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グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

サンセットパームライン勉強会

2014年06月20日 | 火山・ジオパーク
本日、川辺禎久先生(伊豆大島火山地質図の作者)を講師に迎えての「サンセットパームライン勉強会」が行われました。参加者は総勢10名。

まずは島の北東部にある海岸「野田浜」で、地質図を広げ…

数10万年前の古い火山と言われる崖を観察。

どこに火口があったか、なにが崖のシマシマを作っているかを教えてもらいました。

時々、お客様から質問を受ける「島の北東部はなぜ平らなのか?」の理由も聞いていみました。
地質図の等高線を見ても、島の中では、比較的平らな地面が広がっています。

川辺先生の説明によると、この辺りは、3000年~4000年ほど前にダラダラと溶岩を流す割れ目噴火が活発に起こり、それがなだらかな斜面を作ったのだそうです。

元町~野増など、空から降ってくる溶岩が積った斜面は、富士山のような斜面を作るけれど、流れる溶岩はそれほど急な斜面を作れず、なだらかになるそうです。

ここも3000年~4000年ほど前の溶岩流。

ガラガラゴツゴツの溶岩は,一見空から降ってきたものと似ていますが、溶岩に含まれる空気の粒が少ないという特徴があるようです。

岩に囲まれた池も見に行きました。

この池も…

池の隣の赤い凹地も、マグマ水蒸気爆発の後ではないかとのこと。

そう考える根拠として…

凹みの周囲が、かなり細かく砕けたあとがあること。

右側の岩は,爆発の衝撃でめくれ上がったようにも見えます。

砕け、ひび割れ、水が通りやすくなったところに温度の高い水蒸気が通って変質させると…

こんなふうに黄色い筋ができるのだそうです。

「この岩の隙間からシューシュー音をたてながら湯気が上がっていたんだね」と誰かが言いました。

この景色から、そんな想像ができるのですから「知る」ってスゴイです!

ちなみにマグマ水蒸気爆発は、水とマグマが出会えばいつでも起こるというわけではなく、熱いマグマが水の下に入り込み一気に水を暖める必要があるとのこと。ただそれが、どういう時に起こるのかはわかっていないとのこと。

次に、少し南にある磯に移動。

草をかき分け、磯に下りると…

いかにも「溶岩が流れました~」という感じの素敵な風景!


みんなが見ているのは、この風景です。

尖った溶岩と、ぽっかり開いた人が通れるサイズの穴!

くぐってみています!


溶岩樹形か?

はたまた溶岩トンネルか?

海岸の壁には、約1700年前にカルデラが空いた時の噴火で流れてきた小石まじりの層が、20cmぐらいの高さで積っていました。

元町付近にはかなり厚く積っていますが、このあたりは量が少なかったようです。

この後は「赤禿の丘」で、溶岩の壁が赤から黒にグラデーションになっている理由や…


赤い溶岩に黒い溶岩がサンドイッチされている理由。


長根浜の溶岩の観察ポイントなどを教えてもらいながら、講習を終えました。

ここには書ききれませんが、実際にはもっともっとたくさんのことを教えてもらいました。
今後のジオツアーに活かしていきたいと思います。

(後半の理由…が知りたい方は、コメントからお問い合わせください~。)

(カナ)

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防災避難計画に係る住民説明会

2014年06月19日 | 火山・ジオパーク
6月に入ってから、つい先日までの間に島内8地域で、表題の説明会が開催されました。
私は自宅が近い“岡田地区”、“北の山地区”の2カ所に参加しました。

写真は岡田地区の説明会ですが、この日は50名ぐらい。

北の山の説明会では、90名ぐらいの参加者がいたのではないかと思います。

説明会は町長挨拶、気象庁火山防災事務所長の加冶屋氏の説明、町の防災対策室からの説明、質疑応答の順で進行しました。

その中で、私が印象に残ったものの抜き書きです。

局地的な雨を予測するのは、今の科学では困難。
なので…
1、崖崩れが起こりやすい雨の降り方を知っておく。(雨が続き,地面が十分水を吸った状態で大雨が降るパターンが崩れやすい)
2、日頃から崩れやすい場所、危険な箇所を知っておく(自分の住んでいる場所を、よく知ること)
3、危険を感じたら早めに避難をする。(明るいうちに)
4、濁り水、木がきしむ音、土臭い匂い等の“危険が迫った時の兆候”も知っておく。

