A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

メンバーに遊んでるだけのゲーマーがいる! ゲームのBGMすべてを生演奏するバンドがスゴイ

2012年01月18日 00時42分58秒 | 素晴らしき変態音楽


あなたがゲーム好きなら、是非とも彼らの一員に加えてもらいたいと思うようなバンドが、海外で注目を集めている。Bit Brigadeという5人組の彼らは、ドラム・ベース・ギターのスタンダードな楽器を用いた演奏に加えて、もうひとつ大切な役割を果たすメンバーがいる。

そのメンバーは、なんとゲーマーだ。彼はステージ上でただゲームをしているだけの役目。演奏は他のメンバーが行っているのだが、彼がいないことにはこのバンドの持ち味をいかすことはできない。というのも、各パートのメンバーは彼がプレイしているBGMを演奏しているからだ。ゲーマーなら是非とも、生バンドのBGMでプレイしてみたいと思うに違いないだろう。

彼らが最近になって注目を集めているのには理由があった。米・ワシントンで行われているゲームと音楽の祭典「MAG FEST」に出演し、そのステージの様子がYouTubeに公開されたのである。

彼らが演奏したのは、カプコンの『ロックマン2』。同作はアメリカで『MEGA MAN(メガマン)』の名で親しまれており、ゲームそのものもさることながら、作中の音楽も高い評価を受けている。ステージ上でゲームをプレイしながら、そのBGMのすべてをバンドで披露したのである。

ただでさえ人気の高い作品なのだが、彼らの演奏もなかなか秀逸。生でBGMをつけるのには、バンドとゲーマーの息が合っていなければならない。ステージごとの楽曲の変化に対応する様子は素晴らしいと言わざるを得ないだろう。メンバーから作品に対する愛情がふつふつと伝わってくるようだ。

ちなみに彼らのレパートリーには、ロックマン2のほかに『コントラ』と『NINJA GAIDEN(ニンジャガイデン)』があるとのこと。是非ともバンドメンバーをバックにつけて、思う存分ゲームに興じてみたいものである。
(Rocket News 24)



音楽と
ゲームの共演
楽しかろ

昨年来日したThe Advantageというバンドもファミコン・ゲームの音楽を演奏するバンドだった。海外のゲームオタクはロックで趣味を表現しているようだ。
コメント (4)
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灰野敬二/BO NINGEN/オワリカラ/あっぱ@渋谷O-Nest 2012.1.15 (sun)

2012年01月17日 00時21分42秒 | 灰野敬二さんのこと


<BO NINGEN NEW EP 「HENKAN」 リリースパーティー>
出演:BO NINGEN/灰野敬二/あっぱ/オワリカラ/ガガキライズ【SPECIAL GUSET DJ】志摩遼平【DJ】TOMO(STYLE BAND TOKYO)/長州ちから(十代暴動社)

BO NINGENを観るのは3回目(昨年12月のタワレコを含めれば4回目)。昨年日本デビューした中では最も気に入っているバンドのひとつだ。イギリス在住の彼ら、何といってもパフォーマンスの質が他の新人バンドとは桁外れに高い。イギリスのレーベルと契約し数々の現地フェスティバルで好評を得てきた実力は並はずれたモノで、昨年2月にメルツバウの対バンで初めて観たときは度肝を抜かれた。4月にデビュー・アルバムが日本発売され、8月には凱旋ツアーで再来日し灰野さん、LSD-March、ガガキライズと対バン。日本のメディアでもイギリス在住のサイケデリック・バンドとして取り上げられ注目の存在になった。昨年12月に新作EP「HENKAN」をリリースし今年頭から3度目の全国ツアーを開始。

その東京公演がO-Nestで開催された。今回も灰野さん、ガガキライズとの対バンだ。チケット発売時には他のバンドは決まっていなかったが、発売日にO-Nestでチケット購入。整理番号1番をゲット。

会場に真っ先に入り最前列中央を確保したが周りが皆若い女の子ばかり。BO NINGENにアイドル人気が出てきたのか?

最初にギターレスのピアノ・トリオが登場。ベン・フォールズ・ファイヴを想わせる軽快でメロディアスなピアノ・ロックを聴かせる。何だか周りの女の子たちが妙にノッている。こんなバンドが出るとは知らなかったが、終わった後調べると東京事変のキーボードの人の「あっぱ」というバンドだった。人気があるのも納得。でもサイケじゃないよね。



続いてオワリカラ。以前観て結構気に入ったバンドだ。vo&g,key,b,dsの4人組。ジミヘン風サウスポーのギタリスト、飛び跳ねながら鍵盤を叩くキーボード奏者、ゲバゲバ90分のハナ肇のようなサイケな衣装のベーシスト、タイトなドラマー。個性的な4人のサイケ・ガレージ・ロックが炸裂する。ルックスもいいしこれからもっと人気が出てきそうだ。



