都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「3331 千代田芸術祭 スカラシップ受賞者展 VOL.5」 アーツ千代田3331
アーツ千代田3331
「3331 千代田芸術祭 スカラシップ受賞者展 VOL.5」
1/10-1/25

アーツ千代田3331で開催中の「3331 千代田芸術祭 スカラシップ受賞者展 VOL.5」を見て来ました。
昨年夏、アーツ千代田にて開催された「千代田芸術祭2014」。300組ものアーティストが参加した、いわゆるアンデパンダン方式での展覧会でした。
その際の入選者をピックアップしたのが今回の「スカラシップ展」です。出展は16組のアーティスト。ジャンルも絵画や立体、インスタレーションほか、映像などと多岐に渡ります。
会場内の撮影が出来ました。

いぬいかずと
まずはいぬいかずと(福住廉賞)、独学で絵を学んでいる画家です。出品はドローイング。家々が上下に交錯しては連なる街の風景や、レモンの実る様子、またはタマネギなどの野菜が表されています。ラフな筆致です。カラーボールペンやクレヨンなどを使って描いています。

いぬいかずと
魅惑的なのが色彩です。どこか瑞々しくまた心地良い。色の使い方にもバリエーションがありました。

椋本真理子「Pond of park」 2014年
彫刻で風景のランドスケープを描きます。椋本真理子(中村政人賞)です。モチーフや山やプールに花壇といった身の回りの風景、それをポップな立体で表しています。手前は池でしょうか。波打つ水面は抜けるように青い。かなり大きい。幅1メートル超はあるでしょうか。素材はFRPだそうです。思わず触りたくなってしまいます。

久野彩子「○」 2014年
驚くほどに緻密でした。オーディエンス賞に選ばれたのは上野彩子です。上の写真作品も平面ではありません。紛れもなく立体、金属の彫刻です。細かなパーツを組み合わせては都市空間的なイメージを作り上げています。上下左右へ増殖するように連なるパーツ。一片は僅か数ミリほどに過ぎません。その繊細なテクスチャに思わず息をのんでしまいました。

小笠原圭吾
会場を超えたコミュニケーションを志向しているのが小笠原圭吾(藤原えりみ賞)です。人々を介するのはリンゴ。ご覧のように床一面にリンゴが転がっていますが、実はこの素材は陶、いずれも焼き物でした。

小笠原圭吾「ドットの貯金箱」 2014年
手にとることも出来ましたが、大きさと言い形といい、そして重さまでが、実物とほぼ同じように作られています。
そして作家はリンゴを世界各地へ広めようとしています。その名は「pop dot project」。リンゴをワークショップなどで配っては、持ち帰った観客が様々な場所で撮影し、改めて作家にフィードバックするプロジェクトを進めています。またリンゴをドットの柄に見立ています。ゆえに「ドットプロジェクト」という名がついているわけです。(ちなみに3331の建物全体にドットの展開もあります。)

薄羽涼彌「How to wear sound」 2013年
映像の二点、ともに優秀賞を受賞した薄羽涼彌と冠木佐和子も面白いのではないでしょうか。

冠木佐和子
思わずにやりとさせられるのは薄羽の作品です。非常にシンプルな映像ですが、繰り返されるアクションからは、何か知的なコントを見ているような印象さえあります。そして冠木はアニメーションです。性的なモチーフからシュールな展開が広がっていて興味深い。映像自体のテンポも良く、動きも自在です。飽きさせません。

増田ぴろよ(辛酸なめこ賞)
「千代田芸術祭」がはじまったのは2010年のことです。実のところ私も昨年夏の展示を見ました。原則、一人一点の出展ながらも作家が多く、ゆえに作品は多数。どこかカオスな印象は否めません。アンデパンダン特有の熱気は感じられましたが、個々の作家や作品までに強い関心を持つことが出来なかったのも事実でした。

大津芳美(鈴木一成賞)
その点、スカラシップ展では作家数も少なく、展覧会としてもまとまりがあります。もちろん入選が全てとは思いませんが、さすがに一定の審査を踏まえた上での展示です。見応えのある作品も少なくありません。
昨夏の展示とは一味も二味も違った「千代田芸術祭 スカラシップ受賞者展」、思いの外に楽しめました。

入場は無料です。1月25日まで開催されています。
「3331 千代田芸術祭 スカラシップ受賞者展 VOL.5」 アーツ千代田3331(@3331ArtsChiyoda) メインギャラリー
会期:1月10日(土)~1月25日(日)
休館:火曜日
時間:12:00~19:00 入場は閉場の30分前まで。
料金:無料
場所:千代田区外神田6-11-14 アーツ千代田3331 1階
交通:東京メトロ銀座線末広町駅4番出口より徒歩1分、東京メトロ千代田線湯島駅6番出口より徒歩3分、都営大江戸線上野御徒町駅A1番出口より徒歩6分、JR御徒町駅南口より徒歩7分。
「3331 千代田芸術祭 スカラシップ受賞者展 VOL.5」
1/10-1/25