こうやって書くと当たり前のことのようでもありますが、実際に土砂崩れの危険を身近に感じながら暮らしてみると、この1~4までがとても大切なことであると実感します。

現在大島町は、気象庁とホットラインで24時間体制でつながり、防災対策室に3名の専従職員を配置し対応にあたっているとのこと。

大雨警報が出た時は、要配慮者104世帯に電話をして避難の意思を確認、早めの避難を手助けしているとのことです。

説明会では地区ごとに、自分の家がどこにあるかがハッキリわかる地図が配られました。
黄色の帯は「警戒を要する地域」

この資料を見て「自分の住む地域の方が安全で、北の山公民館の方が危険区域に近い。北の山公民館に避難して大丈夫か?」という質問が出ていました。

町からの回答は…
「べた塗りで黄色に塗られるが、最大にあわせている。地域の中にも、色々特徴がある(たとえ“警戒を要する地域”にあっても2階建て以上の鉄筋の建物は比較的安全など)場所によっては動かない方が良い時もある。本当に必要な人だけ、明るいうちに避難させるようにしていきたい。」さらに…「今のハザードマップの基準は、平成20年に土砂災害防止法ができた時のものだが、より精度の高い調査をやっている。大島は島嶼では最優先で、6月から調査が始まった。」とのこと。

「高齢者は85歳以上は全部入れるのか?80過ぎて体育館で寝ろというのは酷ではないか?」という質問もありました。

町からの回答。
「要配慮者には85歳以上の高齢者は全員入る。ここなら泊まりに行こうというような条件を整えたい。現在,避難所として指定されているところに、炊事場、手すり、エアコン、テレビなどを準備中。」

「防災無線を、聞き逃すと情報がわからないが?」という質問に対しては…
「防災無線はツイッターで同じ情報が見られる。タブレットは今の大島町の財政事情では無理なので、防災無線の100%配布を目指している。現在3887台配布済み。だが防災無線だけが全てではなく、各地域の車での放送も含め、検討したい。自主防災組織は全ての名簿が整っている。名簿に※印があるのが要配慮者。消防団、自主防災組織の責任者などが情報を共有する。」

今回の8地域の住民説明会が終わったら、ハザードマップのもっとわかりやすいものを全世帯に配布する予定だそうです。

「今後の勧告・指示は8割基準。どの地域よりはやく出る。1年ぐらい様子を見て安全にやっていくしかない。自主防災組織の会議もきちんとやりたい」とのことでした。

桜小学校校長の校長先生から、うれしい発言がありました。
「小学校が避難所として指定されているが,学校には体育館のマット、畳、保健室ベッド3つある。沢が溢れた時は体育館に浸水する可能性があり、その時は2階のホールに案内しようと思っている。体育館でも絶対安全と言うことはない、ありとあらゆる課題に対応できるよう、明日、教員全員に伝える予定です。」…頼もしいです!

今回の地域ごとの住民説明会に参加して、予想より参加人数が多いので驚きました。「この場所はどうなのか?」という地域ごとの質問が、できるのが良いと思いました。

町は大雨、津波、火山噴火など、災害ごとに避難場所を変えていく予定のようです。

今後も時間がある時には、このような説明会に参加して、少しずつ火山の島で住む力をつけていきたいと思います。

(カナ)


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スカシユリ

2014年06月18日 | 植物
咲き始めました。
大島の初夏を彩る可憐な花です。
今朝、雨の降る中撮影してきました(結構な降りでした)


ハチジョウススキに埋もれてますがこのオレンジ色は目立ちますね。






つぼみもたくさんあります。


天気がよければ背景は青い海なのですが。












昨年よりは多い気がします(気のせいかな)
ハマカンゾウとの共演ももうすぐです。


私のもふもふは無事にサナギになりました。

秋に立派な成虫になることを願います。

                              がんま
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利島からのお客様

2014年06月17日 | ツアー

利島在住のKさん夫妻が、ツアーをリクエストしてくれました。お2人の職業はイルカのガイドと、林業(椿)。

伊豆諸島の中で、大島から一番近い“利島”で、陸のガイドも視野においての来島のようです。 前日の夜、電話をいただいてから、情報交換ができるのを楽しみにしていました。

