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「食品の裏側2 実態編(安部司)」という本はとてもオススメ!

2015年09月04日 01時00分00秒 | 
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 「食品の裏側2 実態編」という本は、以前このブログでも紹介した「なにを食べたらいいの?」と同じ著者が書いたもので、食品添加物の実態について明らかにしたものです。

 具体的には以下について書かれていて、特に加工食品には想像以上にかなり多くの添加物が加えられていることに衝撃を受けましたね。

・具体的にハンバーグ弁当等に使用されている添加物について
・大量の添加物が使われる理由(置き換え、増量、もどき、簡単・便利、輸入・大量生産等)
・添加物の認可について
・添加物による直接的な体への影響
・添加物の間接的影響
・添加物との付き合い方
・有機野菜の普及について
・添加物を減らすコツ
・幼稚園等の取り組み
・具体的な各添加物の説明

また以下の「ひふみの原則」や「昭和そうす」を心がけたいと思いました。

<ひふみの原則>
ひ-非伝統的なものは食べない
ふ-不自然な食べ物は食べない
み-未経験な食べ物は食べない

<昭和そうす>
しょう-少食(少量で多品目)
わ  -和食(伝統的な家庭料理)
そ  -粗食(素朴な田舎料理)
うす -薄味(素材を生かした味)

「食品の裏側2 実態編」という本は、添加物や健康に関して考える上でとても参考になり、とてもオススメです!

以下はこの本のポイント等です。

・見た目には、デミグラスソースのかかったハンバーグ。しかし本物のデミグラスソースはおろか、普通のソースもケチャップも使われていません。肉自体も牛肉は使われていませんが、食べると牛肉の風味がします。なぜでしょう。原材料を見ながら説明していきましょう。原料となる肉は、鶏と豚に牛脂肪を加えたもの。牛脂肪を加えるのは、柔らかさを出すためと、牛肉らしい風味を出すためです。柔らかすぎて普通には丸められませんから型に入れてつくられています。手作り感はありませんが、コスト優先です。まず食材についてですが、粒状大豆たんぱくは、肉製品を増量させるための定番といえるもので、大豆から抽出したたんぱく質を粒状の形に成型したイミテーションひき肉です。豆乳からつくる「ゆば」の原理と似ています。カラメル色素でベージュ色に着色されています。いわば挽き肉のコピー商品です。もう一つの大豆たんぱくは粉末状で乳化とつなぎの働きがあります。同様の目的で牛乳から抽出された乳たんぱくも加えます。ビーフエキスはビーフの風味をつけるためです。牛肉を使っていないため、こういうもので牛肉のハンバーグらしさを出すのです。たんぱく加水分解物は、植物や動物のタンパク質を塩酸で分解してつくられた強いうまみの天然系調味料です。添加物扱いではありません。次に添加物を見てみましょう。調味料(アミノ酸等)は定番の化学調味料の複数の混合物、ph調整剤は食品を酸性側に保つ保存効果のための添加物の混合体です。加工デンプンはさまざまな用途に使われますが、ここでは乳化効果と固める目的で使用されていると考えられます。リン酸塩(Na)も多くの用途に使われる添加物ですが、種類がいろいろあり、略して表示されます。この場合は肉の結着(つなぎ)効果のために使われています。調味料(アミノ酸等)、ph調整剤、加工デンプンの3つは「一括表示」(グループ表示)ですから、具体的な添加物名は表示されません。カラメル色素は砂糖やデンプンを焦がした後、化学処理された茶~黒の着色料です。お母さんが砂糖を焦がしてくつるカラメルソースとは似て非なるものです。紅麹色素は「ベニコウジカビ」から抽出された赤色の着色料です。「カラメル色素」と合わせてハンバーグに赤茶色のおいしそうな色をつけます。カラメル色素、紅麹色素とも天然着色料です。

・「イメージ的に添加物は少ないほうがいい」という意識が働きます。仕入れ原料と添加物を眺めて、「これとこれは、まとめて一緒にできるのではないか」「これはキャリーオーバーにできないか」と、添加物表示を少しでも少なくしようと知恵をしぼります。挙げ句の果て、意図的に表示を省くことさえあります。しかしこのハンバーグ弁当は、表示があるだけまだマシといえるのです。持ち帰り弁当や、店内で詰めて販売するスーパーの弁当には、原材料(添加物)の表示さえもありません。製造者(詰め合わせ、小分け、バラ売りも含む)と販売者が同一の場合は、表示ラベルは不要という法律があるからです。外食、持ち帰り弁当、店内調理のハンバーグ、ホテルのレストラン、デパ地下やスーパーのバラ売りがこれに該当します。

