おぢのニセコ山暮らし

山暮らしと世間のあれこれを書き綴ります

倉本聰さん講演会

2013年12月10日 | Weblog

 

午前6時の気温はプラス1度とたいそう暖かでござる。

どうやら細かな雨が降っておる。

12月に雨ってねぇ。

きのうお近くの温泉「ゆころ」に行きましたけど、スキーシーズンも始まったばかりというのに、お客のほとんどは外国人でござった。

ご当地高級コンドミニアムなどなど、前のシーズンに比べ宿泊予約はすでに2割増しとか。

円安が進んでおりますゆえ、海外からのスキー、スノボ客が増えるのも無理からぬことかもしれません。

気に入って住んでる土地に、世界のあちこちから大勢の人々がやってくるというのはなんとも嬉しいものです。

雪がジャンジャン降れば降るだけ大勢やってきますけど、雨だもなぁ、、、

ところで、

おととい日曜日仁木町で、脚本家倉本聰さんの講演があるというので聴いてまいりました。

会場はさすがにチョー満員の大盛況でござった。

講演ではこんなエピソードを披露しておりました。

東京から富良野に移り住む以前ですが、ご当地からそう遠くない「積丹町美国の岬」に住むことも考えたそうなのです。

住もうと思った近くは水が出ないので止めたそうですが「もし住んでいたら、『北の海から』ができたかもしれない」とか申して、会場の笑いを誘っておりました。

「前略おふくろ様」「北の国から」といったTVの名作を世に送り出した脚本家、お客を飽きさせないコツはしっかり押さえておりまする。

そういえば、ずいぶん前ですが、やはり脚本家のジェームス三木さんの講演を聞いたことがあります。

脚本家になった当初は名前を覚えてもらえず、脚本に「ジュース三本」と書いてあったそうで、ホントかどうかかわりませんけど、この手の方々は笑いのツボは外しません。

「あまちゃん」で押しも押されもしない大脚本家となった宮藤官九郎さんの講演なんかあれば、聞いてみたいなぁ~

連載しておる週刊文春によれば「夜の街を歩くと、おまわりさんに必ず職務質問される」状態だったそうだけど、すっかり知らない人はいない有名人になって、そこらあたりからは脱したか

職質だってしたくなる風体(ごめんね)ゆえ、その後どうなっておるのか、聴いてみたいのです。

倉本さんのお話は、消費社会と都会への批判が中心でござった。

そして教育の重要性でもありました。

民主主義は「権利と義務」で成り立つわけですが、権利という車輪ばかりが大きくなり、義務というもう片方の車輪が小さくなり、まことにいびつなことになっておるとした。

こういう場合、いわゆる右寄りの方は、日教組こそ「権利ばかり主張する人間を育てた元凶」だといいます。

一方倉本さんは、権利ばかり主張するというのは「徳育」の欠如だとしておりました。

戦前のニッポンには、知育、体育、徳育があった。

そして、徳育が道徳観や倫理観を育てたけれど、戦後はこれがなくなったと嘆いておりました。

ついでながらこの講演の締めで倉本さんは、特定秘密保護法についてふれ「徳育のない人間が総理大臣になった」と申しておりました。

そういえば、きのうの記者会見で安倍総理は、特定秘密保護法について大ウソをこいておりました。

なんと「通常の生活が脅かされることは断じてあり得ない。今ある秘密の範囲が広がることはない。」とか申しておったです。

申し訳ないけど、そんなことはこの法律のどこにも書いておりませぬ。

安倍坊ちゃんがそう思っておったとしても、数年後には別の人が総理になる。

悪いけど、そりゃお坊ちゃんの単なる「自分の感想」に過ぎないってことでござる。

実際法律はだれあろう、官僚さまが運用するのです。

話は戻って、倉本さんの講演でござる。

「都市を滅ぼせ」という、もう絶版になった本があるそうです。

岐阜県の農民である中島正さんという方が書いた本だそうな。

これにはこうあるそうだ。

「そもそも都市はそれ自体、非自給的であり、非生産的である。都市が便利と贅沢と安逸を追求するためには、必ず浪費と破壊と汚染を重ねなければならず、それが人類と地球にとって恐るべき破局をもたらすこととなる。」

「都市は、非自給的、非生産的なるが故に、他からあらゆる物資を奪ってこなければ、その機能も活動も維持することができない。」

「そこで都市は、奪うことにおいて必ず他を窮地に陥れ、人類と地球に重大な障害を及ぼす。」

にもかかわらず、ニッポンは都市を中心に高度成長を続けてきた。

第一のゴールは「三種の神器」と呼ばれた「電気洗濯機、電気冷蔵庫、白黒テレビ」だった。

第二のゴールは3Cと呼ばれた「カー、クーラー、カラーテレビ」

次々ゴールが設定され「日本人はゴールのないマラソンを走らされるようになった」。

そして「ニッポンは世界に冠たるスポーツカーになった」

しかし「このスーパーカーには、ブレーキとバックギアという装置が付け忘れられていた」と倉本さんはいうのです。

ニッポン人は「止まることも、戻ることもできない、回遊魚になった」というのです。

「カツオとかマグロの回遊魚は、エラ呼吸ができないので、寝ていても泳いでいなきゃいけない、この状態に日本人はなった」というのです。

そして倉本さんは都会が怖くなり、北海道へ移住したという。

おぢのお仲間ももう定年し、再雇用で働く程度でござる。

ブレーキとバックギアを確認しながら、この先どう生きるか考えてみるのも悪くないかと思った講演なのでした。

 


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