三原山を歩きはじめて最初に立ち止まったのは、ハチジョウイヌツゲの木のところでした。

大島では海岸から火口の側まで分布し、どこにでもたくさん生えているハチジョウイヌツゲですが、利島ではほとんど見かけないのだそうです。すぐ隣の島にイヌツゲがいないなんて、とっても不思議…。

「?」で頭の中がいっぱいの私にKさんは「利島は全ての土地が私有地で、自然のままの森が残っていないから、切られてしまったのかもしれません。」と教えてくれました。 「利島は約300年前から椿の植林を始め、約150年前から一生懸命に椿を作りはじめ、今では椿の森がほとんどを占めている」のだそうです。利島にはタネを食べる台湾リスがいないのだそうです。なるほど~。

イヌツゲ談義に花を咲かせる我々の頭上で、イヌツゲの小さな花が元気に咲いていました。

(かわいいです!)

ところで、利島は大島と同じように、粘りけがなく冷えると黒くなることが多い溶岩(玄武岩)を噴き出す火山ですが、島がいつ頃誕生したのかは良くわかっていないそうです。

最後に噴火をしたのは4000年前~8000年前(気象庁HPより) 地表は腐葉土に覆われ、溶岩が見えるところは少ないとのこと…。

「穴だらけの溶岩が積って山を作っている」という証拠を、見てもらいました。

きっと利島の地面の下も、こうなっていると思うのですが…。

しかし不思議なことに、何1000年も噴火をしていない利島にも川がなく、近年まで水の苦労があったそうです。大島は若い火山の島で、地表面が火山灰や溶岩で覆われ水はけが良いから川ができず、昔から水の苦労があったと聞いていましたが、利島はどうなのでしょう??(また謎が増えました)

近い将来、形が変わるであろう火口で記念撮影。

1つ残念だったのは、遠くが霞んでいて「海に浮かぶ利島」の姿を、三原山から見下ろしてもらえなかったこと。

普段は、お2人が眺めている方向に利島が浮かんでいるんですよ~。

さて、この後は昨日も、西側斜面をおりました。

数日晴れが続き、火口の噴気もほとんど目立たず、先日見つけた緑色の“抹茶ロールケーキ”と“抹茶まんじゅう”もこのとおり…

砂糖をまぶしたように白っぽく変化していました。(要するに乾燥してた)

でも、不思議なことに“幻の湖”には、まだ水がタップリ残っていました。

この水の残り具合はなんとも変な感じです。地表は乾いても、地下には水がタップリあって染みにくくなっている…ということでしょうか?(あ、でも噴気は地表面だけの蒸発ではないですよねぇ…?)

風が作り出す水面の小さな波は…

水が引いても、そのまま地面に刻まれます。

「押すとそのまま地面が凹みますよ。面白い!」とKさん。

ホントだ!

下に空気の層があるみたいで、全体が沈みます。 地面の下は、いったいどうなっているのでしょう?

しばらく“模様のついた凹む地面”で遊んだ後、湖畔(?)の散歩。

立派な湖に見えますよね? もう「水溜り」なんて呼ばせません(笑)。

この後、妙に派手な緑色のカメムシや…

葉の上に散った白い花びらのような,エダシャクの仲間。

すっかり花びらになりきっているので、近づいても逃げません。)

極小サイズのカタツムリも発見!

…と、いうように、小さな生き物を観察して歩きました。

そういえば、イルカ繋がりの御蔵島には、体が黒いカタツムリが多いとか…ううむ…近いのになぜ違う?伊豆諸島の違いと共通点を調べたら、もしかしたらガラパゴス諸島に負けず劣らず、面白いのではないでしょうか!?

ツアーの終わりにお2人は、コース始まりにあるお土産屋さんで、椿のタネの根付けを購入してくれました。

利島で椿の森の管理をしているKさんが、大島の椿のタネのお土産を買ってくれる…。ナニカがつながったような気がして嬉しかったです。

Kさん、大島を訪ねてくれて、ありがとうございました。 私もいつかきっと、利島に行きますね~。

(カナ)

 

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マクロで撮ってみる

2014年06月16日 | 植物
これ何の花?

