グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

Mine秋吉台との意見交換会

2015年06月07日 | 火山・ジオパーク
5月の末にMine秋吉台ジオパーク推進協議会の方達が伊豆大島に来島した際、伊豆大島のジオパーク推進委員会&ジオパーク研究会メンバーと情報交換会を行いました。

前日に会場をとってメーリングリストで広報・・・という、かなり急な集まりでしたが(^_^; 大島からは8名が参加して2時間たっぷり話しあいました。

前半は「Mine秋吉台とはどのような場所か?」を、説明してもらいました。

「3億5,000万年前に南の暖かい海に生息していたサンゴが石灰岩となり、約1億年もの長い年月をかけて、海洋プレートの上に乗ってゆっくり移動し、陸地まで運ばれてきた場所が秋吉台。日本最大級のカルスト台地で453の鍾乳洞見つかり、今も数が増え続けている。下の方に古い化石が入っているので3億年前から2億5000年前の環境がわかる(海水準や生物など)。2月に1000人のボランティアで山焼きをして草原を保っている。石灰岩は国会議事堂や新宿ビックロ、弥生時代のお墓、美祢の石畳や石垣などに使われている身近な石」

・・・と、ここまでの説明だけでもわかりやすかったのですが、さらに出前授業等の時に使っているというアニメを見せてもらったら、これがものすご~くわかりやすくて、一気に石灰岩が身近になりました。(アニメは以下のページで見ることができます。たった8分で秋吉台がよくわかります。お勧め!http://mine-geo.com/georaku/

続いてジオパーク的活動の数々は・・・
「採石業者さんとの協力や小学校への出前講座。ふるさと学習でこどもジオガイドが観光客に説明したり『研究チャレンジ助成事業』で研究を支援した結果、洞窟が中でつながっているのが発見された。秋吉台科学博物館にはジオパークコーナーを作り、各地域のパンフレットなどを置いている。ジオ紙芝居や、女性の集い大会での講演などを含め、地域住民76回2500人に出前講座。サロンで集まったおじいさん、おばあさんの話から新たなジオサイトが見つかることもある。」とのこと。

美祢市は人口約26000人とのことなので、およそ10%の人がジオパークの話を聞いていることになります。「スゴイなぁ」と思うのですが、お2人は「地域に周知できていないのが課題」と言います。そのためジオを楽しみながら伝える活動を展開中とのこと。

たとえば、FMラジオで「ジオパークステップ」という番組を持ち、毎週5分間ジオパークを語ったり、創作落語でジオパークを紹介したり・・・(落語の講演会には500人が集まったとのこと)学術連携の推進を目的に山口大学との連携を強化し、最新の研究成果を市民に聞いてもらう機会も設けているとのこと。

最近少しずつジオが浸透し、若者ガイドが出てきたそう。手作りパンの店でのジオカフェや、お寺の住職さんのジオガイド・・・などが進行中のようです。

また月1回ジオパーク通信(正式名称は忘れました)を全戸配布し、それが活動報告の場であり、募集案内にもなっているとのこと。

Mine秋吉台ジオパーク推進協議会には専従職員が4名いるそうです。(伊豆大島には現在、専従は1人もいません)
現市長は町作りにジオパークがあっているという方針で、ジオパークを推進中とのことでした。

ところで『Mine』には『私のもの』という意味と『炭鉱』『資源・宝庫』などの意味があるそう・・・

ポロシャツの文字には「鉱山で栄えてきた私たちの町、資源の宝庫」という思いが込められているようで、役場職員もこのポロシャツを着て仕事をしているとのこと。(この話を聞いて、美祢市役所に行きたくなりました~)

さて後半の40分ぐらいでMineから伊豆大島に質問がありました。
「ジオパークに入ったきっかけ。どこが面白いのか。やっている中で大変なところは何か?」という質問に対し、みんなの回答は次の通り・・・

「移住して10年、活動に関わることで勉強になるかなと思って始めた。始まった時から気になっていた」
「島生まれだが、観光の仕事をしていた時、的確な説明できなかったので勉強したいと思って参加した」
「自分のため足元知ることが大事だと思っている。ボランティアガイド、ネイチャーガイドを経て、ジオパークに出会う。説明はもとから同じ。楽しんでいる」
「役場職員。以前はジオパークが見えなかったが担当になってわかった。観光地で地盤があったと思う。自然を愛する人、語れる人、ふれあい観光ガイド、ネイチャーガイド、ウォーキングクラブ、すばらしいガイドが多くいた」
「ボランティアガイドから入って20年目」
「郷土大島を愛する子どもの育成が仕事。東京からきた若い先生や子ども達とジオとのパイプ役かなと思っている」
「校長で、ジオパークの教育の組織に組み込まれたので関わるようになった。防災も単発でやっていくだけでは、それで終わってしまう。ジオを使ってこういうことで子どもが育ちますよ、ということで教育委員会として提案していくことが大切。大島が活気づくのにジオという方法が良いなと思っている。(ジオはわかりにくいと言う人には)ジオは地元大島だよといってあげれば」

ジオの素材も今後の課題もそれぞれに違うMine秋吉台と伊豆大島ですが、2時間の情報交換で互いに何かを学び合えたような気がしました。何よりも、全国に頑張っている仲間がいると思うと嬉しいです。

Yさん、Oさん、お疲れ様でした!

私もいつか、Mine秋吉台を訪ねて、3億5000年前に誕生した石の前でジャンプしたいです~。


(カナ)
コメント
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