区役所に行く用事があった。おそらく待つ時間が長いだろうと思い書庫に行き、一冊の本をとった。それがこの本。
実は太宰の本は何冊か持っている。しかし、『人間失格』を読みはじめて、これは自分が読むものではないと思い、そのままにした。全集も何冊かあるが、読もうという気もなかった。
しかしこの本は、太宰という人物のエッセンスが簡単に記されていて、太宰を読む気にさせるものであった。井上ひさしによると、漱石と宮沢賢治、そしてこの太宰の三人は、死してもなお現役の作家なのだという。それほどずっと読み継がれているのだ。漱石は全集ももっていて、ときにふと読みたくなるときもある。賢治は、これも文庫版の全集をもっているが、しかし読まない。
井上は、この三人に共通しているのは、「語りものとしてよくできている」作品を書いていることであり、「普通人の日常にあることばを書きことばに、小説言語にできるか、そしてそれができた作品が時代を越えて読み継がれていく」のだという。
こういう指摘を読むと、読まなければならないと思ってしまう。書庫に眠っている太宰の本を読まなければならない。
実は太宰の本は何冊か持っている。しかし、『人間失格』を読みはじめて、これは自分が読むものではないと思い、そのままにした。全集も何冊かあるが、読もうという気もなかった。
しかしこの本は、太宰という人物のエッセンスが簡単に記されていて、太宰を読む気にさせるものであった。井上ひさしによると、漱石と宮沢賢治、そしてこの太宰の三人は、死してもなお現役の作家なのだという。それほどずっと読み継がれているのだ。漱石は全集ももっていて、ときにふと読みたくなるときもある。賢治は、これも文庫版の全集をもっているが、しかし読まない。
井上は、この三人に共通しているのは、「語りものとしてよくできている」作品を書いていることであり、「普通人の日常にあることばを書きことばに、小説言語にできるか、そしてそれができた作品が時代を越えて読み継がれていく」のだという。
こういう指摘を読むと、読まなければならないと思ってしまう。書庫に眠っている太宰の本を読まなければならない。