A Challenge To Fate

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【勝手に翻訳】新世代アイドル「NECRONOMIDOL(ネクロ魔)」はダークサイドへの導き

2015年12月03日 03時37分01秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


NECRONOMIDOL(ネクロノマイドル)は東京を中心に活動する日本のアイドルグループ。略称は「ネクロ魔」、「魔」。暗黒系アイドルユニットとして、ブラックメタルやポストブラック、ダークウェーブ、NWOBHMの音楽を中心として異世界観を作りながらパフォーマンスを行う。

現在のメンバー:
後列右から:柿崎李咲/瑳里/久坂華恋
前列右から:九十九ほたる/夜露ひな

3rdワンマン 【TENEBRAE INVICTUS】
12月14日 20:00~ 渋谷WWW
巨大クトゥルー像、魔方陣出現。 バンドセット有
チケットe+


NECRONOMIDOL WWWへの魔道

【参考】⇒NECRONOMIDOL、卒塔婆と縛り地蔵をバックに熱狂ライブ



【勝手に翻訳】1年以上前の記事で、メンバーが現在と異なりますが、いい内容なので是非お読みください。。
アイドルポップユニット「NECRONOMIDOL(ネクロノマイドル)」がダークサイドへ導く。
by David Kracker(デヴィッド・クラッカー)
Japan Times Oct. 28, 2014

大きなライヴを一週間後に控え、東京の「新宿ワードダンススタジオ」で練習中のNECRONOMIDOLの4人のメンバーは、「アポカリプス(黙示録)を召還する」という歌詞を「ハルマゲドンを召還され」と変えることを決めた。マネージャーのリッキー・ウィルソンが同意し、また一つ問題が解決した。

日本最初のオカルト系アイドル・ユニットと称するNECRONOMIDOLの4人のメンバーは、新曲『Skulls in the Stars』の歌詞を書き直したり、振付を間違ったりしているが、31歳のウィルソンは何も言わない。彼がコンセプト~この曲の場合はコズミック・ホラーを元にしたホラー・ディスコ~を提供し、メンバー自身でモノにする。その上、彼女たちがステージで間違ったとしても、不完全性はアイドルの世界ではセールスポイントなのである。

このようなときには弱者であることが報われる。グループが余り知られていないために、有名なグループがリスクを恐れて出来ない方法で実験する自由~そして失敗する自由~があるのだ。NECRONOMIDOLを始め、自主制作のアンダーグラウンド・アイドル・グループは総じて、洗練されたポップよりもDIYのパンク精神を持っており、それは未加工の音楽を好む者にとっては理想の場所なのである。

「『アイドルが好き』と言うことは新たなアナーキーの徴(しるし)です。それは辺境に住むことを意味します」とウィルソンは説明する。「かつてはパンクのライヴが相違を提供しました。その夜のコンサートが、前週のコンサートと異なることが明白でした。しかしシーンが停滞してきました。いつも同じ観衆の前で同じパフォーマンス、それは面白くないでしょう。だから人々はアイドルに乗換えたのです。」

ウィルソンは自分の主張を裏付けるチョップ、そして髭(muttonchops)も蓄えている。生まれ故郷のピッツバーグでB級ホラーとヘヴィメタルで育った彼は、9年前に怪獣映画のモンスターに憑りつかれた大学卒業生が必ずやること、つまり日本へ移住した。最近の彼は拳と肘をソフトビニールおもちゃ製造会社「Velocitron」のワークベンチに置いているが、東京に居を定める前は、熊本のハードコア・シーンでヴォーカリストとしてサークルピットを走り回っていた。

ウィルソンにとって、ライヴ・ショーはハッタリがすべてであり、それを届けるのがアンダーグラウンドグループなのである。

「昭和や90年代初期のグループはポーズばかりでエナジーを感じません」と彼は言う。「2,3年前にももいろクローバーZが登場して、ジャンプしたりアクロバットを披露しました。とてもダイナミックでした。」

最近ももクロはコンサートよりも多くのコマーシャルに出演している。プロレスの道化と生意気な音楽のコラボにより、グループを搾り取る新マネージャーのおかげで、ももクロは主流派になった。それはテンプレートを壊し、新たなひな形「アイドルに聴こえないアイドル」を創造した。

「音楽的には例えばGauzeからAKB48まで、大きな広がりがあります。でもBABYMETALのようなグループが架け橋になりました。キュートな女の子がへヴィメタルをやることは、とてもグロッカブル(判り易い)です。」そして最も重要なのは「アイドルは二極へ繁栄することです。」

そんな「グロッカブル」なアイドル・アクトは、潜在的なファンを掴むためにギミックを使う。アリス・プロジェクト(夜光塗料のジェイソン・マスクをかぶっている)やスチーム・ガールズ(スチームパンクをモチーフにする)などが含まれる。