オワリカラが終わったとたん、前列に詰めていた女の子たちが一斉にいなくなる。彼女たちの目当てはあっぱとオワリカラ、そしてゲストDJの元毛皮のマリーズの志摩氏だった訳。ステージ前にちょっと余裕ができる。しかも予想に反して次が灰野敬二さん。てっきりトリだと思い込んでいたのだが、BO NINGENのレコ発だから先に登場したのだろう。二日前に観た時と同じセッティングに発信器と三味線が加わっている。前ふたつのバンドのロックンロールな雰囲気を灰野さんの轟音ギターが一気に暗黒に塗り替える。毎度のことだが全身が凍りつくような波動に晒されて意識がぶっ飛ぶ。全編で歌を聴かせるが、PAがいいので歌詞がはっきり聴き取れる。最後は三味線を掻き鳴らし絞り出すような歌で50分弱のステージが終了。久々に観たという知り合いの女の子は「やっぱり灰野さんは凄い」と興奮気味。ライヴ直前に機材トラブルがあってちょっと心配したが、灰野さんは広い会場で多くの観客の前で演奏して満足したご様子。



トリがBO NINGEN。vo&bのTaigen君はいつもの女物の黒いドレス、左のギターのYuki君はカラフルなサイケ服、右のKohhei君は上半身裸、ドラムのMon-Chanは白いTシャツとみんなバラバラの衣装だが、全員長髪を振り乱してのへヴィーでハードな演奏は強烈なサイケデリック感を放出している。灰野さんの時には遠巻きに観ていた観客がステージ前へ押し寄せ、ハードな曲ではモッシュが起こる。私も何度も後ろから突撃された。でも彼らの素晴らしい演奏に身を委ねているとそんなことはまったく気にならない。タイトにリフを刻むベースとドラムの上にファズとディレイを効かせた左右のギターが自由に暴れ回りかなりフリーキーでどこへ飛んでってしまうかわからない。Taigen君の少し和風のメロディを持ったヴォーカルが曲を成り立たせている。まさしく1時間のサイケ・トリップだった。



終演後Taigen君に今回のツアー用に作ったリミックスCDRにサインを貰った。もうサイン入りCDが3枚目というミーハーな私。


棒人間
若きサイケの
最新鋭

BO NINGEN JAPAN TOUR 2010の詳細はこちら
1/29 Club Asiaでのギターウルフ、N'夙川BOYS、TADZIO等との対バンが楽しみだ。

BO NINGENインタビューはこちら



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きゃりーぱみゅぱみゅ@新宿タワーレコード/灰野敬二@新高円寺Club Liner 2012.1.13 (fri)

2012年01月15日 01時41分13秒 | 灰野敬二さんのこと
ラッキーにも上手く時間が調整出来て観たかったふたつのイベントをハシゴできることになった。


19:00から新宿タワーレコードできゃりーぱみゅぱみゅ1st Single「つけまつける」リリース記念イベント~きゃりーのウェイウェイライブ&握手会。会社が時短の日だったので早く行って場所取りしようと思ったが仕事が立て込んでタワレコに着いたのは30分前。売り場から溢れ出るくらい多くの観客に出遅れた!と後悔したが、人を掻き分けて何とかステージが見える位置を確保。”原宿が生んだスター”とよばれるきゃりたんだから、原宿ファッションに憧れる女子中高生中心かと予想していたが、場所がオシャレじゃない新宿のせいかお客さんは意外にも男子が多い。20代中心だが私と同世代もしくはもっと年配らしきおっさんの姿もちらほら。ウキまくるんじゃないかと心配していたので内心ホッとした。

時間通りにきゃりたん登場。ちっちゃい!ステージに上がっても小さ過ぎて見えない。後ろのスクリーンで確認したところ白いシャツに赤いワンピース風の衣装。「こんなに集まっていただいてありがとうございます!」と結構礼儀正しい。ダンサーふたりを引き連れて「チェリーボンボン」「PONPONPON」「つけまつける」の3曲を振り付きで踊り歌う。厳重な撮影禁止がしかれていたので写真は諦める。手拍子も出てなかなかの盛り上がりだった。ライブの後に握手会。これも並んでるのは圧倒的に男性客。きゃりたんの手は小さくて柔らかくてふわふわしていた。



夢見心地に浸っている訳にはいかない。丸ノ内線で新高円寺Club Linerへ移動。気分を変えるためにiPodで蝉を大音量で聴く。「NIGHT SAFARI vol.27 special 3man!!!」というイベントで出演はちくわテイスティング協会/Alan Smithee's MAD Universe/灰野敬二。Club Linerは初めてだったがかなり狭いライヴハウスである。にしても動員がキツい。きゃりたんのイベントで満員のお客さんを体験したあとだけに余計寂しく感じる。と同時に灰野さんのこの日のライヴを目撃できる20人余りの内のひとりになれることが妙に誇らしかったりする。


