差別的な計画停電をやめよ

　上杉隆氏の講演をじっくり見て、やはり「計画停電」は必要なかったのだと思った。当初から、そういう情報は出されていた。東京電力の、原発がないとこうなるぞ、という脅迫的な行動であったことが明らかになっきている。

　節電も、必要のない自販機（それだけで１００万キロワットだそうだ）を止める、ネオンサインをやめればまったく通常の生活をおくることができたはずだ。


　しかしこの「計画停電」により、以下のような被害が出ている。

　山梨県では、「５７％が「操業停止」　計画停電、県内企業への影響　　県調査　売り上げ減も半数」という記事が。

　http://www.sannichi.co.jp/local/news/2011/04/07/10.html

　神奈川県では、「計画停電は中小企業の３分の２に「影響」、売り上げ減で資金支援要望/神奈川」という記事が。

http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1104070016/

　本当に東電は、犯罪的な会社である。

　差別的な「計画停電」だけでなく、実施すること自体がまさに不要であったのだ。

恐ろしい話

　上杉隆の講演は注目すべき内容を持っている。東電の犯罪性がきっちり話されている。政府は東電にだまされ、大手メディアは東電に協力し・・・・日本のメディアはもう不要だ。

　まず第一に、記者クラブの有害性である。政府や東電に都合の悪い情報をできるだけ流さないように、大手新聞社やテレビメディアだけを記者会見場に招き、外国メディアやフリーランスライターを排除していたこと。

　第二に、原発反対の考えを持っている人びとをテレビに出した局に対して、電気事業連合会は広告を出さないと圧力をかけその番組から「有害な」人物を下ろさせたという。

　第三に、この原発事故の処理に関して各国が救援の申し込みをしてきたことに対し、菅総理は日本でできると言って断ったという。この点については『週刊文春』先週号に書かれている。


　第四に、放射性物質を海に流出させたことは国際法違反であるということ。日本は犯罪国家となる。

http://www.env.go.jp/council/toshin/t063-h1506/ref_01.pdf

　第五に、「計画停電」は、東電の完全な嫌がらせであること。原発の重要事故の目くらましと原発がないと困るよという脅迫のために行われたこと。

　　http://www.ustream.tv/recorded/13808412


　この上杉隆の話は、必ず聞くべきだ。新聞やテレビが報道しないことをきっちり報道している。今読むべきは、新聞ではなく、『週刊現代』、『週刊文春』である。

被曝を防ぐには

　今も放射性物質は流出している。原子力資料情報室では、事務所（東京・新宿）内、屋外、そして公園の三カ所で放射線の測定結果を公表している。

　室内はやはり低くなっている。

　福島原発からの放射能流出は、今後も続くので同情報室の「被曝をさけるためには」を読んでおくことをおすすめする。

　http://cnic.jp/modules/news/article.php?storyid=1036

飯舘村からの避難

きわめて高濃度の放射性物質で汚染された水が海に流出していたが、この流水はとまったそうだ。これはこれでよかった。しかしすでに大量の高濃度の放射性物質が海に放出されてしまった事実は消えない。と同時に、他の箇所からの漏れはなにのだろうか。ずっと注水を続けているのだろうから（さらに格納容器などから漏れ出しているようだから）、その水はどこにいっているのだろうか。

　また各所への連絡（漁協や農水省その他）もなく、さらに低濃度と言われる汚染水をこれまた大量に海に流出させるという。福島付近の海域は放射性物質で汚され続ける

　海が放射能で汚されている。昨日スーパーに行ったところ、魚は西日本、わかめなどは韓国産、このように放射能汚染の影響がありそうなところのものは並べられていなかった。

　いくら政府に「安全」と言われても、あるいは「風評被害」といわれても、あえて放射性物質が投棄された海域で獲れる海産物を購入する気持ちはおこらないだろう。テレビでは、このようなことを批判しているが、批判している当人ら食べているのだろうか。

　また放射性物質は、今も放出している。福島県の放射能の濃度が公開されているが、３０㌔㍍をこえた飯舘村はかなり高い。

http://atmc.jp/fukushima_town/

　避難指示を出すべきだと思うが、政府は出さないようだ。週刊誌を読むと、避難指示を出さない理由は、すでにかなり高額となることが予想されている賠償金の総額を増やしたくないから、というものだそうだ。もしそうなら許せないが、とにかく放射能濃度が高いところから住民を避難させることは急務ではないか。