グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

第9回ジオガイド講習「ジオパークで伝えたい地球の成り立ちとしくみ」

2016年03月04日 | 火山・ジオパーク
すっかり報告が遅くなりましたが、2月27日(土)に表題の講座が開催されました。

講師は元日本ジオパーク委員会事務局の渡辺真人さん。

参加者は41名でした。

実は、昨年夏の地質標本館の特別展「ジオパークで見る日本の地質」がとてもわかりやすくて、私の周囲でも「これは面白い!」と一時ブームとなりました。

今回の講習は、その特別展のポスターを更にわかりやすくした内容でした。


伊豆大島は5万年ぐらい前に、海底からの噴火で誕生した“若い火山のジオパーク”ですが、日本には数億年前のできごとを想像できるジオパークが、いくつもあります。

プレートが動いて海底の砂や泥が大陸にくっついたり…


ギュウギュウ押されて山ができたり、山がくずれて土砂が川に運ばれたり、

地球が冷えたり(氷河期)暖かくなったりすることで海面の水位が変わって、地上に階段状の平らな土地が現れたり…


地下の岩が溶けてマグマになって噴火をして、新しい土地を作ったかと思えば…

それが海に削られて残骸となり、奇妙な形の岩となって残ったり…。

地球は常に動き、変化を続ける「生命体」で、その上で私たちは暮らしています。
そのことを、実感できるのがジオパークなのだと思います。

渡辺さんは地球の動きを表した図を所々に入れながら「ここのジオパークでは、この動きが見られます」ということを、本当にわかりやすく教えてくれました。

とてもとても面白かったです。

「ジオパークに来た人に何を伝える?」

「直接地球を語らなくても良いけれど、心の片隅に地球を意識するだけで、きっと語りが変わるはず」と渡辺さん。(同感です)

「地層や岩石には地球の記憶がある」

地球が氷で覆われたことも、隕石がぶつかって巨大津波が起こり、環境が激変して恐竜が絶滅したことも、地層を見ただけ想像できたら…ワクワクが止まらなくなりそうですよね。

「地層はずっと観察し続けてくれている」

確かに!

「ジオパークは暮らしに直結する」

自分たちの住む場所を知ることでより良い暮らし方を考えることができる…私もそう思います。

講習終わりのメッセージ。


渡辺さんが日本ジオパークの要として活動を続けて来られたのは「ジオの面白さをより多くの人に伝えたい」という思いと共に「ジオパークで世界を変えられる」と思って本気で取り組んでいる人々との出会いがあったから…のようです。

本気で「伝えよう」とする人の思いは伝わると、いつも思います。

渡辺さんの、体を使った表現からも“本気”が伝わってきました。

講習に参加した人達からは「地球に興味を持った」「すごく面白かった」「他のジオパークに行ってみたくなった」という感想が、いっぱい聞かれました。

昨年の全国大会ガイド分科会で、皆で作った「私たちの目指すガイド像」の中の「自分のジオパークだけでなく地球全体を伝える」という目標に、皆でちょっぴり近づけたように感じました。(渡辺さん、ありがとうございました!)

ちなみに、今回の講演内容が網羅されているポスターは、以下のページの「こちら」の文字ををクリックするとダウンロードできます。
https://www.gsj.jp/researches/openfile/openfile2015/openfile0622.html
地球の仕組みに「へ~!」っと思いたい方は、ぜひご覧ください。

引用は可ですが複製・配布は許可が必要のようです。
「利用上の注意」が同ページにあるので、ご参照ください。

(カナ)
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