伊福部昭さん、逝去

「ゴジラ」作曲、東京音大元学長の伊福部昭さん死去 (朝日新聞) - goo ニュース

昨日報道されていた訃報ですが、作曲家の伊福部昭さんがお亡くなりになられたそうです。91歳でした。ご冥福をお祈り致します。

引用したニュース記事にもある通り、伊福部さんは「ゴジラ」を始めとした映画音楽の作曲で特に有名ですが、日本のクラシック音楽に与えた影響も大きく、まさに日本作曲界の重鎮としてご活躍なされた方です。芥川也寸志氏や黛敏郎氏を育てたと聞けば、その存在の大きさが伝わってくるとも思います。

ハッキリとは覚えていないのですが、私も一度だけ、在京オーケストラの公演で伊福部さんの音楽に接したことがあります。情感豊かな旋律美と、まるで大地からマグマが噴き出しているような、ドロドロとうねる力強いリズム感がとても印象的でした。恥ずかしながら、その時演奏された曲のタイトルも失念してしまったのですが、原始日本の土着的な匂いすら漂わせる、あたかも西洋音楽に対抗するかのような独特の個性には、強く驚かされたことを覚えています。

自宅に伊福部さんの曲のCDがなかったので、早速今日タワーレコードにて「伊福部昭 作曲家の個展」(FONTEC)を購入してきました。(タワーレコードの独自企画として、FONTECの日本人作曲家シリーズの名盤が復刻、安価にて提供されています。)井上道義&新日本フィルの演奏で、その名の通り、サントリーホールの「作曲家の個展」(1991年)でのライブ録音です。井上さんらしい機動的で小気味良いリズム感と、美しいカンタービレが磨かれた「タプカーラ」と「日本組曲」。もちろん、新日本フィルの精緻な合奏力も聴き応え十分です。ややおとなしめの録音ではありましたが、伊福部さんの魅力をたっぷり味わえる一枚と言えるでしょう。(日本人作曲家シリーズのCDとして有名な、NAXOS「日本作曲家選輯 伊福部昭」は、試聴の限りではかなり荒っぽい演奏でした。もちろんそれも魅力かと思いますが。)また、芥川也寸志&新交響楽団の「伊福部昭 管弦楽選集」(FONTEC)の演奏も誉れ高いとのことで、そちらも是非聴いてみたいです。

それでは、改めましてご冥福をお祈りしたいと思います。(何か他におすすめのCDがあれば、ご教授していただけると嬉しいです。)
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