到着したのは最初のちくわテイスティング協会のライヴの半ばだった。顔に極彩色のペイントをしたvo&sax,perc,gx2,b,flute,dsの総勢7人のバンド。バンド名からは音が想像できなかったが、基本的にファンク・リズムにノイジーなアドリブを乗せていくスタイル。ヴォーカリストが客席に降りてきたり、ホントのちくわを観客に配ったり結構やんちゃなバンドだった。演奏よりもちくわ配りのパフォーマンスの方が印象に残った。こういうおふざけバンドはウケるかシラケるかのどちらかである。この日の客は知り合いが多かったようで内輪ウケで盛り上がっていたが、正直もっと真面目にやれ、というのが本音。



2番目のAlan Smithee's MAD Universeはg,key,dsのインスト・トリオ。のっけから中期ソフト・マシーンを想わせる変拍子のリフと激しいアドリブを展開。プログレ好きの血が騒ぐ。キーボード奏者は吉田達也氏とも共演している実力派。ギタリストのアームを多用したアヴァンギャルドなプレイもいい。かなり気に入った。後でギタリストに聞くと活動歴は10年で最初はg,b,sax,dsの4人組だったそうだ。やはりソフト・マシーンが好きで特に1st~3rdがお気に入りというからまさに趣味がピッタリ。物販で旧メンバーによる1st CDとトリオになってからの7”シングルを購入。



最後に灰野さん。オールナイトを始めとするワンマン・ライヴが凄いのは勿論だが、イベントでの60分以下の短い時間の気合いが凝縮されたプレイも別の意味で素晴らしい。灰野さんは演奏の手を抜くことは一切ないので毎回のライヴが完全燃焼である。短いライヴではその情念が一気に放出されるので衝撃度は長時間ライヴ以上のものがあるかもしれない。この日はギターに加えてエフェクター型シンセを使った珍しい演奏。歌詞のファイルをめくりながら片手で操作するシンセの奇怪な電子音と圧倒的ヴォイス・パフォーマンスが空間を歪ませる超絶な演奏だった。今年最初の灰野さん、やっぱりハズレ無しだった。



きゃりたんと
灰野さんとを
観れて幸せ金曜日

終演後灰野さんに「アイドルばかり追っかけてるんじゃないよ」と諭された。み、見られてる、私のツイート(冷汗)。
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“踊るおばあちゃん”が大人気、パフォーマンスする孫の背後で存在感。(激レア音源付)

2012年01月14日 01時38分16秒 | 動画の歓び


米国の少年が人気ラッパーの歌に合わせ、口パクパフォーマンスを披露する動画が、いま、大きな話題を呼んでいる。カメラに向かう13歳の少年はとても楽しそうに歌手になりきって見せるのだが、そんな彼を遙かにしのぐ存在感を見せつけているのが、少年の背後で歌に合わせて軽快に踊り続けているおばあちゃんだ。

この動画は1月3日付でYouTubeに投稿された「Me and my grandma dancing to Rack City.」。パフォーマンスを披露しているのは、米テキサス州在住のフランク・トリンボリくん(13歳)と彼のおばあちゃんだ。2人は米人気ラッパーのタイガが歌う「Rack City」に合わせ、自己流パフォーマンスを行った様子を撮影、投稿したという。

流れる歌に合わせ、椅子に座りながらも時に大きく手や体を動かし、パフォーマンスを見せるフランクくん。今どきの若者らしく、堂々としたカメラ目線で人気歌手になり切る姿は、なかなかの格好良さだ。本来は終始画面の中央に映り続ける、そんな彼こそがこの動画の主役となるはずなのだが、引き立て役の“バックダンサー”として登場するおばあちゃんも驚くほど元気な動きを見せ、彼に負けぬほどの存在感を発揮している。

孫の肩越しから一緒に歌い出し、パフォーマンスを始めるおばあちゃん。画面の主役は彼に譲ると、おばあちゃんはしっかりとリズムに合わせて体を上下に揺らしつつ、右へ左へと動きながら踊り続ける。その動きは激しくはないが歌の調子や音の変化に合わせて次々と違った動きを見せ、さらには全く迷いを感じさせずにスムーズに踊り続けているのは素晴らしいの一言だ。そして曲が終わりを迎えると、孫とのパフォーマンスを大いに楽しんだおばあちゃんは満面の笑みを浮かべながらカメラに向かって手を振っている。

1月5日時点で再生回数が50万回程度だったこの動画は、11日には600万回を超えるほどの人気に。3万件近く書き込まれたコメント欄には「こんなおばあちゃんが欲しい」「おばあちゃんすごくかわいい」など、ほぼおばあちゃんへの称賛の声が並び、フランクくんにとっては主役を奪われてしまった格好だ。ただそれは、そんなおばあちゃんがいる彼を羨む声とも言える。いずれにしても、素敵なおばあちゃんと孫の関係であることは間違いなさそうだ。
(ナリナリドットコム)



おばあちゃん
ノリノリ踊る
元気いっぱい

こんな素敵なおばあちゃん、いいなぁ。


★激レア音源=1980年高校の文化祭でやったバンドの音源を発掘しました。32年前17歳の青春。演奏はど下手だけど「ワンツースリーフォー」のカウントだけはラモーンズにも負けないカッコ良さだと思います。恥ずかしながら公開します。