・から揚げは不動の人気総菜です。安くて、誰にも好まれる。庶民の味方といったところでしょう。から揚げの原材料表示の発酵調味料とは、純米みりん、純米料理酒に似せ、安い材料で置き換えてつくった調味液です。酵母エキスは酵母から抽出される強いうまみの天然調味料です。から揚げの衣は家庭では通常、小麦粉、片栗粉でつくりますが、業務用ではコーンフラワー、加工デンプン、卵白粉末、増粘剤(キサンタンガム)等が使われます。衣のはがれ防止、サクサク感を出す、長期の冷凍変性防止などの目的です。粉末状大豆タンパク、乳化剤は油のにじみ防止や口当たりを軽くする目的で加えられます。着色料で衣も色付け、きれいな揚げ色にします。揚げ油は酸化しにくいパームやし油が使われます。から揚げ専門店は風味のある大豆白締油やなたね白絞油を使います。ベーキングパウダーはふくらし粉とも呼ばれる膨張剤です。主成分は重曹で、発生する炭酸ガスによって生地を膨らませます。これらの多くはブラジルや中国、東南アジアで加工され、後は揚げるだけの冷凍状態で輸入されます。また揚げた後、冷凍されたものも輸入されており、こちらは電子レンジで解凍後、すぐに食べられます。

・添加物が使われる理由を大別すると、「安い」「簡単」「便利」「きれい」「オイシイ」です。要は、添加物を使えば、次の要素をすべて満たした食品ができあがるのです。
①安い(増量、置き換え、フェイク・もどき食品で単価が下がる)
②簡単(調理の面倒さを解決する)
③便利(保存性といますぐ欲しいという要求を同時に満たす)
④きれい(見た目を美しくする)
⑤オイシイ(濃厚な味をつくる)
特に「安さ」の裏側では、添加物が大活躍。安くあげるためには、「増量する」「高い本物食品を偽物食品で置き換える」「大量生産する」といったワザが使われますが、この舞台裏を支えているのが添加物なのです。

・コンビニ、ファストフードのサンドイッチやサラダのマヨネーズは、多くの方が本物のマヨネーズと思って食べているのではないでしょうか。しかし、原材料名を見てみてもマヨネーズという言葉はなく、あるのは「半固体状ドレッシング」という表示。要は卵を安い乳化剤で置き換えた「マヨネーズもどき」です。半固体ドレッシングは乳化剤やマヨネーズ風の口当たりや色、酸味料、香料などの添加物を使うことができます。つまり、いろいろな添加物によって限りなくマヨネーズに近づけることができるというわけです。コンビニのごぼうサラダ、ポテトサラダ、マカロニサラダ、外食のタルタルソース、サラダ、たこ焼き、お好み焼き、ハンバーグ、それらのマヨネーズがおいしくないと思ったら表示を見てください。多くは「半固体状ドレッシング」と書いてあるはずです。ただし、外食やテイクアウトのものには表示されませんから、何が使われているか、私たちにはわかりません。

