関内・太田町2丁目を通る太田町通りは、素敵なお店ばかりが立ち並ぶグルメスポットだと個人的に思っています。7月28日、その中にある「和創作いろは」さんで開催された日本酒の会にお邪魔してきました。
蒸し暑い夏、冷たい日本酒が美味しい季節です。個性豊かな日本酒とのマリアージュを考えた、これまたユニークな創作和食。とても楽しみです。
初めは、涼しげな「夏野菜と雲丹のジュレ」
合わせるのは岩手・川村酒造の、「よえもん 夏ぎんが 純米吟醸 直汲み生原酒」。「直汲み」というのは、搾りたてのお酒をそのまま瓶詰めすることをいい、そのため微発泡感が感じられます。爽やかな中にも良い意味で軽い苦みを感じます。
続いて「鰹と揚茄子の黄身醤油」。さっぱりとした鰹と揚茄子が合わさり、しっかりとした食べ応え。それに鰹にコクのある黄身醤油を合わせるなんて、初めての経験です。尤も、つくねのタレと黄身は一般的にありますから、あり得る組み合わせではあったわけです。それにしても、この相性は良い。
力強いものに力強いものを当てる組み合わせ、福井・三宅彦衛門酒造の「早瀬浦 山廃純米盛夏の搾りたて生原酒」。先ほどの与右衛門は14度でしたが、一気に上がってこちらは18度。因みに、「早瀬浦・極辛純米酒」は、10年前に今はなき「だるま鮨」さんでいただきました。
三品目は「酒盗とブルーチーズの茶わん蒸し」、ブルーチーズがほんのり香り、酒盗の塩味が味わいに厚みを持たせる、酒呑みのための一品と言えます。すでに創作和食の虜。
今度は一転してやわらかで芳醇な、滋賀・松瀬酒造の「松の司 生酛純米酒」。酒盗とブルーチーズのニュアンスが、ふくよかなお酒を伝って口の中に広がっていきます。
そして一転して再びさっぱりと。「サザエともずくの酢の物」、ワカメではなくもずく。合わせるのは「隆(りゅう)純米吟醸生酒」。地元神奈川県足柄・川西屋酒造店のお酒。川西屋酒造店さんの「丹沢山 低アルコール純米生原酒 金魚ラベル」は、以前ご紹介しました(写真が「みむろ杉」と逆になっています、ご容赦ください)。
酢の物の酸味に米の甘みと旨味が感じられるやわらかな日本酒。中盤で少しゆっくりと夏を感じます。
特性海老焼売と島根・旭日酒造の「十旭日(じゅうじあさひ)純米無濾過生原酒 五百万石」。再び力強い辛口のお酒。「十旭日 19BY山田錦火入熟成」は10年前にご紹介しました。瓶の肩に「五百万石七〇」とあるのは、五百万石という酒米で精米歩合70%ということです。島根県は、石見・出雲・隠岐合わせても35万石ぐらいだったでしょうから。
ザ・夏、「鱧とアスパラの天婦羅」。アスパラを鱧で巻いた天婦羅です。これに合わせたのは、「鶴齢 特別純米 爽醇」。ラベルの柄も涼を感じさせる銀色。鶴齢はこのブログで度々取り上げていますし、4年前には醸造元の新潟・青木酒造さんを招いての試飲会にも参加しました。
日本酒、だって夏じゃない-花津月(山下町)
だるま鮨-夏に合う日本酒
夏限定で、「爽醇」の名の通り、酸味が爽やかな夏向けのお酒。アルコール度数も14度で、天然水のようにさらりとしています。
こちらは意外な組み合わせのようにも感じました。「山形豚肩ロースの串焼」。クミンと刻んだ青唐辛子でしょうか?香辛料を効かせたしっかりとした食べ応えの豚串に合わせたのは、富山・王祿酒造の「王祿 出雲麹屋 純米にごり」。しかし、この微発泡した乳酸飲料のようなお酒が、実はがっつり系の串焼きに良く合いました。
締めは「モロコシと釜揚げシラスご飯」。最後のお酒は京都・松本酒造の「澤屋まつもと 純米酒」。こちらも限定ブランドで、爽やかなさっぱりとした辛口のお酒。これも夏らしいお酒でした。
素晴らしい会でしたが、何より創作和食の虜になりました。また近いうちにお邪魔したいと思います。
和創作いろは
神奈川県横浜市中区太田町2-30 田中ビル1階
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます