A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

近藤等則@Red Bull Studio 東京 Hall 2015.11.29(sun)

2015年12月01日 01時09分06秒 | 素晴らしき変態音楽


かけはし芸術文化振興財団 Presents
3D Sound Installation Live by 近藤等則

夢 宙
Dream Space


Red Bull Studio 東京 Hall
2015
NOV・28 開場7pm 開演7:30pm
NOV・29 開場2pm 開演2:30pm
NOV・29 開場7pm 開演7:30pm
入場無料/要予約

世界初の三次元音場空間でのライブ。
10個のスピーカーが前後左右上下に、音を操る。
音に身が包まれる。音に心が飛ばされる。音に五大が共鳴する。
空海曰く、「五大にみな響きあり」
夢見るような音宇宙の醍醐味を体験下さい。

出演:近藤等則(エレクトリック トランペット&トラックス)
3Dオペレーション:柳瀬智史(Merging Technologies & dsp Japan共同開発による3Dシステム)
サウンドシステム:イースタンサウンドファクトリー( VUE Audiotechnik )
電源:エリーパワー株式会社のリチウムイオン蓄電池



3Dライヴと言えば2013年のクラフトワークの来日公演を思い出す。3Dメガネの視覚の立体感に加えて、サラウンドシステムでサウンドが前後左右に飛び交う驚異の体験は、音楽というよりテーマパークのアトラクションに似た総合エンターテインメントだった。他にはHair Stylistics=中原昌也が六本木SuperDeluxeで行ったサラウンドスピーカーによるライヴもあった。頭の周りを飛び交う電子ノイズが心地よかった。
クラフトワーク@赤坂BLITZ 2013.5.14 (tue)

今回の近藤のライヴも最初は上記のいずれかに似た企画だろうと高を括っていた。青山のレッドブルのオフィスに付属するイベントホールは、昨年のレッドブルミュージックアカデミーでインスタレーションや講演会が開催されたのと同じ場所。天井から布が垂れ下がり、スピーカーが客席を囲む形で設置されている。モダンな教会かモスクの中のよう。


(写真撮影は冒頭10分間許可されていました)

ゴールドのダウンジャケットを着た近藤がトランペットに息を吹き込むと、四方のスピーカーの中央の深いリバーヴに包まれて幻想的な音色が広がる。同時にミニマルな電子音がエッジの効いた明瞭な輪郭を描いてスピーカーから飛び出す。空中に滲んでいくトランペットを包囲するように右往左往前後左右動き回る。解説によると上下移動もあるらしいが、筆者の耳には感じられなかった。深いソファに身体を沈めて聴いていると、眠り近い意識喪失状態に陥りそう。日本的な陰旋律のフレーズが身体を包み込み、自然の中で地球を吹きながら近藤が耳にしている自分の演奏はこんな感じだろうか、と想像する。

スケールの大きな宇宙サウンドに留まらず、電子ノイズに拮抗するべく細かいタンギングで音の肌理を操作して、音階無き旋律を吐き出すトランペット奏者の心の奥底に棲みついている極端音楽家の魂を解放する。これは単なる立体音響のデモンストレーションではない。音楽家の脳内ヴィジョンを実体武装化することで、人間のイマジネーションを無限に拡張する神の所業への挑戦かもしれない。

近藤等則レコーディングス "Space Pilgrimage 宇宙巡礼" sample


この体験は録音録画物で代用できない。道具や楽器はアニメーションで追加できても、生の現場でしか実体験出来ない「生もの」である音楽こそ、実際に創造の場に足を運んで経験することで最大限に愉しみ、最大限に歓び合うことが可能なのである。

iPod
投げ捨てて
現場へ来い

近藤等則ライヴ “~Toshinori Kondo plays Standards~あなたは恋を知らない” 2nd Set
コメント (1)
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