アーツ千代田3331で開催中の「3331 千代田芸術祭 スカラシップ受賞者展 VOL.5」を見て来ました。
昨年夏、アーツ千代田にて開催された「千代田芸術祭2014」。300組ものアーティストが参加した、いわゆるアンデパンダン方式での展覧会でした。
その際の入選者をピックアップしたのが今回の「スカラシップ展」です。出展は16組のアーティスト。ジャンルも絵画や立体、インスタレーションほか、映像などと多岐に渡ります。
会場内の撮影が出来ました。

いぬいかずと
まずはいぬいかずと(福住廉賞)、独学で絵を学んでいる画家です。出品はドローイング。家々が上下に交錯しては連なる街の風景や、レモンの実る様子、またはタマネギなどの野菜が表されています。ラフな筆致です。カラーボールペンやクレヨンなどを使って描いています。

いぬいかずと
魅惑的なのが色彩です。どこか瑞々しくまた心地良い。色の使い方にもバリエーションがありました。

椋本真理子「Pond of park」 2014年
彫刻で風景のランドスケープを描きます。椋本真理子(中村政人賞)です。モチーフや山やプールに花壇といった身の回りの風景、それをポップな立体で表しています。手前は池でしょうか。波打つ水面は抜けるように青い。かなり大きい。幅1メートル超はあるでしょうか。素材はFRPだそうです。思わず触りたくなってしまいます。

久野彩子「○」 2014年
驚くほどに緻密でした。オーディエンス賞に選ばれたのは上野彩子です。上の写真作品も平面ではありません。紛れもなく立体、金属の彫刻です。細かなパーツを組み合わせては都市空間的なイメージを作り上げています。上下左右へ増殖するように連なるパーツ。一片は僅か数ミリほどに過ぎません。その繊細なテクスチャに思わず息をのんでしまいました。

小笠原圭吾
会場を超えたコミュニケーションを志向しているのが小笠原圭吾(藤原えりみ賞)です。人々を介するのはリンゴ。ご覧のように床一面にリンゴが転がっていますが、実はこの素材は陶、いずれも焼き物でした。

小笠原圭吾「ドットの貯金箱」 2014年
手にとることも出来ましたが、大きさと言い形といい、そして重さまでが、実物とほぼ同じように作られています。
そして作家はリンゴを世界各地へ広めようとしています。その名は「pop dot project」。リンゴをワークショップなどで配っては、持ち帰った観客が様々な場所で撮影し、改めて作家にフィードバックするプロジェクトを進めています。またリンゴをドットの柄に見立ています。ゆえに「ドットプロジェクト」という名がついているわけです。(ちなみに3331の建物全体にドットの展開もあります。)

薄羽涼彌「How to wear sound」 2013年
映像の二点、ともに優秀賞を受賞した薄羽涼彌と冠木佐和子も面白いのではないでしょうか。

冠木佐和子
思わずにやりとさせられるのは薄羽の作品です。非常にシンプルな映像ですが、繰り返されるアクションからは、何か知的なコントを見ているような印象さえあります。そして冠木はアニメーションです。性的なモチーフからシュールな展開が広がっていて興味深い。映像自体のテンポも良く、動きも自在です。飽きさせません。

増田ぴろよ(辛酸なめこ賞)
「千代田芸術祭」がはじまったのは2010年のことです。実のところ私も昨年夏の展示を見ました。原則、一人一点の出展ながらも作家が多く、ゆえに作品は多数。どこかカオスな印象は否めません。アンデパンダン特有の熱気は感じられましたが、個々の作家や作品までに強い関心を持つことが出来なかったのも事実でした。

大津芳美(鈴木一成賞)
その点、スカラシップ展では作家数も少なく、展覧会としてもまとまりがあります。もちろん入選が全てとは思いませんが、さすがに一定の審査を踏まえた上での展示です。見応えのある作品も少なくありません。
昨夏の展示とは一味も二味も違った「千代田芸術祭 スカラシップ受賞者展」、思いの外に楽しめました。

入場は無料です。1月25日まで開催されています。
「3331 千代田芸術祭 スカラシップ受賞者展 VOL.5」 アーツ千代田3331(@3331ArtsChiyoda) メインギャラリー
会期:1月10日(土)~1月25日(日)
休館:火曜日
時間:12:00~19:00 入場は閉場の30分前まで。
料金:無料
場所:千代田区外神田6-11-14 アーツ千代田3331 1階
交通:東京メトロ銀座線末広町駅4番出口より徒歩1分、東京メトロ千代田線湯島駅6番出口より徒歩3分、都営大江戸線上野御徒町駅A1番出口より徒歩6分、JR御徒町駅南口より徒歩7分。
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