グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

黒曜石の講演会

2018年03月29日 | 火山・ジオパーク
先週の土曜日、北海道教育大学旭川校の教授で白滝ジオパークの学識顧問でもある和田恵治先生の、黒曜石の講演会があったので聞きにいってきました。

会場には20名以上の参加者が集まっていました。


面白そうな内容紹介に興味津々です。


黒曜石は面白い!すごい!
…という見出しにまず惹きつけられました

黒く輝く黒曜石…220万年間も輝きを失わないって、確かにすごいかも!

以下、スライドの見出しごとに感想を…。

黒曜石はガラスの石
黒曜石は光沢があるから「ガラス」と言われてもまだ理解できますが、伊豆大島のゴツゴツの溶岩も実はほとんどがガラスだと知った時は驚きました。

小さい結晶ができる間も無く急冷されて固まったものがガラス。

図があるとわかりやすいですね。

黒い黒曜石も薄くすると透明なガラスに見えるそう。

なので、小さく割っていくと白っぽくなるのだそうです。

…ということは、大島の海岸の黒い砂も、もっと細かくすれば白っぽくなるのでしょうか?
(いつか試してみたい)

私たちがイメージする普通の(?)ガラスに比べ、黒曜石が黒く見えるのは磁鉄鉱が含まれているからのようです。


黒曜石は変身する
黒曜石に熱を加えると、「パーライト」という白くてカサカサで軽い石に変身します。

気泡の入っていない黒く輝く石が、発泡スチロールのような手触りのカサカサの白い物体(石?)に変わってしまうのですから驚きです!

黒曜石の中では、こういう変化がおきているそうです。


神津島の黒曜石の方が、十勝の黒曜石よりも、やや低い温度で変身するようです。

場所によって変身する温度が違う…というのが面白かったです!

黒曜石には水が入ってる
「石に水が入っている」というと不思議な感じがしますが、黒曜石の中の水が、加熱で水蒸気になって発泡し、パーライトに変身するようです。水分が飛んで、軽くなるんですね。

黒曜石は溶岩の外側にできる
白滝の溶岩の中は、このような構造になっているのだそうです。

確かにおまんじゅうの皮みたいな場所に黒曜石ができていますね。

以前神津島に行った時、海岸の崖に黒い帯のような黒曜石の層があるのを見て不思議に思っていたのですが…(以下は、2014年12月の写真です)


中はこういう構造になっていることがわかり、スッキリしました😃


黒曜石は歴史を解く石の手紙
黒曜石は化学分析でどこの産地かわかるので、過去の人間の交流がわかる のだそうです。

日本各地で見つかっている黒曜石が…

分析すると1つとして同じものがないというところが面白いです。

ちなみに白滝ジオパークには、220万年前に1回きりの噴火でできた9つの単成火山があって、それぞれの黒曜石が違う個性を持っているようです。

人間がひとりひとり個性が違うように、石もまたみんな違うんですね!
「地球ってすごいなぁ!」と、講義の最後のほうで一人静かに(笑)感動していました。

白滝ジオパークでは、小学校で「石育」と言う、石を通して地元の価値を学ぶ教育が行われているそうです。

素敵ですね〜😃

先生は今回、調査で来島された折に、無償で私たちのためにお話くださったとのこと。
和田先生のわかりやすくて面白いお話で、黒曜石がかなり身近になった気がします。

ありがとうございました!

(かな)
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2 コメント

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黒曜石は面白い! (ISO)
2018-03-30 19:23:38
講演会の内容がよく分かりました。
黒曜石は面白いですね。鉱物としても、文化としても。
こちらの山には不純物混じり?の黒曜石が転がっていますが、やはり神津島の物が価値ありですね。
返信する
同感です。 (カナ)
2018-03-31 00:05:11
鉱物としても文化としても面白い石!同感です。
黒曜石を少しでも知ることで、どんどん世界が広がって行くのが嬉しいです😃
返信する

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