Facebookの投稿がきっかけで80'sガレージロックに想いを馳せYouTubeで色んなバンドを検索しているうちに当時のガレージシーンが現在殆ど忘れられていることに気がついた。「ガレージロック・リバイバル」というと一般的には2000年代のザ・ストロークスやザ・ホワイト・ストライプス、ザ・リバティーンズ、ザ・ヴァインズ、ジェット、ザ・ハイヴスなどの台頭を指すようだが、1980年代にパンクに触発されて60'sサイケ&ガレージロックの再評価が高まり全世界に新世代ガレージロック・バンドが多数出現したことは忘れてはならない。
Voxx、Dionysus、Get Hip、Midnight、Deleriumといったサイケ/ガレージ専門レーベル、Battle Of The Garages、Declaration Of Fuzz、Raw CutsといったコンピLP、Strange Things Are Happening、Freakbeat、Bucketfull of Brains、The Ptolemaic Terrascopeといったファンジンが乱立し時代すべてがカラフルな極彩色と獰猛なファズと情熱的なシャウトの中に溶け込んでいた。カムデンマーケットで買ったフレアパンツやペイズリー柄のシャツとインド雑貨屋で買ったタイダイのスカーフやビーズのネックレスを身に纏い中古レコ屋でレア盤漁り。お香の焚かれたカレー屋にはシタールのBGMが流れていた。晴れた日には公園でビール片手にアコギとコンガのセッション。 余りに甘美で自由な時間が僕らに無限の希望を与えてくれた。
そんな時代を象徴するThe Knights Of Fuzz~ファズの騎士たち=80'sガレージ/サイケ・バンドを振り返ってみよう。
●The Chesterfield Kings
ニューヨーク州ロチェスター出身。間違いなく80'sガレージパンクの最高峰。「新時代のChocolate Watch Band」と評されたアクの強いヴォーカルは多くの後進に影響を与えた。メンバー全員イケメンでファッション的にもイカしたリバイバリスト。現在でも活動中だが多くのガレージバンドがハードロック化する中ワイルドなロケンローを貫いている逸材。
●The Fuzztones
名前から音が聴こえてくるロサンゼルス出身の5人組。ファズギターとオルガンが産み出すイカれたビートでゴーゴーダンスを踊ればトリップ間違いなし。現在はヨーロッパを拠点にを活動中。
●Cynics
フィラデルフィア州ピッツバーグのファズマエストロ、グレッグ・コステリッチ率いるガレージパンクまっしぐらバンド。来日公演もした筈。この滅茶苦茶サイケなPVは何と2011年の作品だという。一生ガレージ野郎でいてくれ!
●Plasticland
The Dream Syndicate、Rain Parade、Three O'Clock、Bangles(そう、あのバングルス)などと共にペイズリーアンダーグラウンドと呼ばれたミルウォーキー出身の3人組。プリティ・シングスのカバーやTwinkとの共演もしたサイケ期プリティーズ・フリーク。1990年に解散しメンバーそれぞれ別のバンドに散ったが2005年突如再結成ツアーを行った。Captain Tripからレア音源CDがリリースされている。
●The Marshmallow Overcoats
ザ・バーズ風の12弦ギターが特徴のアリゾナ州タクソン出身のガレージフォークロック・バンド。リーダーのティモシー・ガッセンは評論家として音楽誌やサイトに寄稿、ガレージロック専門テレビショーの司会も務め80'sガレージロックの宣教師として活躍する。
●Pandras
B級の魅力がバングルスを遥かに凌駕するロサンゼル出身のオールガールズバンド。シクスティーズに憧れる田舎の女子高生が母親の洋服を借りてきてバンド組みました的なアマチュアリズムはまさにガレージパンク。アルバム2枚でハードロック化してしまったのが残念。
ガレージは
音が響いて
ナチュラルエコー
他にもイカしたガレージロッカーがたくさんいるので続編があるかもしれない。
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