1/21は舞踏家の土方巽(ひじかたたつみ)氏の命日。それにちなんで暗黒舞踏やモダンダンスをご紹介したい。パフォーマンス面でロックやジャズにも影響を及ぼした身体芸術の世界をお楽しみいただければ幸いである。最初は土方巽氏出演の映画「江戸川乱歩全集~恐怖奇形人間」。
明治39年に生まれ100歳を過ぎても踊り続けた故・大野一雄氏は土方氏とともに暗黒舞踏の誕生に貢献した。
1972年麿赤兒氏を中心に結成された大駱駝艦は金粉ショーでセンセーションを巻き起こした。現在麿赤兒氏はテレビ・ドラマや映画で悪役俳優としてもお馴染みである。
1975年大駱駝艦のメンバーだった天児牛大(あまがつうしお)氏により結成された山海塾は、80年代から積極的に海外公演を行い、世界中に「Botoh」の存在を知らしめた。
土方氏、大野氏と共に前衛舞踏活動を推進してきた笠井叡氏も重要な舞踏家のひとり。密教、神道、古インド神秘思想、キリスト教神秘主義、グルジェフ、パタイユなど神秘主義にも造詣が深く「天使論」などの著作を発表している。
暗黒舞踏の流れとは別に登場した田中泯氏は80年代に舞塾を主宰し若手舞踏家/表現者を育成すると共に他ジャンルとの共演を積極的に行い舞踏表現の幅を広げた。山梨県の農村で農業と舞踊の同時実践を行いつつ、最近は「場踊り」と題する街頭パフォーマンスを行っている。俳優としても活躍中。映像は”即興の鬼”=故デレク・ベイリー氏との共演。
最近の舞踏の動き1:1989年に不破大輔氏を中心に結成された大所帯フリージャズバンド、渋さ知らズは舞踏ダンサーも帯同した祝祭的パフォーマンスでジャズを超えた超音楽バンドとして国内外で大きな人気を誇っている。
最近の舞踏の動き2:ダンスカンパニーBaby-Qを主宰する東野祥子嬢の踊りはスピード感と感情表現に満ちた新感覚派。Hair Stylistics、Doddodoなど日本の若手ミュージシャンとの共演も多く要注目。
(この記事は1/21 Facebookのコミュニティー「ロックっていいね!倶楽部」への筆者による投稿をまとめたものです。)
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その他にも当ブログで紹介した元グンジョーガクレヨンの園田游氏、鼠派演踏艦Ωの宮下省死氏、工藤丈輝氏などユニークな舞踏家は数多い。その深遠な世界にぜひ触れてほしい。