グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

初めまして&ジオの恵みをいただきます!

2016年10月07日 | 火山・ジオパーク
みなさんはじめまして。 新しくグローバルの陸のガイドスタッフになりました、山村愛です。 大島のパワフルな大自然、豊かな恵み、文化に魅せられ移住して6年。
今年伊豆大島ジオパークの公式ジオガイドとなりました。現在火山が作る地形・植生のおもしろさに夢中。
主に三原山のガイドを担当します。どうぞよろしくお願いします!

さて、今大島は今ヤブツバキの実があちこちで熟し、実拾いも佳境を迎えています。
冬にこんな素敵な花を咲かせるヤブツバキは、縄文時代の遺跡からも出土するほど古くから大島に自生しています。

火山特有の酸性土壌にも強く、風の強い島で防風林としても活躍し、そしてなにより髪にも肌にも塗って良し、食べて良しの椿油を生み出してくれます。
大島には約300万本のヤブツバキが自生しているそうですよ。不作の年と豊作の年をあえて作ることで、動物に食べつくされないで済む、という戦略だそうです。
今年は当たり年!もちろん人間も到底とりつくせないほどいっぱい成っています。こんな風に殻がはぜて、中の実がでてきます。  これを天日で乾かして、製油所に持っていきました 普段は製油所さんの取り分を引いた量の油と引き替えてもらって帰るのですが、どのように油にするのか知りたくて、今回工場見学をお願いしました。 まず手作業で選別します。この作業がとても重要なのだそう。油の質が決まります


あまりに大きくて全体像がわかりにくいのですが、椿の実を砕く機械です。ベルトがすごい勢いで回ってます



出てきた!


こちらの製油所は、伝統的な玉締め絞り製法という方法で精油します。
まず砕かれた実を蒸します。蒸気はかなり熱いですが、実には40~50℃くらいしかかかっていないそうです。
元々椿油は熱に強いので、成分もほとんど変わらないとのこと。


別の容器に移して、木の棒で平らにならします。



この棒が、黒光りならぬ赤光りしていてかっこいい!もちろん椿の木だそう。
アボリジニの楽器ディジュリドゥーみたい


絞る機械にセット。石臼がぶら下がっていて、そこに押しつけるように土台があがっていくような仕組みになっています


ぐぐぐぐぐ


でた~~~~~!!出た瞬間、ナッツのようなとってもいい香りがします。


黄金の川。ちょっと失敬してオイルを触ってみたけど全然熱くありませんでした


その後遠心分離機で水と油を分けた後、ボトリング。

このような製品になります


実の状態の約1/3の重さの分がオイルになります。
ちなみに残りの搾りかすはよい肥料になるそう。捨てるとこなし!

絞ってもらったオイルを持って帰り、贅沢にも100%椿油の天ぷらをしました。
盛りつけがアレですが(^^ゞ、軽くサクサクで本当においしかったです!真ん中は明日葉。


椿油はオレイン酸の含有率がオイルの中で一番人間の皮脂に近いそうです。
みるみる染み込む~ 残りはマッサージオイルとして使おう。
豊かな島の、ジオの恵みにひたすら感謝の1日でした。 (あい)

コメント (2)
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