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グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

利島からのお客様

2014年06月17日 | ツアー

利島在住のKさん夫妻が、ツアーをリクエストしてくれました。お2人の職業はイルカのガイドと、林業(椿)。

伊豆諸島の中で、大島から一番近い“利島”で、陸のガイドも視野においての来島のようです。 前日の夜、電話をいただいてから、情報交換ができるのを楽しみにしていました。

三原山を歩きはじめて最初に立ち止まったのは、ハチジョウイヌツゲの木のところでした。

大島では海岸から火口の側まで分布し、どこにでもたくさん生えているハチジョウイヌツゲですが、利島ではほとんど見かけないのだそうです。すぐ隣の島にイヌツゲがいないなんて、とっても不思議…。

「?」で頭の中がいっぱいの私にKさんは「利島は全ての土地が私有地で、自然のままの森が残っていないから、切られてしまったのかもしれません。」と教えてくれました。 「利島は約300年前から椿の植林を始め、約150年前から一生懸命に椿を作りはじめ、今では椿の森がほとんどを占めている」のだそうです。利島にはタネを食べる台湾リスがいないのだそうです。なるほど~。

イヌツゲ談義に花を咲かせる我々の頭上で、イヌツゲの小さな花が元気に咲いていました。

(かわいいです!)

ところで、利島は大島と同じように、粘りけがなく冷えると黒くなることが多い溶岩(玄武岩)を噴き出す火山ですが、島がいつ頃誕生したのかは良くわかっていないそうです。

最後に噴火をしたのは4000年前~8000年前(気象庁HPより) 地表は腐葉土に覆われ、溶岩が見えるところは少ないとのこと…。

「穴だらけの溶岩が積って山を作っている」という証拠を、見てもらいました。

きっと利島の地面の下も、こうなっていると思うのですが…。

しかし不思議なことに、何1000年も噴火をしていない利島にも川がなく、近年まで水の苦労があったそうです。大島は若い火山の島で、地表面が火山灰や溶岩で覆われ水はけが良いから川ができず、昔から水の苦労があったと聞いていましたが、利島はどうなのでしょう??(また謎が増えました)

近い将来、形が変わるであろう火口で記念撮影。

1つ残念だったのは、遠くが霞んでいて「海に浮かぶ利島」の姿を、三原山から見下ろしてもらえなかったこと。

普段は、お2人が眺めている方向に利島が浮かんでいるんですよ~。

さて、この後は昨日も、西側斜面をおりました。

数日晴れが続き、火口の噴気もほとんど目立たず、先日見つけた緑色の“抹茶ロールケーキ”と“抹茶まんじゅう”もこのとおり…

砂糖をまぶしたように白っぽく変化していました。(要するに乾燥してた)

でも、不思議なことに“幻の湖”には、まだ水がタップリ残っていました。

この水の残り具合はなんとも変な感じです。地表は乾いても、地下には水がタップリあって染みにくくなっている…ということでしょうか?(あ、でも噴気は地表面だけの蒸発ではないですよねぇ…?)

風が作り出す水面の小さな波は…

水が引いても、そのまま地面に刻まれます。

「押すとそのまま地面が凹みますよ。面白い!」とKさん。

ホントだ!

下に空気の層があるみたいで、全体が沈みます。 地面の下は、いったいどうなっているのでしょう?

しばらく“模様のついた凹む地面”で遊んだ後、湖畔(?)の散歩。

立派な湖に見えますよね? もう「水溜り」なんて呼ばせません(笑)。

この後、妙に派手な緑色のカメムシや…

葉の上に散った白い花びらのような,エダシャクの仲間。

すっかり花びらになりきっているので、近づいても逃げません。)

極小サイズのカタツムリも発見!

…と、いうように、小さな生き物を観察して歩きました。

そういえば、イルカ繋がりの御蔵島には、体が黒いカタツムリが多いとか…ううむ…近いのになぜ違う?伊豆諸島の違いと共通点を調べたら、もしかしたらガラパゴス諸島に負けず劣らず、面白いのではないでしょうか!?

ツアーの終わりにお2人は、コース始まりにあるお土産屋さんで、椿のタネの根付けを購入してくれました。

利島で椿の森の管理をしているKさんが、大島の椿のタネのお土産を買ってくれる…。ナニカがつながったような気がして嬉しかったです。

Kさん、大島を訪ねてくれて、ありがとうございました。 私もいつかきっと、利島に行きますね~。

(カナ)

 

コメント
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