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今年気になる音源紹介~.es(ドットエス)「オトデイロヲツクル」/庭「節子抄-Tales of Setsuko-」

2012年01月11日 00時54分09秒 | 素晴らしき変態音楽
今年になって既に買ったCDは20枚を超えてしまった。まだ10日だというのに....。さてそんなCD買いまくり、ライヴ行きまくりの日々の中で気になった日本のインディーズ・バンドのアルバムを2点紹介したい。



まずは2009年大阪の現代美術ギャラリー「ギャラリーノマル」をホームに誕生したコンテンポラリーミュージックユニット、.es(ドットエス)。昨年末このブログの読者でもある橋本孝之氏がツイッターで連絡をくれた。それがピットインで大友良英スペシャル・カルテットを観ている最中だったというのも不思議な符号か。そして元旦にデビューCD「オトデイロヲツクル」が資料と共に届いた。まさしく私が今年最初に入手したCDである。橋本氏(sax,g,harmonica etc.)とsara嬢(p,perc,dance etc.)の二人をフロントマンに、現代美術ディレクター林聡氏がコンセプトと空間構成をプロデュース。パッケージがとてもオシャレでセルロイドに色とりどりのビーズを円形に敷き詰めたプリントがされ、そこにCDが2枚嵌め込まれている。1枚は通常の音楽CD、もう1枚は同じ音源のwavデータが収録されている。さっそくCDを再生して流れ出たサウンドにうーんと唸ってしまった。基本は決めごと無しのフリージャズ風の即興である。私はフリージャズには2種類あると思っている。ひとつはオーネット・コールマン、アルバート・アイラー、サン・ラー、山下洋輔トリオ、高柳昌行ニューディレクション、渋さ知らズのようにジャズの基本を押さえた上でインプロヴィゼーションを繰り広げるもの。これを祝祭的フリージャズと呼ぼう。もうひとつはデレク・ベイリー、スティーヴ・レイシー、阿部薫、吉沢元治、浦邊雅祥のようにジャズの概念を一旦捨ててよりフリーな精神で自己の音饗を作り上げるもの。これを孤高的フリージャズとする。.esのサウンドは明らかに後者である。特に橋本氏がサックス以外にギターやハーモニカを演奏することに阿部薫との共通項が見出せる。しかし阿部ほど情念的で刹那的ではなく、むしろ無菌室で音を奏でるような醒めた感性が強く感じられる。こういうサウンドがタバコ臭いジャズクラブやライヴハウスではなく現代美術ギャラリーから生まれてきたというところが21世紀らしくて興味深い。かつて小杉武久さん率いるタージマハル旅行団が美術館や博物館で演奏したように美術と音楽の親和性は非常に高いものがある。.esのコンセプトは「現代人の意識を解放する時間と空間を創造する」ことだという。ギャラリーノマルでの演奏は映像投射を取り入れたアーティスティックなものである。今までは大阪のみの活動だったが、今年はぜひとも東京でパフォーマンスを見せて欲しいものだ。


<Live Schedule>
2012年1月14日(土)17:00¥1,000 @ギャラリーノマル ライブパフォーマンス 出演:.es(ドットエス)+ オルゴール(藤本 由紀夫) トーク 藤本 由紀夫(現代美術作家) 鈴木 創士(フランス文学者 / EP-4) 林 聡(ギャラリーノマル ディレクター)
CDの購入はこちら




もうひとつはディスク・ユニオンの新年セールで200円で購入した静岡のノイズ・ユニット、の「節子抄-Tales of Setsuko-」2CDR+DVDR。彼らのことは同郷の原子力牧場がよく共演するバンドとして前から知っていた。これ購入したことをツイッターでつぶやいたところ、庭本人の望月公喜氏から連絡をいただいた次第。東京にいてはよく分からない静岡の音楽シーンのことがうっすらと分かってきた。このアルバムは2009年リリースのアルバムで「節子」と名付けた扇風機(!)との共演ライヴとスタジオ・セッションを収めた作品。サウンドは大竹伸朗さんが1980年代に結成していたノイズ・ユニット、19/JUKEを思わせる手作り感覚に溢れたユニークなもので、ハーシュ・ノイズ系は苦手という人にもおススメの変態音響である。ただし望月氏によると「庭の音は日々変異しますので、現在のライブとはかなり違います。おそらく静岡で最もうるさいグループかもしれません。」とのこと。確かに昨年のライヴ映像を観ると非常階段のようにギターとエレクトロ・ノイズが暴れまくる暴力的なサウンドである。望月氏によるプロフィールを掲載しておこう。