梅雨の季節では靄がかかり遠くが見えづらくなってしまうので、見慣れた物をアップで見てみましょう

この花今の季節おなじみですよね
分からないですか…

これなら

ガクアジサイでした
ある時周りの装飾花が虫を呼ぶ看板と聞いた事が有りました。本当に虫が…

花の中に頭を入れていっしょうけんめいに吸蜜?していました(花は花粉を運んでもらっています)

遠くからでも花の位置が良く分かりますね

あれ?花が無い!小さな蕾も皆無。去年8月過ぎにでも切られてしまって花芽が付かなかったようですね


この花はもう虫がやって来た後でした

ハブランサスは一日しか花が咲いて無いので受粉は急がなければいけない!
しかし、花は受け身ですから何か秘密がありそうです

こちらは何日も咲いています(この子は何日目でしょうか?)

こちらの方が若い花    ドクダミです


今日やって来たクロアゲハ
どこに止まっているでしょ?

こんな卵生まれました

アオバハゴロモ7匹  大きく成るって白い衣を重ね着するのでしょうか?

まだまだ小さな実を食べているのでしょうか?虫が付いています

赤い画用紙で作った花でアブが食べられていました。
食べると言うよりお尻からチューチュー吸っていそうですね


一番初めの花はオリヅルランです。
その辺に何気なく咲いている花が結構綺麗だったりして(しま)
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梅雨の晴れ間の2日間

2014年06月15日 | ツアー
青空が続いた週末の2日間、両日ともツアーで火口を1周しました。

昨日はダイビングのお客様達とのツアー。
女性は初大島。
男性陣は20年近く前からのダイビングのお客様…でも、三原山は初との事でした。

ツアーは参加するお客様の個性や自然条件で、毎回違うものになります。
昨日も、縄模様の溶岩地帯で、なぜかこのポーズ

これ、流れに乗っているのだそうです。
確かに、本当に流されているように見えます。(面白い!)

1986年のゴツゴツ溶岩の上で。

広い景色を撮るのではなく、足もとの小さなナニカを撮っているところがダイバーらしいです。
(大島に潜りにくるお客様は、マクロ撮影派が多い。)

昨日はなぜか、カラスがいっぱい群れていました。

この写真の、3倍ぐらいの数がいたような…?

何度も我々の周辺にやってきて、溶岩の上に止まってこちらを見ていました。

いったい何をしていたのでしょう?

「今日は、みんなで火口に遊びに行こうぜ~。」
「あ、人間が歩いてる!ちょっくら、からかいに行くか。」って感じかも?

しかし、カラスって逆光だと全く溶岩と同じ色ですね。
まるで溶岩の一部みたいです。

カラスに導かれながら(?)火口一周コースを歩いていたら、風が強くなってきました。
で、このポーズ。

大事な帽子を飛ばされ拾いに行った後、斜面を駆け上る…の図です。

こんなポーズも。

体で風を受け止めています。
何度も大島に通ってくれている皆さんですが、三原山の風の強さは印象的だったようです。

無事火口を一周した後、三原神社にお参りし…

さらに足を伸ばして、西側斜面を下りました。

いつもの如く“幻の湖”を目標に、思い思いのルートを…。

この広さが、たまりません~。

「スキーしているみたい」とお客様。

ポーズも決まっていました!

そして、湖(水溜りと言う人もいるけど)に到着。

傾きはじめた太陽の光が水面を照らし、とってもキレイでした。
 
こんな景色の中では、やっぱり寝転がらなくては!


帰りの森では、もちろんマクロ撮影。

花は美しいし、虫もいっぱい出てきました!

午後いっぱい歩いて,皆さん相当疲れているはずですが…

コース最後の火山灰斜面も、駆け上がってました!

いや~、良く歩きました。

達・成・感!

男性陣は、温泉の後に夕景も眺めました。

オレンジや、ピンク、紫…色々な色が混ざりあった空…。
全員で、ただただ見とれました。

さて、今日です。
今日は社員旅行のお客様を、嶋田と一緒に案内しました。

今日も晴天で、さらに風も弱く、ベストコンディション。
皆さん前日のサイクリングの疲れが残っていたようですが「社員旅行だから、皆で火口を一周して達成感を味わおう!」という企画で歩きました。

三原山の山肌を流れ下った、ゴツゴツ溶岩の上で。

「流れに乗ってみよう」ポーズです。
こう乗りますか!…ボディボード?

歩き始める前と歩き終わった後で、集合写真を撮りました。

歩きはじめは元気に「噴火ポーズ」


歩き終わりは…

「疲れたな~」のポーズ。
表現は人それぞれです(笑)。

2日間、良く歩きました。
ツアーにご参加くださった皆様、ありがとうございました!

