A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

山本精一 弾き語り@渋谷 Bar Isshee 2012.4.8 (sun)

2012年04月10日 00時48分22秒 | 素晴らしき変態音楽


山本精一・渋谷Bar Isshee3ヶ月連続ライヴの2回目。
前回は「完全ギターインプロヴィゼーション」だったが今回は「弾き語り90分」完全予約制。山本氏は何作か弾き語りのソロ・アルバムを出しておりそのファンが多いので、第1回以上の早さで予約完了になったという。今回は山本氏の意向で予約なしの当日来たお客さんも入れることになったので、開場30分前でBar Issheeのある4階から2階まで階段に長い列が出来た。こんなに入りきるのかなと思ったが、何とかしたらしい。ただし奥には椅子とソファがありゆったりできたが、Barの入り口付近はぎゅう詰めの立ち見状態で、山本氏も演奏の途中で「かなり悲惨な人もいるけど大丈夫やろか」としきりに気を使っていた。

照明は前回以上に暗く、山本氏の表情は勿論分からずかろうじてギターのピックガードの白さが判別できるくらい。恐らく観るよりも奏でられる音だけに耳を傾けてほしいという意図かと思われる。その割に自分の演奏場所の周りにに結界を設けそこに入るなとか、近くのお客さんに「そこに座られると顔が気になって演奏できん」と移動させたりとか繊細な一面も。結局暗過ぎて見えないからいいや、ということになったけど(w

山本氏の歌ものソロはCDで聴いたことしかない。その印象はハレルヤズ~渚にての柴山伸二氏やイディオット・オクロックの頭士奈生樹氏など関西ネオ・フォーク・ロックに通じる良質なアコースティック・ポップで、特に渚にてが大好きだったのでなかなかいいな、と思う反面、ボアダムスや想い出波止場など山本氏の参加するプロジェクトでのあくの強さを排除し漂白したような淡白なサウンドが物足りなくも感じていた。

しかし実際に生で聴く山本氏のヴォーカルはずっと味があり奥の深いもので、暗闇の中ということもあり直接心の奥まで浸透した。歌詞の世界はところどころに工藤冬里さんを想わせるユニークな言葉が散りばめられ、渚にてとも違った独自の感性を湛えている。ジャックスの「時計を止めて」「からっぽの世界」を含めカヴァー曲も披露したがどの曲も山本氏ならではの独特の視点に貫かれており予想以上にふくよかなものだった。前回のギターソロは気持ち良すぎて文字通り夢の世界に遊んでしまったが、今回は眠くもならずじっくり堪能することが出来た。1時間ほど演奏したところで「本編はおしまい。休憩しよか」と中断し、手書きの歌詞カードのコピーを配るが「立っている人が疲れるだろうから」とすぐに演奏再開、そこから30分強、のべ100分に及ぶ精一ワールドに想像の翼を広げた。数々のバンドでの捻くれて過激な演奏ではなく純粋で素直な山本氏の精神世界が感じられとても気に入った。久々に心洗われるライヴだった。

▼真っ暗で何も映っていないけど演奏を聴いてください。



Bar Issheeは料金はお客さんの気持ち次第の投げ銭制である。山本氏は「ユニヴェル・ゼロと同じ8000円くらいの価値はあったやろ~」と大声で言っていた。確かに!でも2000円にしといたけどw

*4/10追記 thanks to TAKE'S HOMEPAGE
<Set List>
1.すみれの花咲く頃
2.まさおの夢
3.虚空の屋根
4.オーブル街
5.宝石の海
6.赤ん坊の目
7.B1のシャケ
8.あんなに好きだったこと
9.待ち合わせ
10.キネマ館に雨が降る
11.時計を止めて
12.ハルモニア
(休憩)
13.Mothlight
14.からっぽの世界
15.O Caroline
16.せいか

▼配られた手書きの歌詞


▼Bar Issheeの壁に描かれた山本氏による石田店長の似顔絵


心の歌
聴かせてもらった
渋谷の夜

次の5月29日は完全カヴァー大会になるとのこと。30~40曲くらいやるかもしれないと言う。その日は予約制ではないから早めに並べば誰でも入場できる。
コメント (4)
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