「日韓若手作家交流展」 クムサンギャラリー東京

クムサンギャラリー東京中央区東日本橋3-5-5 矢部ビル1階)
「日韓若手作家交流展」
1/7-30



同画廊では二回目の企画だそうです。日韓の計四名のアーティストが集います。クムサンギャラリー東京で開催中の「日韓若手作家交流展」へ行ってきました。

出品作家は以下の通りです。80年代生まれの若い世代の作家が目立っていました。

荒木愛
増田智己
Lee So-Yoon
Noh Kyoung-Hee
添野郁



色味にも対照的な日本人作家二名が秀逸です。物質感を損なわず、丹念に顔料を塗り込めて深みのある画肌を引き出していたのは、赤や緑などの鮮やかな色を操って果実を描く荒木愛でした。時に執拗なドットを交えて表面に陰影をもたらす様子は、実りの瑞々しさを素直に感じさせるとともに、それとは対比的な、たとえて言えばリキテンシュタイン絵画を見るかのような抽象性をも醸し出しています。また、煌めく金箔や銀箔の感触はまるで工芸のようです。錯綜する技法が緩やかに混じり合っている点に、大いなる魅力が秘められているのかもしれません。



添野郁の「白昼夢より」(2008)には、一見スタイリッシュな作風とは裏腹の、消えゆく日常の記憶の断片を繋ぎ合わせたような儚さが漂っています。余白というよりも、むしろ像を隠すかの如く瞬いたフラッシュに包まれるのは、人々の行き交う姿やビルなどの街の残像でした。上下に白い部分をとり、中央部にだけ像を浮かび上がらせる様子は、あたかも張り合わせた映像フィルムのようです。未知の作家でしたが、是非とも他の作品も拝見したいところです。



馬喰町のレントゲンからも至近の画廊です。今月末まで開催されています。
コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )