中国半官半民の石油会社CNOOCは米国Unocal買収を断念した。予想外の米議会の反発に驚き手をこまねいた印象である。確かに実質政府の支援を受けた会社の買収がフェアといえるのか、安全保障上センシティブな石油会社を非民主主義国家の会社が買収することに問題ないかという問いかけは正論である。しかし、米国は政治的に利用しても良いから最終的に承認すべきであったと今も信じる。
中国は経済成長を続ける為エネルギーがどうしても必要なのであり、今後もエネルギー源の確保に精力的に努めるであろう。当然行き先は世界から爪弾きされている化石燃料を持つ独裁国家となろう。又、近隣諸国との国境付近の資源獲得摩擦の激化が予想される。更に、中国はグローバル経済にしっかり組み込まれ、日欧米も益を受けているという認識も必要である。勿論、実利だけで語るわけには行かないが、Unocal買収がそれ程世界のバランスを崩すとは思えない。
しかし、CNOOCのアプローチも拙劣であった(日本経済新聞)。買収先のUnocalに議会対策を求め反発を受けたのが直接の原因だったという。中国政府の裁量で思うままに運営してきたCNOOCにとって、グローバル・エコノミーの共通ルールの下でビジネスを進めていく知識に欠け準備が出来てなかったと見られている。既に買収した海外企業も苦戦している。トムソンのテレビ部門を買収したTCLも未だ赤字から浮上できていない。
今回ブッシュ大統領が最終判断しなければならない事態を避けられた(先延ばししたかったといわれている)が、第2ラウンドは必ず来る。時間の問題である。その時は今回の教訓を得てもっと理論武装し反対できない提案をしてくるはずである。買収の対象によっては単純な経済行為とはみなされないことは理解された。これは決して悪い話ではない。CNOOCは手順前後したが初めからビジネス慣行を軽視しようと思ったわけではない。次にどのような形でアプローチするか注目したい。■
中国は経済成長を続ける為エネルギーがどうしても必要なのであり、今後もエネルギー源の確保に精力的に努めるであろう。当然行き先は世界から爪弾きされている化石燃料を持つ独裁国家となろう。又、近隣諸国との国境付近の資源獲得摩擦の激化が予想される。更に、中国はグローバル経済にしっかり組み込まれ、日欧米も益を受けているという認識も必要である。勿論、実利だけで語るわけには行かないが、Unocal買収がそれ程世界のバランスを崩すとは思えない。
しかし、CNOOCのアプローチも拙劣であった(日本経済新聞)。買収先のUnocalに議会対策を求め反発を受けたのが直接の原因だったという。中国政府の裁量で思うままに運営してきたCNOOCにとって、グローバル・エコノミーの共通ルールの下でビジネスを進めていく知識に欠け準備が出来てなかったと見られている。既に買収した海外企業も苦戦している。トムソンのテレビ部門を買収したTCLも未だ赤字から浮上できていない。
今回ブッシュ大統領が最終判断しなければならない事態を避けられた(先延ばししたかったといわれている)が、第2ラウンドは必ず来る。時間の問題である。その時は今回の教訓を得てもっと理論武装し反対できない提案をしてくるはずである。買収の対象によっては単純な経済行為とはみなされないことは理解された。これは決して悪い話ではない。CNOOCは手順前後したが初めからビジネス慣行を軽視しようと思ったわけではない。次にどのような形でアプローチするか注目したい。■