ウィルソンのグロッカブルなセールスポイントは外国人であることだ。日本人ではないことが、彼のニッチな地位の確立に役立った。「日本の真正のソフトビニールが欲しければ、国内の製造システムを使わなければなりません」と言って、彼は国際的クライアントをお得意さんにする。アイドルが金型に注入して作るモンスターよりも扱いにくいのは確かだが、それほど大きな違いはない。ヒットチャート常連グループが一流の制作チームを使うのに対して、アンガーグラウンド・グループは、一人のマネージャーと1台のラップトップで名をあげるしかない。

今年3月、ウィルソンはタレント採用サイトに「ステージをスラッシュ(鞭打)する超常現象女子求む(人格障害可)」という募集広告を載せた。30数人の応募者の中から最終的に4人が選ばれた。瑳里は白塗りのパフォーマー、逸見静羅は眼帯で片目の演出。どちらも高校在学中で、家族も彼女たちの奇妙な趣味を許可している。しかし唯一アイドル経験のあるメンバー柿崎李咲は未だ家族に話していない。「問題児」と自己診断する橘涙雨*は、両親の抗議により放棄されたケーブルカーでの写真撮影を中止せざるを得なかった。皮肉なことにこの二人は法律上の成人である。

ウィルソンはアイドルを採用する方法は、他ジャンルのパフォーマーを採用するのと同じだと言う。彼らの家族と必要な関係を築き、すべてを明確にするために標準的な契約書を交わす。聞かれる前に言っておくと、他のアイドルの多くが同意を求められる「恋愛禁止」の条項は外した。

「アイドルに関するすべてが性的妄想であるという誤解があります」と彼は言う。「それはたぶん、ファンが気味悪いほどまとわりつく“ガチ恋”ユニットに関しては正しいでしょう。でもそういうグループは、自分たちでそのように宣伝しています。正直言えば、その需要を満たすには、もっと直接的な手段がありますよね。」

ウィルソンは、ファンとの友愛こそ、中心にある誘因だと考える。

「メタルのライヴでは、軽薄と思われたくなくてバンドのTシャツは着ないでしょう。でもアンダーグラウンド・アイドルのイベントでは、グループへの応援の徴として公式Tシャツを着て、数の力を誇ります。それは自分が属するギャング団の色なのです。」

その上、もしアイドルシーンが、新聞の見出しに良くあるように「上辺だけ」だとしたら、ライヴや握手会の列に沢山の女性が並ぶことはないだろう。でんぱ組.incのようなグループは、美意識や衣装を紹介して、中年男性だけでなく10代の女の子たちを魅了する。夢を持ったアイドルがちょっとしたステージとたっぷりのカクテルを給仕するディアステージのスタッフは、原宿系ブロガーとしても通用する。アイドルに憧れる少女たちが、少女たちが憧れるアイドルになる。

しかし背後に立つウィルソンにとっては楽しいことばかりではない。

メンバーそれぞれがグループをどう優先させるかによって、見方を変える必要があります」と彼は言う。「彼らはここに居るために、勉学や家族と過ごす時間を犠牲にしています。」では、何のために?瑳里はパフォーマンスアートを創りたがっている。逸見は海外進出を夢見ている。柿崎は次のギグが失敗したらアイドルを辞めると宣誓している。共同作業の努力の結果、メンバーは、マネージャーと同程度に、グループの成功に責任を持つ。どのメンバーに尋ねるかよって、ウィルソンは夢への灯火か、または口うるさい守護神かのいずれかになる。でもメンバー全員が尊敬していることに変わりはない。

しかしNECRONOMIDOLは未だ自らのサウンドを見出していない。1stシングル『とおりゃんせ』は、触れるものすべてを凍らせる冷酷なブラックメタルの吹雪だった。ギグの雰囲気を醸し出すようにウィルソンが録音した。殆どのコンサート企画者は、お目当てで来た観客数に従ってギャラを支払うシステムを採用している。だからこそ『Skulls in the Stars』が重要なのだ。この曲はグループ史上もっともアップビートで、もっとも観客好みの楽曲である。イタロディスコのチャイムとレトロシンセとのミックスは、新たなサブジャンル構築への道の第1幕であり、望むべくはコアなファンベース作りである。

ギミックだけでは短命に終わる。そこでウィルソンはリリースを急いだ。多くのグループは6ヶ月間に手作りシングルを1枚出すだけだが、NICRONOMIDOLの楽曲は既にiTunesとアマゾンで配信されている。更に、アイドルシーンの共食いではなく新鮮な血を吸うために、レコードショップに進出する計画がある。   

ウィルソンの計画は野心的だが、エンドゲームは曖昧である。もし2015年1月の阿佐ヶ谷ロフトでのNECRONOMIDOLのワンマンライヴが売り切れたら、次はより大きな会場へ進む。ではもし売り切れなかったら? まあ、今は10月30日の「Trash-Up」誌主催のハロウィーンイベントに集中するのがベストだね。

「今から10年後に、"成功した"グループと記憶されていて欲しいです」ウィルソンは言う。「でもそれよりも、私が出来る限り遠くヘ連れて行って、メンバーの努力の価値に見合うものにしたいですね。」

ネクロ魔の
除霊会で
厄落とし

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