ビーチ・ハウスの夢の浜辺に遊んで以来ドリーム・ポップと呼ばれる音楽に心惹かれ様々なインディーロック系サイトをネットサーフィンしている。そこで判るのはまもなく来日するマイブラを始めとするシューゲイザーの影響が非常に濃いこと。そして同じく90年代に勃興したビョークやシガー・ロス、カーディガンズなど北欧産インディーロックもそのルーツとして挙げられる。
現在のロックシーンで高く評価されるドリーム・ポップ・バンドを紹介しよう。
●Deerhunter
2001年ジョージア州アトランタにてブラッドフォード・コックスとモーゼス・アーチュレッタによって結成された4人組ディアハンターはビーチ・ハウスと並ぶ現代ドリーム・ポップの代表格。マルチ楽器奏者ブラッドフォードを中心とする大海に漂うようなサウンドはシューゲイザーの文脈でも評価が高い。2008年の3rdアルバムからドリーム・ポップ/シューゲイザーの本家4ADからリリース。来日経験もある。
●Asobi Sekusu
2001年ニューヨーク・ブロンクスでユキ・チクダテ(ヴォーカル/キーボード)とジェームス・ハンナ(ギター/ベース/ヴォーカル)を中心に結成されたアソビ・セクス。ユキは両親共日本人だが幼少からアメリカで育った。ニューゲイザーの代表格と呼ばれるが自ら「ドリームポップワールド」と名乗る。轟音ギターの壁の中浮かび上がるようなキュートなヴォーカルは文字通りドリーミー。日本のヘヴィロック・バンドBorisとツアーし日本でも高い人気を誇る。
●Still Corners
スティル・コーナーズは、グレッグ・ヒューズ(コンポーザー/プロデューサー)とテッサ・マレー(ボーカル)を中心とするイギリスのユニット音楽。残響感が強めのサイケデリックなサウンドを主体に、どこか憂鬱で儚げなヴォーカルが全体を覆う。キーボード・メインの打ち込みサウンドはドリーム・ポップの典型である。
●Grimes
グライムスことクレア・ブーシェはカナダの女性アーティスト。大学在学中から実験的な音楽の制作をはじめ、エレクトロニックやインダストリアルの影響を受けながら自身の音楽性を深める。美しい浮遊感をもつあどけないヴォーカルと無機質で乾いたテクノ・サウンドが茫洋とした広がりのある夢世界を形作る。
●Memoryhouse
メモリーハウスは2010年結成のカナダのグループ。メンバーはコンポーザーのEvan AbeeleとヴォーカリストDenise Nouvionの男女二人組。瑞々しい透明感とノスタルジーな雰囲気を漂わせる歌とオールディーズを思わせるシンプルなドラムビートにポップでカラフルなシンセが絶妙に配された新世代ドリーム・ポップ。
●Wild Nothing
ワイルド・ナッシングは、ジャック・テイタムによるアメリカのドリーム・ポップ・バンド。ケイト・ブッシュのカバーが話題となりレコード会社と契約。2010年発表のデビュー・アルバムは煌びやかなギターと清新なヴォーカルの融合が素晴らしい。
●Craft Spells
クラフト・スペルズはカリフォルニア出身のJustin Vallesterosを中心とする4人組で、現在はシアトルを拠点に活動中。70'sや80'sのポップ・ミュージックを思わせる打ち込みドラム、ふわりとしたボーカルやシンセが躍るような楽曲はどこか懐かしげな雰囲気を醸しだしている。
●Twin Sister
ツイン・シスターはニューヨーク州出身のバンド。2008年に結成しEPを2枚リリースし2011年にデビュー・アルバムを発表。ドリーム・ポップらしい甘美なメロディや雰囲気をもちながら、細かな音使いに様々な工夫が感じられるサウンドは中毒性を持つ。
●東京酒吐座(Tokyo shoegazer)
PlasticTree、殻、Presence of soul、A101といった日本のインディーバンドのメンバーにより2010年一夜限りのプロジェクトが好評につき活動継続。日本のシューゲ・シーンの代表バンドとなる。今年からZEPPET STOREのギタリストが加入さらにパワーアップした。轟音ギターと天上に遊ぶヴォーカルはまさにドリーム・ポップ。
探し物
夢の世界で
見つけたよ
マイブラの来日まで後2週間。耳を鍛えて待っていよう。