「マカオのアズレージョ ポルトガル生まれのタイルと石畳展」 LIXILギャラリー

LIXILギャラリー
「マカオのアズレージョ ポルトガル生まれのタイルと石畳展」 
2015/11/26~2016/2/20



LIXILギャラリーで開催中の「マカオのアズレージョ ポルトガル生まれのタイルと石畳展」を見てきました。

カジノや世界遺産でも知られる中国のマカオ。かつてポルトガルの植民地だったことから、同国由来のタイルや石畳が多く残されているそうです。



その名こそがアズレージョ。ポルトガルで16世紀頃に作られた装飾タイルです。例えば上の写真は民政総署。現地政府の役所です。2002年の設立ですが、16世紀の建物をリノベーションして使っています。

アズレージョの起源はイスラムで発達したタイルです。11世紀初頭にはスペイン南部で生産が始まり、ポルトガルへは15世紀頃に伝来。後にイタリアへも輸出されます。語源は「青」を意味しますが、多彩色であることも特徴の一つです。



タイルの絵柄は幾何学模様であったり、また緻密な図案であったりと多様です。ポルトガルでは黄、緑、茶色を使用したアズレージョが好まれますが、マカオでは青色が中心。これは中国人の好みに由来しているそうです。



複数枚のタイルを組み合わせて一枚の絵を描くこともあります。祈念孫中山市政公園の塀のパネルはどうでしょうか。全部で16枚。発展しては変貌し続けるマカオの風景が表されています。それにしても大きい。上の写真では分かりにくいかもしれませんが、人の高さの数倍はあります。6~7メートルほどかもしれません。

この塀のパネルはポルトガルで焼かれたものです。タイルは何も全てが古いわけではありません。現地政府がポルトガル文化の象徴として重視視していることから、これからも新たなアズレージョが増えていくとも言われています。



アズレージョと並んで紹介されているのが「カルサーダス」。同じくポルトガル由来の石畳です。19世紀にリスボンで作られました。原料は石灰石です。細かに砕いては道路や広場へはめ込み、動物や文字、それに抽象的な模様などを表現しています。



マカオでも市中心部のセナド広場やカテドラル広場に敷かれています。一片はおおよそ5センチ。歩道用です。一回り大きい10センチほどの粗い石は車道に使います。俯瞰して見ると様々な色に形が浮かび上がってきます。



会場内にはパネルが多数。現地の様子が良く伝わる展示ですが、思いの外にタイルの実物がありませんでした。そこは写真で想像力を働かせるほかなさそうです。

2月20日まで開催されています。

「マカオのアズレージョ ポルトガル生まれのタイルと石畳展」 LIXILギャラリー
会期:2015年11月26日(木)~2016年2月20日(土)
休廊:水曜日。
時間:10:00~18:00
料金:無料
住所:中央区京橋3-6-18 LIXIL:GINZA2階
交通:東京メトロ銀座線京橋駅より徒歩1分、東京メトロ有楽町線銀座一丁目駅7番出口より徒歩3分、都営浅草線宝町駅より徒歩3分、JR線有楽町駅より徒歩7分
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