民間企業のノウハウを活用して・・・ということばは、地方自治体がよく使うものだ。今まで「公共」として、自治体が担ってきた業務を民間企業に丸投げするということが、どこの自治体でも行われてきたし、それはさらに拡大している。そうした業務の中で、住民にとって重要なものこそが民間へ丸投げされ、民間企業はそこで低賃金労働力をつかって金もうけにいそしんでいる。
住民にとっての「公共」が、民間企業の金もうけの手段となっているのだ。
民間企業の金もうけの場の拡大を、自治体がつくりだしている。民間企業は、政府・自治体とタイアップして「公共」を蚕食しているという構図である。
しかし民間企業は、東芝や日産、スルガ銀行のように、悪事を平気でやる。ことが大きくなってやっとメディアに報じられる。このような大企業が悪事を働くのだから、中小の企業も同様だと推測するのも間違いではないだろう。企業会計の監査を担当する企業も、顧客であるそうした企業の悪事をみずから暴くことはしない。
かくて不正がまかり通るのだ。
ところで、自治体は産業基盤の造成や、民間企業の経済活動に関わる業務を民間委託することはない。
政府や自治体は、「世界で最も企業が活動し易い国」づくりに邁進しているといってもよい。私たちの納めた税金は、かくて民間企業へと垂れ流されるのだ。
スルガ銀行。会社にばく大な損害を与えてからでないと是正されない。
スルガ銀、創業家向け融資でも元会長ら提訴へ (一部)
スルガ銀行は創業家の影響下にあった関連企業への不適切な融資で損失を招いたとして、創業家の岡野光喜元会長ら旧経営陣を追加で提訴する方針を固めた。旧経営陣は資産などをきちんと把握せず、経営が悪い関連企業に融資を実行。同行は焦げ付きに備えた引当金の計上を迫られた。シェアハウスなどの投資用不動産を巡る提訴に続き、責任を追及する。
具体的な賠償請求額や提訴対象の範囲などは最終調整している。「ファミリー企業」といわれる関連企業への融資残高は2018年3月時点で488億円。創業家に近い経営陣が独断で決めており、対象者は絞られる見通しだ。