皮細胞を傷つけて動脈硬化を起こす、と説明しました。しかし、捨てる神あれば拾う神あり。脂肪の中から動脈硬化を予防して血管の中を掃除してくれるホルモンが出ていることがわかったのです。それが「アディポネクチン」です。このホルモンがどんなにがんばってくれても、あなたがどんどん食べて内蔵脂肪を増やしてしまったら、「これ以上働いてもしょうがないや」と、頑張るのをやめてしまいます。ですから、太っている人ではアディポネクチンはあまり働かず、ますます太ってしまうのです。でも、あなたが一日一食でやせてくると、アディポネクチンはどんどん活性化します。体中の血管を掃除して、あなたを若返らせてくれるのです。
・一日一食を始めて一週間目の時点であなたの足の臭いをかいでみましょう。今までメタボであったあなたなら、相当体臭が強かったはずです。ところが、一日一食を始めてたったの一週間で、あなたの体臭はほとんどなくなっているはずです。体臭の原因は皮脂腺です。いわば脂汗です。わきの下や足の裏は脂汗をかきやすいのです。しかし汗だけは臭いません。そこにワキガ菌やブドウ球菌というバイ菌が繁殖したときに、不快な臭いになるのです。一日一食を始めるとお腹が減り、血中のコレステロールが減り始めます。コレステロールは性ホルモンの原料です。とくに副腎という腎臓の真上にある小さな臓器から分泌される「アンドロゲン」という男性ホルモンの量を増やします。このアンドロゲンは別名「とうそうホルモン」と呼ばれ、「闘争」や「逃走」のとき、つまりストレスがかかったときに分泌されます。男性ホルモンの量には皮膚の脂分を増やす働きがありますので、ストレスがあると皮膚の脂分が増えニキビやワキガ、フケや脱毛の原因になるのです。その原因であるコレステロールが減れば、体臭やニキビがなくなるのは当然でしょう。一日一食はただやせるだけでなく、肌を美しくして、体臭までなくしてくれるのです。さらに一日一食でアンドロゲンが減れば、乳癌や前立腺癌などの性ホルモンで成長する癌は減少します。またアンドロゲンは男性ホルモンですから、肌を黒くして多毛にします。閉経後の女性が肌のくすみやシミ、うぶ毛による多毛に悩むときに、一日一食によるメタボ解消は効果的です。男性に対しては薄毛に効果があります。
・一日一食がダイエット効果だけだと思っていた方は、若返り効果、抗癌効果、さらにデオドラント効果まであると聞いて驚かれたことでしょう。それでは驚きついでに、もっとすごい効果について説明します。それは脳の若返り効果です。
・成長ホルモンは眠っている間、つまり睡眠時間中に分泌されます。ただし、寝ている時間ならいつでもいいのかというと、そうではありません。夜の10時から夜中の2時までが、この若返りホルモンが分泌されるゴールデン・タイムなのです。
・夜の10時から夜中の2時のゴールデン・タイムにしっかり睡眠をとっていれば、わざわざジムに通って体を鍛える必要もなくなるばかりか、眠るだけで「ダイエット効果」と「筋肉もりもり効果」が見込めるのです。成長ホルモンの効用は、ほかにもあります。それはズバリ、美肌作用です。
・医療の現場でも、太陽の光を浴びることによって、幸せホルモンのセロトニンが出ることに着目した「光線療法」というのがあります。これは、うつ症状などの患者に、日光に近い白熱灯の光を大量に浴びせるもので、うつだけでなく、睡眠障害、登校拒否、更年期障害、生理不順などにも効果があるといわれ、精神科の治療にも取り入れられています。それほど太陽の光というのは、人間の健康に大きく影響を及ぼします。「太陽の恵み」が必要なのは何も農作物だけでなく、私たち人間の健康にとてもたいへん大事だということを、もっと意識して生活するようにしたいものです。
・心臓が終末分裂細胞の臓器だということは、一生涯の間に打つ心拍数もあらかじめ決まっているということ。あらゆる動物において20億回といわれています。1分間に50回拍動するとしたら80歳で止まるということです。長生きをしたければ、それを超える適度な心拍数になるようなことは日頃から避けるべきで、心臓によけいな負担をかけないように日々を過ごすよう心がけたいものです。子供の頃からスポーツをやっている人は、「スポーツ心」といってふだんの脈拍が少ないから、スポーツをしても心拍数はそんなに上がりません。しかしふだん運動しない人が「メタボを解消しよう」といって急にスポーツをするのがいちばん危険なのです。心臓に急激な負担がかかって心停止を起こすかもしれませんし、もし起こさなくても生涯に打つ心拍数を早めに使いきってしまうことにもなりかねません。
