都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「メトロポリタン・オペラ公開ゲネプロ」 東京文化会館
本日より東京公演がスタートしたメトロポリタン・オペラですが、先日参加した記者会見に引き続き、最終リハーサルのゲネプロを見学してきました。
メトロポリタン・オペラ来日記者会見(拙ブログ)
演目は「ルチア」です。会場の東京文化会館では舞台装置も設営され、まさにゲネならではの本公演に近い状態での演奏となりました。また出演者は当然ながら本番のメンバーです。公演日でキャストの異なるエドガルド役は、アレクセイ・ドルゴフがつとめました。
演出はメトならではのオーソドックスなものでしたが、照明を効果的に用いての舞台は、どこか絵画空間的だと言えるかもしれません。特に第二幕、「城の大広間」の場面では、中央にシャンデリアを、また右側の窓から差し込む薄い緑色の明かりを交互に照らして、奥行き感のあるステージをつくりだしていました。
さてゲネプロの内容についてですが、まず音楽面、オーケストラは尻上がりに調子をあげていたのではないでしょうか。第一幕ではやや鳴りが弱く、いささか揃わない部分もありましたが、休憩後は一転、メトならではの軽快なリズムをもった美音をホールをいっぱいに満たしていました。
その立役者はもちろん指揮のノセダです。実は私の中でノセダはコンサート指揮者の印象が強く、聞く前は一体どのように「ルチア」を導くのかに関心がありましたが、まさかこれほど巧みにイタリアのリズムを引き出すとは思いませんでした。
ノセダは1幕と2幕の間の休憩後、舞台をあけず、オケだけに指示を与えて、伴奏部分を何度も入念に練習させていました。結果、それ以降、オケの鳴りが良くなりましたが、たたみかけるような指揮ぶりは、「ルチア」の音楽のもつ劇的な面をうまく引き出していたかもしれません。
キャストで強く感心したのはやはり主役のダムラウです。こうした状況下にも関わらず、出産後、赤ちゃんを連れての来日と聞いて思わず胸が熱くなりましたが、透き通るような美声は健在です。ゲネということでセーブしていた面はあるかもしれませんが、特に狂乱の場におけるピアニッシモの芯の強い歌声には身体が震えました。
オペラのゲネにお邪魔したのは初めてでしたが、全体としてかなり詳細に舞台をチェックするのには驚きました。ほぼ通しということで、結果的に演奏がとまったのは2回ほどでしたが、それでも何度も舞台へ指示が飛び、その都度、細かく合唱団やキャストの立ち位置などが変更が行われていました。
ダムラウの赤ちゃんも席に来ていたとのことで、休憩中、家族と指揮のノセダらが記念撮影したりするシーンなどもありました。とてもアットホームな雰囲気でした。
さてルチアの本公演はいよいよ明日、9日より東京文化会館で始まります。この日のゲネを聞く限りでは、かなり期待出来るのではないでしょうか。ダムラウの真に迫るルチアを楽しめそうです。
KDDI オペラスペシャル「メトロポリタン・オペラ(Met)」2011年6月日本公演
・名古屋公演 愛知県芸術劇場大ホール
「ラ・ボエーム」6/4
「ドン・カルロ」6/5
・東京公演
「ラ・ボエーム」6/8、6/11、6/17、6/19 NHKホール
「ドン・カルロ」6/10、6/15、6/18 NHKホール
「ランメルモールのルチア」6/9、6/12、6/16、6/19 東京文化会館
・MET管弦楽団特別コンサート 6/14 サントリーホール
注)会場内の写真の撮影と掲載については主催者の許可を得ています。
メトロポリタン・オペラ来日記者会見(拙ブログ)
演目は「ルチア」です。会場の東京文化会館では舞台装置も設営され、まさにゲネならではの本公演に近い状態での演奏となりました。また出演者は当然ながら本番のメンバーです。公演日でキャストの異なるエドガルド役は、アレクセイ・ドルゴフがつとめました。
演出はメトならではのオーソドックスなものでしたが、照明を効果的に用いての舞台は、どこか絵画空間的だと言えるかもしれません。特に第二幕、「城の大広間」の場面では、中央にシャンデリアを、また右側の窓から差し込む薄い緑色の明かりを交互に照らして、奥行き感のあるステージをつくりだしていました。
さてゲネプロの内容についてですが、まず音楽面、オーケストラは尻上がりに調子をあげていたのではないでしょうか。第一幕ではやや鳴りが弱く、いささか揃わない部分もありましたが、休憩後は一転、メトならではの軽快なリズムをもった美音をホールをいっぱいに満たしていました。
その立役者はもちろん指揮のノセダです。実は私の中でノセダはコンサート指揮者の印象が強く、聞く前は一体どのように「ルチア」を導くのかに関心がありましたが、まさかこれほど巧みにイタリアのリズムを引き出すとは思いませんでした。
ノセダは1幕と2幕の間の休憩後、舞台をあけず、オケだけに指示を与えて、伴奏部分を何度も入念に練習させていました。結果、それ以降、オケの鳴りが良くなりましたが、たたみかけるような指揮ぶりは、「ルチア」の音楽のもつ劇的な面をうまく引き出していたかもしれません。
キャストで強く感心したのはやはり主役のダムラウです。こうした状況下にも関わらず、出産後、赤ちゃんを連れての来日と聞いて思わず胸が熱くなりましたが、透き通るような美声は健在です。ゲネということでセーブしていた面はあるかもしれませんが、特に狂乱の場におけるピアニッシモの芯の強い歌声には身体が震えました。
オペラのゲネにお邪魔したのは初めてでしたが、全体としてかなり詳細に舞台をチェックするのには驚きました。ほぼ通しということで、結果的に演奏がとまったのは2回ほどでしたが、それでも何度も舞台へ指示が飛び、その都度、細かく合唱団やキャストの立ち位置などが変更が行われていました。
ダムラウの赤ちゃんも席に来ていたとのことで、休憩中、家族と指揮のノセダらが記念撮影したりするシーンなどもありました。とてもアットホームな雰囲気でした。
さてルチアの本公演はいよいよ明日、9日より東京文化会館で始まります。この日のゲネを聞く限りでは、かなり期待出来るのではないでしょうか。ダムラウの真に迫るルチアを楽しめそうです。
KDDI オペラスペシャル「メトロポリタン・オペラ(Met)」2011年6月日本公演
・名古屋公演 愛知県芸術劇場大ホール
「ラ・ボエーム」6/4
「ドン・カルロ」6/5
・東京公演
「ラ・ボエーム」6/8、6/11、6/17、6/19 NHKホール
「ドン・カルロ」6/10、6/15、6/18 NHKホール
「ランメルモールのルチア」6/9、6/12、6/16、6/19 東京文化会館
・MET管弦楽団特別コンサート 6/14 サントリーホール
注)会場内の写真の撮影と掲載については主催者の許可を得ています。
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