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長短金利差「桶屋理論」

2005-08-08 22:38:49 | 社会・経済
今まで何度か米国のFF金利が引き上げられても長期金利が変化しない現象をどう見るか報告してきたが、最近それは「世界の老齢化が進んだため」というまるで「風が吹けば桶屋が儲かる」という説(堀古英司氏)を紹介したい。

グリーンスパン議長は2月の議会証言で先行き景気に対して悲観的な見方があること、世界的な余剰資金が米国の債券市場に向かっている事等をその原因として推測しているが、本音で「謎」であると言った。その後米国経済は好調に推移、FF金利は更に上昇したが長期金利は変わらずこの推測は外れていたようである。

双子の赤字だろうと何だろうとグローバルマネーが米国に向かい国債をバンバン買っているため市場原理で長期金利が下がっているのは事実である。ここからは「桶屋理論」である。何故グローバルマネーが増えているのかというと、世界的に高齢化が進み貯蓄率が高まりそれがグローバルマネーになっているというのである。従来は日中やアジア諸国が為替レート維持の為貿易黒字を使って国債を買っているという説明が有力であった。

私は具体的な情報を持っていないが、氏によれば世界的な高齢化進行に伴う貯蓄率上昇が一つの大きな要因となっている。理論的には世界的に高齢化が進むとリスク許容度が下がり、自ずから債券に対する需要は増加する。個人がそのような行動をとらなくても、例えば年金運用者など機関投資家は高齢化に伴ってポートフォリオに占める長期債券の比率を高めざるを得なくなる。高齢化の流れというのは不可逆的なものなので、これは短期的な傾向(リスク)ではなく、今後半永久的に続く傾向なのである。これもどこの金融機関の個人投資ガイドを見ても確かである。

しかし、今まで日中やアジア諸国の巨額な貿易黒字、オイルマネーの還流のデータはあっても、機関投資家がどれだけグローバルマネーを集めて国債買いをしているか私は具体的なデータを見たことはない。仮に郵政民営化が断行されれば中高年が圧倒的に多い郵貯の一部はより良い投資効率を求めるポートフォリオ戦略としてグローバルマネーになることは間違いない。選挙の結果どうなるか分からず、今のところは「桶屋理論」としておこう。■


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