グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

第1回・火山♨観光サミット

2016年03月11日 | 火山・ジオパーク
今日で東日本大震災から丸5年が経ちました。
そして伊豆大島も今年の秋、土砂災害から3年、噴火から30年の節目の時を迎えます。

4枚プレートがひしめき合い、地震や火山噴火が起こる日本。
災害は私たちの身近にあることを実感します。

さて先週、箱根町と観光協会主催の「第1回火山♨観光サミット」が3日間にわたって開催され、私は3月3日(木)だけ参加してきました。

昨年は箱根大涌谷の火山活動が活発化し、観光産業に大きなダメージがあった箱根町。
それらの体験も踏まえて「火山と観光」を考えようという会議でした。

午前中はハワイとニュージーランドから「災害評価」や「危機管理」などの話があり、午後は「火山と温泉観光」「火山災害報道と住民・観光の課題」「観光地における火山噴火警戒レベルとの向きあい方」「火山ガスに対応した観光地づくりについて」の4つの分科会や全体会での講演があり、最後に箱根宣言が発表されました。

私が参加した温泉観光の分科会にはパネリストとして洞爺湖有珠山ジオパークの火山マイスター川南恵美子さんや、三宅島観光協会の植松正考さんが、また別の分科会では桜島錦江湾ジオパークの福島大輔さんが登壇されていました。

以下、聞いていて印象に残ったことを簡単にキーワードでまとめてみました。

1,フィードバックと改善
ニュージーランドの火山観光では、火山防災に関して社会学的気づいた点をフィードバックして計画や教育を毎年改善。抜きうち訓練などで問題が浮き上がった。

2,誰にもわかりやすい防災情報
同じくニュージーランドでは観光客用に遠隔操作のできる3色のサイン(信号のようなもの)を設置。地図の中に80cmの噴石が飛んできたという情報を入れるなど言葉が理解できない人でも理解しやすいような表示を工夫。

3.隠すのでではなく正しく伝える
火山を学び、積極的に「火山との共生」をアピールし観光に活かす有珠山の取り組み。

4,一つの声で伝える
風評被害を避けるためには、情報責任者を決め一つの声できちんとした内容を発表すること。火山活動は止められないが風評被害は人の力で小さくすることができる。その為の対策を平常時から準備しておくこと。

5.日頃から学ぶ
観光業者がしっかりと火山を理解し、科学的根拠のあるバランスのとれた情報発信ができれば観光地として信頼される。(福島さんの講演要旨より)

もちろん実際には、ここでは書き切れないほどたくさんのことが語られました。

そして最後の箱根宣言です。


箱根宣言
「火山は、温泉や雄大な景色を利用した観光のみならず、溶岩や火山灰による広くなだらかな地形や土壌、エネルギー利用など生活面に於いても大きな恵みを産み出している。一方で火山噴火は、人知では計り知れない被害をもたらす側面を持っており、恩恵と災害は表裏一体の関係である。日本国は110もの活火山を有する世界でも有数の火山国であり、この火山の二面性を理解しながら、敬い、共に生きる、という基本姿勢を共有することにより、減災へ繋げていくことと、安心して楽しめる観光地作りを進めること、が必要である。そのために、以下3点を基本姿勢とする」

3つの基本姿勢など詳細は、はこちらをご覧ください。
https://www.town.hakone.kanagawa.jp/hakone_j/ka/kankou/page000069.html

火山や地震など常に災害のリスクを抱える日本。

その中で、リスクとメリットをきちんと学び、他地域とも連携しながら取り組んでいこうという多くの人の意志を感じました。

(カナ)
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大先輩でした!