(カナ)











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巣立ちビナ見つけたー。

2014年06月14日 | 

鳥たちの子育てが最盛期のこの時期、巣立ったばかりのヒナを見つけることがあります。
今朝はイソヒヨドリの巣立ちビナに出会いました。


その1。


その2。


その3。
と3羽がいました。

気付いたのは母親の「クワックワックワッ・・・」という警戒鳴きです。
あー、これは近くにヒナがいるなぁーと思って辺りを見回すといました。

これがお母さん。
ヒナたちはもう充分飛ぶことができるのでそんなに慌ててはいません。
父親は食べ物を探しにいっているのか姿はみえませんでした。

3羽の子供たち、厳しい自然界をたくましく生き抜いていって欲しいです。


オマケは今朝の富士山。
見えるとついつい撮ってしまいます。


                            がんま
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大島高校定時制・ジオツアー

2014年06月13日 | 火山・ジオパーク
昨日、大島高校定時制の1年生のジオツアーを案内しました。
島出身の高校生1名、島外出身3名、先生と私の総勢6名。

1986年噴火を知らない年代の皆さんに、少し実感を持ってイメージしてもらおうと、最初に山頂ジオパーク展で動画を見ました。

そして「火山地質図」を囲んで作戦会議。今、住んでいる場所が何年ぐらい前に溶岩が流れたか、これからどんな事がおこる可能性があるかなどを話したあと、いざ実物を見に出発!

…しようと思ったら…
あらら~!

右側から雲がモクモク…。
(最近、このパターンが多いです・笑)

三原山は姿を隠してしまいましたが、ひるまず先へ。


縄模様の溶岩地帯で高校生たちを先頭に探険していたら「人がいます~。」と声がしました。「?」と思って遠方を見ると、火山観測器のところに人がいました。

「あ!仕事の人だ!スミマセン~。高校生のツアーなんです。見に行っていいですか~?」火山観測機器でナニカをしている人を見かけると、必ず寄って行って仕事の邪魔をする…というクセがついている私です(笑)。

仕事をしていたのは、東大地震研の人でした。
アンテナの調子が悪いので修理に来たとの事。

側に行ったら「この観測機器は地震計のアンテナで、ここで電波を中継して外輪山を介して東京までデーターを送っています。」と説明してくれました。

「最近、噴火の兆候はないんですか?」と先生が鋭い質問。

「実は少し前、奥山砂漠のあたりで地震が続いた事があったのですが、体に感じないほどの小さな地震で、もうおさまりました。」と詳しく教えてくれました。

その後、ゴツゴツの溶岩を体感しに、1986年溶岩流に登りました。

高校生達は、私の後をついて来るのではなく、自分なりのルートを見つけて登ってきました。
若者は、ちょっぴり冒険もしないとね。

さて、一時的に薄くなった霧でしたが、火口1周コースに着く頃には、かなり濃い霧に包まれました。

誰かが「観測していた人も、霧の中だね。」とつぶやきました。

「そうだね…」高校生に言われてはじめて、真っ白な霧に包まれて1人で作業している人の姿を思い浮かべました。

それにしても濃い霧です…。

近くの溶岩しか見えないし、火口も全く見えませんでした。
…で、道のない場所に冒険に行くのはやめて、もと来た道を下山しました。

予定より時間が余ったので、帰りがけに割れ目噴火の火口と温泉ホテル駐車場の地層を見学しました。

ここで1人の高校生が、本領発揮!

「この地層、赤と黒が交互になっていますよ。なんでですか?」

うむむ~、ずいぶん細かいところを見てますねぇ。「きっと火山灰が降る時の条件が、違ったのではないかな?←スピードとか出てくる間隔とか…??」

「あ、これアリの巣ですよね?土の層にだけ、巣穴がいっぱい開いてますよ。」

言われてみれば,確かに穴がいっぱい空いていますね。

「この景色、絵を描く人に良いのではないかなぁ」

「そうお?」ということで、高校生の立っている位置から写真を撮ってみました。

続いて「クモの巣がいっぱいある!みんな凹んだところに巣がありますよ。」
「そうか~、もしかしたら雨がかからないようにする工夫かも!」

…と、このように発見の連続で、高校生1人と先生と私で、おおいに盛り上がりました。
(3人の高校生は、たぶんあきれていたと思うけれど・笑)

