グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

噴火30周年シンポジウム

2016年12月20日 | 火山・ジオパーク
1986年伊豆大島噴火30周年シンポジウムが週末2日間にわたって開催されました。


プログラムは以下のとおり。


1日目は残念ながら仕事で参加できませんでしたが、2日目の9時過ぎから参加しました。


「30年前の噴火ー何がおきたのか」

噴火当時大学生で、伊豆大島に調査で来島していた川邊先生の講演です。

噴火の様子がどのように変化していったか、何を感じ、どんなことをしていたか…
30年も前のこととは思えないような生き生きした話に聞き入りました。

臨時の観測機器を設置するのが大変だったこととか、
頭上を座布団のような大きな岩が、一回だけ飛んで行ったこととか…。

「組成をすぐに分析できれば噴火の今後を予想できるかもしれない」等の
未来に希望が持てる話も面白かったです。

そして…

「マニュアルがあるだけでは火山防災はうまく機能しない。何よりも島民1人1人が伊豆大島を、火山を知っておくことが大切」
 …これですよね!

続いて「火山防災に関わる取り組み発表」の中で大島町防災対策室の高橋さんが、30年前の噴火の時の伊豆大島と、現状との違いを、まとめくれました。

ううむ…(^_^;

火山避難における課題と対策。

高橋さんは「生きている火山の島で生活している。噴火を学び、意識する、シュミレーションすることが大切」と語っていました。

次に「ジオパークの取り組み」をジオパーク推進委員会の臼井さんがまとめて発表しました。

「自分の体験のみからだと想定外のことも、過去に起こっていることもある。地球科学的なスケールで学ぶことが大切。」ということのほか…

「良く見ていけば、災害を克服して生きてきた先人の知恵が、暮らしの中にいっぱい含まれている」
「災害時には人と人との繋がりが大事」
「通常、人は経験を経て物事に上手に対処する方法を身につけていくが、災害は何度も経験するものではない(できれば一回も経験したくない)。だからこそ、このような機会に意識的に「知ること、一度でも考えてみること」が大切」
「大島には、地球で何が起こるかということが見ただけでわかる風景にあふれている、これは素晴らしいことである」
「ジオガイドが平時には地域の防災リーダーとして防災について語り、発災時には率先避難者になる」
「ジオパークの活動を通して、これらのことを知ることができる/これらのことが実現する」

…などなど、「同感!」がいっぱいのメッセージが詰まっていました(^_^)

今までのジオパークの活動の一部(ほんの一部です)を紹介していました。
教育や…


災害後の取り組みなど…

今まで色々なことを続けて来たなぁと、6年間を振り返って感慨深かったです。

最後に伊豆大島ジオパークの基本理念。

みんなでこれを目指して、進んで行きたいです。

パネルディスカッションでは島生まれの3名の方が登壇。
大島支庁産業課長の遠藤さんのコーディネートで…

当時、小学校3年 中学校2年 大学4年として噴火体験をし、いまは観光業や町の防災担当職員となっている皆さんが、観光の活性化のためにどうすれば良いかなどを話しあいました。

子ども達が作って前日に発表した壁新聞が、会場に沢山貼ってありました。
内閣府の防災教育チャレンジプランの事業として、体験者から聞き取りをしてまとめたものです。
そのうちの一部を紹介します。



全部をゆっくり読む時間がなくて残念でした(^_^;

1日目に基調講演をされた岡田先生からは、とっても勇気をもらえるメッセージをいただきました。
「キーパーソンがいてネットワークがある社会は一番強い。
歴史があると言うことは、それぞれの時代のキーパーソンがいて、宝がいっぱいある
伊豆大島で30年前に比べ人が育っていることに感動した。自然の恵みの宝の島をぜひ発展させてほしい。」

火山の専門知識を持ちながら地域の人とも交流。その信頼関係が、有珠山の2000年噴火で犠牲者ゼロの避難を可能にしたとされる岡田先生の言葉…心にとどめて活動したいと思います。

ところで伊豆大島のゴジラ問題が、新聞やテレビで報道されはじめました。
どのような報道であるかに関わらず、どんな伊豆大島にしていきたいかを、みんなで考えていこうと思います。

(カナ)
コメント
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