・庭
静岡を拠点とするメンバー不定のノイズ・ユニット。
ライヴにおいては各地のブッキングライヴ、イベントへの出演の他、元NORDの伊藤まくが主催するjapanoiseのイベントへの参加、自主企画「JunkYard」に各地のノイズ/アンビエントのアーティストを招き県内のバンド、アーティストとの交流を目論み続けている。
2011年1月には「JunkYard」にINCAPACITANTSを招聘。3月には浜松ルクレチアにおいてKING OF NOISE"非常階段"との共演を果たしている。
カテゴリーとしてのノイズではなく、あらゆる表現との接触によりその場その瞬間に存在する全ての事象ををノイズとして肯定する。
したがってライヴ会場ではあなたも庭である。乱入上等、いやむしろ歓迎。このようにして庭は増殖浸食拡大を続ける。
contact:niwanoiz@live.jp
twitter
facebook
2002年 活動開始
2003年 1st CD-R "庭 vs. fj"(AXXE) リリース
・・・・・潜伏期・・・・・
2009年 2nd CD-R "箱" (害TUNE)リリース
     3rd CD-R "節子抄-Tales of Setsuko-"(AXXE) リリース
2010年 過去音源編集盤CD-R"ROKKU BANDO NIWA"(AXXE)リリース
2012年 V.A./VoluntaryEuthanasia に参加。2/22リリース予定


<LIVE SCHEDULE>
2012/1/29@静岡騒弦 オープンステージ
自主企画「弦と電波(仮)」w/直江実樹(神奈川)進(大阪)スープーメッセンジャー(大阪)伊藤大樹、発泡るチろーる、青木智幸(UP-TIGHT)、VVDBLK&pujari
CDの購入はこちら

どちらも地方出身ならではの謎と不思議に満ちていて好奇心は増すばかりだ。それにしてもツイッターやFacebookの何と素晴らしいことよ!

知られざる
バンドを求めて
ネットサーフィン

昨日のブログでも書いたが2012年はローカル・シーンの活性化が大きな鍵となるに違いない。


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White Moles/シベールの日曜日/ザ・シャロウズ/ファンシーナムナム他@新宿JAM 2012.1.8 (sun)

2012年01月10日 00時47分43秒 | 素晴らしき変態音楽


White Moles presents 【黒子の見たる幻想の世界 Vol.3 ~2ndリリース記念~】墓場戯太郎オーケストラ、倫敦水槽、ファンシーナムナム、モンドダイヤモンド、小さいテレーズ、シベールの日曜日、CLANDESTINE、ザ・シャロウズ、White Molesの9バンドが出演。シベールの日曜日目当で予約したらくせ者揃いの凄いイベントだった。

4時開演なので早めに新宿へ行ってレコ屋巡りをしていたら熱中してしまい1時間くらい遅れてしまった。墓場戯太郎オーケストラは終わり2番目の倫敦水槽のラストにかろうじて間に合った。思ったよりお客さんが多いのに驚いた。まあ9バンドも出るからひとバンド5人呼べばそれだけで45人の動員なんだけど。倫敦水槽は女性vo,g,key+男性b,dsの5人組で以前UFO Clubで観た時にもなかなか面白いバンドだと気になっていた。ラスト・ナンバーは10分を超えるフリーキーなアシッド・ロックで一発目から濃厚な世界に溺れてしまった。



隣でやはりiPhoneを使って動画を撮影していた青年の画面が普通のと違っていたので尋ねてみたら「8ミリカメラ」というアプリを使用しているとのこと。親切にダウンロード方法まで教えてくれたのでその場でDLし、以降の動画はそのアプリで撮影してみた。色んな画像効果を使えるのでつい遊んでしまったがどうだろうか。

次はファンシーナムナム。観るのは3回目。ドラムレスの女性3人組で80年代に登場しテクノ/ハウスでもてはやされたリズムマシンの名機TR-808のリズムに乗せ、昭和歌謡/フォーク風メロディを無表情なヴォーカルとファズ・ギターが奏でるトランス度のかなり高いサウンド。彼女たちの世界にかなり中毒状態である。終演後話してみたらその60's風の怪しい雰囲気とは裏腹にとてもハキハキした娘さんだった。レトロな見かけよりずっと若い現代っ子のようだ。



次は香川から来たトリオ、モンドダイヤモンド。何の予備知識もなかったがデヴィッド・アレンやダモ鈴木を想わせるヒッピー的風貌のギタリストに惹かれ最前列へ。帽子を被せれば髭男爵そっくりのドラマー、長い絞り染めのドレスの女性ベーシスト。これはタダ者じゃない、という直感は外れていなかった。初っ端から轟音ファズ・ギターの渦巻くヘヴィ・サイケが爆発。所々に聴き覚えのあるガレージ・サイケやGSのリフやコーラスを交えた演奏は笑ってしまうほどカッコ良かった。途中で「大阪のFカップ・ダンサー」がゲストで登場、胸を揺らしてゴーゴーダンスで演奏を盛り上げる。1994年結成というからベテランの領域に入るバンドだが音源はサザナミ・レーベルのコンピに黛ジュンのカヴァーを1曲提供しただけだという。年に何度か東京でライヴをやっているが東京のお客は親切だし盛り上がるので面白いと言っていた。これから面白いのは東京や大阪以外の地方都市のバンドかもしれない。この日観た中では最大のインパクトだった。



