昨日、洞爺湖有珠山ジオパークで、3箇所のフィールドを歩くガイド実践講座(地元ガイドさんによる案内)、私の講演、夜の交流会の3部構成でガイドさんのスキルアップ講習が行われました。
最初のフィールド講習は金比羅火口災害遺構散策路へ。
ガイドは、日頃ガイドを養成する側の横山先生です。
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「今日のテーマは『何か変!』です。見慣れると全ての景色が当たり前になりますが『何か変』なポイントをさがしたいと思います。」と参加者を惹きつける語りでツアーが始まりました。
あたりを見渡して、みんなで考えます。
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「土手がある」と誰かが言いました。
この後「土手の向こうの景色を見てみよう→土手は泥流のための堰堤である→その中に家が建っている→人が住んでいない家である」という展開で話が進んでいきました。
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「堤防の中にはかつて町があった。被災した建物を残すかどうかは議論があったが、有珠は繰り返し噴火する。災害を忘れないため、住民や研究者が行政に陳情し残すことになった。」とのこと。
他にも上流から流されてきた橋や…
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泥流に埋もれた公営浴場を見学。
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「砂防施設の中に建物があるのは、世界でもここだけ」と、三松さん(三松正夫記念館館長)が教えてくれました。
きっとたくさんの人の苦労があって「現物を残す」ことができたのだろうと、伊豆大島で土砂災害を経験したがゆえに実感します。
「火山と共に生きる」という地域全体の意志が感じられるような気がしました。
「ある角度から見るとスゴさがわかるんです。この角度から見てください。」と横山先生。
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泥流に流された橋がぶつかって壊れた建物と、更に下流に流された橋が一直線に並んでいます。こういう物の見方を教えてもらえるのは、ガイドツアーならでは、だと思います。
5階の部屋の天井に、噴石でできた穴が開いているのも教えてもらいました。
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噴石は100を超えたのだそうです!
講座には、このアパートの4階で暮らしていた女性も参加されていました。
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現在火山マイスターとして、この地域を案内しているとのこと。
被災した人が自分の体験を通して語っている…このこともスゴいと思いました。
「有珠の特徴は、人工物が自然の仕組みを教えてくれるところです」と横山先生。
素敵な表現だなぁ~と思いました。
ところで、ここでの一番多い質問は「なんでこんなに火口に近い場所に住んでいるのか?」だそうです。たぶんこれ、ここを訪ねたほとんどの人の心にうかぶ疑問でしょう。
横山先生は「日頃は美味しい食べ物、温泉、美しい景色という恵みを受けている」と語られていました。
2箇所目は 昭和新山園地。
ガイドは有珠山ロープウェイのGさんでした。
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Gさんもクイズを織り交ぜながら、地下のマグマが動いてきて昭和新山を作ったことなどを教えてくれました。
今のように火山観測が進んでいない時代に、台に顎を乗せ同じ位置から絵を描いて昭和新山の成長を記録し続けた三松正夫さんの像の前で…
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その活動や人柄を紹介。
「これ一番好きな写真なんです」とご自身の気持ちも込めて、写真資料を見せてくれました。
こういうガイドさんの『思い』がわかるような解説って、親しみがわいていいなぁと思います。
その後、特別な許可をもらって昭和新山の中腹まで登りました。
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現在噴気の匂いはなく、この日の地温は60度ぐらいでした。
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2000年噴火で地域の人の命を救った火山学者の岡田先生も登場。
色々教えていただきました。
地層には、丸い石が積もっていました。
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私は火砕流で流れて来たのかと思ったのですが、実はこれ、川原の石なのだそうです。
昭和新山が今より300m低い位置で畑だった頃の川原の石が残っているとのこと(ビックリ!)
モクモク白い煙を吐き出す赤い山は迫力満点ですが…
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実は、だんだんくずれてきているとのこと。
足元に転がってきた石からも、ここが畑だった頃の証拠が見つかるようです。
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左は溶岩で、右は畑の土(大元は火山灰)が焼かれて煉瓦になったものなのだそう。
「へ~!」がいっぱいで、あっという間に時間が経ちました。
お昼は有珠山ロープウェイの食堂、その名も「噴火亭」で、地元素材にこだわった特製ランチをいただきました。
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(有珠山ロープウェイで働くジオガイドさん(火山マイスター)のIさんが、にこやかに迎えてくれました!)