・そのお母さんは子どもに食物アレルギーがあることから、食品を買う時は表示をよくチェックするそうですが、ハムに「卵、大豆、牛乳」のアレルギー表示があるのを見つけたのです。「ハムは豚肉のかたまりでつくられるんですよね?なぜ大豆や卵や牛乳が使われるんですか?」「ああ、お母さん、いいことに気がつきましたね」説明しましょう。まず卵。白身の部分は火を入れると固まる性質があります。卵白から固まる成分だけを抽出します。これが「アルブミン」というタンパク質です。大豆というのは、大豆から抽出された「大豆たんぱく」のこと。油と水を乳化し、固める性質があります。牛乳は何かというと、牛乳に含まれる「カゼイン」というタンパク質を化学処理したものが「カゼインNa」という添加物です。これらを調味液に溶かし込み、さらに発色剤、コチニール色素、肉と肉との結着剤のポリリン酸塩、水あめ、ゼラチン等を溶かし込み、生肉に注射し、よく揉んだ後、成型のチューブに入れ加熱すると肉に注射した水分が固まります。つまりアレルギー表示に「牛乳、卵、大豆」と書いてあっても、その食品がそのまま使われているのではなく、そこから抽出した成分が水を固めるために使われているのです。この注入による増量・味付け方法は、ベーコン、焼き豚、鮭、牛タンにも応用されています。いずれにも裏ラベルに「乳化剤」という表示、あるいは「乳、大豆」のアレルゲン表示があればこの方法が用いられていることになります。また、同様の考え方で輸入の牛肉に直接牛脂を注入する方法があります。輸入の赤肉はパサパサしていますから、乳化させた牛脂を注射器で注入します。1日置くと水は肉に入り、脂は肉のすき間に残り、霜降り肉になるのです。焼き肉チェーン店では、「やわらか仕上げ」などと書いてある場合があります。また、生の小肉を添加物で結着し、大きな形にするのも増量と言えます。現在では、食用品瞬間接着剤とも呼ばれる酵素(トランスグルタミナーゼ)がよく使われます。サイコロステーキ、ステーキ、ロースロビーフ、トンカツなどがそうです。有名ホテルの偽装メニューでも有名になりました。いずれも添加物なしには作れないものです。

・なぜ、小さじ1杯で2~3人分のだしが取れるのでしょうか。だしメーカーがかつお、昆布の煮出し汁を濃縮して、特別な方法で顕粒状にしているのでしょうか。答えは「ノー」です。ここでも食品添加物が活躍しています。インスタント食品の味の「黄金トリオ」、つまり、「食塩」+「化学調味料」+「たんぱく加水分解物」のつくり出す濃い味です。ただし、これだけでは、何のうまみかはわかりません。風味がないからです。これにかつおエキスなどで風味(香り)をつけるのです。これがだしの素です。

・業務用のだしを中心に製造しているマエカワテイスト(姫路市)という老舗のかつおぶしメーカーがあります。この会社のだし、だしパックには酵母エキスは使われていません。コストが安くなるのはわかっているが、だし本来の味ではないというのがこのメーカーの主張です。

・なぜ、添加物は増える一方なのか。その答えは、外国からの「要請」です。特にここ数年で増えている添加物は、ほとんど米国、ヨーロッパからの要請のものです。米国、ヨーロッパの食品には、日本では認可されていない添加物が多くあります。「食品添加物Aを日本が認めていないから、日本に輸出ができないではないか。新規に許可して、もっと買ってくれ」簡単にいえば、こういうことです。各国の添加物の認可の違いが貿易の障害にならないように、添加物を広く認めて国際的に共通化しようという動きなのです。ここでリストアップされた添加物を「国際汎用添加物」と呼びます。一般的に、添加物は認可されるまでに何年もかかりますが、国際汎用添加物の場合は、国内での試験は行わず、海外のデータが使われるため、認可が下りるのがスピーディーなのです。国際汎用添加物として現在45品目がリストアップされており、これまでに34品目が認可、残り11品目も近く指定の見込みです。ほかにも現在審議中のものがたくさんあることを考えると、化学的合成添加物はまだまだ増え、現在の436を大きく上回り、500にすぐいくのではないかと思われます。ましてや、TPPに参加したらどうなるのか。TPPの目的の一つは、貿易をスムーズにすることですから、参加国で認められている添加物は、日本でも認めざるを得なくなるでしょう。

・「天然着色料なら安全」と思いこまれている方は多いですが、実際にはまったくそんなことはありません。アカネから抽出した天然着色料「アカネ色素」は、発がん性があるとして2004年に禁止になりました。

・10年ほど前、福岡県の養豚農家で死産が続いたことがありました。やっと産まれてきた子豚も奇形だったり、虚弱ですぐに死んだりしたのです。羊水はコーヒー色に濁っていました。農場主は、実は豚の妊娠期間である114日前から、コンビニの廃棄弁当を与えていました。弁当は消費期限の2時間前に廃棄しますから、腐っているわけではなく、農場主が食べても問題のない品質だったそうです。人間で言えば三食すべてをコンビニ食にしたのと同じことです。農場主は合わせて250頭の子豚を亡くし、慌てて元の穀物に替えたところ、お産は元に戻ったというのです。「豚体実験はもうこりごりだ」とは、農場主のいつわらざる言葉です(西日本新聞「食卓の向こう側・第2部」2004年3月19日より)。これらをすべて、「添加物のせいだ」と短絡的に決めつけ、煽るつもりはありませんが、「添加物のせいではない」と言い切ることもまた、難しいと思います。