2016年03月10日 | ツアー
今日は日帰りでいらした、3名のお客様を案内しました。

「特に火口にこだわらない。大島らしい自然を歩きたい」というリクエストだったので、森~裏砂漠を2時間半ぐらいで歩き、残った時間で他を回る計画で出発。

皆さん、とても植物について詳しい方達で、立派なカメラを持参されていました。


そして大島の“サルトリイバラ”という植物が「敵がいないのでトゲをなくしたと言われている」というお話をしたところ、お客様は「ツル植物のトゲは、防衛よりも物に引っかけて上に這い上るために使われることが多いのです。だからトゲが下向きについているんですよ。」と教えてくれました。

「ほら、これとか」と、アズマノイバラのトゲを見せてくれるお客様。

…なるほど。
…しかしなんだか皆さん普通の人ではない感じが(笑)

不思議に思って、普段何をされているのか聞いてみました。

そうしたら、全員が自然保護協会の観察指導員で20~30年ぐらい活動されている方達だとわかりました!←この時点で私の感覚は完全に“ツアー”から“勉強会”に(笑)

…で、大島らしい火山の風景を見ていただこうと、またまた「黒い溶岩流」へ!

なぜか最近、足繁くここへ通っているような(笑)

火山の景色を楽しんだ後「あ、木が生えている!」と溶岩流脇にはえている常緑の木を観察。


「あ、シダが生えている」

…と、次々に発見、観察。

あれ?
普通は暗い森にはえるオオシマカンスゲが、この砂漠のような環境にはえていました。


「ここは他よりも枯れ葉の量が多く養分があるのではないか?」とお客様。

確かに、枯れ葉がかなり高く積もっていました。

まん丸いハチジョウイボタの実が…

本土ではもっと長細いということも教えてもらいました。

ススキの花が同じ方向に向いているのは「風をやり過ごすためではないか?」ということも話題になりました。


驚いたのは「(本土の)ヤシャブシの雄花には普通香りがあって近づいたらわかるのに、オオバヤシャブシの雄花は匂わない!」という言葉でした。

これもオオバヤシャブシが「敵が少ない島ぐらし」に適応した結果なのでしょうか??

ところで樹海の中には最近、新しい木の屑が散らばっていることがよくあります。
フレッシュな噛み痕をつけたのは誰?

「たぶんタイワンリスの仕業だろう」ということで意見が一致しました。もしかしたらタイワンリスが、キツツキのように枯れ木の中の虫を食べるように変化していたりして??

お客様は森の中の地面を観察しながら歩き…

ランの葉を、たくさん発見されていました。

メッシュ模様が入ったカゴメランの葉。

葉が綺麗で楽しめる、この手のランの仲間達は「ジュエリーオーキッド」と呼ばれているのだそうです。「あるところにはあるもんだね~」と、皆さんとても嬉しそうでした。

昼食には温泉ホテル駐車場で、お湯を沸かして味噌汁やコーヒーを作ってくれました。

私も島のお菓子やお茶は持ち歩いていますが、その場でお湯を沸かして飲むコーヒーはとても美味しかったです!(しかし、誰がガイドなんだか(^_^;)

下山中に見事なハチジョウキブシの木を見つけ、撮影しました。


「雌花と雄花が両方撮れる」「ここ良いね!」と全員で大絶賛しながら写真を撮りました。

大島らしい春の風景を、皆さんと一緒に楽しめて嬉しかったです。

ツアーご参加、ありがとうございました!
 
(カナ)

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コチドリ

2016年03月09日 | 
今朝、今季初確認です。
1羽でいました。

砂浜に降りたのが見えたので歩いて探しました。



なんとなく、オスのような気がします。



このまま大島に留まるのか、それとももっと旅を続けるのか・・・
今年もここで子育てしてくれるとうれしいです。

                                  がんま
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第3回くるまざフォーラム

2016年03月08日 | その他
昨日の朝から今日の午前中にかけて、表題のフォーラムに参加して来ました。


3月7日(昨日)は、朝10時にフォーラムが始まりました。

講演1「伊豆諸島海域における鯨類とイルカ類」
講師は森恭一先生(帝京科学大学)


鯨やイルカの生態と共に、保護と観光活用についても話があり、それがとても面白かったです。

小笠原のホエールウォッチングのルールは、以下のような経過を経て現在の形になったそうです。

1997年の自主ルールの改定で、船を近づけられる距離を50mから100mにしています。これは鯨の行動と船の距離などの観察データから、鯨へのストレスを最小限にできるよう考えて割り出した距離なのだそうです。