「ちょっとした冒険」にチャレンジしていた高校生、次々に楽しい発見をしてくれた高校生。
あと2年と9ヶ月の大島での高校生活…みんなが今回のジオツアーをきっかけに、
伊豆大島のジオ物語を楽しんでくれるようになると良いなぁと願っています。

(カナ)


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雨の日ツアー

2014年06月12日 | ツアー
天候が不安定な日々が続いています。
昨日の午後からのツアーは、歩きはじめから雨でした。

「梅雨時の雨でしか味わえない景色」を求めて、まずはコケの景色が美しい神社へ。

雨の日のコケは、晴れている時より美しく感じます。

枯れた杉の葉が、肥料にするため列を作って積み上られています。
その枯葉の上から、若い緑の草が生えていました。

たくましいですねぇ~。

イヌマキの若葉が、雨に濡れていっそう美しく見えました。

ピカピカでしたよ!(写真には撮れていませんが…)

驚いたのは、誰もいないはずの森の中に、楽器を叩いているような金属音が響いたこと。
「カ~ン、カ~ン…」一瞬何が起きているのかと思いましたが…

犯人は“雨”でした。

高木の葉の先から落ちてきた雨粒が“ひしゃく”を叩いていたのです。
森の中で雨が奏でた音楽を聴く…なかなか素敵な体験でした。

この後、今が旬のアジサイの花を楽しんでから山へ…。


温泉ホテルから1986年割れ目噴火の溶岩流まで歩きました。


そして…折り返すころには地面の様子が一変していました。

細かい溶岩(スコリア)の道だった場所が、水の道になっていたのです!

確かに雨は強くなってきていましたが、まだ“土砂降り”というほどではなかったのでビックリしました。このところ続いていた雨で地下に水が溜まり、水はけが悪くなっているようです。

まるで川のように蛇行しながら、水が流れて行きます。

ヒエ~。

しかしお客様はめげることなく、色々な生き物を見つけてくれました。

足もとに現れたモリアオガエル。

「可愛い~」と人気でした。

バッタの子ども…(なぜ黄色い?)

黒くて小さいのも、たくさん居ました。

ミスジマイマイ。

雨好きですからね。

生まれたばかりのクモの子ども達。

スカスカのシダの葉の下でも、クモの巣が水を受け止めて、中の子ども達は無事に過ごせるようでした。
クモの糸って素晴らしい!

途中から雨が激しくなったけれど、お客様は最後まで元気に歩いてくれました。それどころか「ガイドさんも大変ですね。天気も色々だし、条件が違うから」と、私をねぎらってくれていました。思いやりの気持ちが、うれしかったです。

雨でも楽しい、ツアーでした~。

(カナ)


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魅惑のもふもふ

2014年06月11日 | 
月曜日に見つけました!!(嬉)

ヒメヤママユの幼虫です。


これで終齢かなー?
見つけた場所にいると殺される確立100%なので連れて帰ってきました。


オオムラサキに付いてたんですよ。
これも食べるんだ。


元気に葉っぱを食べているところも写真に撮りたかったんだけど、とぉーーーーってもシャイな子なのでちょっとした振動にも固まってしまいます。


コレ、固まってるとこです(激萌!!なにこの手!!いや脚だけど実際もう手でいいと思う)
このままうまくサナギになって秋に羽化してくれるといいのですが・・・期待しすぎないで世話したいです。


さて、8日は『かめりあ丸』最終航海の日でしたね。
写真を撮ったのでご覧下さい。





近くに行ったら絶対泣くと思ったので遠くから~(ここでも泣いたけど。笑)


後継船、橘丸も来ていました。
桟橋のトラックのクレーンに付けられた『ご安航を祈る』の国際信号旗がこれまた。


かめりあ丸にも旗が掲げられています。
右の3枚は『あなた(貴船)の協力を感謝する。ご安航を祈る』ですが、左のたくさんのは調べたけどなんと解読するのかわかりませんでした。
ご存知のかたは教えてください。




こんなスリーショット、もう見ることが出来ないよ!
セブンアイランド『夢』と。

このあと橘丸は、









岡田(おかた)に来たんです!




いやはやピッカピカですね。
















本番に向けての練習でしょうか?
桟橋から4~5Mくらいまで寄せていました。




橘丸、シュッとしててカッコイイですね。
カラーリングが発表されたときはどんなもんだか・・・と心配しましたが実際その姿を見てみるとなかなかいいです。
いいですよ!

                               がんま
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