A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

あなたの知らない世界~コンクリートジャングルのヲタ系秘境ガイド

2013年01月09日 00時25分50秒 | 妄想狂の独り言


長年生きてきてもこの世の中は知らないことだらけである。昨年アイドル戦国時代の現場を目の当たりにし大きなカルチャーショックを受けて以来我知らずヲタ化する自分がいる訳だが、まだまだ甘いということを思い知らされた年末年始だった。あなたの知らないマニアの世界の扉を開けて差し上げよう。

●原宿ガール御用達ショップ


きゃりーぱみゅぱみゅのオリジナルグッズを求めて原宿ど真ん中のファッションビルにある有名ショップに足を踏み入れた。そこはまさにHARAJUKU KAWAii!!のメッカ。店内は青文字系ファッション誌から飛び出してきたようなカラフルな10代女子でごった返していた。メンズもあるとはいえカップルじゃなければ男性には敷居が高い。折角来たのだからと勇気を振り絞り奥のカウンター近くにあるタレントグッズコーナーまで辿りついたが余りのキラキラぶりに男ひとりで侵入するのは犯罪を犯しているような後ろめたさを感じる。きゃりぱみゅコスプレガールズの冷たい視線がひりひり痛い。何とかお目当ての携帯ストラップを手にレジへ向かうが汚物を見るような店員の対応にいたたまれず会計を済ますとまっしぐらに外へ逃げ出す。真冬の太陽が眩しすぎて卒倒しそうになりながら原宿ストリートを抜け山手線で安全地帯である渋谷方面に向かった。

●ヴィジュアル系専門店


先日書いたようにアナログ盤を求め西新宿地区を探索。その目的は最初に入った新宿レコードで30年間眠っていたお宝を救い出すことで達成されたが、時間があったので昔のレコ屋街がどうなっているかと彷徨する。80年代インディーズ&プログレ専門店だったエジソンが「Like a Edison」と店名を変えて同じ場所に存在していた。90年代半ばにニューウェイヴ・プログレからジャパメタ・ヴィジュアル系に品揃えを変えたのは知っていたが現在どうなっているのかと店頭を飾るヴィジュアル系ポスターを横目に入口を入る。店内にいる男性はゴールデンボンバーコスプレの店員のお兄さんだけ。客は全員ゴスロリ系のうら若い少女ばかり。店内を埋めるゴールデンボンバーのヴァージョン違いにしか見えない派手な化粧美少年のディスプレイの視線が恐ろしい妖気を放って襲いかかる。その濃厚な空気の中、2,3歩踏み入れたところで呼吸困難に陥りほうほうの体で退散。バンド名ひとつ確認することは出来なかった。

●ブートCD屋の加齢臭


ヴィジュアル系の濃い空気から逃れ避難したのは斜め向かいにあるクラプトンのポスターとストーンズのベロマークと積み上げられた段ボールが馴染みの香りを放つCDショップ。オヤジロックなら任せとけとそのシェルターに滑り込む。店内は打って変わって年配男性だらけ。新橋の立ち呑み屋のような雰囲気にホッとしてCD棚を眺めると見知らぬタイトルばかり。平台にはスーパーのセールのように積まれたビートルズやツェッペリンやストーンズのCD群。80年代当時この辺りにはブートレコード&ビデオ専門店があり、生で体験できない伝説的ロックバンドの音質の悪い海賊盤を高い金を払って購入し家でワクワクしながら聴いてみたら別のバンドだった、なんてこともあったりしたが、幻のバンドが続々再結成して来日するご時世にブートCDがこれほど需要があるとは知らなかった。”高音質サウンドボード録音、当店推薦ベストセラー”といったコメントと共に山と積まれたブートCDにはご丁寧にも帯が付いている。しかもそこに集うブートマニアはひとりで大量のCDを抱え一枚一枚丁寧にクレジットを確認している。洋楽ロックは好きだが圧倒的な在庫量に自分が誰を好きなのか記憶が飛んでしまう。昔ロンドンのロックコンサートで終演後会場の外でその日のライヴ録音カセットが販売されていてたまげた覚えがあるが、現在のブートのメディアはCDR中心。安上がりで誰でもコピーできるので価格はそんなに高くない。それにしても加齢臭と混じって漂うブートヲタのオーラに自分の居場所は無かった。

●究極のアキバ系コミック・アニメ専門店


アイドルグループのイベント参加券がもらえるというので新宿南口徒歩1分のビルのショップへCDを予約しに行った。事前にHPをチェックしアニメやコミックも扱っていることは分かっていた。ナウシカやワンピースを想像しつつエレベーターに乗る。他にはリュックを背負った真面目な学生風男子が数人。エレベーターが上がるにつれ何故か心の隅がじわっと湿り気を帯びる気がする。全員同じ階で降りる。もわっとした空気がピンク色に澱んでいる。店に足を踏み入れた途端上下左右から迫る桃色に圧倒される。どこを見ても萌え萌え萌え・・・。アブない萌え系アニメが氾濫しヲタ臭で噎せ返る店内でレジに並ぶと前の青年はビニ本を思わせるパンフ状のコミック本を20冊くらいカウンターに置く。ロリータ顔の少女があられもない姿で微笑むヤヴァい表紙におののく。何とか目当てのCDを予約しイベント参加券をGET。ロリ好きの血が騒ぎ生温かい空気の中店の奥へ分け入る。CDコーナーがあったのでアイドルのレア盤でもないかと眺めるがどれも萌えアニメのジャケットの見知らぬCDばかり。自分の知らない音楽がこんなにあるのかと昔「Fool’s Mate」で東欧や南米の未知のプログレに心弾ませたことを思い出す。それにしても1枚として知っているCDがない。一体これは何?と思い試聴機のヘッドフォンで聴くと何てことはない打ち込みフュージョン風インスト。これで萌える訳??曲目を見るとどうやら既存アニメやゲーム音楽のカヴァー集らしい。さらに奥へ進むとレンタルビデオ店の奥のカーテン裏の十八禁の世界が広がる。所謂同人誌という奴だが露出度の高さはAV以上。二次元の世界に取り憑かれた青少年たちが熱心に選んでいる。アダルトショップは入る時は多少の勇気がいるが入ってしまえば目的は皆同じ。じっくりと吟味しお好みのブツをセレクトする。しかしここは十八禁でもないし少数ながら女性客もいる。その中で何の衒いもなくじっくりエロコミックに見入る青少年諸君。Take Freeのフライヤーがあったので来店記念にもらってきた。どれもコミケやイベントの案内で会場は産業プラザや農業センター等公共施設である。近所の公民館に18歳以上ゾーンなるヤヴァなスペースが設置されているとは住民は露にも知らないに違いない。土日の公民館はまさに都会のダークスポットと化すのである。



原宿とヴィジュアル系はともかく、ブート屋とアニヲタ&コミケには心の奥で軽い親近感を覚えてしまうのは確か。プログレマニアやノイズコレクターと紙一重の世界である。もしかしたら1年後にアニメコスプレでフェス会場にいるかもしれないが大目に見ていただけないだろうか。



コスプレイヤー
胸を張れ
心の中を
曝け出せ

家族が寝静まったあとにひとりイベントフライヤーを眺めてほくそ笑む........。
深層心理の発露であろうか。



コメント
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