次は小さいテレーズ。このバンドを観るのも3度目である。自ら「へなちょこサイケ」と形容するそのサウンドはやる気がないのか投げやりなのか骨抜きにされたジャックスみたいで個性的ではある。私は観るたびにヴォーカルをなんとかしたいと思うのだが彼らにとっては大きなお世話だろう。vo兼gのアガサ森田氏は他のバンドの時にも客席で熱心に観ていた。意外に勉強家なのかもしれない。



お目当てのシベールの日曜日。昨年秋オリジナル・メンバーが脱退しリーダーの坪内和夫氏は壊れかけのテープレコーダーズのオルガンのゆさ嬢をはじめ別メンバーで試行錯誤を重ねて、12月4日のライヴでgにオリジナル・メンバーが復帰、b,dsに愛のために死すというバンドのメンバーを加えた4人組新生シベールとして再スタートした。その日の演奏の録音を聴いたところファンキーなビートが印象に残ったので方向性が変わったかと予想していたが、この日の演奏は原点に戻ったようなドラマティックなサイケデリック・ロックで嬉しくなった。ラリーズの影響を隠そうとしない開き直った演奏は清々しくもあった。終演後坪内氏とラリーズBOXのことを話した。因みにこの日の私のiPodにはラリーズと灰野さんしか入っていなかった。



次はCLANDESTINE。この日の出演者の中では異色のモッズ・トリオで演奏は上手かったがこの日の変態音楽家達に囲まれると当たり前のJ-Rockに聴こえた。パワーポップ界ではかなり名を知られるバンドの様で7インチ・シングルをリリースしたばかり。



女の子達がステージ前に押し寄せる。ザ・シャロウズの登場である。21世紀GS/ガレージ・パンクの現在進行形として彼らは最高峰にいると言って間違いないだろう。堂々としたステージングと激しいビートに客席は盛り上がる。若さの暴走大いに結構。今年はメジャー進出も狙えるのではなかろうか。



最後にイベントの主催者である山口出身のWhite Moles。2ndアルバム「パレイド」がDisk Unionで強力プッシュされていたので試聴してみてイマイチだったので買わなかったが、一度ライヴは観てみたかった。男性vo/g、b、女性key、dsの4人組。捻くれたビートにポップなメロディ、暴れまくるファズ・ギターとオルガン。裏声ヴォーカルや妙な仮装(全員サングラスとかベーシストの女装とか)は生理的に受け付けないものがあるがユニークな存在であることは確か。



のべ6時間のマラソン・ライヴだったが皆スタイルが違って個性的なバンドばかりで、セット・チェンジもスムーズだったので飽きずに楽しめた。ただしタバコ嫌いの私には喫煙可のライヴはかなり苦痛だったが。

日本の
サイケの色は
極彩色

ローカル・アイドルやローカル・ヒーローの記事が新聞に載っていたが、今年はローカル・ロックにも注目しよう。
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山下洋輔プロデュース・ニューイヤー・ジャズ・コンサート@東京オペラシティ 2012.1.7 (sat)

2012年01月09日 01時00分33秒 | こんな音楽も聴くんです


山下洋輔さんが東京オペラシティでニューイヤー・コンサートを行うようになって10年余り、2009年からは”プロデュース”として茂木大輔、ブーニン、林英哲とジャズに拘らない音楽家をゲストに迎え彼らの新たな顔を紹介している。4回目にあたる今年は人気ヴァイオリニスト、アン・アキコ・マイヤース嬢をフィーチャーし「アン・アキコ・マイヤース~初夢ヴァイオリン」と銘打ったコンサートになった。実は洋輔さんはアン・アキコ嬢のお母さんと小学生の頃から家族ぐるみで親しくしていたそうだ。彼女がアメリカで結婚してからも音信は続き、ある日「娘がヴァイオリニストになりました」という手紙と共にカセットが送られてきた。それが12歳でズービン・メータ指揮ニューヨーク・フィルと共演したアン・アキコ・マイヤース嬢の音だった。その後15歳で初来日したアン・アキコ嬢はテレビCMに出演したり森繁久彌さんと共演したりして人気者になっていく。洋輔さんも陰ひなたに彼女の面倒を見て結婚式にはニューヨークまで出向いたという。そんな縁で今回のコンサートが実現した訳だ。

2部構成で第1部は洋輔さんとアン・アキコ嬢のソロと共演、第2部は本名徹次指揮東京フィルとの共演。まずは洋輔さんがソロ・ピアノで自作の「やわらぎ」を多少破天荒に演奏し、次にアン・アキコ嬢が「荒城の月」を艶やかに奏でる。そしてふたりの共演で洋輔さん作の「エコー・オブ・グレイ」。ドシャメシャ奏法はなりを潜めあくまでアン・アキコ嬢の伴奏に徹するプレイが印象的だった。

第2部は「サマータイム」「オータム・イン・ニューヨーク」そしてウィントン・マルサリス書き下ろしのカデンツァを含むモーツァルト「ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調 K216」の日本初演。完全なクラシック演奏で途中何度も意識を失いかけたが、アン・アキコ嬢の類い稀な音の際立ちに感動することしきり。