「イルカや鯨の観光は、最初にルールを作るとスムーズだが、既に仕事にしている人達がいると収益に関係するので難しい。それぞれの事業者を個別訪問して何時間も意見を聞いた。その中の良い意見を少しずつ反映しながらルールを作っていった。都がトップダウンで作ったルールには反発しても、自分たちで考えたものは守ることができる」という森さんのお話が、とても印象的でした。

ザトウクジラは小笠原で子育てし、北海道沖で餌を食べるのだそうで…

伊豆諸島は通過点だったようですが、捕鯨をやめて鯨が増えたため八丈島など新たな繁殖地になる可能性もあるかもしれないとのことでした。(まだ詳しいことはわかっていないとのこと)

講演2「伊豆諸島における自然と暮らしと神々」
講師は土屋久先生(順天堂大学・共立大学兼任講師)


土屋先生は「為政者の年貢取りのための訪問や流人による本土からの文化と、黒潮によって自然的・偶発的にもたらされた文化との交差点が伊豆諸島である。古い日本の文化が地層のように残っているところが面白い」と語られていました。(文化が地層のように残る…という表現が面白かったです)

「古事記や日本書紀にも登場しない多様な民族神の存在があり、自然環境と信仰の問題を考えさせる豊富な事例が存在する。『木を切ってはいけない』と伝えられ守られてきた山は、強風や山津波から人を守ってきたのではないか?」というお話が面白かったです。

八丈島と青ヶ島には巫女の文化があるそうで、海が見えるところでお祈りをしたりするそうです。青ヶ島の巫女さんの踊りをビデオで見せてもらったのですが、まるでラップ音楽のようなアップテンポなのが面白かったです。

平安時代の保元の乱で破れて伊豆大島に流された源為朝は、伊豆諸島に勢力を拡大しようとして成敗されてしまったとされています。為朝をまつった神社が伊豆大島や八丈島、三宅島にあり、いろんな伝説が言い伝えられています。土屋先生によると、巫女の祭儀の中の重要なパートにも源為朝が出てくるそうです。

講演3「観まもり・残し・伝える」モニタリングの提案・その1
講師は長谷川雅美先生(東邦大学)

伊豆諸島のみならずミクロネシアまで南下して生物(特に爬虫類)を調査してきた長谷川先生は、このブログでも何度か登場しています。

で、今回のお話は…

島の多様な生物や、プレートの動きとの関係の他、外来種問題も取り上げられていました。

講演4「観まもり・残し・伝える」モニタリングの提案・その2
講師は筑波大学の上條隆志先生。

上條先生も伊豆諸島の植物を、特に三宅島を中心に調査研究されてきた方です。
(先日も伊豆大島のガイド講習で講師を務めていただきました)

島の植物がそれぞれの特徴を持つことの話に加え、今回は外来生物の問題も話されていました。

そして長谷川先生と共に、会としてのモニタリング調査を提案されていました。

15時頃からワークショップ&全体討議で、目的、アクションプランや目標を共有しました。


<目的>
伊豆諸島という視点で自然と文化を学び、これを残して島々の元気づくりに活かす

<アクションプラン>
私のグループでは「共通の物語をベースにした各島巡りのスタンプorクイズラリー」の案が出ました。
各グループそれぞれ違う案が出て、1つとして同じものが出てこないのが、面白かったです。

<目標> 
これは私のグループで出たもの。

これもまた、グループ毎に様々なものが出ました。

印象的だったキーワードは…
島暮らし体験(ゲストハウス)、ここだけをもっと知りたい、ネット博物館、巡回フォーラム、情報発信、つなぐ、等々…。

18時30分頃まで話しあって、1日目のフォーラムは終了しました。

そして今日(3月8日)は…
午前に3時間、運営ミーティングを行いました。

その結果、今後は以下のワーキンググループを作り、活動をしていくことになりました。

1.ゲストハウス(島暮らし)1年~3年をめどに始動
2.モニタリング(4月後半始動)
3.伊豆諸島に関する文献や研究を一括してネット上で紹介
4.各島持ち回りのフォーラムを水分け伝説の順番で開催(今年の秋に神津島で開催予定。最初はグループ内で実施。やがては一般公開してツアーを展開する可能性も)

そして会の名称を「伊豆諸島ツーリズム研究会」と改め、活動を継続していくことになりました。

会費、会則が決まったら会員募集が始まると思いますので、伊豆諸島(それぞれが個性的な火山!)に、興味関心のある方はぜひご参加ください。

(カナ)
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プレゼントのアサギマダラ

2016年03月07日 | 

今日の作業はこれ? 
絶対何かわからない!


