総選挙が公示されメディアは他党が女性候補を減らす中、自民党の女性候補が急増したことを報じている。それでも全体に占める女性の割合は13%、自民党は倍増させても7.5%に留まっている。世界標準と比べるとまだまだ少ない。自民党が郵政民営化反対派の選挙区に女性候補を次々と立てた時、マスコミは「九の一」とか「刺客」とか半ば面白おかしく報じ、「総論として悪くはないが刺客として女性を利用するのはいかがと思う」と反応する女性の選挙民や一部政治家のインタビューを流していた。日本のメディアはどうしてこう浅薄で表面的な見方しか出来ないのだろうか。私はこれに対して女性から強い反発が起こると予想したのだが外れた。
日本は政界だけでなく全ての分野で女性の進出が最も遅れた国である。日本の会社は80年代末頃から女性総合職を大量に採用し始め、私も高い潜在力を持った若い女性がいることを実感した。しかし、結婚し子供が出来育てる過程で多くの女性社員は力尽きるか自ら選ぶかして退職し、バブルが弾け構造改革が進む2000年頃までには殆どの女性は会社を辞めていった。残った女性の殆どは仕事は出来るが独身で「負け犬」と揶揄される存在となった。「キャリアをとるか主婦になるか」の選択を強いる職場環境であった為である。経験では韓国を除く出張した欧米やアジアのどの国でも多くの女性管理職が活躍していた。キャリアを目指す多くの女性は外資に転職して行った。
こういう状況下で突然、郵政民営化を巡って自民党は反対派候補の選挙区に著名な女性候補を立てる戦略とった為、女性が新顔ながら政権政党の公認を得て選挙に出馬でき国政に参画できるチャンスを得たのである。従来男性候補でも自民党の公認を得て、多額の資金援助と地域の強力な集票マシーンの支援を得るのは大変なことであった。最初は歯を食いしばって無所属で頑張り、運よく当選すると次回から自民党公認になるのが一般的であった。
理由如何にかかわらずこれは女性にとってまたとない千載一遇の機会なのである。彼女等の道は少なくとも比例区での当選は約束されている。その後どうなるか保証はないが、少なくとも今まで政界以外では実績を上げ成功してきた限られた人達であり、高い潜在力を持っていることは間違いない。しかし、女性の力を生かす度量が今政治の世界にあるかどうかは疑わしく、過半数を取るための役割で終る可能性も多いにある。
自らの実力に誇りを持つ女性にとって女性を武器にするのは不本意かも知れないが、男性中心の政界は筋金入りでそう甘くは無い。自民党有力者が女性の役割について何を言ったか酷い例がいくらでもある。その時女性の高い支持が強い助けになるはずである。その視点から当初のマスコミの報道姿勢に対し強く異議を申し立てる女性が見当たらなかったのは、当選後の女性議員の行く末を暗示する悪い予感のようなものを感じる。今回は色々な視点で実に興味深い選挙である。■
日本は政界だけでなく全ての分野で女性の進出が最も遅れた国である。日本の会社は80年代末頃から女性総合職を大量に採用し始め、私も高い潜在力を持った若い女性がいることを実感した。しかし、結婚し子供が出来育てる過程で多くの女性社員は力尽きるか自ら選ぶかして退職し、バブルが弾け構造改革が進む2000年頃までには殆どの女性は会社を辞めていった。残った女性の殆どは仕事は出来るが独身で「負け犬」と揶揄される存在となった。「キャリアをとるか主婦になるか」の選択を強いる職場環境であった為である。経験では韓国を除く出張した欧米やアジアのどの国でも多くの女性管理職が活躍していた。キャリアを目指す多くの女性は外資に転職して行った。
こういう状況下で突然、郵政民営化を巡って自民党は反対派候補の選挙区に著名な女性候補を立てる戦略とった為、女性が新顔ながら政権政党の公認を得て選挙に出馬でき国政に参画できるチャンスを得たのである。従来男性候補でも自民党の公認を得て、多額の資金援助と地域の強力な集票マシーンの支援を得るのは大変なことであった。最初は歯を食いしばって無所属で頑張り、運よく当選すると次回から自民党公認になるのが一般的であった。
理由如何にかかわらずこれは女性にとってまたとない千載一遇の機会なのである。彼女等の道は少なくとも比例区での当選は約束されている。その後どうなるか保証はないが、少なくとも今まで政界以外では実績を上げ成功してきた限られた人達であり、高い潜在力を持っていることは間違いない。しかし、女性の力を生かす度量が今政治の世界にあるかどうかは疑わしく、過半数を取るための役割で終る可能性も多いにある。
自らの実力に誇りを持つ女性にとって女性を武器にするのは不本意かも知れないが、男性中心の政界は筋金入りでそう甘くは無い。自民党有力者が女性の役割について何を言ったか酷い例がいくらでもある。その時女性の高い支持が強い助けになるはずである。その視点から当初のマスコミの報道姿勢に対し強く異議を申し立てる女性が見当たらなかったのは、当選後の女性議員の行く末を暗示する悪い予感のようなものを感じる。今回は色々な視点で実に興味深い選挙である。■