いつまでも鳴り止まぬ拍手に2曲アンコールで応える。コンサート終了後サイン会で笑顔を見せるアン・アキコ嬢はスレンダーな美人だった。男性なら洋輔さんじゃなくても目尻が下がるのは仕方がないだろう。新春に相応しいエレガントで豪華なコンサートだった。



エレガント
その一言で
おめでとう

個人的には昨年末の大友良英スペシャル・カルテットのようにドシャメシャ暴れまくる洋輔さんをもっと観たいところである。



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Clap Your Hands Say Yeah@渋谷O-East 2011.1.6 (fri)

2012年01月08日 00時50分15秒 | 素晴らしき変態音楽


ニューヨークのClap Your Hands Say Yeah(クラップ・ユア・ハンズ・セイ・ヤー/以下CYHSY)はカナダのGod Speed You! Black Emperor(ゴッド・スピード・ユー!ブラック・エンペラー/以下GSYBE)と並んで馬鹿げたバンド名だと思っていたが音は聴いたことはなかった。昨年のI'll Be Your Mirrorで観たGSYBEが日本の暴走族映画から取ったという名前に反してアンビエントかつドラマティックなオーケストラ・ロックを聴かせたのと同様、街角の落書きの「手拍子をしてイェーって言おう」という言葉をバンド名に冠したCYHSYは、イケイケのお祭りバンドだと思っていたが、実際は80'sアメリカン・インディ・ロック/UKロックを継承し飾り気のない素朴なサウンドを聴かせる実直なバンドだった。

3度目の来日になる今回の来日ツアーは地道にファンを増やしてきた彼らの真価を証明したと言えるだろう。会場は20代後半~30代のいかにも音楽好きそうな若者たちで満員。男女比は7:3くらい。写真や動画を見ればわかるように、メンバーにいわゆるイケメンはいない。少し頭髪が寂しい人も混じっているし。純粋に音楽の良さを打ち出し聴く者を魅了するという基本に忠実なスタイルである。gx2,key,b,dsを基本に、曲によってはキーボードがふたりになりエレクトロな要素を打ち出したり、アコギ+ハーモニカでフォーキーな味わいを出したり多彩で飽きさせない。反復するビートはまるでニューオーダーやザ・キュアーのよう。ヴォーカルのアレックの艶やかな歌声は時にモリッシー、時にデヴィッド・バーンなどを想起させるが、CYHSY独特の世界を拡張していくしなやかなパワーが漲っている。決して派手さはないがステージが進むにつれてバンド名通りの手拍子が沸き上がり客席は熱気に溢れてくる。



CYHSYの名古屋、大阪の日程は以下の通り:
1月8日(日)OPEN 17:00 / START 18:00 名古屋CLUB QUATTRO
1月10日(火)OPEN 18:00 / START 19:00 心斎橋 BIG CAT

ここ3年ほど新年初ライヴは灰野さんが続いたが、今年は現在進行形のアメリカン・ロックを実感できてとても楽しい一夜だった。2012年は洋楽ロックのライヴも積極的に観てみたいと思った。

新たなる
世界の扉
開いたよ

洋楽ライヴはチケット代が高いのが難だが、ひとバンドだけじっくり楽しんで9時前には帰れるところが嬉しい。ストイックな贅沢に浸ってしまった。

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祝!プリンセス・プリンセス再結成

2012年01月07日 00時20分44秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


1980~90年に活躍した女性5人組バンド「プリンセス・プリンセス」が約16年ぶりに再結成されることが5日、分かった。東日本大震災の復興支援のために、ボーカルの岸谷香(44)らオリジナルメンバー5人が今年限定で集結。3月のイベントライブに出演し、11月には自身のワンマンによるチャリティーライブを仙台と東京で行う。

「再結成してほしいバンド」のアンケートでは、常に上位にランクインする伝説のガールズバンド「プリンセス・プリンセス」が、被災者支援のために立ち上がった。

震災発生から数日後、メンバー間で「みんな大丈夫?」とメールで無事を確認し合った。数年ぶりに一斉メールで全員が連絡を取り合ったことで、復興支援のための再結成案が浮上。岸谷は「何もしないではいられないよねという話になりました。何ができるのか? どんな形でできるのか? 本当にできるのか? 何度も何度も話し合いました。でも、プリンセス・プリンセスは、『今』やらなくてはいけないのだという気持ちになったのです」と決定までの経緯を語った。メンバー間でも「絶対にないと思っていた」という再結成が実現した。

コンサートは11月3,4日に仙台サンプラザホール、同20,21,23,24日に東京・日本武道館の2か所6公演。仙台以外の東北全県でのライブも企画したが、地元の負担なども考慮し断念。東北では仙台だけで開催することとしたが、東京公演は義援金をより多く集められればと4日間と決定した。3月20日に幕張メッセで複数の歌手が出演するイベントにも出演を予定。新曲の発売は未定という。