3カ所目はロープウェイで火口原展望台へ。
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平らだった畑の中にマグマが盛り上がってできた山や、過去の大きな噴火でできた湖を一望できます。人の暮らしと活発な火山が本当に身近なんだなぁと思いながら、風景に見とれていました。
ここでのガイドは登山家のIさん。
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ゴツゴツした山の上に実際に登るとどうなっているかを写真で紹介してくれたり…
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今は火山灰で覆われている銀沼火口の風景が…
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噴火前はどうだったのかを、自作の絵で再現して見せてくれました。
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この地域らしい動物も描かれていて楽しい絵でした!
時々アラレが降ったり青空が広がったりと、めまぐるしく変わる天気でしたが、それがまた面白かったです。
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雲が切れたときに現れる絶景…惚れ惚れ~。
私の講演会会場の「道の駅そうべつ情報館」には私の来島に合わせて、岡田先生が作ってくれたというポスターが展示されていて、そのことも、とても嬉しかったです。
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こうして皆さんの熱いもてなしを受け、洞爺湖有珠山ジオパークのジオと人の魅力に大充実の時間を過ごしました。
ところで…実は私、フィールド講習には「何か気づいたことをアドバイスをする」という役目で参加していました。
でもガイド役の皆さんはそれぞれ「見せ方」の工夫もされてたし、わからない難しい言葉も使われていなかったし、私自身が楽しかったので「ここをこうした方が良いのでは?」というアドバイスが、なかなか思いつきませんでした(^_^;
何か宿題を残してきたようで気になって、「私ならあの場所で、どうガイドをするかなぁ」とずっと考えていました。
…どうだろ?
自分で歩きこんで、その場所を学んで、感じるための知識を身につけないとガイドはできないので、本当のところはわかりません。
でも、もしかしたら…もっと「自分の気持ち」を表していたかもしれません。
きっと、ロープウェイから風景を見下ろすたびに、そして下から火山を見上げる度に「地球ってスゴいなぁ」と感動せずにはいられないので、それをつぶやいているような気がします。
噴火を体験した人の生の声をどこかで伝えているかもしれないし、お客様の感性に感心しつつ、小さな発見を一緒に楽しんでいるかもしれません。
ってことで、全然アドバイスになっていなくてスミマセン(^_^;
洞爺湖有珠山ジオパーク、人もジオも本当に魅力的でした。
皆様、ありがとうございました&これからもよろしくお願いいたします!
(カナ)
最初のフィールド講習は金比羅火口災害遺構散策路へ。
ガイドは、日頃ガイドを養成する側の横山先生です。
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「今日のテーマは『何か変!』です。見慣れると全ての景色が当たり前になりますが『何か変』なポイントをさがしたいと思います。」と参加者を惹きつける語りでツアーが始まりました。
あたりを見渡して、みんなで考えます。
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「土手がある」と誰かが言いました。
この後「土手の向こうの景色を見てみよう→土手は泥流のための堰堤である→その中に家が建っている→人が住んでいない家である」という展開で話が進んでいきました。
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「堤防の中にはかつて町があった。被災した建物を残すかどうかは議論があったが、有珠は繰り返し噴火する。災害を忘れないため、住民や研究者が行政に陳情し残すことになった。」とのこと。
他にも上流から流されてきた橋や…
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泥流に埋もれた公営浴場を見学。
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「砂防施設の中に建物があるのは、世界でもここだけ」と、三松さん(三松正夫記念館館長)が教えてくれました。
きっとたくさんの人の苦労があって「現物を残す」ことができたのだろうと、伊豆大島で土砂災害を経験したがゆえに実感します。
「火山と共に生きる」という地域全体の意志が感じられるような気がしました。
「ある角度から見るとスゴさがわかるんです。この角度から見てください。」と横山先生。
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泥流に流された橋がぶつかって壊れた建物と、更に下流に流された橋が一直線に並んでいます。こういう物の見方を教えてもらえるのは、ガイドツアーならでは、だと思います。
5階の部屋の天井に、噴石でできた穴が開いているのも教えてもらいました。
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噴石は100を超えたのだそうです!
