浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

天皇制

2017-05-22 21:48:54 | その他
 今日の『毎日新聞』は、「退位議論に「ショック」 宮内庁幹部「生き方否定」」という記事を出した。現天皇は、「象徴天皇制」とはどうあるべきかを模索しながら、天皇であり続けた。

 しかし高齢により、たとえば被災地に何度も足を向けることなどができなくなり、「象徴」としてのある意味での職務を完遂できないから、そろそろ退位させて欲しいという、素直な、理解できる要請であった。

 しかし、安倍政権がこの問題を論じる有識者会議には、極右のメンバーを多く任命した。極右のメンバーは、天皇の意思、天皇が模索してきた「象徴」としてのあるべき姿なんかはどうでもよいのである。彼らは、彼らがかくあるべきと考えている天皇制、それは近代日本国家がつくりあげた虚構の天皇制であるが、その近代天皇制の復活を願っているのであって、現憲法に忠実でありたいという現天皇の気持ちは無視されるべきものなのだ。

 彼らは安倍晋三には忖度するのだが、現天皇には忖度しない、かえってみずからの考えを押しつけようとする、天皇に対する敬意なんか微塵ももっていないのである。

 私は、天皇制は将来的には廃止すべき制度であると考えている。また現天皇の行動→、折々のことばには、現憲法の精神を尊重したいという気持ちが感じられ、その意味では好ましい天皇像を描いてきたと思っている。

 極右は、天皇は「祈り」だけしていればよいと言ったようだが、それとて明治の初めに創作された儀式がほとんどである。極右の面々には、ヒューマニズム、歴史の検証などまったく無縁であって、主観的な思いだけで行動しているようだ。その彼らが、安倍とつながって乱暴な議論をし、その議論を権力的に実現しようとしている。

 現天皇の怒りは理解できる。

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