グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

ふるさと体験館

2016年12月06日 | 火山・ジオパーク
昨日のブログでM工業の皆さんのツアー2日目を嶋田が報告しましたが、「伊豆大島ふるさと体験館」で、島のさまざまな郷土文化に触れていただきました。
今までも三原山ツアーの前後に、お客様がここでの体験をされるパターンは時々ありましたが、全部のメニューが同時に行われるのを見たのは初めて。
いずれも、火山島の伊豆大島ならではのアクティビティばかりです。今日は、改めて詳しく紹介します。

伊豆大島ふるさと体験館では、椿油絞り、染め物、陶芸、御神火太鼓の4つが体験できます。


体験メニューその1 椿油絞り体験
大島に昔から自生し、島の暮らしに無くてはならない存在の椿を、砕いて、蒸して、油を搾る体験です。

砕くのに少々力がいりますが、絞りたての油はいい匂いだし、それを使って火を燃やしたり、油を使って炒め物をしてお茶と共に食したり、お土産に搾った油を持ち帰れるのは、売っているのを買うのとは違う楽しみがあります(^_^)

昨日の成果! 16名の皆さんの労働のたまものです。

(使った椿のタネの量を聞き忘れました(^_^;)

ゆっくり時間をかけて成長する椿の木は、堅くて良い炭ができるし、杖にしても丈夫。
葉が厚いので防風林になるし、タネはこうして灯りになり…

食用になり化粧品になり、油の絞りかすは畑の肥料になり…そして花の少ない冬に華やかに咲く赤い花は、観光の目玉にもなり…と、椿は伊豆大島の暮らしの中で本当に欠かせない植物なのです。

ここでの体験メニューでは、作った椿油で明日葉を炒め…


アシタバ茶と一緒に食べることができます。


体験メニューその2 染物体験
染めの原料は、またまた登場の『椿』の花びらと、こちらも火山島大島ならではの『オオバヤシャブシ』の実や枝です。

椿の花びらは、染めた直後はカワイイピンクですが、時間がたつと、ややオレンジがかった優しい色に変わります。


噴火後の荒れ地に早い時期に芽生える、たくましいオオバヤシャブシは、変色しにくく
銅を溶かした液に浸すと黄色っぽく、鉄だと写真のようにグレーになります。


原料を煮出して液につける時間、量、布地その他の条件により、様々な色に仕上がります。

今回は3分の1ぐらいの方が「渋いのが良い!」と、ヤシャブシを選ばれていました。

素敵なスカーフが仕上がっていました(^_^)


プレゼント用にピンクに染めている男性も…
世界にただ1つのお土産…きっと喜ばれますよね!(^_^)

体験メニューその3 陶芸体験
「粘土には三原山の溶岩が練りこんであり、焼き上げる時に使用する釉薬(ゆうやく)には、大島の代表的な花「椿」の花や幹の灰が使われている」とのこと。
伊豆大島にはこのように、島の素材を活かして作品を作る陶芸家が数人住んでいて、陶芸を習っている人がたくさんいます。

やさしいクリーム色に仕上がるはずの器。

二度の釜入れの後、完成したら送ってくれます。
焼き上がりが楽しみですね。

体験メニューその4 御神火太鼓
演奏の音が噴火を表現しているという郷土芸能。
その意図通り、御神火太鼓の演奏は大迫力で、いつも聞き惚れます。
「大島御神火太鼓保存会」がその業を伝承しています。

私もいつか習いたいと思っているのですが、なかなか時間がとれず思い切れません。
ふるさと体験館の菊池さんからは、「ぼけ防止になるから、始めた方が良いよ」と勧められているのですが(^_^;

M工業の皆さんで、この体験を選んだグループが一番ハードだったと思います。


お茶も飲まずに1時間ずっと練習し、最後に全員の前で練習成果を披露するというスゴイ展開になっていました(^_^) 


皆さん1時間の練習しかしていないとは思えないほど演奏は迫力があり、聞いている同僚も大いに盛り上がっていました。


頑張って御神火太鼓を演奏された皆さんが、太鼓の前で記念写真

「発表の場を用意する」という計らいは、菊地さんのアイデアによるものだったようです。

最後に郷土資料館のスタッフの皆さんが揃って挨拶されていました。

火山の島、伊豆大島の郷土文化を体験できる「伊豆大島ふるさと体験館」
大島にいらっしゃる機会には、どれかのメニューを体験されてみてはいかがでしょうか?
(カナ)
コメント
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