・「塩分」「油分」「糖分」の摂りすぎに対して、私たちはもともと防衛本能を持っています。「塩辛い」「油っこい」「甘すぎる」というのがそれです。しかしこの防衛本能を添加物はたやすく崩します。舌がマヒして塩辛さ、油っぽさを感じなくなるどころか、「オイシサ」に変わってしまうのです。食塩10gの入った水は飲めないけれど、同じ塩分量でもカップ麺ならおいしく食べてしまう。砂糖50gの入った水も飲めないけれど、同じ糖分量の清涼飲料水なら平気で飲める。油大さじ約4杯入りの野菜炒めはとても食べられないけれど、同じ量の入ったカッップ麺なら平気で食べられる。「おそばだからヘルシーだわ」とカップそばをランチにしているOLさん。油と塩の量はラーメンと変わらないし、カロリーも幕の内弁当とほぼ変わりません。添加物というマジックにかかれば舌がマヒしてしまうのです。コップ半分の糖質を一気に飲み、間食で成人1日分の塩分を摂り、成人男子の1日分の油の倍以上摂る子どもがいるという事実。塩分、糖分、油分。この3つを「摂りすぎ三兄弟」と呼んでいます。この「摂りすぎ」こそ、添加物の安全性とは別の「怖さ」なのです。

・油は量の問題だけでなく、「質」にも気をつける必要があります。マーガリン類、ファストフード、フライ麺に使われる油はトランス脂肪酸が含まれています。「トランス脂肪酸」は心臓病や動脈硬化を招く「体に悪い油」です。欧米ではトランス脂肪酸については表示義務がありますが、日本にはありません。その理由は「欧米に比べてトランス脂肪酸の摂取が少ないと思われる」というものです。しかし東京大学など8大学のグループの調査によると、WHO、FAOが奨めるトランス脂肪酸の目安を超えて摂取している人は、30~40代の女性で30%を超えていました。その原因と考えられるのはお菓子です。市販のお菓子やケーキにはマーガリン、ショートニングが多く使われているからです。もちろんファストフード、即席麺も忘れてはいけません。

・500mlの清涼飲料水には、50~60gもの糖分が含まれています。砂糖にするとコップ半分くらいです。この量を500mlの水に溶かすと、そのままでは飲めないというくらいの「甘すぎるシロップ液」です。しかし、それに「クエン酸」などの酸味料を入れ、数十種類の化学物質が配合された香料で香り付けし、着色料で色をつけると、「あっ、おいしい」「いつも飲んでいる味だ」とみなさんが思わず言う「清涼飲料水」となります。ところが、こんなに大量の糖分(ブドウ糖と果糖の混合)が入っていながら、清涼飲料水には「糖分」という表示がありません。書いてあるのは「炭水化物」です。もともと炭水化物の量は脂質、たんぱく質、水分など計測できる成分を除いた量です。「糖分」とは書かず「炭水化物」という表示でも、「間違い」ではないわけです。清涼飲料水をつくるメーカーは、お父さんたちが飲むビール風味アルコール飲料は、「糖質オフ、糖類ゼロ」とコマーシャルで強調しているくせに、糖分摂りすぎの子どもたちの飲料には「炭水化物」の表示。違反ではないとはいえ、メーカーの姿勢を疑いたくなります。そんなメーカーが販売しているサプリメント、特保は本当に消費者の健康のことを考えてる商品かなと、よけいな庶民感情を持ってしまいます。「清涼飲料水にこそ、きちんと「糖類○g」と表示すべきだと思います。

