浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

誰からコメントをとるか

2019-06-06 06:51:41 | メディア
 記者が何らかの記事を書く時に、「識者」からのコメントをとることが多い。問題は、どういう人からとるかということである。そこに記者の立ち位置や問題意識のありかが如実に反映する。

 『AERA』の記事に、「【全国水道料金ランキング】1カ月2万円超も 家計を直撃する「水格差」の未来」というものがあった。使われている資料は、浜松市のスズキ市政が水道民営化を打ち出した頃にはすでに存在していたものであり、別段新しい資料ではない。この資料でも、浜松市の水道事業の将来はかなり健全であることが記され、私どもも利用させてもらったものだ。ヴァエリアなどの国際水道資本は、そのような健全度が高く金もうけが出来るところに進出してくるのであり、将来的に人口減で経営的に難しいところには進出してくることはないのである。私企業の事業目的は、金もうけであり、とりわけ現代の企業は株主資本主義だから、会社役員はいかに株主への配当を増やすかに全力を尽くさなければならない。

 さてこの記事において、記者は明治大学の田中秀明という学者からコメントをとっている。この田中という人物、官僚出身である。


 官僚が庶民のことを考えて行政をしているのではないことは、今や明白である。彼等はみずからの出世に勤しんでいるのであり、競争に敗れた官僚は中途で退職し、大学の研究職になったり、議員として立候補していることは官僚の生態として周知の事実である。官僚やもと官僚の多くは、退官後もみずからの立脚点を国家におき、そこには大資本の利害を代表するということも含まれている。

 記者が、そういう人物からコメントをとるということは、記者自身の立脚点を示すものとなっている。この記者は、国家的な政策に庶民を導いていこうと考えている御仁かも知れない。

 私たちに批判的精神が必要な所以である。

 
コメント
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