・私たちの体は、心臓によって血液が全身に送り出されています。しかし、心臓の働きは血液を送り出すだけで、古い血液を戻ってこさせる力がありません。古い血液を再び心臓ま戻ってこさせるためには、「第二の心臓」と呼ばれるふくらはぎや背中の筋肉を使わなければならないのです。それらの筋肉が収縮することによって起きるポンプ作用によって、血液は送り返されるようになります。そのためには、何も特別な運動をする必要はありません。日頃から、よく歩くようにすればいいのです。そうすれば、心拍数を増やさず、心臓に負担をかけないようにしながら、ふくらはぎのポンプ作用を働かせることができるようになります。車にばかり乗らず、自分の足でよく歩くこと。そして、電車やバスに乗るときは座らない。できれば吊革にもつかまらず、両足でバランスをとりながら立っていることをおすすめします。また、椅子に座るときは背もたれに寄りかからないことも、とても大事です。
・私は、かっこよく歩くことにしました。
①たるんだお腹を引っ込めて胸を張る
②手は軽く握って
③最大歩幅でどんどん歩く
自宅から駅まで、駅から会社までのたった数分間、こうやって歩くだけで、うっすらと汗をかきます。翌日には腹筋が痛くなるでしょう。じつは腹筋、脊柱起立筋、ふくらはぎの筋肉を集中して使っているのです。これを習慣づけるだけで、散歩の時間をわざわざ用意しなくても、あなたのスタイルはどんどん良くなってきます。ウエストが細くなってきます。背が伸びたような気持ちさえします。
・アルコールの場合、生涯摂取量の上限(極量)は、男性の場合で500kg、女性は250kgといわれています。ワイン1本を毎日飲めば年間で31.5kgに相当します。日本酒4合を毎日飲めば、年間でだいたい36.5kgです。つまり、男性なら、14~16年ほどで「極量」になるというわけです。女性の場合は、わずか7、8年です。ワイン1本で、およそグラス6杯とすれば、1日の酒量をグラス2杯にとどめておけば、40年あまりは毎日ワインを楽しむことができます。日本酒にすれば、1合ちょっとですね。
・内蔵脂肪というのは発熱物質で、体温を上げるために燃焼します。つまり、暑ければ暑いほど内蔵脂肪は燃焼しないのです。そもそも飢えと寒さから身を守るためについたのが内蔵脂肪なのですから、飢えも寒さもない現在の日常生活の中では燃焼のしようがありません。燃焼させたいのであれば、サウナよりむしろ水風呂に入るべきなのです。
・体温を上げたければ、それは外側からではなく、体の中から上げることを考えるべきです。そのために必要な条件が「空腹、寒さ、睡眠」の三点です。体温が変わるのは、この3つの条件を与えられたときだけです。こうした恒常性によってこそ、私たちの生命は維持されているのです。
・熱を出している子どもは、温めるのではなくて、冷やしたほうがいいのです。カゼをひいて体を温めてよいのは、熱の上がりばなのときだけ。熱はまだそんなに上がっていない状態です。このとき、なぜ寒気を感じるのか、覚えているでしょうか。そうです。筋肉をブルブル運動させることによってグリコーゲンを燃焼して、体温を上げようとしているのです。これは免疫反応を起こしやすくするためです。免疫もひとつの化学反応ですので、温度が高くなるのにしたがって反応性が高まるのです。熱がずっと39度近くまで上がり続けている場合は、リンパ球か「サイトカイン」という毒物が出て、体外から侵入してきた菌や毒物を撃退しようという状態になります。そうなると、脱水症や熱中症のときと同じように多臓器不全を起こしかねませんから、すぐにも熱を下げるように、アイシングをします。アイシングとは、熱を下げるもっとも簡単な方法で、わきの下や鼠径部を通る太い血管を氷嚢で冷やすことです。こうして全身の血液を効率的に冷やすことができれば、あとはなるべく汗を吸収しやすい素材でできた下着などで薄着にさせておきます。これは大人も同様で、熱を出したら薄着をするべきなのです。解熱剤は、成分によって、多臓器不全を引き起こしやすくすることもありますから、子どもが熱を出した場合は、このアイシングの方法で熱を下げ、水分をふだんの倍量摂らせるとよいのです。
・すべての動物は、生殖年齢が終わると寿命も終わります。人間の女性だけが生殖年齢が終わってから何十年も生きるのは、人間の子どもがいつまでも乳離れしないからです。この世に生まれてきたものはすべて生き延びようとする指令が細胞内の遺伝子にインプットされています。子どもが何歳になっても母親から離れようとしないのも、生き延びるためです。しかしいつまでもその子にかかわっていたら次の繁殖ができなくなり、人類が滅亡してしまいます。そのため母親は、すでに生殖の終わった年上の女性に子どもを預けて、その間に下の子どもを妊娠・出産するようになりました。本来、生殖年齢が終われば寿命が終了するはずの女性たちが、その後何年も生き延びるようになったのは、孫の面倒をみるためだっと考えられます。こうして女性は生殖に間接的にかかわることによって寿命が長くなりました。それに対して男性は死ぬまで生殖能力があります。そのため理論上は「死ぬまで生きられる」はずです。ただし男性が長生きするには条件があります。死ぬまで生殖にかかわっていなければなりません。すなわちパートナーの存在は、寿命に大きく影響を与える大切な要素なのです。
