かぶれの世界(新)

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ミズ祭り

2005-08-09 15:19:03 | 日記・エッセイ・コラム
「ミズ祭り」に行って来いと母に言われ日曜日の朝近所のお寺にお供えとお包みを持って行った。どういう趣旨か全く分からなかったが、毎年お盆の前に檀家がお寺に集まって行われる行事のようである。定刻の10分前に着いた時はもう檀家の人で一杯だった。早速お包みを昨年亡くなられた方(新亡者と呼ぶらしい)の位牌が置かれた台にお包みを供え、お供えを先祖の位牌の前に置き、その後ぶち抜きの広間に場所を見つけて座った。

本堂から木魚やジャーンジャーンという銅鑼の音が聞こえてきた。昨年亡くなられた方の家族のもとでお経が上げられているとのこと。30分ばかり胡坐をかいて待った、広間には60人余りの人がいて扇風機が回っているもののひどく暑い。その間に隣に座ったお年寄りにいろいろ教えて頂いた。ミズ祭りとはお腹にいてまだ生まれる前になくなった子を「水子」といい、その供養をすることを言うらしい。今ではこの1年間に亡くなった方を供養する施餓鬼法要(これをミズ祭りと総称しているようだ)を行い、その後檀家総会をするのが年中行事となっている。

本堂のお経が終わると住職の和尚と近在のお坊さん3人と家族の方がわれわれと対面の位牌台に向かって座り、再度10分余りお経をあげた。その後檀家総代と家族が焼香し終わると、お寺の中の廊下の両側に全ての檀家の位牌の置かれている棚と本堂を一巡りして広場に戻ると11時を過ぎていた。その後お坊さんは退席され檀家全員で金と太鼓をバックに念仏をあげた。“ハーナンマイダー、ポーポポポイ”とか言う判じ物のような念仏を観音宮など六宮、お寺の先祖、XX組、五人衆、亡くなった方一人一人、檀家のご先祖、万霊の順に繰り返していった。後から住職に念仏の意味を聞くと、彼も念仏のことは分からないという。多分インドの言葉だと思う。亡くなった方の名簿から平均年齢を計算すると女性81歳、男性77歳と全国平均と同じ傾向が出ていた。檀家の65歳以上の年齢構成は多分30%を超えているのではないかと思う。田舎ではとっくに高齢化社会に入っている。

その後和尚の説教が10分程度あり、檀家総会が30分弱あった。行事の紹介、決算・予算報告が型どおりあった後、総代が出てきて屋根が傷んでいるので修理したいが1000万円以上かかるので相談したいといって事情を説明した。小さいお寺なので1000万といってもなかなか大変である。檀家の貯えは前年度の浄化槽の工事で400万しか残ってないらしい。取りあえず部分的に主家の屋根だけ先に修理し後は調査しようということになったが、早くやらないと痛みがひどくなりもっと費用がかかることになる。しかし誰も金を出すとは言い出せない。多分もっとひどくなるのが明らかになるまで決まらないだろう。

そのあと昼食になったが7割くらいの人は折箱を持ってそそくさと帰っていった。折箱の中はご飯、ソーメン、油揚げ、ジャガイモやカボチャなどの煮つけ、キュウリの酢漬けなどで流石に肉や魚は入っておらず味は薄い。その代わりに地酒の1升ビンが何本もあった。近所のおじさんと付き合って飲み、昔話や男性バージョンのゴシップでいるうちにどんどんお酒がなくなっていった。私がおじさんというと70から80歳代であり、当然結婚式の後置屋に行ったとか言う武勇談になる。母によるとKさんは80を過ぎたけど依然酒豪らしい。最後の数人になるまで飲んだ。お陰でその日は家に戻って引っくり返って寝るだけ、昨日は二日酔いで目を擦りながら衆院解散のニュースを終日見て終わってしまった。これがまさに田舎暮らしの醍醐味かも。■


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