・添加物は、「安全性試験」で安全性を確かめますが、その中に催奇性というものがあります。ネズミなどに添加物を食べさせて、子どもに奇形がでるかどうかを調べるのです。この試験は通常は2世代までを見ますが、「3世代まで見るべき」という意見もあります。母親、その子ども、孫の世代と3世代にわたってその物質を与え続けるのです。そして3世代にわたって異常がなければ、「この化学物質は安全だろう」と判断するのです。これを人間で考えてみると、人間の3世代はおよそ100年です。私は人間が実際に100年以上もの間、食べ続けてきたものは安全性が確立されていると思っています。では、私たちが100年間以上にわたって食べ続けてきたものは何でしょう。それは日本の伝統食品、和食です。和食は2000年以上かけてつくりあげられたといわれています。そこにはいろいろな失敗があり、紆余曲折があったはずです。いまある和食は果てしない人体実験を繰り返してきた結果の集大成ともいえるでしょう。これぞ日本が世界に誇る「安心して食べられる食品」です。添加物でいえば、日本人が何世代にもわたって摂り続けている、たとえば豆腐のにがり、ふくらし粉の重曹などは、ふつうの使い方では安全性がほぼ完全に証明された添加物だといえるでしょう。私は究極のところ、「食の安全性は歴史の中にしかない」と考えています。すべての添加物を危険だというつもりはありません。しかし「○○という添加物は安全ですか?」と聞かれても「今のところ明確な危害は出ていないようです」としか答えようがないのです。もし何が安全かといわれたら、それは毒性データではなく、歴史の検証に耐えてきたものしかないと思うのです。

・なぜ、有機野菜が高いのか。それは「選別、定貫、指定」の3原則が有機野菜をダメにしてしまっているからです。定貫は1袋当たり同じ重さにそろえること、指定とは品名、数量を指定して買うことです。農薬なしでおいしい野菜をつくろう、地球にやさしく子どもたちに安心できる野菜を食べてもらおうと夢に燃えて、若い人が有機農法をはじめる。ところが、せっかく作った野菜が、形が悪いという理由で出荷できない、その野菜はいらないという現実に突き当たります。虫がついているから返品する、大きさが揃わないからダメ。そんなことが続いたら、誰だって意欲を失います。それで有機農法をやめていった人たちは私は何人も見ています。普通の慣行野菜(農薬・化学肥料を使った野菜)の基準で有機を扱おうとするからおかしくなるのです。大量生産で安くきれいにつくるために農薬も化学肥料もあるのです。それを使わない有機野菜が慣行野菜のようにきれいにできるわけがないのです。逆にいえばそれが本当の野菜の姿です。

・アビィーフード(横浜市)という、有機農産物の産地直送、伝統食品、添加物を使わない食品販売を行っている会社があります。私はこの会社の挑戦を大きく評価しています。この会社は「無選別、不定貫、無指定」の3原則を実践しているのです。野菜は「おまかせ」で品目を消費者が選べないこと、欠品があるかもしれないこと、虫がついていることもあること、台風で入荷が遅れる場合があることなど、デメリットをきちんと最初に説明しています。提供される野菜はおいしく、値段が安い。野菜のおまかせセットは段ボールに10種類ほど入って3000円です。有機野菜としては安いと思います。この会社の創業理念に、おいしい野菜、安全な食べ物を提供したいというだけでなく、日本の生産者を支援したいという思いがあるからです。生産者が農薬は化学肥料に頼らず、知恵と工夫、手間と時間をかけてつくった野菜が、形が悪い、虫がいる、大きすぎる、小さすぎるなどの理由で捨てられているという事実に心を痛め、「安心で安全な野菜なら、大きさや形にとらわれず、食べよう」という志のもとで設立されてあのです。野菜だけでなく魚介類も、同じコンセプトで扱っています。

・この3原則の有機野菜でビジネスとして立派に成功している会社があります。(有)くまもと有機の会(熊本県御船町)です。熊本を中心とした有機野菜を、おまかせセットで産直しています。私も10年ほど前からこの野菜おまかせセットを毎週定期的に送ってもらっています。これで有機野菜かなと思うくらい虫食いもなく、鮮度もバツグンです。入っている野菜のそれぞれの伝票はありません。1枚の紙に品名と数量が書いてあり、いくつかのものには重さが記入されていますが、ダンボールの中身はおまかせで、旬の楽しみとなっています。有機野菜の品質、選別、品ぞろえはもちろん、集荷配送機能は全国でもトップクラスと思います。種類はかんきつ類まで含めると、ゆうに100種類は取り扱っています。野菜の硝酸態窒素の測定も、土の分析も定期的に行っています。3原則だから安い。関東地区の半値です。