中央右上の緑の塊


12月14日のブログで紹介した横浜から来たアサギマダラの幼虫はいつしか蛹になっていましたが、一匹はキジョランの葉が邪魔して上手く羽が開かないのではないか思い。針金で補助をしようと!
もう一匹の小さい子はそれから5日後に食草を採り替える時にちょうど蛹化の準備に入った時で糸を出し始めた時に当たったようでその後葉に付くことが出来ず箱の下に落ちたまま蛹化してしまいました



上から


まるで顔  鼻に見える所が葉に付いているべき所。自分で吐いた糸で葉と自分を繫ぎます


もっと早く拾ってあげれば良かった。平らになってしまいました


中身が透けて見えます 上の方の金色の部分も羽化したらどこの当たるのか気になります


完成形ですが この子果たして羽化するのでしょうか?
 


もう一匹の大きい子ですが    わ~ ギャー 羽化しているー!



まだなんとなく頼りない。鱗粉が無いので透けた感じが良いですね


羽化したてのようで体液が出ています


黒いしるしが有るので雄の子ですね

でも問題です!こんな寒いのに外に出して生きていけるの?
今まで何匹かアゲハ蝶類を飼っていましたがそれらは5月頃羽化していたので冬は蛹で過ごすものだと思っていました
花の咲いている所が良いのかそれともキジョランの有るところ?
わ~ どうするどうする私(しま)
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シビれました~。

2016年03月06日 | ツアー
昨日は、石が大好きな学者志望の中学生とお母さん、今日は、中学・高校と地学部だったという地図会社の方と歩いて来ました。

昨日の歩き始めは、こんな青空でした。


大好きな石をルーペで観察。


将来仕事で関わるかもしれない(?)火山観測機器とも記念撮影。


火口に近づいた頃から周囲を雲が取り囲みはじめましたが、時々太陽の光がスポットライトのように火口を照らすので、美しさが際立つ感じでした。


左からは火山の噴気、右からは雲が流れてきて、私たちの進行方向で交わります。

噴気の量も多くて、なんだか少し心配になるほどの迫力でした。

ところで昨日も「?」と思う光景を、何度か目にしました。
そのうちの1つは、中学生が見つけた数ミリの赤い粒。

小さいけれどピカピカで、とても目立っていました。
これ何でしょう?キノコ??(周囲に同じ物はありませんでした)

そしてもう1つは、火口の中で妙に目立っていた真四角の岩。

最初「人工物か?」と思ったほど(^_^;、目立っていました。

みんなで「どこから落ちてきたんだろう?」とさがしましたが、岩の上部には同じ色の場所は見当たりません。

陰になって見えないところに、こういう色の岩があるのでしょうか?
それとも左斜め上から飛んできたのでしょうか?

「今日は不思議なことがあるから…」と中学生。
(同感!)

雲は火口周辺だけだったので、裏砂漠の広い景色の中で寝転がり…


もちろんこのあとジャンプして…

樹海へ!

樹海では、大島の春を告げる「オオシマカンスゲ」が花盛りでした。

あちらこちらで、フレッシュなクリーム色の雄花を観察できました~。

そして今日のツアーです。

フルコースのリクエストでしたが、予報は雨。
そして朝の三原山はスッポリ雲の中。

…で、森を抜けて裏砂漠を目指すつもりで歩き始めましたが…


お客様が「中学高校と地学部で今は地図の会社に勤めている方」と知り、急きょ予定を変更して“生っぽい溶岩”へ(笑)


割れ目噴火口周辺に飛び散った面白い形の岩を見つけて楽しみました。


「ニンジンみたい」「アフロヘアの人にも見えるよ」とお客様。

確かに!