・お茶を始め、野菜、マメ類も、敵から身を守り生き延びるために毒をもっています。そこで人間は調理することによって毒を消すことを学んだのです。調理しなければ毒になってしまうものを、大量に摂るほうがおかしいのではないかということに早く気がついていただきたい。人間も地球の生き物の一員であり、すべての動植物と共生するという気持ちをもって、すべての食べ物に対して感謝をしながらいただくという生き方をしていくことで、おのずと健康も得られるようになるのでしょう。
・そもそも人間は、この17万年の進化の過程で、ごくわずかのエネルギーで生きていけるような体を獲得してきました。にもかかわらず、このわずかな数十年の間に、アメリカや日本など、世界中の先進国といわれる国々では、あっという間に飽食が拡大してしまいました。しかし、人間の体は飽食に対しては適応できないのです。私たち人類の体は、つねに環境に最適化するように進化してきました。しかし、そのためには何万年という歳月が必要です。17万年かけて進化する中で、ようやく獲得した人間の遺伝子は、急激な環境の変化に適応することができません。
・本書を通して、みなさんにいちばんお伝えしたいことは、飢餓のときこそ人類のもつ生命力遺伝子のスイッチがオンになり、パワフルに生き延びることができるということ。
・内面の健康が表にあらわれて、若く美しくなっていただきたいのです。その最終ゴールは肌がつやつやでウエストがくびれていることです。そのために有効な方法は「空腹」「完全栄養」「睡眠」の3つだけです。
・一日一食(または一汁一菜)
・野菜は葉ごと皮ごと根っこごと、魚は皮ごと骨ごと頭ごと、穀物は全粒で
・睡眠は夜の10時から夜中の2時まではゴールデンタイムを含むように
この3条件を守っていただければ健やかで、若く、美しい体を手に入れられることでしょう。
<目次>
プロローグ 空腹になると発動する遺伝子がある!
第1章 食べないことがなぜ健康にいいのか?
人類の生き残りのカギは「生命力遺伝子」
水を飲んでも太るワケ
細胞を修復してくれる「サーチュイン遺伝子」
食べ過ぎこそ病気の始まり
満腹には適応できない現代人の体
糖尿病は人類の進化の証!?
糖尿病でやせる本当の理由
危険が迫ると脳細胞まで活性化する
寒いとなぜ体がガタガタふるえるのか
必要以上に蓄えられている内蔵脂肪
メタボが寿命を縮める本当の理由
「一日一食」は究極の健康法
第2章 あなたも必ずできる「一日一食」生活
食事の量を減らすカンタンな方法「一汁一菜ダイエット」
一日一食にムリなく移行するには
一日のいつ食べるのがいいか
一日一食なら、何を食べてもOK
お腹が「グーッ」と鳴るのを楽しむ
空腹時にお茶やコーヒーを飲んではいけない
「一日一食」でなぜ栄養不足にならないのか?
「一物全体」で完全栄養を摂る
野菜に捨てるところなんかない!
世界が注目した日本の伝統食
今こそ「丸ごと食」の原点に戻るとき
青魚の脂はなぜすぐれているのか
本当に1日30品目食べなければいけないのか?
メタボにならないための4つの条件
砂糖の摂り過ぎは確実に寿命を縮める
動物が獲物に塩をふって食べない理由
「健康にいい塩」などない
カルシウムは「歩いて」補う
美しくなければ健康じゃない!
第3章 「一日一食」で体はこんなに変わる
一日一食の一日の流れ
お腹が鳴る秘密と効能
(1)一日一食を始めた最初の反応は「モチリン」
(2)腹ぺこホルモン「グレリン」の登場
(3)体中の遺伝子の修復が始まる
(4)超善玉ホルモンが脂肪を燃焼させる
一食を食べたときか「やせホルモン」が出る
体重がみるみる減るだけではない、この効果
第4章 「一日一食」を習慣にしてしまおう
ごはんを食べたら、すぐ寝よう
若返りのための「ゴールデン・タイム」
冬眠明けの熊はなぜすぐに起き上がれるのか?
体内時計は朝日を浴びるとリセットされる
すっきり目覚めるコツ
朝起きてすぐ水を飲む必要はない
健康のためにスポーツはしない
ふくらはぎと背中の筋肉が「血液ポンプ」になる
たった3分間で一万歩ぶん歩ける
酒飲みに朗報?休肝日は必要ない
スイーツも酒も、高価なものをちょっぴりと
体の温め過ぎは「冷え性」のもと
体温を上げても免疫力はアップしない!?
熱が出たら薄着になる
第5章 自分の「内なる声」にしたがって生きる
「嫌い」に「好き」を組み合わせる
花粉症には「口呼吸」が効く
オンとオフの切り替えを明確にする
すぐに眠りにつける魔法の呪文
偉大なるワンパターン生活
パートナーやペットと触れ合うと寿命が延びる
自然界の生き物たちを見習う
「過ぎない」生活を、感謝をもって
なぜその物質はそこに存在するのか
日本人が「一日一食」を実践する意味
あなたの人生、このまま終わってもいいですか?
最期まで「健康・元気」に過ごす!
エピローグ 若さ美しさは内面の健康のあらわれ
面白かった本まとめ(2012年下半期)
<今日の独り言>
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