1983年に結成したプリプリは、ガールズバンドの草分けとしてヒット曲を連発し、ミリオンセラーとなった「Diamonds(ダイアモンド)」「M」は今も根強い人気を誇る。1996年5月の解散後は岸谷(旧姓・奥居)が俳優・岸谷五朗と結婚し、ソロ歌手に。他のメンバーもソロ活動をしながら、ギターの中山加奈子(47)は作詞家、キーボードの今野登茂子(46)は作曲家、ベースの渡辺敦子(47)とドラムの富田京子(46)は音楽専門学校の講師として活躍している。

復興支援が目的のため再結成は今年限定。ファンからは継続を望む声も出そうだが、5人は「私たちとしては、ただひたすら、一生懸命やるのみです。だって、本当にできるのか正直、とても不安ですから…」と語っている。

◆プリンセス・プリンセス オーディションを経て1983年にバンド名「赤坂小町」として結成。86年に改名し、88年のアルバム「LET’S GET CRAZY」がヒット。89年の「Diamonds」がミリオンヒットとなり、カップリング曲「M」、以前に発売していた「世界でいちばん熱い夏」もヒット。ライブは13年間で160万人を動員。96年5月31日の日本武道館公演をもって解散した。
(YAHOO!ニュース)



彼らがプリプリとして本格的に活動開始した1986年は私が社会人になった年である。またザ・ブルーハーツがオリジナル・メンバーで活動開始したのも同じ年。正直言って当時はプリプリは殆んど聴かなかった。しかし改めて今聴いてみるとどの曲も聴き覚えのあるナンバーばかりで知らず知らず身体の中に刷り込まれていたようだ。ブルハが解散したのは95年、プリプリの解散はその翌年。イギリスではブリットポップ、アメリカではグランジが盛り上がった時代だった。日本のバンド・ブームのひと時代が終わった気がした。ブルハのヒロトとマーシーはハイロウズ~クロマニヨンズと留まることなくロッケンロール道を転がり続けてきたが、一旦歩みを止めたブリブリの5人が16年経った今どのようなステージを観せるのか興味深いのは私だけではないだろう。

プリプリが
拓いて来たよ
ギャルバン道

因みに私は中山加奈子押しでした。
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追悼、西海岸パンクの女王、ジェニファー・ミロ

2012年01月06日 00時27分56秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


70~80年代に活躍したサンフランシスコのパンク・バンド、ザ・ナンズ。バンドにて鍵盤奏者/ヴォーカリストとして活躍したジェニファー・ミロ(Jennifer "Miro" Anderson)嬢が12月16日、癌のためニューヨークで死去。享年54歳。

ザ・ナンズは1975年カリフォルニア州マリン・カウンティで結成。翌年からサンフランシスコの様々なヴェニューでライヴ活動を始め、その年の内にはサンフランシスコ・パンク・シーンを代表するバンドとなった。丁度ニューヨークでパティ・スミス、ラモーンズ、テレヴィジョン、ブロンディなどが注目を集めた頃で、彼らは南カルフォルニアのブラック・フラッグ(ヘンリー・ロリンズ参加)、ロサンゼルスのX(彼らのおかげで日本のXは海外ではX Japanを名乗ることになった)などと共に退廃とは無縁のアメリカ西海岸にパンクを根付かせた先駆者的存在だった。ザ・ナンズの看板娘がジェニファー嬢で、モデルとしても活躍する美貌故に”西海岸パンクの女王”として大きな人気を集めた。1978年1月にはサンフランシスコのウィンターランドでセックス・ピストルズのサポートを務める。この公演はピストルズのラスト・ライヴとして有名。しかしザ・ナンズも1979年のニューヨーク・ツアーをもって解散。1980年にシングルや未発表曲を集めたデビュー・アルバムがBOMPレコードからリリースされたのを皮切りにいくつかのレーベルからアンソロジー的アルバムが発売され、その時代を先取りしたサウンドが全米に知られるようになる。

ジェニファー・ミロはロサンゼルスでソロ活動をしていたが、再評価が高まったのをきっかけに1986年ザ・ナンズを再結成、精力的に活動するが成功を得られないまま1990年代前半に再び解散。その後ニューヨークへ移り1997年に再々結成。今回はゴシック・ロックの権化として一部のファンに熱狂的に迎えられる。ジェニファーはモデル業に加え映画業界にも進出し脚本家としても活動をしていた。

しかし昨年になって突然肝臓と肺の癌が見つかり入院。ジェニファーは積極的な抗癌治療を拒んだため発病から半年余りでホスピスで54年の生涯を閉じた。

余り広く知られていないバンドだがザ・ナンズがアメリカのパンク/インディーズ・シーンに与えた影響は大きい。謹んでジェニファー嬢の冥福を祈りたい。



パンク界
美人薄命
人は言う

私のハンドル・ネームは画家のミロから来ているのだが、同じ名を持つジェニファー嬢には奇妙な親近感が湧く。

PS)先日紹介した裸のラリーズの5CD-SETに関して、マスターテープとブックレットに不良が見つかったとの連絡。良品と交換するそうだ。おそらく私が指摘したライヴ盤の曲間の途切れがそれにあたるのだと思う。詳しくはモダーンミュージックのHPを参照のこと。

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