都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「豊かな実りを祈る」(博物館に初もうで) 東京国立博物館
東京国立博物館・本館特別1室(台東区上野公園13-9)
「豊かな実りを祈る - 美術のなかの牛とひと - 」(博物館に初もうで・平常展)
1/2-25
早くも正月恒例のイベントとして定着した感があります。少し遅くなりましたが、東博の平常展「初もうで展」へ行ってきました。
以下は印象深かった作品の一覧です。今年の干支は人間の生活と密接な牛だけに、さすがに展示品には事欠かない様子でした。(出品リスト)
「駿牛図巻断簡」(鎌倉時代)
駿牛とは優れた牛を表す言葉だそうです。妙なたとえかもしれませんが、ちょうど競馬の名馬の写真のように、このような評判の牛の姿を飾り立てていたのかもしれません。
渡辺華山「牧牛図」(江戸時代)
可愛らしい目をした牛と、その背中へ楽し気にのる牧童の姿が描かれています。手に飛来して来た雀ももちろん仲間です。
渡辺始興「農夫図屏風」(江戸時代)
秋の農村です。耕作にいそしむ農夫の姿が穏やかなタッチで表されています。遠目からでは牛が見当たりませんが、拡大するとあちこちにいることが分かりました。実りを与えてくれる牛は感謝すべき貴重な労働力です。
森徹山「牛図屏風」(江戸時代)
今回の一推しです。大胆な銀地に二頭の牛が向かい合います。やや変色した銀の力にもよるのか、どこか異様な雰囲気をたたえていました。
俵屋宗達「牛図」(江戸時代)
水墨の名手、宗達の作品です。お馴染みのたらし込みの効果も巧みに、駆ける牛が軽やかに描かれていました。
「小袖 茶綸子地四季耕作模様」(江戸時代)
艶やかな友禅でも違和感がありません。中央には田を耕す牛の姿が描かれています。精緻な絵柄の細部に見入る作品です。
「二匹牛透鐔」(安土桃山~江戸時代)
地味ながらも重文指定を受けた逸品です。家康の次男、結城秀康の刀に付属していました。二頭の牛が何やらアクロバットに回転しています。
ベトナム「五彩水牛文大皿」(16世紀)
キャプションにはキュビズム風とありましたが、私にはどうしてもそう見えません。赤と緑の線描で色鮮やかな牛を象ります。
本展示の前に、東洋館の特集陳列「吉祥 - 歳寒三友」も拝見してきました。そちらも次回以降のエントリでご紹介出来ればと思います。
平常展示「豊かな実りを祈る」は今月25日までの開催です。
「豊かな実りを祈る - 美術のなかの牛とひと - 」(博物館に初もうで・平常展)
1/2-25
早くも正月恒例のイベントとして定着した感があります。少し遅くなりましたが、東博の平常展「初もうで展」へ行ってきました。
以下は印象深かった作品の一覧です。今年の干支は人間の生活と密接な牛だけに、さすがに展示品には事欠かない様子でした。(出品リスト)
「駿牛図巻断簡」(鎌倉時代)
駿牛とは優れた牛を表す言葉だそうです。妙なたとえかもしれませんが、ちょうど競馬の名馬の写真のように、このような評判の牛の姿を飾り立てていたのかもしれません。
渡辺華山「牧牛図」(江戸時代)
可愛らしい目をした牛と、その背中へ楽し気にのる牧童の姿が描かれています。手に飛来して来た雀ももちろん仲間です。
渡辺始興「農夫図屏風」(江戸時代)
秋の農村です。耕作にいそしむ農夫の姿が穏やかなタッチで表されています。遠目からでは牛が見当たりませんが、拡大するとあちこちにいることが分かりました。実りを与えてくれる牛は感謝すべき貴重な労働力です。
森徹山「牛図屏風」(江戸時代)
今回の一推しです。大胆な銀地に二頭の牛が向かい合います。やや変色した銀の力にもよるのか、どこか異様な雰囲気をたたえていました。
俵屋宗達「牛図」(江戸時代)
水墨の名手、宗達の作品です。お馴染みのたらし込みの効果も巧みに、駆ける牛が軽やかに描かれていました。
「小袖 茶綸子地四季耕作模様」(江戸時代)
艶やかな友禅でも違和感がありません。中央には田を耕す牛の姿が描かれています。精緻な絵柄の細部に見入る作品です。
「二匹牛透鐔」(安土桃山~江戸時代)
地味ながらも重文指定を受けた逸品です。家康の次男、結城秀康の刀に付属していました。二頭の牛が何やらアクロバットに回転しています。
ベトナム「五彩水牛文大皿」(16世紀)
キャプションにはキュビズム風とありましたが、私にはどうしてもそう見えません。赤と緑の線描で色鮮やかな牛を象ります。
本展示の前に、東洋館の特集陳列「吉祥 - 歳寒三友」も拝見してきました。そちらも次回以降のエントリでご紹介出来ればと思います。
平常展示「豊かな実りを祈る」は今月25日までの開催です。
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