講座には、このアパートの4階で暮らしていた女性も参加されていました。
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現在火山マイスターとして、この地域を案内しているとのこと。
被災した人が自分の体験を通して語っている…このこともスゴいと思いました。
「有珠の特徴は、人工物が自然の仕組みを教えてくれるところです」と横山先生。
素敵な表現だなぁ~と思いました。
ところで、ここでの一番多い質問は「なんでこんなに火口に近い場所に住んでいるのか?」だそうです。たぶんこれ、ここを訪ねたほとんどの人の心にうかぶ疑問でしょう。
横山先生は「日頃は美味しい食べ物、温泉、美しい景色という恵みを受けている」と語られていました。
2箇所目は 昭和新山園地。
ガイドは有珠山ロープウェイのGさんでした。
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Gさんもクイズを織り交ぜながら、地下のマグマが動いてきて昭和新山を作ったことなどを教えてくれました。
今のように火山観測が進んでいない時代に、台に顎を乗せ同じ位置から絵を描いて昭和新山の成長を記録し続けた三松正夫さんの像の前で…
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その活動や人柄を紹介。
「これ一番好きな写真なんです」とご自身の気持ちも込めて、写真資料を見せてくれました。
こういうガイドさんの『思い』がわかるような解説って、親しみがわいていいなぁと思います。
その後、特別な許可をもらって昭和新山の中腹まで登りました。
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現在噴気の匂いはなく、この日の地温は60度ぐらいでした。
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2000年噴火で地域の人の命を救った火山学者の岡田先生も登場。
色々教えていただきました。
地層には、丸い石が積もっていました。
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私は火砕流で流れて来たのかと思ったのですが、実はこれ、川原の石なのだそうです。
昭和新山が今より300m低い位置で畑だった頃の川原の石が残っているとのこと(ビックリ!)
モクモク白い煙を吐き出す赤い山は迫力満点ですが…
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実は、だんだんくずれてきているとのこと。
足元に転がってきた石からも、ここが畑だった頃の証拠が見つかるようです。
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左は溶岩で、右は畑の土(大元は火山灰)が焼かれて煉瓦になったものなのだそう。
「へ~!」がいっぱいで、あっという間に時間が経ちました。
お昼は有珠山ロープウェイの食堂、その名も「噴火亭」で、地元素材にこだわった特製ランチをいただきました。
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(有珠山ロープウェイで働くジオガイドさん(火山マイスター)のIさんが、にこやかに迎えてくれました!)
3カ所目はロープウェイで火口原展望台へ。
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平らだった畑の中にマグマが盛り上がってできた山や、過去の大きな噴火でできた湖を一望できます。人の暮らしと活発な火山が本当に身近なんだなぁと思いながら、風景に見とれていました。
ここでのガイドは登山家のIさん。
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ゴツゴツした山の上に実際に登るとどうなっているかを写真で紹介してくれたり…
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今は火山灰で覆われている銀沼火口の風景が…
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時々アラレが降ったり青空が広がったりと、めまぐるしく変わる天気でしたが、それがまた面白かったです。
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雲が切れたときに現れる絶景…惚れ惚れ~。
私の講演会会場の「道の駅そうべつ情報館」には私の来島に合わせて、岡田先生が作ってくれたというポスターが展示されていて、そのことも、とても嬉しかったです。
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こうして皆さんの熱いもてなしを受け、洞爺湖有珠山ジオパークのジオと人の魅力に大充実の時間を過ごしました。
ところで…実は私、フィールド講習には「何か気づいたことをアドバイスをする」という役目で参加していました。
でもガイド役の皆さんはそれぞれ「見せ方」の工夫もされてたし、わからない難しい言葉も使われていなかったし、私自身が楽しかったので「ここをこうした方が良いのでは?」というアドバイスが、なかなか思いつきませんでした(^_^;
何か宿題を残してきたようで気になって、「私ならあの場所で、どうガイドをするかなぁ」とずっと考えていました。
…どうだろ?
自分で歩きこんで、その場所を学んで、感じるための知識を身につけないとガイドはできないので、本当のところはわかりません。
でも、もしかしたら…もっと「自分の気持ち」を表していたかもしれません。
きっと、ロープウェイから風景を見下ろすたびに、そして下から火山を見上げる度に「地球ってスゴいなぁ」と感動せずにはいられないので、それをつぶやいているような気がします。
噴火を体験した人の生の声をどこかで伝えているかもしれないし、お客様の感性に感心しつつ、小さな発見を一緒に楽しんでいるかもしれません。
ってことで、全然アドバイスになっていなくてスミマセン(^_^;
洞爺湖有珠山ジオパーク、人もジオも本当に魅力的でした。
皆様、ありがとうございました&これからもよろしくお願いいたします!
(カナ)