・愛知県下の4店舗を展開している渥美フーズ(愛知県田原市)というスーパーも、すばらしい取り組みをしています。このスーパーではなんと有機野菜が慣行野菜より安いのです。まだ種類は少なく、そしてここが大事なポイントなのですが、慣行と有機、両方を店内で一緒に並べて売っているのです。消費者はどちらの野菜を選ぶか、自分で決められます。会員制の産直に比べ、一般販売(オープンマーケット)でこれをやるのはなかなか難しいことです。そしてここも有機野菜の3原則を実践しています。だから1袋の中にじゃがいもが500g入っているものもあれば、600g入っているものもあります。1袋の中に卵ぐらいの大きさのものもあれば、握りこぶし大の大きなものも入っています。それでも値段はすべて同一価格です。

・愛知県の「旬楽膳」(名古屋市中心)という小型スーパーですが、野菜は有機野菜です。ここも3原則にのっとって販売をしています。供給元は、兵庫県有機農業研究会。ある程度の選別は行っていますが、仕入れ計画、販売計画もありません。なおかつ、店内の食品はほとんどが添加物を使用していません。現在3店舗で、初出店した際はとても苦労したようですが、お客様の口コミ等でゆっくりながらも確実に増えていったのです。高級スーパーではありません。高品質スーパーなのです。

・加工食品、調味料について「美味安心」というブランドが育っています。「いちやまマート」(山梨県中央市)が中心となり、全国のスーパーに少しずつですが、広まっています。「お客様に説明のつかない添加物は使わない」というシンプルな考え方です。これらのスーパーのお客様は、客層ではなく客質が良いのです。このような安心して買い物できるお店が、日本全国にもっと育ってほしいものです。

・ある書物で読んだのですが、国連と米国のFDAが合同で米国の生活習慣病を救う食べ物は何かということを調査したようです。世界80カ国くらい調べたうち、結論として導かれたのが日本の「昭和30年~40年代」だったというのです。和食が世界文化遺産に認定されました。とても誇らしいことです。和食の素晴らしさは世界的に認められ、称えられているのです。和食、日本の伝統食の何が優れているかというと、旬の野菜をふんだんに取り入れている点だと思います。日本食独自の技法、色彩、栄養のバランスなどのほか、伝統的な発酵食品である調味料のみそ、しょうゆも誇るべき食文化の一つです。奥が深く、職人が自然と融合して作り上げるものです。カビを利用する「木枯れかつお節」、数年以上熟成させる「蔵がこい昆布」も日本人の知恵です。

・福岡市に和食・伝統食を実践しているすばらしい幼稚園・保育園があります。1つはふたば幼稚園。小崎孝子園長は「早寝早起き朝ごはん」「伝統和食による真の食育活動」ということを提唱されています。この幼稚園の給食は、「穀物・発酵食品・根菜・海草」を基本としたメニューが並ぶそうです。たとえば、玄米五分ごはん・みそ汁・煮物・和え物・漬け物・納豆といった具合。ひじき・切り干し大根・高野豆腐の煮物、レンコンの挟み揚げ、幼稚園手作りのもろみ納豆、ぬか漬けの漬け物なども人気メニューで、子どもたちは喜んでおかわりをするそうです。小崎園長は長年子どもたちと接するうちに、昔と比べて子どもたちに「異変」が生じていることに気づいたそうです。表情がない子ども、落ち着きのない子ども、座っていられない子ども、生気のない子ども。さらには、アトピーやアレルギー疾患を持つ子どもも昔とは比較にならないほど増えているのです。問題を抱えた子どもをよく観察していると、「食」に問題があることに気づいたといいます。朝から菓子パン、ジュース、スナック菓子といったものを食べて登園する子どもたち。あるいは一日にお米を一粒も食べないという子ども。「このままでは子どもたちが壊れてしまう」と危機感を抱いた園長が一念発起して取り組んだのが伝統和食だったのです。そしてその成果は顕著なものとなってあらわれました。まず風邪や病気になる子どもが著しく減ったこと。虫歯や肥満の子どもも激減したそうです。アトピーも改善しているといいます。これらはすべてこの園できちんとデータを取っています。さらに驚くべきことに、座っていられない子ども、奇声を発していたような子どもたちが落ち着きを取り戻し、きちんと話を聞けるようになったというのです。私もこの園に招かれて子どもたちに話をさせていただきました。3歳、4歳の年少、年中さんが30分間きちんと聞くのです。私は全国の学校をまわっていますが、3歳児ではなかなかこうはいきません。それどころか中学生でも、30分と話を聞けないところがあるのですから。

良かった本まとめ(2015年上半期)

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