ご自分の会社の地図を広げて現在地確認中。


水準点も、出てくる度に毎回撮影されていました。

私は水準点は、位置をはかるためにあるものかと思っていたのですが「水準点は高さをはかるもので、水平方向の距離を測るのは基準点」だと教えてもらいました。

「伊豆大島は他地域と比べて圧倒的に水準点の数が多く、これは明らかに火山観測のためのもの」なのだそうです。(なるほど~!←感動)

お客様は地図のプロであるだけでなく、とても素敵な観察力と感性を発揮されていました。

たとえば、樹海の中に新たな空洞を見つけ…


誰もが素通りするけれど、言われて見れば確かに「何じゃこりゃ?」なアオキの茎に注目。

(これ、ホントに何ですか?)

岩を突き抜けて伸びている根は、どの木のものか?」を皆で考えていた時には…

「くすぐって確かめたい!」と一言。…この発想にシビれました!

今度くすぐってみよう!(笑)

…どの木が笑うかな?

そして、おなじみのこの風景の中で…

「魔女の森みたいだ。夜になったら動き出しそう!」と一言。…さらにシビれました!
なんだかちょっと、不思議の国に迷い込んだような気分になりました~。

いっぱい笑った2日間でした。

ツアーにご参加くださった皆様、ありがとうございました。

(カナ)












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生と死

2016年03月05日 | 

車にぶつかったメジロがハシボソガラスに食べられていました。
先月の16日のことです。





メジロにとってはこれ以上ない災難でしたがハシボソガラスはご馳走を手に入れました。
誰かの死が誰かの生への糧となって・・・かわいそうだなんて、思いません。

                                     がんま
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第9回ジオガイド講習「ジオパークで伝えたい地球の成り立ちとしくみ」

2016年03月04日 | 火山・ジオパーク
すっかり報告が遅くなりましたが、2月27日(土)に表題の講座が開催されました。

講師は元日本ジオパーク委員会事務局の渡辺真人さん。

参加者は41名でした。

実は、昨年夏の地質標本館の特別展「ジオパークで見る日本の地質」がとてもわかりやすくて、私の周囲でも「これは面白い!」と一時ブームとなりました。

今回の講習は、その特別展のポスターを更にわかりやすくした内容でした。


伊豆大島は5万年ぐらい前に、海底からの噴火で誕生した“若い火山のジオパーク”ですが、日本には数億年前のできごとを想像できるジオパークが、いくつもあります。

プレートが動いて海底の砂や泥が大陸にくっついたり…


ギュウギュウ押されて山ができたり、山がくずれて土砂が川に運ばれたり、

地球が冷えたり(氷河期)暖かくなったりすることで海面の水位が変わって、地上に階段状の平らな土地が現れたり…


地下の岩が溶けてマグマになって噴火をして、新しい土地を作ったかと思えば…

それが海に削られて残骸となり、奇妙な形の岩となって残ったり…。

地球は常に動き、変化を続ける「生命体」で、その上で私たちは暮らしています。
そのことを、実感できるのがジオパークなのだと思います。

渡辺さんは地球の動きを表した図を所々に入れながら「ここのジオパークでは、この動きが見られます」ということを、本当にわかりやすく教えてくれました。

とてもとても面白かったです。

「ジオパークに来た人に何を伝える?」

「直接地球を語らなくても良いけれど、心の片隅に地球を意識するだけで、きっと語りが変わるはず」と渡辺さん。(同感です)

「地層や岩石には地球の記憶がある」

地球が氷で覆われたことも、隕石がぶつかって巨大津波が起こり、環境が激変して恐竜が絶滅したことも、地層を見ただけ想像できたら…ワクワクが止まらなくなりそうですよね。

「地層はずっと観察し続けてくれている」

確かに!

「ジオパークは暮らしに直結する」

自分たちの住む場所を知ることでより良い暮らし方を考えることができる…私もそう思います。

講習終わりのメッセージ。


渡辺さんが日本ジオパークの要として活動を続けて来られたのは「ジオの面白さをより多くの人に伝えたい」という思いと共に「ジオパークで世界を変えられる」と思って本気で取り組んでいる人々との出会いがあったから…のようです。

本気で「伝えよう」とする人の思いは伝わると、いつも思います。

渡辺さんの、体を使った表現からも“本気”が伝わってきました。

講習に参加した人達からは「地球に興味を持った」「すごく面白かった」「他のジオパークに行ってみたくなった」という感想が、いっぱい聞かれました。

昨年の全国大会ガイド分科会で、皆で作った「私たちの目指すガイド像」の中の「自分のジオパークだけでなく地球全体を伝える」という目標に、皆でちょっぴり近づけたように感じました。(渡辺さん、ありがとうございました!)

ちなみに、今回の講演内容が網羅されているポスターは、以下のページの「こちら」の文字ををクリックするとダウンロードできます。
https://www.gsj.jp/researches/openfile/openfile2015/openfile0622.html
地球の仕組みに「へ~!」っと思いたい方は、ぜひご覧ください。

引用は可ですが複製・配布は許可が必要のようです。
「利用上の注意」が同ページにあるので、ご参照ください。

(カナ)
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めいっぱい楽しかったです!

2016年03月03日 | ツアー
昨日、職場仲間で大島にいらした女性3名を、山に案内しました。

歩き始めはキラキラの森へ…

思わず足を止めて、森に差し込む光の美しさを眺めました。
で、森がキラキラっていうことは…

草地は青空!

「きれい~!」と皆で写真を撮りました。

様々な造形が楽しめる溶岩地帯では、1人1つずつの岩になって(?)記念撮影。

 
くまモンとキス!


素晴らしい感性で、ゴツゴツ溶岩地帯にリスやら何やら(←忘れた(^_^;)の動物を次々発見。


「トトロだ!大トトロと富士山だ!!」の声に指し示された方向を見てみれば、この風景が…。

実はこの時は私、トトロの像が思い浮かばなかったのですが、帰ってから調べたら本当にトトロの横顔そっくりでした。さすがトトロ世代(?)

さて、溶岩で遊んだ後は、裏砂漠の草陰でランチタイム。

「明日葉オニギリが美味しい~。」とのことでした。

食後は、広いところに出て食休み。

青空と白い雲が、気持ちの良い風景を作ってくれました。

ところでお客様からは「ブログでよく裏砂漠でジャンプしていますよね?ジャンプがしたいです。」とリクエストをされていました。

で…
1人ずつジャンプ!





雲に捕まってるみたい。

その後、なんと全員でゴロゴロ斜面を転がりました!

「面白い!」と言う人と、「痛い~」という人と様々でしたが、「斜面だから思った以上に何もしなくても勝手に転がっていく」というのが全員一致の意見でした。

めいっぱい「広さ」を楽しんでいますね~(感心)

さて、いっぱい遊んだ後は、さらに前進。


黒く光る石を見つけて撮影したり…


マグマの熱を体感したり!


雨で山が削られて溜まった礫が、足で踏むとザクザク音を立てるのが面白く…

「この感触楽しいよね。なかなかこんな体験できないよね」と言い合いながら歩きました。

「行き」とは違う風景を楽しみながら、昼寝した場所まで戻ってきました。

「黒い大地が、緩やかな曲線を描くシンプルな風景」がスバラシイです。

そして最後は再び、木漏れ日の森へ。
森の中のではお客様が、こっちを向いている「キリンの顔」を発見!

首も長いし、本当にキリンみたいでした~。

女子の心を射止める被写体に、ちょうどスポットライトのように光が当たっていました。

何を撮っているかわかりますか?

これです。

コケの胞子嚢。
森で生きる小さな命の輝き…

火山のパワー、広さ、青空、森の光、小さな命の輝きを、皆で一緒に楽しんだツアーでした。

ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!

(カナ)

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アオジ

2016年03月02日 | 
月曜日の朝の出会いです。
「チッ、チッ」と声がするので探してみるとすぐ近くにいました。




女子ですね。かわいい~。



小鳥のこの後姿って萌えます!





最後はカイカイ~。
こうしてアオジと会えるのもあとひと月くらいでしょうか。

                                       がんま
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